柴田巧の発言 (本会議)
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○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案について、小此木大臣に質問します。
自衛隊や海上保安庁の施設、原発など重要インフラ施設の周辺や国境離島といった安全保障上重要な土地を敵対的な国家や勢力等から守ることは、世界では当たり前のことです。ところが、我が国では土地取得を規制する法律がなかったために、安全保障上の要衝地が外国資本や外国人等に野方図に買い荒らされてきました。
このため、日本維新の会は、政府・与党に先駆けて、平成二十八年の秋の臨時国会を最初に、今国会を含む五国会にわたり、国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案を参議院に提出をしてきました。我が党は、このようにどこの党よりも早く、そして強い問題意識を持ってこの問題に取り組み、しかも、本法律案以上に厳しい措置を含む法案を提出し続けてきました。
そこで、まず、これまでの我が党の取組と提出した法案の率直な評価を求めるとともに、今回の法制の生命線である実効性について、政府法案と維新提出法案の内容を比較し、どちらがより担保されると考えるか、併せて小此木大臣にお伺いをします。
さて、政府・与党も重い腰を上げ、今般ようやく法案を提出しました。一歩前進です。しかし、幾つも懸念があります。その一つは、特に重要度の高い土地、つまり特別注視区域の取引について、事前審査制度はなく、取引自体は自由にできてしまうことです。
法案では、事後に瑕疵が判明すれば是正措置がとられますが、取引成立から問題判明までの空白の時間に、我が国の重要な施設、土地をめぐって、悪意の土地取得者の背後に存在するであろう国家やテロ組織が何か仕掛けてきたら、後の祭りです。法案は事前届出を義務付けてはいますが、あくまでも届出にすぎず、取引後に実態について調査することになっています。
これでは、安全保障上重大な懸念や問題を惹起しかねない取引を未然に防げません。事前届出を義務付けるとともに、問題がある場合は、取引前に変更、中止の勧告や命令を出し、事前に防いでこそ意味があるのではありませんか。大臣にお尋ねをします。
法案では、調査方法として現地・現況調査を認めることとしていますが、土地及び建物の内部に立ち入って調査を行える権限までは与えられていません。これで本当に敷地内や建物内で重要施設の機能を阻害する行為がなされる事態を事前に察知し、未然に防ぐことができますか。
土地等利用状況調査を実効性あるものにするには、立入調査等、強制力のある調査を可能とすべきです。今後、法改正を検討する考えはありますか。併せて大臣の見解を求めます。
さて、法案においては、事前届出を受けて取引前に不審な購入予定者が判明した場合や、取引後に問題が分かったケースなど、国が必要に応じて当該物件を買い取る制度が盛り込まれています。
しかし、買取りのお願い、提案を所有者にできるにすぎず、加えて、その諾否についても所有者の任意であり、強制力はありません。例えば、取引前に悪意の購入予定者への所有権移転を阻止するために所有者に国への売却をお願いしても、買値は適正価格の提示となり、悪意の購入予定者が値をつり上げ、国による介入の妨害阻止に動くことは察しが付きます。取引後に所有者、物件に瑕疵が発覚した場合も同様です。今回の法施行前に外国資本等に既に購入されている重要施設周辺の土地についても、所有者に国への売却を求めることはできますが、所有者には応じる義務はなく、断られて万事休すです。
このように、勧告や命令に従わない者から土地等に関する権利の買入れができない場合、重要施設の施設又は国境離島等の機能を維持することは困難となります。
そこで、実効性を担保するため、国家安全保障上特に重要であり、国が直接管理すべき場合には、強制力がある収用、使用を可能にすべきではありませんか。お伺いをいたします。
ところで、法案により網が掛けられるのは新規取引のみであり、既に外資等に押さえられてしまっている要衝地については、現状変更のために国が所有者に買取りをお願いできるだけで、断られてしまったら終わりです。そこで、法施行前の取引についても、強い権限で調査、是正を可能にするスキームが必要ではありませんか。お尋ねをします。
次に、法案に基づく土地利用規制の国際法上の根拠についてお聞きをいたします。
我が国は、WTO、世界貿易機関のサービス貿易に関する一般協定、GATSに署名する際、外国人等による土地取引については留保条件を付けなかったため、GATS第十七条により、外国人等に対して内国民待遇を与えなければならない義務を負っているとされています。一方で、GATS第十四条の二では、安全保障上の必要があれば、外国人等への差別的待遇を例外的に認めています。
小此木大臣は、衆議院の質疑において、法案はGATSに整合的なものとなっていると答弁をしていますが、これはあくまで国際法上の根拠としては、内外無差別原則を規定している同十七条を踏まえたものであり、同十四条の二の規定に基づくものではないということですか。安全保障上のリスクに対応するという意味では、同十四条の二の規定を根拠とすべきとも考えられますが、大臣の御見解をお伺いをします。
法案の提出に至る経緯として、政府は、外国資本による土地の取得について、地域住民の不安が広がり、法整備などを求める意見書の提出があったことなどを挙げています。
一方、法案第五条第五項及び第十二条第五項では、内閣総理大臣は、注視区域や特別注視区域の指定後速やかに関係地方公共団体の長に通知する規定は置かれていますが、内閣総理大臣が指定する際に関係地方公共団体から意見を聴取する規定は置かれておらず、適正な手続が定められているとは言えません。
地域の実情を正確に把握しているのは当該地域の地方公共団体であることから、指定する際には、関係地方公共団体の長からあらかじめ意見を聴取することをしっかりと法律上位置付けるべきではありませんか。
この点について、衆議院の質疑では、政府は、指定を行う前に関係地方公共団体と意見交換を行うことを基本方針に明記する方向で考えていると答弁をしていますが、法律に規定した上で手続の適正性を確保すべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いをします。
ところで、衆議院の質疑において小此木大臣は、現時点において市ケ谷の防衛省や海上保安庁の施設、原発などの重要インフラの周辺について特別注視区域の対象から除外することを決定した事実はないとした上で、法案に基づく注視区域又は特別注視区域の指定に当たっては、指定に伴う社会経済活動への影響も勘案しつつ、個々の区域ごとに指定の要否、区分等を慎重に判断すると答弁をしました。これでは、政府自ら特別注視区域に該当し得る要件として挙げている、その機能が特に重要であり、他の重要施設による機能の代替が困難であるものを対象から外すこともあり得るということになってしまいます。そういう判断は、法案の趣旨、目的に本当に合致しますか。小此木大臣の見解を求めます。
次に、附則にある検討についてお聞きをします。
法案では、法の施行後五年経過時に施行の状況に検討を加え、必要に応じて見直しを行うとしています。しかし、悠長に構えて現状を五年も放置していていいわけがなく、その間に外国資本等があの手この手で日本の要衝地を買い続けることになりかねません。また、法が施行されたとしても即座に効力を発揮するわけではありません。特別注視区域の個別指定、告示は煩雑な作業となり、半年から一年ほどの時間を要するとされています。したがって、不備が明らかになれば迅速に法改正等を行うべきではありませんか。大臣にお尋ねをいたします。
最後に申し上げます。
静かなる国土への侵攻を見逃してはなりません。我が国は、今まで余りにもお花畑全開でした。日本の平和と安全を確保するため、今こそ毅然と行動していくときです。
日本維新の会は、引き続き、そういう考えに基づき提案、提言をし続けていくことをお誓いし、私の質問といたします。
ありがとうございます。(拍手)
〔国務大臣小此木八郎君登壇、拍手〕