倉林明子の発言 (本会議)
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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
私は、日本共産党を代表して、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問します。
冒頭、三原副大臣の委員会遅参について一言申し上げます。
昨日の委員会で副大臣は、自らの公務を優先した判断はあり得ないものだったことを認め、謝罪されました。改めて猛省を促すものです。
新型コロナ感染症第四波による深刻な医療崩壊が起きています。もはやコロナ対策とオリンピックの開催の両立は不可能です。東京オリンピックは、開催国の判断で取りやめることは可能です。総理がその判断を国際IOCに丸投げしていることは無責任の極みです。国民の命を最優先する立場から日本政府が中止の決断をすれば、IOCがそれを覆すことはできません。直ちに決断すべきです。答弁を求めます。
法案は、世代間の公平を口実に、高齢者に医療費の更なる負担増を求めるものです。総理、コロナ禍、多くの高齢者が健康、命、暮らしを危険にさらし続けているさなか、追い打ちを掛けるものだとの認識はありますか。
総理は、七十五歳以上の高齢者への医療費二割負担の導入について、受診抑制も健康への影響も否定してきました。しかし、二割負担の対象を決定する際には、受診抑制が一千五十億円にも及ぶ事実を知らなかったことが明らかになりました。受診抑制などへの影響を否定してきたことに根拠がなかったのではありませんか。なぜ健康への影響がないと言えるのか、明確な説明を求めます。
次に、厚労大臣に質問します。
全日本民医連が実施する経済的理由による手遅れ死亡事例調査では、毎年五十人以上の方が亡くなり、七十五歳以上の方が一割を占めています。窓口負担増が受診抑制と健康悪化に直結することは火を見るより明らかです。
高齢になるほど多くの病気を抱え、七十五歳以上の高齢者の場合、収入に占める医療費の割合は現役世代の二ないし六倍近くになります。安倍政権下、保険料の軽減措置も縮小、廃止され、数倍の負担増になっています。既に高齢者は重い負担を強いられているとの認識はありますか。
二割負担の導入による現役世代の負担軽減は七百二十億円、一人当たりにすれば年七百円にしかなりません。それに対し、公費負担の削減は九百八十億円です。公費負担と企業負担を高齢者に移し替えるだけではありませんか。
現役世代への影響、共倒れが懸念されます。介護をしながら働く人は三百五十万人、介護離職は毎年十万人。治療が遅れ、重篤化すれば、親の生計を支え、介護を担う現役世代の生活をも危うくしかねません。
無職、独身の四十代、五十代の子と親が同居している家庭は推計五十七万世帯。非正規雇用など低収入を強いられる子供の生活を支える高齢世帯も少なくなく、コロナ禍、解雇、雇い止めにより更に深刻化する可能性も指摘されています。
高齢者の負担増を合理化するために、世代間対立をあおることはやめるべきではありませんか。真に現役世代の負担軽減を言うのなら、減らしてきた高齢者医療への国庫負担を抜本的に増額すべきです。お答えください。
七十五歳以上の高齢者のみを被保険者とする保険制度は、世界でも類を見ない差別的な制度だと批判されてきました。後期高齢者医療制度が施行された〇八年一月、当時の厚労省後期高齢者医療制度準備室長補佐は、医療費が際限なく上がっていく痛みを自分の感覚で感じ取っていただくことにしたと語っています。まさに、この医療費負担抑制のために、病気になった人に負担を押し付け、痛みを強いるのが二割負担の導入です。断固撤回を求めます。
以上、厚労大臣の答弁を求めます。
国民健康保険法について質問します。
法案は、都道府県運営方針に、法定外繰入れの解消、保険料水準の統一を記載させるものです。多くの自治体に値上げを迫ることになる保険料の統一化について、期限を切って求めるのですか。
法定外繰入れは、一四年、千百十二市町村、三千四百六十八億円から、一九年には三百十八市町村、千九十六億円と、三分の一以下に減っています。さらに、改革工程表二〇二〇では、市町村数を二三年度までに百、二六年度までに五十にするとしています。自治体の自主的な判断にも、国が上から変更を迫るということですか。
国民健康保険は、高齢者や疾病を抱えた方、非正規労働者を含め現役世代の中でも所得の低い方たちが多く加入し、構造的な問題が指摘されてきました。現在でも負担能力を超えた高額な保険料を課しているのに、都道府県で統一し、法定外繰入れをなくせば、更なる保険料の引上げは避けられないのではありませんか。
負担を軽減するとした現役世代を含めた住民の命と健康、暮らしが脅かされるだけでなく、国保制度そのものの存立さえ脅かすものです。地方自治体が条例や予算で住民福祉のための施策を行うことを国が禁止したり廃止を強制したりすることは、憲法が定める地方自治の本旨と条例制定権を脅かすものであり、断じて許されません。
子供に係る国保料について、収入のない子供からも保険料を徴収する均等割は、人頭税と同じであり、再三廃止を求めてきました。
今回、未就学児について二分の一を減額した場合、公費負担とするとしています。均等割は、子供が多いほど負担が増え、子育て世帯への罰金のようだと批判されています。子育て支援の拡充と言いながら、なぜ未就学児に限定し、半額にとどめたのですか。総理の答弁を求めます。
以下、厚生労働大臣に質問します。
均等割は、子供も含め世帯全員が給付を受けるからと言いますが、被用者保険にはなく、保険料を大幅に引き上げる原因になっています。所得が百万円のシングルマザーの家庭で二十万円になるケースもあります。京都市の場合、夫婦と子供二人の世帯では、協会けんぽの約二倍です。子供も含めた均等割が国保にだけ存在するのはなぜですか。
国民に平等に医療を保障する仕組みであるはずの公的医療保険制度で、負担、給付に根拠のない格差があることは重大な問題です。コロナ禍、子供たちの間にも広がる貧困、格差の解消に向けて、せめて子供の均等割は廃止すべきです。答弁を求めます。
次に、傷病手当についてです。
傷病手当の支給期間を通算化することは、治療が長期化した際の所得保障を強化するものであり、必要な改正です。
同時に、今痛切に求められているのは、国民健康保険加入者も傷病手当の対象とすることです。コロナ禍の特例として、被用者への支給について財政支援を実施しましたが、六月までとした期限を延長するとともに、財政支援の対象を個人事業主等にも拡大すべきではないですか。
被用者保険に加入できない非正規雇用の労働者など多く加入する国保で、傷病手当の法定化こそ実施すべきです。答弁を求めます。
次に、生活保護法に関わって質問します。
法案は、医療扶助を利用する際、マイナンバーカードによる資格確認を原則とするものです。生活保護利用者のうち、マイナンバーカードを既に所有している人の割合をお答えください。
オンラインによる資格確認を受けることができないやむを得ない場合には、医療券による受診も可能とするとしていますが、やむを得ない場合とは何を想定していますか。生活保護利用者が、マイナンバーカードの取得、マイナンバーカードによる資格確認を拒んだ場合、医療券で受診できるのですか。
マイナンバーカードの取得も、医療保険におけるオンライン資格確認も、現在は任意の制度です。生活保護を利用しているからといって自己決定を否定されることは、差別以外の何物でもないと最後に指摘し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕