梶山弘志の発言 (本会議)

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○国務大臣(梶山弘志君) 石井議員からの御質問にお答えをいたします。
 産業競争力強化法の日本の産業競争力に対する効果と役割についてお尋ねがありました。
 産業競争力強化法は、日本の産業競争力を強化する上で、日本の経済の三つのゆがみとなっている過剰規制、過小投資、過当競争を是正することを目的として二〇一三年に制定されました。
 これまでに、この法律に基づき、約三十社が規制の特例措置などを活用して新ビジネスを実施し、約二十社が税制措置等を活用してベンチャー企業への投資を実施し、約八十社が税制措置等を活用して事業再編を実施してきたところです。
 産業競争力の強化への効果を定量的に評価することは困難ですけれども、こうした規制の特例の活用やベンチャー企業への投資、事業再編といった新たな企業活動は、過剰規制、過小投資、過当競争を是正する方向へと日本経済を変え、産業競争力の強化に向けた環境を確実に改善をしているものと考えております。
 中小企業のデジタル化に関し、現状の政策に対する考えと事業者目線の施策の必要性についてお尋ねがありました。
 御指摘のクラウド技術やDX認定について、中小企業の利用実績が少ないことは事実ですが、これをもって現在のデジタル推進政策が中小企業のデジタル化に寄与していないとは考えてはおりません。
 まず、クラウド技術については、より多くの中小企業が導入できるよう、専門家が寄り添った伴走支援を行っていきます。DX認定に関しても、今後、中小企業向け手引を策定する予定であり、中小企業がデジタルトランスフォーメーション投資促進税制を活用しやすい環境づくりを進めてまいります。
 また、計画認定制度だけでなく、IT導入補助金を含む総額七千六百億円の中小企業生産性革命推進事業など、多様な施策を総動員して中小企業のデジタル化を促進をしてまいります。
 DXの認知度、理解度を高め、意識変革を進めるための政策についてお尋ねがありました。
 DXは、単にデジタル技術を導入するということだけではなく、企業文化を変えることも含めて企業経営全体の変革を行うことであり、企業の認知度、理解度を高めることは極めて重要な課題と考えております。
 このため、二〇一九年には、企業がDXに向けた自社の課題を簡易に診断できるDX推進指標を公表し、自己診断に活用していただくことを推奨するとともに、二〇二〇年からは、東京証券取引所と共同でDX銘柄を選定することで、企業経営全体でDXを行っている優良事例の発信を行ってきております。
 引き続きこうした取組を実施しつつも、今回の法改正では、最大五%の税額控除であるDX投資促進税制を受けるための要件として、DX認定を取得していることを求めることとしました。この新たな優遇措置により、自ら投資をしてでもDXを進めようとの意識改革を進める企業が更に増えていくことを期待をしております。
 日本企業の潜在的開発力を引き出す政策と新たな成長産業の確立についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラル目標は従来の政府方針の大幅な前倒しであり、並大抵の努力では実現できません。日本企業の優れた開発力を生かしつつ、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションを大幅に加速することが必要となります。
 このため、政府としては、過去に例のない二兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、十年間、研究開発、実証から社会実装までを継続して支援をしてまいります。
 あわせて、革新的環境イノベーション戦略の関連予算として政府全体で計上している約三千億円により、環境・エネルギー分野の技術開発も後押ししてまいります。
 これらの支援を呼び水に、日本企業が潜在的に持っている新たな技術の開発能力を発揮させることで、大胆な研究開発、設備投資を喚起し、革新的なイノベーションの実現と日本の将来の成長産業の創出につなげてまいります。
 みなし中小企業者制度についてお尋ねがありました。
 本制度は、中小企業向け支援を受けられなくなることに不安を覚え、大企業、中堅企業への成長をちゅうちょする中小企業が一定程度存在していることを背景に創設をされたものです。
 具体的には、地域未来投資促進法の承認を受けた中小企業が大企業、中堅企業に成長した際に、最大五年間継続して金融支援などの中小企業向け支援を受けることを可能とする制度です。
 施行から約半年と導入後間もないこともあり、現時点での活用実績はありませんが、民間調査機関による分析では、毎年三百社前後の中小企業が大企業、中堅企業に成長している一方、売上げを伸ばしながら中小企業近傍にとどまる企業も約六千社存在することを踏まえれば、みなし中小企業者制度には一定のニーズがあるものと考えております。本制度が活用されるよう、引き続き本制度の周知に取り組んでまいります。
 特定事業者の狙いと意義についてお尋ねがありました。
 本法案で新たに設けることとした特定事業者は、資本金によらず、中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援対象類型であり、規模拡大に資する支援措置に限って適用します。これは、中小企業から中堅企業に成長した企業の多くが、まず資本金を増加させつつ事業を拡大し、その上で従業員を増加させていることから、こうした規模拡大のパスに沿って成長する企業を応援する趣旨の制度です。
 他方、みなし中小企業者制度は、中小企業が成長し中小企業支援の対象から外れた場合でも、最大五年間引き続き支援が受けられるという趣旨の制度です。今回の改正により、特定事業者の定義から外れても最大五年間は継続して支援するという趣旨の制度として、本法案成立後も引き続き利用が可能となります。
 これらの措置により、中堅企業に成長する企業が年四百社以上という目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 事業引継ぎ支援センターについてお尋ねがありました。
 事業引継ぎ支援センターは、中小企業の事業承継を支援するため、後継者不在企業と受け手企業のマッチングを支援する役割を担ってまいりました。また、今年四月には、事業承継・引継ぎ支援センターと名称を変更し、親族内承継の支援も開始することで、事業承継に関するワンストップ窓口としての役割を担うようになったところです。
 これまでの実績としては、小規模な中小企業の事業引継ぎを中心に、設立以来の十年間における累計成約件数は約五千件に上り、年間の成約件数もここ三年で倍増しております。
 アフターコロナを見据えれば、新たな日常に対応するための事業再構築の形を取る事業者の、事業の引継ぎにも対応していくことが重要であると考えており、今後は、経営者OB人材の活用や、よろず支援拠点や地域金融機関、商工団体等との連携拡大により、今後の中小企業の事業承継、引継ぎの円滑化により一層強力に取り組んでまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 梶山弘志

speaker_id: 8910

日付: 2021-05-26

院: 参議院

会議名: 本会議