田村まみの発言 (本会議)
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○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
会派を代表して、ただいま議題となりました良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案に対する質疑を行います。
新型コロナウイルス感染拡大の中、国民はコロナ患者を診療する医療従事者を想像し、感謝を伝えるという行為が広がりました。
一方で、現在も感染者数が増え続け、医療提供体制の逼迫という事態が続いています。地域医療構想の名の下、切れ目のない医療提供体制の構築を目指してきたにもかかわらずです。入院医療については、新型コロナウイルス感染症の重症者を受け入れる病院から、状態が落ち着いた患者を転院させられない、役割分担、連携が機能せず、新型コロナウイルス感染患者とそれ以外の救急患者の受入れの役割分担がうまくいかなかったことで、病床の逼迫や救急搬送の遅れを招き、いまだに解消されていません。
今回の法案で、議論の実質的対象となる過重労働を余儀なくされている医師はどこで従事しているのか、地域医療構想の目的は何か、これを突き付けられたのではないでしょうか。医師の絶対数の不足、診療科ごと、地域ごとによる医師の偏在が問題として取り扱われますが、医療が高度化、専門化する中で、どのような医療をどのような体制で提供していくのか、それがなければ、必要な人員、医師数と労働時間も決まりません。
そして、我が国の医療保険制度の特徴の一つが、フリーアクセス。国民は、いつでもどこでも自分が選択した医療機関で必要な医療を受けられるところにあります。本法律案は、良質かつ適切な医療を効率的に提供するための体制確保を推進することを目的としておりますが、国民における最大の関心事項は、今後も医療保険制度と医療体制という両輪がきちんと回り続けるかという一点に集約されるのではないでしょうか。
そうした観点の下、以下、関係大臣に対する質疑を行います。
我が国の医療保険制度における給付は、支え手である現役世代の人口が増加し、経済が大きく成長し続けた時代に創設されたものです。少子高齢化の進展や医療の高度化を受けて、実効給付率は医療保険制度全体では八五%近くにまで上昇し、制度存続は危ぶまれています。
しかし、国民一人一人の置かれている状況に基づき、配慮という名の下に、それぞれの制度の部分最適な主張と議論がされ、制度全体の見直しにつながらない状況が続いています。保険料による負担が限界に近づく中、医療保険制度を今後も存続させるためには、こうした制度の抜本的な見直しが目途を持って早急に検討されなければならないと考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
また、医療保険制度及び医療提供体制の持続可能性という観点から、医療へのフリーアクセスについて厚生労働大臣の現在の所見を伺います。
本法律案では、タスクシフト・シェアを推進し、医師の労働時間の削減に向け、診療放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士の一部の業務について見直しを行うとしています。これは、基本的には同じ医療機関内で行われる業務をほかの従事者へ分散するだけで、根本的な課題解決になっているのかという懸念は残り、更なる推進が必要だと考えております。
そこで、薬剤師について伺います。
医師と同様、資格取得に六年もの期間を必要とする薬剤師については、幾つかの業務が現行制度でも実施可能なことを確認したにとどまっていると理解しています。薬剤師については、これまで以上の役割を与えるという検討は、法改正も含め全くされなかったのでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
今回、暫定で設けられた水準ごとの労働時間の上限値は、医療機関で患者に対する診療に従事する勤務医を対象にしたものであるため、大学病院で診療、研究、教育を行う医師にとっては、労働時間の短縮が診療のみならず研究や教育にも大きな影響を与える可能性が指摘されています。
医師の働き方改革の推進に関する検討会中間とりまとめでは、大学病院における働き方改革の特有の課題については、今後、文部科学省と厚生労働省が連携して検討の場を設ける必要があるとされるにとどまっています。約六万人、日本の医師の五分の一相当の大学病院勤務の医師の研究に対する取扱いが決まっていません。
医学部以外の研究者であれば専門業務型裁量労働制が適用になるところ、診療に従事し時間管理されるという要素も併せ持つがゆえに、専門業務型裁量労働制が適用にならない大学病院の助教等の研究者の労務管理の在り方について早急に検討すべきと考えますが、厚生労働大臣及び文部科学大臣の見解を伺います。
また、大学病院勤務医が地域の病院の当直などアルバイトをしなければならないような給与体系や、勤務医のアルバイトで地域の医療提供体制を支えている現状は、働き方としては健全ではありません。大学病院勤務医の抜本的な働き方改革を行うためには、労務管理の在り方とともに、文部科学省の補助金や診療報酬の増額による大学病院勤務医と他の医療機関勤務医との給与格差の是正が不可欠と考えますが、厚生労働大臣、文部科学大臣の見解を伺います。
政府は、二〇四〇年を展望し、二〇二五年までに地域医療構想の実現に向けた取組、医師、医療従事者の働き方改革、医師偏在対策を三位一体で推進し、総合的な医療提供体制改革を実施するとしています。
このうち、地域医療構想について、公立・公的病院は、地域の民間医療機関では担うことのできない医療機能に重点化することが求められ、民間病院に先行して見直しが進められてきました。
国は、地域の医療提供体制は、都道府県が主体となって地域の実情を踏まえ整備することとしていますが、地域医療構想調整会議での議論の活性化を図るためとして、いわゆる四百三十六リストを出しました。
厚生労働大臣に伺います。このリストを出さざるを得なかった真の要因は何ですか。
これまでの議論で、それぞれの地域医療構想調整会議が見込んでいる病床数と地域医療構想で必要とされる国が示した病床数の差が生じる要因について、厚生労働大臣の見解を伺います。
地域医療構想の推進とは、地域の医療は面で支え、患者が必要なときに適切な医療機関で必要な医療が受けることができる医療提供体制の構築です。病病連携のためにも、公立・公的病院だけではなく民間病院も併せた病床数再編の検討が必要です。民間病院の議論の目安はいつ出されるのか、厚生労働大臣に伺います。
そして、地域医療構想の推進に際しては、住民や医療関係者の合意形成が重視されているはずです。しかし、民間のシンクタンクの調査によれば、議事録を公開しているのは約六割、その中でも内容が十分に公開されているのは四割にしかすぎません。しかも、地域医療構想調整会議の議事録の中には、事務局の資料に基づき議論されたとのみ記し、その資料開示もされていないケースが見受けられます。一部の影響力のある利害関係者が会議の主導権を独占し、真に地域に必要な合意を妨げているのではないかとの疑念すら生じます。公開される議事録の内容の充実について厚生労働大臣の見解を伺います。
最後に、外来医療のかかり方において、国民、患者も意識を変えていく必要があります。
今後、医療保険制度と医療提供体制を持続可能なものにしていく上で、医師の働き方改革、より良い医療提供体制と併せて、国民の医療のかかり方の国民への働きかけ、これについて厚生労働大臣の見解を伺い、国民民主党・新緑風会を代表しての質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕