矢田わか子の発言 (本会議)

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○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 会派を代表し、デジタル改革関連法案について質問をいたします。
 まず、幾ら法案相互の関連性があるとはいえ、五つの法案、関連する六十三本もの法律改正を伴う法案を一つに束ね、一括審議するやり方では、慎重かつ十分な審議が保証されず、このような国会運営に大いに問題があることを冒頭に指摘いたします。
 さて、デジタル社会の実現は、経済産業の発展とともに、市民の行政アクセスの利便性を向上させ、様々な社会的課題の解決を可能とするものです。
 しかし、残念ながら、我が国のデジタル化は、欧米の先進国や隣国の韓国、台湾からも大きく後れを取っており、特に、今回のコロナ禍で行政のデジタル化の遅れによる問題が浮き彫りになりました。今こそあらゆる分野にデジタル活動を推進し、行政の効率化と経済活動や生活上の利便性を高めていく必要があります。
 一方、経済社会におけるデジタル化や電子政府の構築においては、膨大な個人情報が蓄積され、システムの不具合や意図的な情報流出などにより、人権侵害や不正行為が起こるリスクも高まっています。個人情報取得ルールやデータ利活用ルールの整備、あるいは社会全体でセキュリティー強化など、徹底した対応も必要です。
 これらの視点から、以下、十項目について質問いたします。
 まず一つ目に、新型コロナ対策関連の問題について伺います。
 今般、コロナ感染対策の中で、日本の行政におけるデジタル化の遅れが深刻であること、露呈されました。特に、マイナンバーカードの普及の低迷と、行政サービス向上につながるシステムの構築が進んでいないことから、オンラインによる給付金申請手続にさえも不具合が生じました。
 また、感染者等情報把握・管理支援システム、HER―SYSも、自治体の個人情報保護規定により参加が遅れた自治体があったり、また、COCOAもいまだ有効に機能していないなど、コロナ対策だけでも多くの課題が残っています。
 感染拡大が収まらない中、国民の命と生活を守るために、デジタル技術の導入拡大とシステムの信頼性、どのように高めていかれるのか、総理の御見解をお願いします。
 二つ目に、デジタルデバイドの対応についてです。
 デジタル化社会は、全ての人がその恩恵を享受できるものでなければなりません。例えば、新しい技術や操作に不慣れな高齢者や障害者などへの配慮、あるいはコロナ禍でリモート学習から取り残される児童への支援なども取り組んでいく必要があります。
 幅広い世代の方のニーズに合わせた最適化、一人一人、誰一人取り残さないという、デジタルデバイドを解消する対策について総理の御所見を伺います。
 三つ目に、デジタル庁設置と中央省庁の業務改善についてです。
 行政のデジタル化は、中央官庁間における情報の共有化とシステムの共通化によるコスト削減という目的のみならず、業務改善が行われ、公務員の皆さんの働き方改革に資するものでなければなりません。
 中央省庁では、昨年末からの調査で、過労死ラインである月平均八十時間を超える超過勤務をした職員が何と六千七百人を超え、百時間超えも三千人近くいます。残業手当不払事例も多々あり、多くの若手公務員が退職の道を選択する実情の中、デジタル化における働き方改革は必須であります。
 この課題について、デジタル庁、どのように主導されていくのか、平井大臣、御見解をお願いします。
 四つ目、地方自治体のデジタル化とクラウド活用についてです。
 行政のデジタル化では、中央と地方が連携した電子政府の構築が大きな目標です。全国的な標準化が費用対効果の面で妥当性があるのか、また住民サービスの向上に大きな効果をもたらすのか、詳細な検討が必要です。
 地方公共団体では、国が基本方針を策定しても、団体ごとに個別解釈とカスタマイズが発生し、システムの不統一性が継承される可能性があります。地方自治体の独自性を尊重しつつも、国全体の共通仕様に落とし込むところまで国として細かく指導されるのか、平井大臣、今後の方針を伺います。
 あわせて、クラウド活用は、コスト面や標準化の推進で大きなメリットがある一方、リスク管理上、他国のクラウド活用で本当にいいのか、また、通信障害などが起こると全国一斉でシステムダウンすることとなり、システムの安定性や安全性の確保をどのように考えておられるのか、平井大臣、お伺いします。
 五つ目には、個人情報保護法との関係、センシティブ情報の扱いです。
 個人情報保護法の改正をめぐって、衆議院の審議では、個人情報保護政策を後退させ監視社会がつくられるとする意見と、保護水準がより上がるという二つの意見が出ています。
 特に、思想信条、病歴、犯罪歴などのセンシティブ情報については、収集禁止など厳しい規定を設けている地方公共団体がある中で、今回の改正における問題点、指摘されていますが、総理の見解を求めます。
 六つ目に、マイナンバーカードの普及、活用についてですが、カードの普及率いまだ二八%、低い要因は、発行手続の面倒さとカード所有の必要性が感じられないというものです。
 カード使用による行政サービスの利便性向上はもとより、民間企業の様々なサービスの取り込みを推進するとともに、運転免許証や健康保険証など公的証明とマイナンバーカードの一元化、より推進することが必要です。さらに、スマートフォンと連動した各種手続や、将来的な電子投票への活用も推進すべきであると考えますが、今後の対応について平井大臣の御見解を伺います。
 七つ目に、マイナンバーの預貯金口座の登録に関して伺います。
 災害時や今回のコロナ感染拡大など、緊急時において給付金を迅速に支給できる、いわゆる命の口座を設定することは重要であると考えます。
 今回、貯金通帳を失った場合などの対応も含め、預貯金口座とマイナンバーを国に登録する法案が提出されていますが、あわせて、金融機関全ての口座にマイナンバーを付与、付番することを義務付けるべきと考えています。
 これは、社会保障制度を運営していく上で、負担と給付の公正性を確保するために必要な措置であり、特に我が国においては、個人や世帯に対する様々な給付金、支援制度においてその多くに所得制限が課せられており、所得と資産の的確な把握が今こそ不可欠です。格差が拡大する社会の中でマイナンバーを活用することが重要と考えます。総理の御見解をお願いします。
 次に、システムエンジニア、いわゆるSEの業務負荷の軽減について質問します。
 先日、厚生労働省のシステム開発を担っていた若いSE労働者が過労死の労災認定を受けました。
 国は、地方自治体に対し、住民基本台帳、国民健康保険、国民年金など十七の業務において、二〇二三年度から二五年度の間で、ガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへ切り替えることを指示しています。しかし、この移行作業が短期間に集中することでSEが高負荷労働を強いられ、結果として品質の低下や計画未達を招くことが懸念されます。これを避けるために計画的な推進が必要です。
 SEの世界では、過度な業務による疾患、休職、退職が続いており、社会全体でSEの業務改善について配慮していく必要があると考えます。平井大臣の御見解をお願いします。
 続いて、政府のIT調達の在り方について伺います。
 これまで、政府のシステム構築においては、コンサルタント会社が作成した仕様が曖昧であったり不正確であったことにより、請け負った事業者が技術的な困難に直面したり、幾度もの仕様変更で費用の予算を超過することなどの問題が生じているケース、多々報告されています。かかる問題は、デジタル庁が主導するシステム調達の一元化や標準化によりある程度は改善されるものと期待しますが、今後の的確な調達の在り方について、平井大臣の見解を伺います。
 最後に、IT人材の育成と魅力あるIT産業の実現について伺います。
 デジタルトランスフォーメーション、DXの成否は各企業のIT人材が鍵を握ると言われていますが、我が国では、IT人材がIT企業に偏在しており、このことが一般企業でDXが進まない一因とされています。DXを担えるIT人材の育成、国としても積極的に推進していただきたいと考えます。
 特に、IT産業では、請負的なシステムインテグレーションビジネスが主流で、レガシーシステムの保守業務が多く、魅力、やりがいを感じられない業務になっていることが指摘されています。
 処遇改善につながる資格制度などを新設し、専門性のある事業領域を設定するなど、IT業務の価値とIT産業の魅力を高める取組が必要であると考えますが、梶山大臣の御見解を伺います。
 政府への信頼なくして真のデジタル社会の実現はありません。このことを再度改めて指摘し、私の代表質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X01520210414_023

発言者: 矢田わか子

speaker_id: 21767

日付: 2021-04-14

院: 参議院

会議名: 本会議