川合孝典の発言 (本会議)
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○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
まず、その前に、本日決定される緊急事態宣言に関して、菅総理大臣に二点質問をいたします。
まず、まん延防止等重点措置の政策効果についてお伺いをします。
東京や大阪などでは、これまでもまん延防止等重点措置が講じられてきました。にもかかわらず、僅か一か月余りで緊急事態宣言が再発令せざるを得なくなっております。このような事態に直面し、菅総理は、鳴り物入りで導入されたこのまん延防止等重点措置の政策効果について、今どのように評価しておられるのか、これをお伺いします。
次に、緊急事態宣言の再発令に当たっての補償の在り方について菅総理に質問します。
政府は、これまで、感染拡大リスクが高いと言われている業種に対して時短営業や休業を要請ベースで行ってきております。企業や店舗も生き残りのため、今も営業を継続せざるを得ない状況に置かれているわけでありますが、中途半端な対策では感染拡大防止の効果が得られないことは、これまでの対策結果が全てを物語っております。
期間を区切って事業規模別の休業補償を行うことを前提として、時短営業や休業の指示を徹底することで緊急事態宣言の実効性を高めるべきと考えますが、菅総理の認識を伺います。
それでは、少年法等の一部を改正する法律案について質問に入ります。
公職選挙法や民法における成年年齢の十八歳への引下げに伴い、今般、少年法の改正案が提出されましたが、ここで十八歳及び十九歳の者を新たに特定少年と位置付けることが提案されております。
来年四月一日の改正民法の施行によって、十八歳及び十九歳の者は、親権に服さず、その行為能力が認められることとなります。成年として認められた以上、その行為能力に見合った責任を負うという横並びの考え方は国民にとっては理解しやすいものであり、成年年齢引下げの趣旨とも整合しているものと考えられております。
しかし一方で、二十歳未満の者に対して定められている未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法等の規制は今後も維持する方向で検討されており、全ての法律が横並びで成年年齢を引き下げているわけではありません。私は、それぞれの法律が律する目的や趣旨を法律ごとに、個別具体的に検討すべきであると考えております。
そうした視点に基づくと、本法案が十八歳及び十九歳の者を少年法上の少年と位置付けているにもかかわらず特定少年として大幅な特例を認めることは、少年法本来の目的である少年の健全な育成を期することとの間に法体系上の不整合を生じさせるものと私は考えます。また、その結果、法改正後の運用上、混乱が生じることを私は危惧いたしております。
少年法の理念を守りつつ、特定少年をどのように取り扱うのかが今後は問われることとなります。そうした視点から、以下、質問をいたします。
まず、現行少年法の理念及び評価について伺います。
現行少年法は、第一条で、少年の健全な育成を期すという目的を定めております。少年法に健全育成の理念が設けられた理由と、この理念に基づき、これまで十八歳及び十九歳の少年の処遇を行う上で現行少年法が果たしてきた機能に対する法務大臣の認識をお伺いします。
また、少年法第二十二条第一項は、審判は、懇切を旨とし、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならないと定めていますが、この理念は特定少年にも当てはまるのか、法務大臣にお伺いをします。
次に、全件送致主義を維持することについてお伺いします。
本法律案では、特定少年も従来からの少年と同様、犯罪の嫌疑がある限り、全件を家裁へ送致するという全件送致主義の枠組みを維持することとしております。この措置について、法制審議会ではどのような議論が交わされ、この結論に至ったのかを法務大臣にお伺いします。
次に、特定少年に係る逆送規定の対象の拡大についてお伺いします。
本法律案では、特定少年について、検察への原則逆送の対象となる事件に、死刑、無期又は短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪を加えるとしていますが、具体的にどのような罪が新たな対象となるのか、また、昨年における十八歳及び十九歳の犯罪の中で、新たに原則逆送対象事件の範囲となる最も多い犯罪類型について法務大臣にお伺いします。
次に、特定少年に対する保護事件から虞犯を除外することについて伺います。
虞犯少年とは、犯罪に結び付くような問題行動があり、要保護性は高いものの、犯罪に至っていない少年を指していますが、本法律案では、特定少年を保護事件の対象から除外することといたしております。要保護性が高い虞犯を対象外としたその理由、近年の少年保護事件における虞犯の割合、そして虞犯の事由としては何が多いのかを法務大臣にお伺いします。
次に、特定少年に関する資格制限の在り方についてお伺いします。
資格制限の特則は、少年の教育可能性を重視し、広く更生の機会を与え、社会復帰を容易にすることを目指すものであるとされています。しかし、本法律案では、特定少年が刑に処せられた場合には、資格制限の特則を適用しないこととしていますが、その理由を法務大臣にお伺いをします。
また、この特則の適用を除外した場合、どのような資格取得が制限されることになるのか、具体的にお答えください。
平成二十九年十二月十五日に閣議決定された再犯防止推進計画では、刑務所出所者が求職活動を行う上で資格を有していないことが就労の壁となっていることから、法務省には、罪を犯した者等の就労促進の観点から、需要が見込まれる業種に関し、資格取得の制限の在り方について検討を行うことが求められております。仮に、特定少年に資格制限の特則を適用しないとした場合であっても、資格制限の在り方の検討を行い、その者の就労を促進することが再犯防止につながるのではないかと考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
次に、推知報道、いわゆる実名報道の禁止の解除について伺います。
本法律案では、特定少年が公訴を提起された後、推知報道の禁止を解除することとしています。現行少年法で少年に対する推知報道の禁止規定が設けられてきたこれまでの趣旨と、本法律案で特定少年について解除することとした理由について、法務大臣にお伺いをします。
また、特定少年に対する推知報道が解除される具体的なタイミングについてもお答えください。
次に、第五種少年院についてお伺いします。
本法律案では、これまで第一種から第四種まであった少年院の区分に新たに第五種少年院を追加し、一定の条件下で保護観察に付された特定少年を収容することとしております。このような制度を設ける理由及び特定少年はどのような場合に収容されるのか、その手続の方法を含めて法務大臣にお伺いします。
次に、施行期日についてお伺いします。
本法律案の施行期日は令和四年四月一日とされており、既に一年を切っております。
十八歳及び十九歳の少年の取扱いをこれまでと大きく変えるのであれば、その趣旨や具体的な変更点などを現場の矯正保護施設の職員にも十分周知をして、特定少年の取扱いの適正性を確保する必要があると考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
最後に、今後の保護矯正の在り方について質問します。
私は、今回の法改正によって、少年法上の判断基準の多くが二十歳から十八歳へと引き下げられることに伴い、この機会に保護矯正教育の在り方やその対象年齢を改めて見直すべきと考えております。
諸外国では、成年年齢を十八歳とする一方で、二十歳を超えても裁判所の選択により、少年に準じた特則を若年犯罪者に適用するといった取扱いを行っている事例が数多くあります。
少年犯罪者の処遇の実質に着目をし、より幅広い年齢での保護矯正教育のプログラムを構築すべきと考えますが、この点について法務大臣の見解を伺い、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕