白眞勲の発言 (本会議)
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○白眞勲君 立憲民主・社民の白眞勲です。
会派を代表し、ただいま議題となりました総理の訪米報告について質問いたします。
菅総理、ワシントンへのとんぼ返りの出張、お疲れさまでございました。
ただ、総理が日本を留守にしている間、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大や、自民党幹事長のオリンピック中止の可能性発言の波紋、さらには福島第一原発の処理水の問題等々、国内は重要な問題が山積した状況でした。
もちろん、コロナ禍によって世界情勢が激変の中、日米両国首脳が直接会談を行う意義は大きく、特に我が国の外交、経済、安全保障政策にも大きな影響を及ぼす中国、北朝鮮への対応についても協議できたことは極めて重要です。
それでも、幾つか押さえておきたいポイントがありますので、そこを中心にお聞きしたいと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症の拡大についてです。
三月の緊急事態宣言の解除後も感染者が急増しており、極めて深刻な状況となっているのは御存じのとおりです。政府の分科会の尾身会長は、いわゆる第四波と言って差し支えないと思うとも発言していますが、現在の状況は既に第四波に入ったと言えるのではないでしょうか。
また、総理は、緊急事態宣言の発出について、ワシントンでの記者の質問に、まん延防止等重点措置を始めてからまだ二週間たっていない、状況を見ての判断になるとお答えになっていますが、まだなんてそんな悠長なことは言っていられない切迫した状況です。ここはすぐにでも緊急事態宣言を発出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。総理、御答弁願います。
総理は、ワシントンでファイザー社のブーラCEOと電話で会談し、ワクチンの追加供給を受けることで実質的に合意したとのことですが、一つ疑問なのが、なぜワシントンでの電話なんでしょうか。会うんだったら分かりますよ、アメリカで。電話ならば東京ですりゃいいじゃないですか。何もわざわざアメリカまで行って、限られた大切な時間を使うよりは、官邸で電話すれば、ワクチン大臣や厚労大臣もそばに一緒にいて、よっぽど充実した会議になるのではないでしょうか。それでなくても、人口百人当たりのワクチン接種回数ではOECD三十七か国中で三十七番目、最下位ですよ。情けない状況であるわけで、なぜアメリカまで行って会わないで電話なのか、納得できる答弁、お願いいたします。
また、その際、ワクチン代金をもっと上積みするとかおっしゃったのでしょうか。追加のお願いをするのであれば、何らかの追加料金を支払うのが当たり前ですが、具体的な金額はここでは話せないかもしれませんが、せめて、金額の話が少しでも出たのか、追加の供給数量はどれぐらいになるのでしょうか、御答弁願います。
総理は、九月までに供給されるめどが立ったと考えていると述べましたが、外務省のホームページでは、先方が確実かつ迅速な供給及び追加供給に向けた協議を迅速に進めることを含め、日本政府と緊密に連携したいとの発言があったとされているわけで、要するに、相手は連携しますとは言っているようですが、九月なんて一言も書かれていません。これ、実際に先方が九月の供給を確約したんでしょうか。国民が一番関心を持っている件について、なぜ外務省のホームページには書かれていないのか、総理がそう受け止めたのか、それともファイザー社が明言し合意したのか。ちなみに、ファイザー社のブーラCEOは、四月十九日の自身のツイッターで、ヨーロッパに対し一億回分追加供給すると明言しておりますが、事実関係を明確に御答弁願いたいと思います。
さらには、自民党の下村政調会長は、十九日の党の会合で、ワクチン接種について、残念ながら自治体によっては医療関係者の協力が足らず、六十五歳以上に限定しても今年いっぱいか、場合によっては来年まで掛かるのではないかと発言したとされています。高齢者の方々ですら九月どころか来年なんて話まで出てきています。河野大臣もしかりですが、いろいろな責任ある方々がばらばらな発言をすると、国民は一体何を信じていいのか混乱するだけです。
総理、ワクチンの供給量とスケジュール、そして接種の完了が医療従事者、高齢者、一般国民の皆さん、それぞれいつになるのかに関して、政府としての正式な見解を、この際、明らかにしていただきたいと思います。
今回の日米共同声明で、大統領は、安全、安心なオリパラ大会を開催するための菅総理の努力を支持するとなっておりますが、ここで疑問なのは、安全、安心なオリパラ大会の開催を支持するではなくて、わざわざ回りくどく、開催するための菅総理の努力を支持するとなっています。この言い回しですと、開催自体は支持しているかどうか言及しないが、菅総理は頑張っているから、その努力は認めようということに取れなくはないですし、私がテレビで見た範囲内では、ゴルフの松山選手についてお祝いの言葉がありましたが、肝腎のバイデン大統領の口からオリンピックに関し直接の言及はなかったようです。この辺り、どうなっているんでしょうか。開催の可否とか選手団を送るかどうかについて直接の言及があったのか、総理、御答弁願います。
総理は、三月二十六日の参議院予算委員会で、私が、バイデン大統領に会ったらオリンピックに招待するかとの質問に、総理は、当然そういうことになると答弁されています。招待した結果はどうだったんでしょうか。総理、お答えください。
総理が、今年の施政方針演説で、夏の東京オリンピック・パラリンピックは、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして、また東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたいと強調されましたが、国民にワクチン接種はこの時期までに到底間に合わない。
また、東京電力福島第一原発の放射性物質を含む処理水を海洋放出する方針を固めた段階で、総理も、福島の復興に避けて通れない、先送りできない課題だと、まだ復興途上であることを御自身がお認めになっているわけで、今年の施政方針演説どおりにはいかないことをどう思われているのか、総理にお伺いします。
自民党の二階幹事長は、総理が訪米するまさにその日に、東京オリンピックについて、感染状況次第で中止もあり得ると発言しました。このタイミングで発言するのかと驚きましたが、ここでオリンピック大臣にお聞きしますが、最悪の事態として、もしオリンピックが中止となった場合、それに伴って国内あるいは世界各国に大変な影響が出ることとなります。チケットの払戻しだけではなく、様々なキャンセルなど法的な問題も出てくると思います。また、中止はしないが無観客とか、ほかにも様々なシナリオはあると思います。シナリオを用意したくないという気持ちは分かりますが、用意しておくのが開催国としての責務だと思いますが、様々なシナリオは用意されているのでしょうか。オリンピック大臣にお伺いします。
北朝鮮の体育省は、東京オリンピックについて、新型コロナウイルスによる世界的な保健の危機的状況から選手たちを守るためだとして参加しない方針を明らかにしました。北朝鮮のオリンピック不参加について、IOCに正式に連絡はあったのでしょうか。あるいは、日本の組織委員会に来ないということを明示的に連絡は来ているのでしょうか。オリンピック担当大臣から御説明ください。
北朝鮮の東京オリンピック不参加の理由が新型コロナウイルスから選手たちを守るためであるとするのであれば、北朝鮮のみならず、発展途上国の選手団が安全に日本に渡航し、安心して競技に参加して帰国できるようなウイルス対策、例えばワクチン提供などについてどのようにお考えか、オリンピック大臣、お聞かせください。
菅総理は、昨年十一月五日の予算委員会における私の質問への答弁で、東京オリンピックの際に金正恩委員長と会談することをいい機会だと思うとお答えになりました。当然これは拉致問題を念頭にして答弁されたものと思いますが、北朝鮮が東京オリンピックへの不参加を表明したことについてはどのように感じられたんでしょうか、お伺いいたします。
今回の共同声明では、日本が中国と一九七二年、国交正常化し、首脳間の文章としては初めて台湾海峡の平和と安全の重要性を日米が確認すると明記し、台湾に触れました。さらに、日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意したという文言も入っています。この文言にはいささか驚きました。つまり、今回の声明によって、台湾有事に備えた日米共同作戦を策定することが前提になるのではないかとの見方があります。
そこで、防衛大臣にお聞きしますが、本年三月、例の強行採決された安保法制の施行から五年を迎えた中で、この五年間で、安保法制により新設された自衛隊法第九十五条の二に基づき、米軍部隊の武器等防護をこの四年間、それぞれ何件実施し、合計何件になったのか、お聞きします。
総理にお聞きしますが、台湾有事に備えた日米共同作戦計画みたいな内容を策定するおつもりがあるのかどうか、併せてお聞きいたします。
中国の海警船は、尖閣諸島で領海侵入を繰り返しており、今回の共同声明でもこの件を含めて中国に関して相当詳しくコミットをしておりますが、日米両国は、中国との率直な対話の重要性を認識するとともに、直接懸念を伝達していく意図を改めて表明とも指摘しています。
日本は、中国と有史以来の深い歴史的関係を持ち距離的にも近い、まさにそういった観点から、粘り強く交渉を進める必要もあるわけで、中国の習近平国家主席とは、この文章をそのまま素直に読むと、面会することを意味すると思いますが、いつ頃首脳会談をするおつもりでしょうか。
韓国との関係については、日米韓三か国の協力の重要性について不可欠とコミットをしておりますが、現在ぎくしゃくしている日韓関係について、総理としては現在の対韓国へのアプローチの仕方を変えるつもりがあるのか、お聞きしたいと思います。
核兵器の先制不使用について、米国のオバマ政権が二〇一六年にこれを宣言することを検討した際に、対中抑止力の低下を懸念した日本政府が反対したことが宣言を断念した最大の要因だったと、当時の国務省の政策担当者が証言したとする報道があります。実際、今回の共同声明にも、米国は、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎない支持を改めて表明したとなっており、わざわざ核を入れています。
核兵器の先制不使用宣言は、現実的に核軍縮を前進させる一歩として十分考慮に値する政策なのではないでしょうか。核廃絶を目指す、その取組をリードするというだけで、核兵器禁止条約には真っ向から反対している菅政権として、米国が核兵器の先制不使用を宣言することについて、菅総理はどのような認識なのか、お答えください。
米国政府による防衛装備品等の有償援助、FMSについてお伺いします。
これは、価格は米国側の見積りで、納期はあくまで予定、さらに支払も前払が原則であるといった問題点が度々指摘されています。にもかかわらず、FMSによる調達金額は安倍内閣においてどんどん増加し、当初は約一千九百億円であったものが、五年後の二〇一九年度は約七千億円にまで膨れ上がっています。
同じ年の十月に提出された会計検査院の報告書においては、FMSにおける問題事例が数多く紹介されています。例えば、F2戦闘機のコンピューターについて、二〇一七年度末の段階で四〇%が納入されてもおらず、中には九年経過しても納入されていないものも見受けられたとされています。
コンピューターが九年も納入されないとは一体どういうことなんでしょうか。当時は最先端のコンピューターでも、九年たったら最先端なんか到底言えません。例えば、菅総理が九年前に最新鋭だとして買ったガラケーがまだ届いていないようなもんです。
装備品買ったが、九年たっても納品されなくて困っていると菅総理はバイデン大統領に話しましたでしょうか。また、防衛大臣も、先日の2プラス2で同じ問題を提起されましたか。日本の内閣総理大臣として言うべきことは言える関係こそ、健全な日米同盟のあるべき姿であると考えますが、菅総理の答弁を求めます。
また、FMSに関連して、F15についても同様です。岸防衛大臣は、四月十二日の決算委員会において、昨年末の時点で、F15改修に係る初度費が当初見積りの八百七億円から何と三倍近くまで増加したことを明らかにしました。
このように、当初見積りの三倍近くの二千四百億円に高騰する一方、防衛省は三菱電機との間では二十二円や七十七円でそれぞれ契約したことが明らかになっています。このような防衛調達の現状は、普通の国民から見れば不自然極まりないものです。FMSを含めた我が国の防衛調達の在り方を根本的に見直すべきと考えますが、菅総理の見解を求めます。
今回、米国におけるアジア系住民に対するヘイトクライムを許さない姿勢など、日米両国が自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有したことは評価したいと思います。しかしながら、同じような現象がこの日本でも起き続けています。総理はこの件に関してどのような対策を取るつもりか、お聞きします。
本年四月十二日、普天間飛行場の全面返還が発表されてから二十五年がたちました。現在、防衛省は、辺野古の埋立てに沖縄戦で激戦地となったこの本島南部からの土砂調達を検討しています。沖縄県南部地区は、沖縄戦で、軍人はもちろん、女学校の生徒たちが戦場に駆り出され、さらには老人から子供、赤ちゃんまでアメリカ軍の砲弾で数多くの命が失われた場所です。そこには数多くの遺骨が残され、収集は今も続けられています。よりによってこの場所の土をアメリカ軍の新基地建設の土台にすることは、絶対にあってはならないのです。
四月十五日に沖縄県議会は、悲惨な沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂を埋立てに使用しないことを求める衆参両院議長や総理宛ての地方自治法第九十九条の規定による意見書を、自民党、公明党を含め全会派一致で可決いたしました。
総理はこの意見書についてどのようにお感じになりましたか。総理の認識をお伺いいたします。
その土地は、御遺骨だけではなく、祖国のために心ならずも命を落とされた多くの方々の血が染み込んでいるのです。現在我々が享受している平和と繁栄が戦没者の方々の尊い犠牲の上に築かれていることに思いを致し、さらに、菅総理は、沖縄の皆さんの心に寄り添いと常々おっしゃっています。そうであるならば、沖縄県民、御遺族に対し、総理御自身の言葉で、政治家として、少なくとも南部地区からの土砂の調達をしないと今日ここで明確に御決断、御答弁ください。本当にお願いします。
最後に、私どもは、日米同盟を外交の基軸に、これを深化させつつ、日本がSDGs、感染症対策、核軍縮など国際的な重要課題においても主導的な役割を果たせるよう引き続き取り組んでまいりますことをお約束して、質問を終わります。
白眞勲でございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕