田村まみの発言 (本会議)

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○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
 ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。
 先に、医療費に大きく関わる新型コロナ対策について、二問、総理にお伺いします。
 菅総理は、前回二回目の緊急事態宣言の解除を決定した三月十八日の会見で、再び緊急事態宣言を出すことがないようしっかりと対策を行うのが自身の責務だと語り、飲食の場での感染防止、変異ウイルスの監視体制の強化、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、安全、迅速なワクチンの接種、次の感染拡大に備えた医療提供体制の強化を五つの柱として、以前から取り組んできたことを改めて示しましたが、五つの対策はどれだけ進んでいたのでしょうか。進んでいたのであれば、三回目の緊急事態宣言の発出や延長には至らなかったと思いますが、総理、この五つの柱のそれぞれの具体的な手段、それぞれの目標数値を改めて示し、完了期限と現時点での進捗を定量的な形でお示しをお願いします。
 また、総理のおっしゃるこの五つの柱の対策をしっかりと行わない限り、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発令の繰り返しのために経済を止めてしまうことになり、国民の生活と命は守れません。安全、安心の国民の生活なくしては、安全、安心のオリンピック、パラリンピックにもたどり着きません。五つの柱の具体的な進捗状況を踏まえた上で、オリパラ開催の判断の指標を総理にお伺いします。
 今回の法改正では、後期高齢者の窓口負担割合が見直されることで生じる現役世代の負担抑制額は、二〇二二年度で七百二十億円にとどまります。忘れてはならないのは、現役世代の負担が増加し続けるという状況は変わらないということです。二割負担の対象となるのは、年収二百万円以上かつ所得二十八万円以上の方とされますが、これは後期高齢者の所得上位三〇%にすぎません。率直に言って、今回の改革だけでは現役世代の負担軽減には不十分ですし、制度の持続可能性が確保されません。現役世代は所得に関係なく三割を負担していることを考えると、能力に応じた形で二割負担の対象者を今後も拡大する必要があるのではないでしょうか。
 報道によると、総理は当初、年収百七十万円以上の後期高齢者を二割負担の対象にする意向だったと伺っております。総理は、今回の見直しだけでは改革として不十分であり、対象者の更なる拡大が不可欠であるとの認識をお持ちなのでしょうか。率直な見解をお伺いいたします。
 今回の窓口負担の見直しについては、施行に要する準備期間等も考慮するとの名目で、施行日が令和四年十月一日から令和五年三月一日までの間において政令で定める日とされていました。医療保険財政が極めて厳しい状況にある中、なぜこのような幅を持たせる必要があったのでしょうか。また、施行日については、どのような会議体、メンバーで検討するのでしょうか。検討のプロセスやスケジュールに関する現時点での想定について、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 健保連が四月に公表した集計結果によると、後期高齢者支援金の負担増やコロナ禍による保険料収入減等の影響により、今年度は健保組合の約八割が赤字になるとされています。また、現役並み所得の後期高齢者の医療給付には公費負担がなく、その分は現役世代からの支援金による負担となっているため、現役並み所得の対象者を拡大しようとすると逆に現役世代の負担が増えていくという矛盾が生じる構造となっています。
 健康保険組合の赤字の増加は、健保組合の解散に直結です。こうした懸念に対し、政府としてどのような対応を行うのか、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 厚生労働省の医療保険部会では、窓口負担割合の見直しだけではなく、市販類似の医薬品の保険給付の在り方や金融資産等の保有状況を反映した負担の在り方などについても議論が行われましたが、結局、引き続き検討というお決まりのフレーズで先送りにされてしまいました。
 政府は、セルフメディケーションを推進するため、税制面での対応を進めてきましたが、今回も恒久化されることなく、対象商品も分かりづらく、残念ながら余り利用されていないのが現状です。また、医療用医薬品のスイッチOTC化も少しずつ進められてきましたが、スイッチ後も医療用医薬品には保険が適用され続けるため、OTC医薬品より大幅に低い負担で手にできます。医療保険部会の過去の議論では、OTC化された医療用医薬品については保険適用から外すのが本来あるべき姿ではないかとの指摘もあり、医療保険財政の現状を考えると、今すぐに実行を移すことを検討すべき課題と考えます。
 新型コロナ感染拡大によって、セルフメディケーションの機運は高まっています。セルフメディケーション税制の在り方とスイッチOTC医薬品の拡大によるセルフメディケーション推進による医療保険の適正化についての総理の所見をお伺いします。
 また、マイナンバー制度の活用も重要になります。マイナンバー法は、マイナンバー制度の目的の一つとして、公正な給付と負担の確保を挙げています。マイナンバーカードの普及とカードの利便性を高めることはもとより、早期に行うべきは、マイナンバーを活用することで個人の金融資産や金融所得を正確に把握し、それに応じた負担を求め、真の意味で能力に応じた公平な保険料負担、窓口負担を実現することです。総理の見解をお伺いします。
 本法案では、社会保険料の免除要件に関する見直しもされることになりますが、育児休業取得の際、従来からあった月末日要件は維持されることになっています。
 先般、本院で可決した育児・介護休業法改正案では、新たに創設される出生時育児休業制度も含め、育児休業を最大四回に分割して取得できることになりますが、残念ながら、月末日を狙い撃ちした恣意的な育児休業取得が行われる懸念は拭えません。特に、社会保険料の企業負担を免れたい使用者側が労働者を誘導し、使用者、労働者双方の合意の上、制度趣旨と異なる恣意的な育休取得が行われることが懸念されます。
 このような社会保険料免除を目的とした育児休業取得が行われないよう、政府はどのような対策を取るのか、厚生労働大臣にお伺いします。
 そして、本法案では、予防、健康づくりの強化のため、四十歳未満の被保険者が受けた事業主健診の情報について、保険者が取得できる規定を整備することとしています。各保険者が効率的、効果的な保健事業を実施する上では望ましい改正ですが、実効性には疑問が残ります。
 今回の改正で、市町村国保も加入者の事業主健診情報を取得できることになりますが、市町村国保は被用者保険と異なり、加入者がどこの事業所で働いているのか把握することは困難です。
 四十歳以上の加入者を対象とする特定健診についても同様の課題があると想像しますが、市町村国保は加入者が働いている事業所の情報をどのように把握するのでしょうか。また、加入者が働いている事業所の情報を現在どの程度把握できているのか、厚生労働大臣にお伺いします。
 また、今回の改正は、労働安全衛生法上、事業所に実施義務のある健康診断であれば、全ての労働者が受診しているという前提で議論されたものと推察します。
 しかし、事業主健診についても、事業所の規模や業種によっては受診率が低くなっており、保険者による加入者の健康状況の把握という当初の目的が達成されない事態も生じ得ます。
 特定健診と異なり、労働安全衛生法に基づいて行われる健診は、事業所側だけではなく、労働者側にも受診義務が課せられています。しかし、そのことを知らない労働者も多いのではないでしょうか。
 政府が予防、健康づくりの取組を強化する上では、まずは事業主健診を受けることが労働者の義務であることを強調していく必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 医療保険制度は、生まれてから亡くなるまで付き合うことになる我が国において最も国民に身近な社会保障制度です。一方で、被保険者、保険者、制度が分かれ複雑で、制度議論は身近なものとならず、負担が殊更強調されます。
 国民の皆様一人一人に制度議論に参加していただけるよう、所得格差、世代間格差だけではなく、命と健康と生活を守る持続可能な社会保障制度の議論を提案、先導していく決意を申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 田村まみ

speaker_id: 4088

日付: 2021-05-19

院: 参議院

会議名: 本会議