茂木敏充の発言 (本会議)
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○国務大臣(茂木敏充君) 小西議員から、まず、政府の水際対策についてお尋ねがありました。
政府としては、これまで国民の健康と命を守り抜くことを最優先に、新型コロナの国内での蔓延を防ぐため、機動的な水際対策措置を講じてきました。
こうした水際対策に係る措置は、その実施のタイミングを含め新型コロナの拡大の状況が時々刻々と変化し、確定的な予見が困難な中、諸外国における感染率や移動制限の状況など様々な情報や知見に基づき検討の上、政府として総合的に判断してきたものです。
RCEP加盟十五か国の中で、累計感染者数は四月二十日時点で我が国は三番目ですが、我が国の人口当たりの感染者数や死亡者数や、G7、主要先進国の中でも圧倒的に低くなっています。これは国内での様々な対策と合わせ、これまで講じてきた水際対策にも一定の効果があったものと考えています。
引き続き、政府として、国内での感染拡大を防止すべく、必要な措置を着実に実施をしてまいります。
次に、日米両国の対中政策とRCEP協定の関係についてでありますが、RCEP協定は、我が国とともにASEANが推進力となって交渉が進められ、参加国の経済発展状況等が大きく異なる中でも、物品、サービスにとどまらず、新たなルールを盛り込んだものであり、地域の望ましい経済秩序の構築に向け重要な一歩になり、自由で開かれたインド太平洋を実現していく上でも重要であると考えています。今後、我が国として、RCEP協定を通じてルールの遵守にも主導的役割を果たしてまいります。
米国の対中政策との関係については、さきの日米首脳会談においても、インド太平洋地域の経済秩序の構築に向けて両国で緊密に連携していくことを確認したところでありまして、米国とは引き続きしっかり意思疎通を図ってまいります。
交渉の経緯と期間についてお尋ねがありました。
RCEP協定の交渉に当たっては、後発開発途上国を含め、制度や経済発展状況の異なる様々な国々との間で、複雑かつ困難な市場アクセス交渉を行いました。ルール分野でも、一部の参加国にとってはなじみの薄い知的財産や電子商取引なども含め幅広い分野で議論を行う必要があったこともあり、通常の経済連携協定よりも時間を要する交渉となりました。
RCEPへのインドの復帰についてでありますが、交渉の経過で、インドは、貿易赤字拡大の懸念や国内事情もあり、交渉からの離脱に至ったものと理解をいたしております。
一方、十三億人の人口を擁するインドは、近年着実に経済成長を実現しており、インド太平洋地域における経済大国への歩みを進めています。地域の貿易、投資の促進を目指すRCEP協定にとってインドが参加することの意義は大きく、我が国としては、インドのRCEP復帰に向けて、RCEPの内側から引き続き主導的役割を果たしてまいります。
ミャンマー情勢についてお尋ねがありました。
日本は、欧米諸国と比してもミャンマーに様々なチャネルを持っており、日本政府として、クーデター発生以降、特に三点、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めてきています。
しかし、国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、ミャンマー国軍、警察の市民に対する実力行使により、多数の死傷者が発生し、事態が悪化していることを深刻に懸念しています。
ミャンマーへの最大の援助国として、ミャンマーの国民生活の向上や民生支援に誰よりも中心的な役割を担ってきた日本として、今後もASEANや欧米と連携し、事態の鎮静化、民主化への復帰のため、粘り強く取り組んでいきます。
また、現在拘束されている邦人ジャーナリストについては、本人の現在の状況の確認も含め、ミャンマー側に対して早期回復を強く求めており、引き続き邦人保護に万全を期してまいります。
RCEP協定の効果及び国有企業、環境、労働に関するルールについてでありますが、RCEP協定では、多くの品目について、発効の日から関税削減、撤廃が行われ、ルールの分野の規定による非関税障壁の緩和も期待されるため、発効後直ちに効果が現れる分野もあると期待されます。そのためにも、まずはRCEP協定の早期発効を実現し、その上で協定の履行確保にしっかり取り組んでいく考えです。
一方、農林水産品については、全ての参加国との関係で、いわゆる重要五品目について関税削減、撤廃から全て除外し、関税撤廃率は近年締結された二国間FTA並みの水準としました。したがって、国内農林水産業への特段の影響はないと考えています。
また、RCEP協定は、後発開発途上国を含め、国内制度や経済発展状況が大きく異なる十五か国による経済連携協定であり、交渉の結果、TPPに規定された国有企業、労働、環境等に関する規律は盛り込まれませんでした。
他方、我が国として、これらはいずれも重要であると考えており、協定発効後もRCEP協定のルールの更なる改善、向上に向け、引き続き各国と議論を深めてまいりたいと考えております。
TPP11の拡大についてお尋ねがありました。
TPP11は、市場アクセス及びルールの面でも高いレベルの内容となっています。参加国の拡大に際して、かかる高いレベルを引き下げることは考えておらず、新規加入に関心を示すエコノミーがTPPのこうした高いレベルを満たす用意ができているかについて見極める必要があると考えています。我が国は本年のTPP委員会の議長国として、戦略的観点も踏まえながら、しっかりと対応してまいります。
日米貿易協定における自動車、自動車部品の追加関税についてでありますが、二〇一九年九月の日米共同声明には、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らないとの記載があり、この趣旨は、日本の自動車、自動車部品に対して二三二条に基づく追加関税は課されないことであることを日米首脳会談で直接確認しております。
また、二〇一九年九月二十三日の閣僚協議の場で、日本からの自動車、自動車部品の輸出について数量制限、輸出自主規制等の措置を課すことはない旨を明確に確認しています。これは私がやりました。これらは、同盟関係にある日米の首脳間、閣僚間の合意でありまして、極めて重い了解であると考えております。
その上で、バイデン大統領とは、先般の日米共同声明において、日米両国の強固な二国間通商関係を維持し、更に強化することへのコミットメントを確認しており、引き続き経済、通商政策を含む幅広い分野で緊密に連携していきます。
最後に、FTAAPに向けた取組、今後のFTA政策及び米中関係への影響についてお尋ねがありました。
FTAAPについては、我が国としては、FTAAPを含め質の高い包括的かつ、より広い地域をカバーする自由貿易圏の実現に向けて必要な取組を行っていきます。今後のEPAについては、まずはRCEP協定の早期発効を実現させた上で、RCEP協定を通じて地域における経済秩序の形成に主導的な役割を果たしてまいります。
また、我が国は今年のTPP委員会の議長国として、TPP11の着実な実施及び拡大に取り組んでいきます。こうした前向きな取組自体が米中関係にマイナスの影響を与えるとは考えていませんが、さきの日米首脳会談においても、インド太平洋地域の経済秩序の構築に向けて両国で緊密に連携していくことで一致したところでありまして、米国とは引き続き通商政策も含めしっかり意思疎通を図ってまいります。(拍手)
〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕