石川博崇の発言 (本会議)
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○石川博崇君 公明党の石川博崇です。
私は、ただいま議題となりました総理の訪米報告に関し、会派を代表して、菅総理に質問させていただきます。
バイデン大統領就任後、初の対面形式による首脳外交となったこたびの日米首脳会談は、インド太平洋地域全体及び国際社会の平和と安全の礎である日米同盟を新たなステージへと押し上げました。自由で開かれたルールに基づく国際秩序の構築に向けた確固たる決意を表明するとともに、新型コロナ感染症や気候変動など、人類全体への脅威に対し、日米が国際社会をリードして取り組むことも明確に宣言し、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する両国が、国際の平和と安定に今まで以上に貢献する意思を明確に示したことは大きな成果であり、高く評価したいと思います。また、菅総理とバイデン大統領との直接対話によって個人的な信頼関係を構築できた意義も極めて大きいものがあります。
今回の首脳会談を踏まえ、国際社会の平和と繁栄を築くため、今後の日米関係及び日米協力をどのように深化させていくのか、総理の基本的な考えを伺います。
インド太平洋地域及び我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中において、これまで日米ガイドラインの見直し、我が国の平和安全法制の制定、この三月にはバイデン米新政権との日米2プラス2など、日米の安全保障協力は累次にわたって強化されてきました。
今回の会談では、この日米同盟が揺るぎないものであり、自由で開かれたインド太平洋、そして包摂的な経済的繁栄を推進する同盟を一層強化することに両首脳が完全に一致しました。我が国は自らの防衛力の強化を決意し、米国は日米安保条約の下での日本の防衛への揺るぎない支持を改めて表明、さらに、困難を増す安全保障環境に即した抑止力と対処力の強化、サイバー、宇宙を含む全ての領域を横断する防衛協力の深化、拡大抑止の強化にもコミットをいたしました。
こうした日米同盟強化の大きな進展は、我が国及び地域を取り巻く厳しい安全保障環境を具体的にどのように改善させることにつながるのか、総理の認識を伺います。
今回示された強固な日米同盟へのコミットメントは、専守防衛、非核三原則といった我が国が戦後一貫して歩んできた平和国家としての基本方針にも完全に合致した内容であると考えます。今後、日米同盟を重視するバイデン政権との間で安全保障協力を強化していく際、我が国の平和憲法の趣旨や五年前に成立した平和安全法制等の詳細について正確で率直な説明を継続し、計画の策定や現場での運用において日米の認識にそごが生じないように努めることは極めて重要と考えますが、併せて総理の認識を伺います。
今般の共同声明では、台湾海峡に関する記述が五十二年ぶりに明記されました。また、東シナ海や南シナ海における中国の力による現状変更の試みや他者に対する威圧への反対、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念が示されたことは評価いたします。
一方で、台湾海峡については両岸問題の平和的解決が強調され、また、中国との率直な対話の重要性や、共通の利益を有する分野での中国と協働する必要性について、日米で認識を一致させたことには重大な意義があると考えます。
今般の共同声明でこのような表現を盛り込んだ意図について、総理の御所見を伺います。
また、我が国にとり最大の貿易相手国であり、最も重要な二国間関係の一つである日中関係は、地域のみならず、国際社会全体の平和と安定にとって極めて重要です。
今回の日米首脳会談を踏まえ、今後、政府として中国との関係をどう進めていくのか、総理の御所見を伺います。
今回の首脳会談では、二十一世紀にふさわしい新たな協力分野として、生物学的大惨事への備えを挙げ、健康安全保障、ヘルスセキュリティーの推進、将来の公衆衛生危機への対応及びグローバルヘルスの構築を推進することとし、とりわけ新型コロナ感染症への対処に両国が協力を強化することとなりました。
その中にはCOVAXファシリティーへの支援も含まれますが、これまで途上国向け枠組みに対して、米国はバイデン政権発足後、既に二十五億ドルを拠出しているのに対し、我が国はいまだ二億ドルと見劣りしています。六月には我が国がGaviと共催するCOVAXワクチンサミットが予定されておりますが、不足している十七億ドルの資金ギャップを埋めるためにも、我が国の主導的な役割が求められます。総理の御所見を伺います。
バイデン政権が最重要課題と位置付ける気候変動についても踏み込んだ議論が行われました。共同声明では、日米気候パートナーシップの立ち上げで合意し、二〇五〇年カーボンニュートラル目標と整合的な形での二〇三〇年までの行動にコミットしました。今後、我が国は米国とともに、明日予定される気候変動サミットや本年十一月のCOP26等において積極的に議論を主導していくべきでございます。
明日の気候変動サミットでは、訪米前に公明党として総理に直接申し入れたとおり、我が国の二〇三〇年温室効果ガス削減目標の大幅な引上げを明言するなど、野心的な気候変動対策を主張すべきと考えますが、総理の御決意を伺います。
米国のジョン・ケリー気候問題特使が先日訪中し、気候変動問題については米中が協力して取り組むことで合意いたしました。中国は世界のCO2排出量の約三割を占め、最大の排出国であることから、中国のこの問題での貢献は不可欠です。
中国は二〇六〇年に排出ゼロとする目標等を掲げていますが、その前倒し実施などについて、我が国としても積極的に働きかけを強化すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
今般の日米首脳共同声明には、両国が半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携することが盛り込まれました。産業の米とも呼ばれる半導体は、現在、新型コロナ感染症の拡大によるデジタル化の国際的な進展、DXの必要性の高まりなどを背景に深刻な供給不足の状況にあり、我が国の自動車メーカーが一部工場の稼働停止を決定するなど、甚大な影響が出ております。
かつて世界のトップシェアを誇った我が国の半導体産業は一九九〇年代以降、地位を低下させ、また、近年は米中技術覇権の対立など経済安全保障の環境の変化を始め劇的な構造変化に直面しています。今後、デジタル化の進展で市場拡大が見込まれるロジック半導体やメモリー半導体は米国、韓国、台湾勢が席巻しており、我が国企業は残念ながら存在感を示せておりません。
今こそ半導体産業の国家的な戦略の構築が不可欠であると考えますが、今回の日米首脳会談を受けて我が国としてどのように取り組むのか、総理の御所見を伺います。
最後に、我が国は、激動の世界情勢の中で、これまで一貫して強固な日米関係を構築し、日米同盟を基軸としつつ世界の平和と繁栄に寄与してきました。今回の首脳会談は、バイデン政権が発足直後の新たな一歩を日米で共に歩むことを確認した歴史的な一幕であったと考えます。国際協調主義とルールに基づく国際秩序を重視するバイデン政権の誕生を受け、これまで対立と分断が進む傾向にあった国際社会に対話と協調の流れが生まれ、加速することを期待してやみません。
国際社会の平和と安定の構築に向けた外交を推進する総理の御決意を伺い、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕