中西祐介の発言 (本会議)

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○中西祐介君 自由民主党の中西祐介です。
 自由民主党・国民の声を代表して、日米首脳会談における菅総理の帰朝報告に対して、総理に質問をいたします。
 菅義偉総理とバイデン大統領の首脳会談、時間的制約がある中でも、非常に大きな成果と価値を残したと評価いたしたいと存じます。
 米国新大統領が最初に日本の総理と会談するのは、ソ連邦崩壊前夜の一九八九年、竹下登総理、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領以来二人目であります。
 そして今、目まぐるしい変化を遂げる世界秩序、自由民主主義と権威・専制主義の緊迫したせめぎ合いのさなか、共同声明として、新たな時代における日米グローバルパートナーシップを発出したことは、日米同盟こそが世界の普遍性ある価値を主導するきずなの深い同盟であることを改めて内外に示せたのではないでしょうか。
 法の支配に基づく自由、民主主義、人権など普遍的価値を共有する自由で開かれたインド太平洋は、第一次安倍内閣や麻生内閣当時より我が国が着想したビジョンを始点とし、菅内閣においても明確に継承されています。日本外交の一貫性、その中心に価値観外交を置くことは、世界に広く信頼と支持が広がる結果に結び付いています。
 地方政界からキャリアを重ね、実務に精通されるなど、共通項の多い日米両国首脳の直接対話により、まず互いの信頼が醸成され、多岐にわたる重要課題とそのビジョンを共有できたことが最大の成果であると考えます。
 戦後の日米関係と現下の世界情勢を踏まえ、今会談の歴史的意義と両首脳間の信頼関係の構築について、その成果を伺います。
 日本の国益に関わる地域情勢について伺います。
 先月二十五日、北朝鮮が弾道ミサイル二発を発射したことは明確な国連安保理決議違反であり、この暴挙に国際社会の連携の下で抗議をせねばなりません。北朝鮮に対し、今回、国連安保理決議の履行及び大量破壊兵器や弾道ミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄へのコミットメント、さらに拉致問題の即時解決を求めることで一致をいたしました。
 米朝首脳対話など、米国の前政権からの対北政策の変化と、国民が切望する拉致問題を含む諸課題の解決に向けた両国の具体的なアクションについて伺います。
 今、多くの国民の皆様が、中国による既存の国際秩序と合致しない行動に強い危機感を感じています。我が国固有の領土である沖縄県石垣市の尖閣諸島領海に武器使用をちらつかせる中国公船が実効支配せんとする事態が頻発し、また、南シナ海でも軍事基地を次々と建設するなど、極めて憂慮すべき状況であります。
 今回、こうした懸念を正面から共有し、一歩も譲歩する考えがないことを内外に明確化したことは、歴史的に大きな意義を持つと評価をいたします。米国と並んだ輸出先で、経済、生産活動でも欠かせない隣国、来年、日中国交正常化から五十年の節目を迎える歴史ある両国だからこそ、決して迎合せず、正すべき姿勢は率直に物申す。互いの国益はもちろん、地域の安定と繁栄に寄与する責務を負うことを共に自覚し、共有せねばなりません。
 しかし、今、世界の地政学を俯瞰するとき、まさに我が国が権威・専制主義国家に相対する自由民主主義陣営のフロントラインにあることは紛れもない事実であります。三月の日米2プラス2共同発表を今回首脳間で再確認し、ビジョンの具体化をASEAN、豪州、インドなど多国間で進める方針といたしました。また、尖閣諸島への日米安保条約第五条の適用の再確認も極めて重要な成果であります。
 これらに関連しまして、日米共同対処の強化策が協議されたのか、また、日中首脳間でも胸襟を開いた対話の準備はあるか、毅然とした我が国の外交戦略と今後の具体策を伺います。
 台湾は、我が国にとって、普遍的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人です。
 先月、米インド太平洋軍の司令官が連邦議会で、今後六年以内に中国が台湾に軍事攻撃を仕掛けるおそれがある旨、証言をいたしました。共同声明では、台湾海峡の平和と安定の重要性が明記をされました。佐藤栄作首相当時より五十二年ぶりの言及であります。有事の抑止と万が一の際の我が国の対応などを共有したと伺っております。
 本件につき、あくまで平和的な解決を目指す上で、日米の対応や役割分担について具体的な戦略を伺います。
 次に、バイデン大統領も重視する人権問題について伺います。
 米国務省が昨年公表した報告書で、中国政府がウイグル族ら百万人以上を新疆ウイグル自治区の施設に収容し、政治的な洗脳、拷問に加え、精神的かつ肉体的な虐待を強いていると指摘しています。米国政権は、これら弾圧を国際法上の犯罪となるジェノサイドと認定しました。米国、EU、英国、カナダが制裁措置を相次いで発表する中、我が国はG7のうち制裁を実施していない唯一の国となりました。国会では、与野党を超えて超党派でも問題認識の共有と具体的な施策の協議もされています。
 この深刻な人権侵害に対して、米国とどう臨んでいく方針でしょうか。あわせて、市民を容赦なく標的にするミャンマー国軍の動きについても、日本の立場や強みを生かし、どのような対応をする用意があるのか、伺います。
 我が国は、独立国家として、その優位性と脆弱性を冷静に見詰め、国益を最大化させる努力を怠ってはなりません。まさに、世界の変化に対応できるしなやかさと世界の変化をつくり出すしたたかな戦略こそが必要であります。
 以下、重要課題について伺います。
 まず、今回、日米競争力・強靱化コアパートナーシップが立ち上げられました。民主主義の規範に基づいた管理の下、安全で信頼できる5Gネットワークの推進、半導体や人工知能など様々な分野のサプライチェーンの強化や共同研究を協力していくことも合意をされたところであります。
 近年、レアアースの輸出制限問題などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、経済安全保障の観点から、一国への過度の依存を見直すべきと考えます。
 また、我が国は米国とデジタル分野のデータ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、つまり、プライバシーやセキュリティー、知的財産権に関する信頼を確保しながら、ビジネスや社会課題の解決に有益なデータが国境を意識することなく自由に行き来する国際的なデータ流通の促進を進めなければなりません。
 これらを踏まえ、米国とデジタル分野を含むサプライチェーンの強化や重要分野の共同研究をどのように進捗させ、経済安全保障環境を高めるのか、御所見を伺います。
 パリ協定に復帰した米国は温暖化問題を最優先課題の一つに掲げ、明日、気候サミットを開催します。
 日米両国で脱炭素をリードするだけではなく、クリーンエネルギー技術の普及や途上国の脱炭素社会移行への多国間の協力を得る必要があります。今回合意した日米気候パートナーシップがその具体的かつ包括的な交渉ベースとなることを大いに期待をいたします。
 この文脈でも、CO2排出大国である中国こそ、脱炭素社会への移行に協力が不可欠であります。気候変動問題への対中戦略と日米間の役割分担について伺います。
 新型コロナウイルスの世界的感染に対し、今、ワクチン供給が喫緊の課題であります。途上国も含めた枠組みであるCOVAXファシリティーなど国際連携のイニシアティブを、日米の協力関係を基に促進すべきであります。
 感染症の脅威に対処する日米協力の在り方と米ファイザー社CEOとの会談で得られた成果について伺います。
 仮に思想信条は異なれども、礼儀礼節を尽くし、認めるべきは認め、互いに手を取り合うことは、我々日本人の美徳であり、また外交上の要諦でもあると考えます。
 男子ゴルフ松山英樹選手の米国マスターズトーナメントの勝利に対する祝意がバイデン大統領から述べられました。アジア人初の優勝という歴史的快挙とともに、早藤将太キャディーの礼儀あふれる振る舞いも世界から大きな称賛を浴びています。
 今、世界が試練に直面する中、東日本大震災を乗り越え、スポーツを通じた希望と感動を世界の皆様にひとしくもたらすであろう日本開催の東京オリンピック・パラリンピックが、まさに人類の英知と平和の象徴とならんことを心からお祈りを申し上げ、私の質疑といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X01720210421_004

発言者: 中西祐介

speaker_id: 32053

日付: 2021-04-21

院: 参議院

会議名: 本会議