梶山弘志の発言 (本会議)
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○国務大臣(梶山弘志君) 宮沢議員からの御質問にお答えをいたします。
法案の誤りの原因等についてお尋ねがありました。
国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として、法案に誤りがあったことは大変遺憾であると考えておりますが、前例なども踏まえて、正誤で対応させていただいております。
今回の誤りの原因については、産業競争力強化法と中小企業関係法のそれぞれに関し別々の担当者が作業に当たっていたことに加えて、法案を束ねたことは関係のない部分で誤りが生じていることから、法律案の束ねが原因であったわけではなく、条文案等の確認が不十分であったことが原因であると考えております。
再発防止等については、そもそも、国会に提出する資料には誤りが許されないとの大前提を強く再認識させるとともに、法案の作成に携わっていない第三者がチェックするなど重層的かつ実効的なチェック体制の構築、読み合わせの徹底、スケジュール管理の徹底と人員の増強など、十分な確認ができる体制の整備を検討してまいります。
そのほか、デジタル技術や外部リソースの活用など、政府全体で検討していかなければならない課題については、省庁横断の再発防止のためのプロジェクトチームの中で積極的に貢献をしてまいります。
これまでの事業計画制度の検証及びパブリックコメントの在り方等についてお尋ねがありました。
産業競争力強化に必要な施策は、その時々の経済社会情勢に応じて柔軟に整備していくことが必要であり、計画認定制度についても、政策評価法に基づき、自ら政策効果の検証を行い、公表するとともに、必要に応じて見直し、改廃の措置を講じてきています。
例えば、今回の法改正においては、産業競争力強化法の特別事業再編計画を廃止をしています。これは、株式を対価とするMアンドAについて、これまでは株式譲渡益の課税繰延べ措置のための計画認定が必要でしたけれども、世界的に株式を対価としたMアンドAの事例が増える中で、会社法改正により手続も一般化されてきたこと等を踏まえて計画認定を不要としたものであります。
また、パブリックコメントについては、行政手続法に基づき適切に実施をしております。例えば、産業競争力強化法の制定時においては、施行に伴う政省令等について御意見をいただき、その内容を整理して、いただいた意見に対しては全て回答を作成し、公表しております。引き続き関係する事業者の意見を広く聞き、御意見を踏まえながら不断の見直しを行い、より良い制度へと生かしてまいります。
カーボンニュートラルに向けた投資促進策等についてお尋ねがありました。
御指摘のカーボンニュートラルに向けた投資促進策としては、税制措置を講じてまいります。具体的には、脱炭素化効果の高い製品の生産設備投資に対し税額控除一〇%等を措置することとしており、対象製品として、省電力性能に優れたパワー半導体、電気自動車等向けのリチウムイオン電池、燃料電池、洋上風力発電設備の主要専用部品などといった製品を想定をしております。
加えて、生産ラインへの最新設備の導入や最新鋭の熱ボイラー設備の導入など、生産工程等の脱炭素化を進める設備投資について、事業所等の生産性向上と二酸化炭素の排出削減を図る炭素生産性という指標が、三年以内に一〇%以上向上する場合、税額控除一〇%等、三年以内に七%以上向上する場合に税額控除五%等を措置することとしております。
また、本税制を活用するための事業適応計画の認定においては、事業者の投資計画がこうした要件を満たしているか否か、ひいては脱炭素化に貢献する取組になっているかどうかを重視をしてまいります。
石炭火力について、G7気候・環境大臣会合における日本の対応、今後の方針等についてお尋ねがありました。
エネルギーをめぐる状況は各国千差万別です。資源が乏しく、周囲を海で囲まれた我が国において、3EプラスSを満たす単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であると考えています。
国内の石炭火力については、全てを廃止するのではなく、安定供給を確保しながらその比率をできる限り引き下げていくことが基本となると考えております。このため、二〇三〇年に向けて非効率石炭のフェードアウトを着実に進めるとともに、二〇五〇年に向けては水素、アンモニアやCCUS等を活用することで脱炭素型の火力に置き換えていく取組を促進してまいります。
一方で、石炭火力は電力供給を支える重要な電源であるとともに、地元雇用や地域経済を支える役割もあるため、その休廃止による影響を懸念する声があることも承知をしており、引き続き関係者の御意見を聞きながら取り組んでまいりたいと考えております。
また、海外石炭火力については、石炭火力輸出支援の厳格化という我が国の方針を説明をし、各国から一定の理解を得たところです。世界でカーボンニュートラルを目指していく中、全ての国が一足飛びにネットゼロを達成できるとは限りません。途上国の実効的な脱炭素化を促すためにどのような対応が必要なのか、引き続き検討してまいります。
デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた計画認定制度の創設の狙い及び意義についてお尋ねがありました。
DXの意義は、単に部門ごとの縦割りでのITシステムの導入ではなく、部門や会社間をまたいだデータ連携を進めることで、新商品の開発等による全社的な経営改革を実現していくことと認識をしております。
今回のDX投資促進税制においては、経営戦略と連動したデジタル投資に関する全社的計画策定等を求め、これを事前に認定する仕組みとしていますが、具体的な認定制度の設計に当たっては、各業界の方々と丁寧な意見交換を重ねてきております。
例えば、税制の一つの要件であるDX認定の運用基準策定に当たっては、セキュリティー対策に関して提出を求める書面の内容を変更するなど、企業の実態に合わせたものとしてきました。
また、御指摘のとおり、デジタル化自体が目的になってはならず、デジタル技術の活用を通じて実際に企業の経営改革が進むことが重要です。このような観点から、計画認定の効果をしっかりと見極めてまいります。
バーチャルオンリー株主総会を上場会社に限って認めることとした理由についてお尋ねがありました。
バーチャルオンリー株主総会の制度は、新型コロナウイルス感染拡大も踏まえ措置するものですが、上場会社は一般の株主の数が多く、バーチャルでない通常の株主総会を開催する場合には、大規模な会場に多数の株主が物理的に集まることから、バーチャルオンリーで開催することの効果が大きいと考えています。また、上場会社は、株主総会の招集や決議に関する開示制度が整備されているため透明性が高く、バーチャルオンリーで株主総会を開催する際に株主の利益を確保しやすいと考えております。こうした点を踏まえて、本法案では、上場会社のみを対象にバーチャルオンリー株主総会を実施できることとしております。
債権譲渡通知等の第三者対抗要件の特例についてお尋ねがありました。
今般、産業競争力強化法の計画認定を受けた事業者の情報システムを利用する場合に限り、債権譲渡の通知を電子的に行ったとしても第三者に対抗することができることとする特例を創設することとしました。特例を受けるための情報システムの要件としては、債権譲渡通知等がされた日時と内容を容易に確認することができること、日時及び内容の記録の保存とその改変防止のための措置が講じられていることが規定をされております。
本特例の施行に当たっては、認定事業者に対して厳格なセキュリティー対策、二重払いの事前防止措置及び過誤払の発生時の返金の確保に向けた対策を求めております。また、制度の周知や注意喚起を十分に行うとともに、その他の悪用事例などへの対処については関係省庁と連携してしっかりと対応を図ってまいります。
下請振興法の対象取引類型の拡大についてお尋ねがありました。
現行の下請振興法では、スポーツジムでスタジオレッスンを行う運営者が、フリーランスであるインストラクターに対してスタジオレッスンの提供を委託する契約などは対象外となっております。
昨今の働き方が多様化している影響等により、現行の下請振興法では対象となっていない取引形態などに関する下請かけこみ寺への相談件数は、平成三十年には五千三百件程度であったものが、令和元年度には六千四百件程度に増加をしています。
このため、今般の改正により、サービスの構成要素を切り出して委託する取引なども下請振興法の対象とすることといたしました。これにより新たに対象となる取引を行う事業者に対しても、中小企業庁として、下請振興法に基づき、全国百二十名の下請Gメンによる実態把握を進めていくとともに、業所管大臣が、発注書面の交付など望ましい取引の在り方等を示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能となります。このような指導、助言に加えて、振興基準を踏まえた自主行動計画やパートナーシップ構築宣言などを活用し、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。
認定下請中小企業取引機会創出事業者についてお尋ねがありました。
御質問の認定対象は、例えば、自らが機械製造に要する加工や衣服の製造等を受託した上で、提携する最適な中小企業を選定して再委託するとともに、工程管理や品質管理等も一貫して請け負うことが可能なメーカー等を想定をしております。
認定に際しては、中小企業者の不利益となる価格設定を行わないことを確認するとともに、二年ごとの認定更新や基準に適合しなくなった場合の取消しなど、取引の透明性や公正性を確保するための措置を講じてまいります。
また、認定下請中小企業取引機会創出事業者による行為が、代金の減額などの独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に違反すると認められる場合には、公正取引委員会と連携して厳正に対処をしてまいります。
法律案提出のエビデンスについてお尋ねがありました。
産業競争力強化に必要な施策は、その時々の経済社会情勢に応じて柔軟に整備していくことが必要であり、産業競争力強化法の措置も必要に応じて見直しを講じてきています。
我が国の在来の経済社会システムの大きな問題点は、近年、日本企業が付加価値の高い製品やサービスを十分に生み出せていないことや労働生産性が十分伸びていないことにあり、例えば、二〇一〇年代の日本の労働生産性の伸びは年平均で〇・三%にとどまり、G7諸国の中でイタリアに次いで低く、労働生産性の絶対値もG7諸国の中で最も低い。コストの何倍の価格で販売できているかを示すマークアップ率を見ても、米国の一・八倍に対して日本は一・三倍にとどまり、十分な売値が確保できていない。OECDによると、新製品や新サービスを投入した企業の割合は先進国で日本が最も低く、付加価値の高い製品やサービスを十分に生み出せていない状況となっています。
日本企業の付加価値の高い製品やサービスを生み出し、労働生産性を向上させていくためには、コロナ禍の中でも経済を牽引しているデジタルやグリーンといった成長の潜在可能性のある分野において積極的に未来への投資を進めることが必要であることから、今般、本法案を提出をし、グリーン、デジタルなどへの集中投資を進めるための投資促進税制や金融支援などを措置をしています。(拍手)
〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕