坂本哲志の発言 (本会議)
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○国務大臣(坂本哲志君) 塩村あやか議員の御質問にお答えいたします。
男性の家事、育児参画につきましてお尋ねがありました。
議員御指摘の、男性の家事、育児負担割合と出生率の関係に言及した研究があることは承知をしています。また、父親の育児への関わりについては、夫の休日の家事、育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高いという調査結果も出ています。
父親が育児に関わることは、母親の子育て中の孤立感や負担感、仕事と子育ての両立の難しさが軽減され、子供を産み育てたいという希望をかなえやすい環境につながるものと考えています。
少子化社会対策大綱では、男女が共に子育てに参画していく観点から、男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する方向を示しました。
これらを踏まえ、厚生労働省において、男性の育児休業取得促進策について検討し、男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設等を内容とする育児・介護休業法の一部を改正する法律案を本国会に提出し、御審議いただいているところです。
こうした取組も含め、少子化社会対策大綱に基づき、関係省庁と連携しながら、男女共に仕事と子育てを両立しやすい環境整備に取り組んでまいります。
子育て支援の予算の付け替えについてお尋ねがありました。
子育て世帯に対する支援としましては、これまでも幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに今般、不妊治療助成の拡充や、新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行い、子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
このうち、待機児童問題については、所要額を確保し、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することとしました。
児童手当の特例給付の見直しにつきましては、このような総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であることを御理解いただきたいと考えています。
児童手当見直しの政策決定についてお尋ねがありました。
子育て世帯全体の支援を充実する中で、待機児童問題については、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することとしており、この運営に必要となる追加費用については、議員御指摘の今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、企業からも一千億円を追加拠出していただき、所要額を確保しています。
今般の児童手当の見直しにおいて、年収一千二百万円相当を基準としていることについては、他の制度等を参照しながら、総合的に検討した結果であります。
具体的に、例えば、税制において配偶者控除を受けることができる年収の上限が一千百九十五万円となっていることや、保育料の所得判定区分のうち最も高い保育料が適用される区分が世帯年収一千百三十万円以上となっていることも参照しながら、総合的に検討したものであります。
なお、関連する統計データを見ると、例えば、十五歳以下の子供がいる世帯の就業者である父母のうち、年収一千二百万円以上の方は、上位約二%となっています。
子育て世帯に対するメッセージについてお尋ねがありました。
先ほど御答弁いたしましたとおり、子育て世帯に対する支援としては、これまでも幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに今般、不妊治療助成の拡充や、十四万人の保育の受皿確保による待機児童の解消などを行い、子育て世帯全体への支援を充実してまいります。
今回、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしていますが、子育て世帯へのトータルでの支援は確実に拡充をされてきていると考えております。
こうした子育て支援の充実をきちんと図っていくことで、子育て世帯が希望を持つことができる社会となるよう、国としてしっかりメッセージを発信してまいります。
児童手当見直しの意義と効果についてお尋ねがありました。
少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っています。今般の児童手当の見直しは、結婚支援の充実、不妊治療助成の拡充、男性の育児休業の取得促進など総合的な少子化対策を進める中で、年収一千二百万円相当以上の方に限り月五千円の特例給付を見直すものであり、あわせて、待機児童対策等の子育て支援を着実に進めていくこととしています。
新子育て安心プランの実施による待機児童の解消以外にも、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた総合的な少子化対策に取り組んでまいります。
無償化等の対象でない世帯への支援についてお尋ねがありました。
子育て世帯が安心して子供を産み育てられるよう、しっかり支援していくことが重要です。本法案でも、子育て支援に積極的な企業への助成事業の創設や、所得の多寡や共働き世帯か否かを問わず、様々な地域の子育て支援を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項を盛り込み、支援の拡充を図ってまいります。
引き続き、子育てに希望を持つことができるような社会になるよう、各家庭の状況や子供の成長のステージに応じた子育て支援の充実を図ってまいります。
所得制限の考え方についてお尋ねがありました。
政府では、これまでも幼児教育、保育の無償化など、子育て世帯全体の支援を充実させてきているところです。例えば、幼児教育、保育の無償化や不妊治療助成の拡充については、所得の多寡にかかわらず、支援が必要な方に対して、その必要な支援を重点的に提供することとしています。
一方、児童手当は、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として現金を給付するものであります。全ての子育て世帯を支援の対象とするか、所得制限等により支援の対象を限定するかという点については、個々の制度の目的や支援方法などに応じて判断されるべきものと考えています。
児童手当の所得上限額の見直しについてお尋ねがありました。
今般、児童手当の給付の在り方を検討した結果として、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしたところです。
今般の見直しの基準は、本改正法案においては政令で定める額とされており、現在の児童手当法の本則給付と特例給付とを分けている所得制限基準額と同様に、政令で規定するものです。今後、特例給付の所得上限額のみについて見直しを行うことは、現時点では考えておりません。
児童手当の支給判断の基準についてお尋ねがありました。
児童手当は、法律上、児童を監護し、生計を同じくする父母のうち、いずれか児童の生計を維持する程度の高い者に支給することとされています。議員御指摘のようなケースについては、父母と児童の関係等を踏まえ、個別に判断することになります。
多子世帯など、児童手当の今後の見直しについてお尋ねがありました。
児童手当については、三歳から小学生までの第三子以降の多子に現在でも加算していますが、更に加算すること等、拡充の御意見や世帯間の公平性の観点から世帯合算の導入を求める重点化の御意見がありましたが、検討の結果、今回の見直しにおいては導入を見送ることとしたものです。
改正法案では、附則に検討規定を設け、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や、支給要件の在り方について検討することとしています。その際には、少子化の状況を始め子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、子育て家庭への影響等もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいります。
将来的に待機児童が減少した場合の事業主拠出金の取扱いについてお尋ねがありました。
保育所等の運営費については、現時点では令和七年度にピークを迎えると見込んでいます。そのため、令和七年度までに必要となる運営費の追加所要額も含めて財源を確保したものです。
令和八年度以降の事業主拠出金の取扱いについては、保育所等を利用する子供の数や将来の見通し等を注視し、事業主拠出金の収支や積立金の状況等を踏まえ、経済界とも協議しながら適切に対応をしてまいります。
保育士の公定価格等と実際の年収との差や自治体による監査の基準についてお尋ねがありました。
私立保育所への委託費につきましては、施設における運用の参考とするため、公定価格の改定に合わせて、予算積算上の事業費や管理費、人件費の内訳を通知で示しています。このうち人件費については、施設長、保育士といった職種ごとに地域区分別の年額人件費を示しているところです。
通知で示す予算積算上の年額人件費と実際に支払われる人件費とで差がある理由として、職員の人数や経験年数、賃金体系等は保育所ごとに異なることや、例えば、委託費で算定されている職員数を超えて職員を雇用する保育所では、職員一人当たりの賃金が低くなる可能性もあることなどが考えられます。
このため、自治体においては、管内の私立保育所における人件費の水準について確認する際の参考として、例えば、予算積算上の人件費と実際に支払われる人件費との差額の理由について保育所に説明を求めることなどが可能となります。一方で、監査基準として差額のみをもって単純に給与水準の適否について判断することは適当でないと考えます。
人件費の監査や委託費の弾力運営に、弾力運用についてお尋ねがありました。
先ほどお答えいたしましたとおり、通知で示す予算積算上の人件費と保育所で実際に支払われる人件費との差額のみをもって単純に給与水準の適否について判断することは適当でないと考えます。
また、私立保育所の委託費の弾力的な運用については、適正な運営に関する一定の基準を満たすなど、保育の質に関する要件を満たすことを前提としているところです。
委託費の弾力的な運用を行うに当たっては、必要な場合には都道府県が委託費の使途について確認し、保育士の処遇等に不適切な事例が明らかになった場合には改善を求める等、都道府県が指導を行うこととしており、こうした仕組みを通じて委託費の適切な運用に努めてまいります。
中小企業に対する助成金等についてお尋ねがありました。
五十万円という助成金額については、仕事と子育ての両立に資する取組を行う事業主を支援する他の助成金の水準も踏まえつつ、中小企業の取組を促進するためのインセンティブとなるよう、経済界とも協議をして設定したものであります。
流産・中絶薬等についてお尋ねがありました。
子供の数に関する希望がかなわない理由として、欲しいけれどもできないからを挙げている割合は二割を超えており、不妊に悩む方への支援を通じてその希望をかなえていくことが重要です。
少子化社会対策大綱では、不妊治療への支援について、不妊治療に係る経済的負担の軽減、不妊治療と仕事の両立のための職場環境の整備などを盛り込んでおり、厚生労働省を始めとする関係省庁と連携しながら、不妊治療への支援の具体化に取り組んでいるところです。
御指摘の飲み薬はいわゆる経口中絶薬のことと承知しており、欧米では医師の処方と経過観察が必要とされる医薬品とされていると伺っています。我が国における経口中絶薬の扱いについては、厚生労働省において専門的な見地から検討されるものと承知しており、今後の検討状況を注視してまいります。
非正規雇用やフリーランスの方への子育て支援についてお尋ねがありました。
少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っています。子供の数に関する希望については、子育てや教育にお金が掛かり過ぎる、これ以上、育児の負担に耐えられない、仕事に差し支えるといった理由で希望がかなわない状況があると認識しています。いわゆるフリーランスといった働き方については、仕事と子育ての両立も含め、様々な議論や課題があるものと承知しており、関係省庁における議論の動向を注視してまいります。
引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、関係省庁と連携しながら、男女共に仕事と子育てを両立しやすい環境整備に取り組んでまいります。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕