梶山弘志の発言 (本会議)
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○国務大臣(梶山弘志君) 礒崎議員からの御質問にお答えをいたします。
産業競争力強化法の我が国の産業競争力の強化に対する役割と効果についてお尋ねがありました。
産業競争力強化法は、日本の産業競争力を強化する上で日本経済の三つのゆがみとなっている過剰規制、過小投資、過当競争を是正することを目的として二〇一三年に制定をされました。
これまで、この法律に基づき、約三十社が規制の特例措置などを活用して新ビジネスを実施し、約二十社が税制措置等を活用してベンチャー企業への投資を実施し、約八十社が税制措置等を活用して事業再編を実施をしてきたところであります。
産業競争力の強化への効果を定量的に評価をすることは困難ですが、こうした規制の特例の活用やベンチャー企業への投資、事業再編といった新たな企業活動は過剰規制、過小投資、過当競争を是正する方向へと日本経済を変え、産業競争力の強化に向けた環境を確実に改善をしているものと考えております。
IMDのランキングや半導体のシェア落ち込みへの評価についてお尋ねがありました。
IMDが公表している国際競争力ランキングでは、日本は一九九〇年には世界第一位でしたが、二〇二〇年には世界第三十四位となっております。また、日本の半導体産業は、かつては五〇%以上のシェアを占めていましたが、足下では一〇%程度となっており、これらの一因は、成長投資が不十分で新しい稼ぐ力を生み出せていないことにあると認識をしております。
我が国の企業が付加価値の高い新たな製品、サービスを生み出すためには、稼いだ利益を研究開発、設備投資、企業買収など、未来への投資に積極的に回すことが必要ですが、本法律案ではこうした企業の変革を後押しするための措置を講じているところであります。
産業競争力強化法の施行後に得た教訓と、その教訓の本法案への反映についてお尋ねがありました。
これまでの産業競争力強化法は、規制改革の推進、ベンチャー企業などへの投資の拡大、事業再編の円滑化など、分野に限定せずに産業の新陳代謝を促進するための措置を講じてきたところです。
その一方で、二〇一〇年代の営業利益に対する設備投資や研究開発費の比率が減少しているなど、成長投資が不十分で、新しく稼ぐ力を生み出せていない状況にあると認識をしております。
こうした状況を踏まえて、本法案では、デジタルやグリーンといった成長の可能性がある分野に対象を限定した上で、成長投資を進めるために最大一〇%の税額控除を講じるなど、思い切った支援策を講じることとしております。本法案に加え、予算、税制などを総動員して、更なる経済成長につながる成長投資を促してまいります。
規制のサンドボックス制度に対する評価と本制度がイノベーション等にもたらした効果についてお尋ねがありました。
本制度はこれまで二十件の認定が行われ、百三十九の事業者が実証に参加をしております。実証の結果、電動キックボードに関する道路交通法関連法令の特例措置の整備等が実現したほか、本法案において盛り込んでいる債権譲渡の通知の電子化に関する民法等の特例措置など、実際の規制改革に結び付いたものもあるため、一定の成果が上がっているものと認識をしております。
また、例えば、医薬品開発の現場では、臨床データを薬機法の承認申請の書類に転記する際、人が確認してデータ転記の信頼性を確保していたところ、データの改ざんが困難な新技術を活用し、人が介在しない新たなデータ転記手法の実証を行い、その後、実用化されていることから、本制度は御指摘の企業のイノベーションや生産性向上にも寄与しているものと考えております。
規制のサンドボックス制度を恒久化する意義と改善策についてのお尋ねがありました。
本制度による実証の結果、これまで実際に複数の案件で規制改革が実現していることから、本制度は規制改革を実現するための重要なツールとして有効に機能しているものと承知をしております。
また、多くの事業者が引き続き本制度を活用したいと考えている一方で、本制度改善については特段のニーズがないことから、今回の法律案では、現行制度に特段の変更は加えずに、産業競争力強化法に移管した上で恒久化することとしております。今後も、より使いやすい制度の構築に向けて、引き続き事業者の皆様の声にしっかり耳を傾けてまいります。
大企業と中小企業の取引適正化についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、中小企業の生産性向上を実現するためには、下請中小事業者から親事業者への適正な価格転嫁等の取引適正化が重要であります。
このため、経済産業省において、価格決定方法の適正化など、取引適正化のための重点的に取り組むべき五つの課題を定めるとともに、下請振興法に基づく振興基準に対価の決定の方法の改善や取引上の問題を申し出やすい環境整備等を規定し、この振興基準に照らして問題となる事例がある場合には、その事業者に対して主務大臣による指導、助言を行うこととしております。さらに、業界団体が策定した自主行動計画のフォローアップや取引環境の整備を企業の代表者名で宣言するパートナーシップ構築宣言なども活用しながら、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。
型取引の適正化についてお尋ねがありました。
型取引の適正化については、型取引の適正化推進協議会において議論を進め、二〇一九年十二月に、適正な取引ルールや契約書のひな形を示した報告書を取りまとめたところであります。これらを踏まえ、産業界に対しては、この成果の自主行動計画への反映を促すとともに、アンケート調査やヒアリングを通じて親事業者による遵守状況の実態把握を行ってまいります。こうした取組により、不要な型の廃棄など、改善に向けた動きが進んでいるものと承知をしております。
一方で、受発注者間の廃棄基準が共通化されていない、発注者側から廃棄指示の不徹底、適正な保管料負担ルールの不徹底などの課題も残っております。こうした課題の改善に向けて、産業界に自主行動計画の見直しを要請するなど、より一層の取組を促してまいります。
下請Gメンについてお尋ねがありました。
これまでも下請Gメンによる下請中小企業の実態把握を進めてまいりましたが、下請取引に関する機微な情報も含まれているため、ヒアリングに回答することに不安の声などが上がっておりました。このため、今回の法律案において、下請Gメンが行うこととした調査に下請中小企業の皆様が安心してしっかりと御協力いただくことができるよう、法律上の位置付けを明確化する措置を講じております。
また、下請Gメンの人数は、平成二十九年発足当時は八十名でしたが、現在は百二十名まで増強しています。下請取引に従事した企業OBや知財の経験者など専門性を有する多様な人材を確保するなど、引き続き必要な人員の確保や調査能力の向上に取り組んでまいります。
人権デューデリジェンスなどの新たな課題が産業競争力に与える影響についてのお尋ねがありました。
国際社会において人権問題への関心が高まる中、特に海外事業を展開する企業は、その原料の調達を始めとするサプライチェーン全体について、自らの事業における人権に関するリスクを特定し、対策を講じる必要に迫られていると承知をしております。
こうした中、政府は、昨年十月、ビジネスと人権に関する行動計画を策定し、企業に対して人権デューデリジェンスの導入を期待する旨を表明をいたしました。
人権デューデリジェンスに対する今後の我が国企業の取組いかんによっては我が国の産業競争力にも影響を及ぼすことが想定をされるため、本行動計画の周知啓発をしっかりと行い、産業界の意識向上、取組促進に努めてまいります。(拍手)
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