柳ヶ瀬裕文の発言 (本会議)
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○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
会派を代表して、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。
このコロナ禍において、消費者の不安や弱みに付け込む悪徳商法が増加しており、その対処は焦眉の急となっています。また、約三十五年前の豊田商事事件を始め、安愚楽牧場事件、ジャパンライフ事件など、被害総額は一兆円、十九万人を超える被害者、販売預託商法による被害は繰り返されてきました。今回の法改正において、この販売預託商法の原則禁止、また詐欺的な定期購入商法への対策を強化することが盛り込まれていることは高く評価したいと思いますが、懸念される事項について以下質問をしてまいります。
まず、販売預託商法について伺います。
本法律案により、預託法が抜本改正され、販売預託商法が原則禁止されることになります。一方で、例外的に内閣総理大臣の二段階での確認をクリアすることで販売預託商法を行う道が残されています。
消費者庁の検討会報告書で述べられたように、販売預託商法は、本質的に反社会的な性質を有し、行為それ自体が無価値であると断定する中で、このような例外を求めるということは、消費者庁として問題のない販売預託商法もあり得るという認識なのでしょうか。本改正案において、販売預託商法を全面的に禁止せず、例外的に販売預託商法をできる余地を残した理由について、大臣の見解を求めます。
また、報道によると、販売預託商法で取引をしている事業者は現在も十から二十業者程度確認されているとのことです。こうした事業者も、二段階の確認を経なければ事業を継続できなくなるという認識でよいのでしょうか。既存事業者に対し、どのような対応をすることになるのか、井上大臣の見解を伺います。
悪質な事業者を市場から追放し健全な市場を実現するためには、行政処分の厳格、迅速な執行が不可欠です。四回もの業務停止命令を受けたジャパンライフのように、業務停止命令を受けても何度も違反を繰り返す事業者が絶えず、行政処分の実効性に疑問符が付されています。本法律案により、行政処分の強化を図る点は評価いたしますが、まず、消費者庁として現行の特商法に基づく行政処分の執行状況とその実効性をどのように評価しているのかを井上大臣に伺います。
また、本法律案により、個人事業者又は法人の役員が事業経営を実質的に支配する法人等である特定関係法人についても業務停止命令ができるようになりますが、こうした行政処分の強化の実効性をどのように担保し、消費者被害の防止につなげるのか、井上大臣の見解を伺います。
次に、詐欺的な定期購入商法対策について伺います。
本法律案により、近年急増している詐欺的な定期購入商法対策が講じられます。悪質な事業者への対処は不可欠ですが、健全な事業者にまで支障が出ることは避ける必要があります。消費者を誤認させるような表示を禁止、直罰化し、そのような表示によって申込みをした場合の取消し権が創設されますが、この誤認させるおそれをどうやって判断するのでしょうか。過剰規制となると、健全な事業者にとっては既存のシステム改修など過度の負担を強いるのみならず、ひいては事業者の営業の自由の侵害にもなりかねないと考えます。誤認させるおそれの判断基準の明確化や、違反表示の監視体制の整備が必要となると考えますが、井上大臣の見解を伺います。
次に、送り付け商法について伺います。
本法律案により、送り付け商法対策が講じられますが、販売業者が消費者に承諾なく商品を送り付け、代金を請求したり諾否の連絡を要求したりすること自体は禁止されず、また、行政処分の対象ともされていません。
消費者庁は、事業者のインセンティブをなくすことで未然防止に資する制度となった旨答弁されていますが、悪質な事業者であれば、手を変え品を変え消費者をだまして代金を支払わせようとすると考えられます。これで本当に送り付け商法被害がなくなるのか疑問であります。何ら正当性のない商法である以上、そもそも禁止とし、行政処分も設けるべきと考えますが、そのようにしなかった理由、又はできなかった理由は何でしょうか。井上大臣の見解を伺います。
契約書面の電子化について伺います。
契約書面等の電子化については、消費者団体や弁護士会などから多数の反対意見、慎重意見が届いています。昨年十一月以降、唐突に丁寧な説明なく検討が進められ、十分な理解を得る努力をしてこなかったことについては猛省すべきであります。
一方で、デジタル社会が進展する現状において、紙の書面の交付義務規制を残すことは、いたずらに消費者の利便性を損なうことになると考えます。悪質な事業者は、紙媒体であろうが電子媒体であろうが悪知恵を働かせるものであります。一部の悪質な事業者のために、消費者と善良な事業者の双方が不便を強いられることは、社会経済全体の損失となります。
電子媒体だから駄目とするのではなく、選択の余地を残した上で、消費者被害のリスクを最小限にする方策を講じる方向性こそ適切な路線と考えます。井上大臣は、契約書面等の電子化において、消費者の利便性の向上と保護のバランスをどのようにお考えか伺います。
契約書面の電子化の議論の発端は、規制改革推進会議において、特定継続的役務提供の事業者から電子化の要望があったことと承知しています。そもそも、特定商取引の七類型の中で、通信販売についてはもう既に電子交付が許容されており、特定継続的役務提供のみを追加する選択もあったのではないかと考えます。訪問販売などほかの類型にも認めた理由について、井上大臣の見解を伺います。
また、ほかの類型にも認める以上は、それぞれの取引の特徴や消費者被害の実情を踏まえた制度設計を検討する必要があると考えますが、併せて伺います。
また、契約書面等の電子化を認めるに当たり、最大のポイントは、消費者からの実質的な承諾の担保策にあります。口頭や電話だけの承諾は認めないと消費者庁は答弁していますが、では、消費者が本当に納得して承諾しているかどうかについて、どのような手段であれば問題ないと認めるのか具体的にお示しください。井上大臣の見解を伺います。
以上で述べてきたように、本法律案においては様々な悪徳商法への対策が講じられることになりますが、これまでの歴史を振り返ると、消費者を欺く悪質な事業者と、それに対処する規制当局のイタチごっこが繰り返されてきました。今回の改正後も、新たな悪徳商法が生じたり、規制の抜け道を探る者が出てくることは容易に想像ができるものであります。そのような者には厳格、迅速に対処しつつ、法制度の不備を不断に見直すことは当然のこととして、根本的には、やすやすと事業者にだまされない賢い消費者を育成することこそが不可欠と考えます。
今回の法改正を機に、消費者庁としてこれまで以上に消費者教育に力を入れて取り組んでいただきたいと考えますが、井上大臣の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣井上信治君登壇、拍手〕