菅義偉の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅義偉君) 浅田均議員にお答えをいたします。
 国家の独立、主権、自由に関する考え方についてお尋ねがありました。
 我が国の主権、独立を維持し、領域を保全し、国民の生命、身体、財産の安全を確保すること、そして、豊かな文化と伝統を継承しつつ、自由と民主主義を基調とする我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすること、それが我が国の国益と考えます。
 日本国憲法についてお尋ねがありました。
 憲法は国の礎であり、そのあるべき姿を最終的に決めるのは主権者である国民の皆さんです。まずは憲法審査会において、与野党の枠を超えて様々な論点について建設的な議論を重ねていただきたいと考えます。
 我が国にとって望ましい国際秩序と日本外交についてお尋ねがありました。
 我が国にとって重要なことは、安定し、見通しが付きやすい国際環境を創出することです。引き続き国際社会の平和と安定の実現に一層積極的な役割を果たし、我が国にとって望ましい国際秩序や安全保障環境を実現していく必要があります。
 とりわけ、日米同盟は日本の外交・安全保障の基軸です。今回の首脳会談でも一致したとおり、日米同盟はインド太平洋地域の平和と繁栄の礎です。
 同時に、中国は世界第二位の経済大国であり、日本にとっても重要な隣国です。日米同盟を基軸としつつ、中国と安定的な関係を築いていく考えです。日中両国には様々な懸案が存在しますが、ハイレベルの機会も活用しつつ、主張すべきは主張し、具体的な行動を強く求めていきます。その上で、共通の諸課題の解決に向けて連携してまいります。
 自由で開かれたインド太平洋の具体化についてお尋ねがありました。
 我が国としては、インド太平洋地域において、法の支配に基づく自由で開かれた秩序の実現により、地域、世界の平和と繁栄を確保することが重要と考えています。このような自由で開かれたインド太平洋の実現のために、連結性、質の高いインフラ、ガバナンス強化、海洋安全保障といった様々な分野で具体的協力を進めてきています。
 さらに、先月の日米豪印首脳テレビ会議では、これらの分野に加え、新たに、ワクチン、重要・新興技術、気候変動に関する作業部会の立ち上げで一致しました。ASEANとの間でも、インド太平洋に関するASEANアウトルックに沿って、海洋協力、連結性といった重点分野に沿って協力を具体化することで一致しています。
 引き続き、米国、豪州、インド、ASEAN、欧州といった基本的価値を共有する国々と連携し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進をしていきます。
 台湾をめぐる問題などについてお尋ねがありました。
 我が国としては、従来から、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待するとの方針は一貫しています。今回の会談においても、台湾海峡の平和と安定の重要性と両岸問題の平和的解決を日米首脳間で確認したことにより、我が国の従来からの立場を日米共通の立場として、より明確にすることができました。我が国として、引き続き両岸関係の推移を注視してまいります。
 尖閣諸島をめぐる状況についてお尋ねがありました。
 会談において、私とバイデン大統領は、日米安保条約第五条が尖閣諸島に適用されること、また、同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを確認をいたしました。これは、同盟の抑止力を引き続き維持強化するとのバイデン大統領の意思を改めて明確にするものであり、非常に意義があると考えます。
 尖閣諸島に関するこれ以上のやり取りの詳細は、先方との関係もあり差し控えますが、いずれにせよ同諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在せず、また、米国政府はこの我が国の立場を十分理解し、尖閣諸島をめぐる情勢について、我が国の側に立って緊密に連携していくことの立場であると理解をしております。
 今回の共同声明に関する中国との関係及び海上保安庁の強化についてお尋ねがありました。
 今回の首脳会談では、ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した上で、中国と率直な対話を行うことが必要であること、また、普遍的価値を擁護しつつ、国際関係における安定を追求していくことで一致をいたしました。今後とも、米国と強固な信頼関係の下で様々な協力を進め、適切な機会を捉えて中国が大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきます。
 同時に、政府として、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、冷静に毅然と対応していきます。海上保安庁の体制強化を図るとともに必要に、同庁と警察機関、自衛隊とも連携しつつ、現行の法制の下で適切に対応してまいります。
 日中漁業協定及び領海法についてお尋ねがありました。
 日中漁業協定は、それぞれの排他的経済水域における漁業秩序を確立するために締結されたものであり、領海は適用対象外となっています。
 そもそも、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しています。尖閣諸島の周辺の十二海里は当然に我が国の領海であり、日中漁業協定の対象とすべき水域とは考えておりません。
 また、我が国が批准した国際条約と整合しない国内法を整備することは適当ではなく、御指摘のような領海法改正が必要であるとは考えておりません。
 日本の防衛力の強化についてお尋ねがありました。
 共同声明に言う同盟及び地域の安全保障を強化するための防衛力とは、現防衛大綱に基づいて、宇宙、サイバー、電磁波を含む全ての領域における能力を有機的に融合した多次元統合防衛力を指しております。
 政府としては、この多次元統合防衛力の構築を引き続き推進をすることで自らを守る体制を抜本的に強化をし、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していく考えであります。
 米国との競争力・イノベーション分野における協力についてお尋ねがありました。
 今回の首脳会談で打ち上げに、立ち上げに一致した日米競争力・強靱性パートナーシップの下で、今後、日米両政府は、競争力・イノベーション、コロナ対策・グローバルヘルス、グリーン成長・気候変動の三本の柱の下で、包括的な協力を推進していくことになります。
 今後、このパートナーシップに基づき、日米共通の優先分野でもあるデジタルや科学技術における競争力とイノベーションの推進などを通じて、両国間で連携協力を深めていく考えであります。
 日米気候パートナーシップ及び二〇三〇年目標についてお尋ねがありました。
 先週の日米首脳会談では、気候変動に関する日米間の協力枠組みとして日米気候パートナーシップの立ち上げを発表しました。このパートナーシップの下、パリ協定の実施、クリーンエネルギー技術、途上国の脱炭素移行といった分野での協力を通じ、日米両国が国際社会の取組を積極的にリードしてまいります。
 御指摘の二〇三〇年削減目標については、明日二十二日に予定される気候サミットを一つの節目として判断したいと考えており、その方向で検討いたしています。
 二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的で、世界の物づくりを支える国として次なる成長戦略にふさわしい野心的な目標とすることで、我が国が世界の脱炭素化のリーダーシップを取っていきます。
 米国の東京大会への参加についてお尋ねがありました。
 会談では、私からバイデン大統領に対し、今年の夏、世界の団結の象徴として東京オリパラ競技大会の開催を実現する決意を述べ、大統領からはこの決意に対する支持を改めて表明いただきました。
 米国選手団の派遣については、米国のオリパラ委員会によって判断されるものと承知をしております。
 いずれにしろ、政府としては、米国含む多くの国・地域に東京大会に参加いただけるよう、感染対策を含め、環境整備に引き続き努めてまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 菅義偉

speaker_id: 8901

日付: 2021-04-21

院: 参議院

会議名: 本会議