古賀之士の発言 (本会議)
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○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士です。
ただいま議題となりました令和元年度決算及び令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書に反対、令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書及び内閣に対する警告決議案に賛成、以上の立場から討論いたします。
まず、議場の皆様にお伺いいたします。通常国会は来週で閉じる予定ですが、果たして本当にいいのでしょうか。
昨年の臨時国会の会期末、感染拡大が続き、特に大阪などは医療崩壊が懸念される危機的状況にあるとして、私たち野党は会期の延長を求めました。しかし、与党はこれを拒否、大事な時期に政治の空白、政策の空白をもたらしましたが、その結果はどうなったでしょうか。会期中から上昇傾向にあった感染者は、GoToキャンペーンの中止が遅れたこともあって年末年始にかけて急増し、二回目の緊急事態宣言に追い込まれたではありませんか。
あのとき国会が続いていれば幾ばくかの感染者の命が救えたのではないか、資金繰りに悩む経営者を助けられたのではないか、ぎりぎりまで節約する一人親家庭に手を差し伸べられたのではないか、そう考えると残念でなりません。もし、この通常国会を予定どおり閉会すれば、臨時国会での教訓を全く生かしていないことになります。
私たちは、国民の命と経済を救うために、これからも議論を続けるべきです。そもそも、現行の緊急事態宣言が六月二十日までなのに、国会がそれより早い十六日に閉じてしまうのは、誰がどう考えてもおかしいです。おととい、決算委員会でも、解除か継続かの判断の時期を明示するよう求めた福山幹事長の質問に対し、政府は、言を左右にして答えませんでした。まさか、また決戦は金曜日よろしく国会閉会後の十八日に判断するとすれば、これほど国民をばかにした話はありません。
働きたくても働けない、中でも非正規労働者の方々に働くべきときに働かない国会議員の姿がどう映るかを考えれば、今国会の会期については延長する以外に選択肢はあり得ない、そう申し上げておきます。
さて、本題であります令和元年度決算については、警告が八項目、措置要求も八項目と、多くの決議を行いました。これほどまでに火だるまになった決算について、一体誰が容認できるでしょう。
このうち、例えば地域再エネ水素ステーション導入事業への警告について検討しましょう。
再エネ発電により水素を製造して燃料電池自動車に供給する事業において、十九の事業中十七の事業が必要電力量を満たしていなかったばかりか、信じ難いことに必要電力量そのものの把握すらできないというお粗末な実態があり、事業の廃止に至っております。政府は温室効果ガスの四六%削減という目標を掲げていますが、水素の利用はその大きな役割を担うはずです。しかし、実際の事業はずさんなまま進められていました。今回の警告は、単に一事業にとどまるものではなく、日本の将来を左右する政策が砂上の楼閣であることを指摘する重大なものです。
なお、自動車における脱炭素化の推進については、立憲民主党と国民民主党が議員立法を提出いたしますので、議場の皆様も御理解と御協力をいただきますよう、この場を借りてお願い申し上げます。
措置要求についても、災害拠点病院の自家発電機が浸水によって機能しなくなる問題を指摘しています。十年前の東日本大震災の際、浸水によって原子力発電所の非常用発電機が機能しなくなり、大惨事につながったことは記憶に新しいところです。にもかかわらず、災害時に命を救う役割がある拠点病院がこの教訓を学んでいなかったことについて、愕然とせざるを得ません。この措置要求も、一事業に対する指摘ではなく、我が国が抱える根本的な課題として捉えなくてはならないでしょう。
また、会計検査院による「政府情報システムに関する会計検査の結果について」では、年金給付に関しては、およそ四百万件の手続のうち、電子申請は何と一件もないという驚くべき事実が指摘されていました。これに対して厚労省は、申請に必要な書類をあらかじめ年金受給者に郵送しているためという紙本位主義というべき説明をしています。こうした電子政府へのやる気を根本から疑わせるような言い分に接しますと、せっかく誕生するデジタル庁の行方はさぞ暗かろうと心配になるのは私だけではないはずです。
ただし、現状でも、紙なら万事うまくいくというわけではありません。国会審議の中でも、政府に対する各種資料要求について、近年、開示内容を制限したり、時間の掛かる対応が増えたりしています。国政調査権を背景とする資料要求については最大限迅速に対応すべきであると政府に強く警告いたします。
感染リスクのコントロールをしながらしっかりと経済を回していく、私たちの仕事や暮らしを守ることにもっと軸足を置いた取組が必要です。これは昨年六月に行われた安倍前総理の記者会見の言葉です。では、この一年間はどうだったでしょうか。
一年前の去年六月八日の感染者数が全国で二十一人だったのに対して、昨日は千八百八十四人と九十倍ですから、感染リスクはコントロールできていません。リーマン・ショック以来、十一年ぶりに生活保護が増加、完全失業率も悪化、経済成長率に至っては戦後最悪の下落となるなど、経済は回らず、仕事や暮らしは守れませんでした。
それだけではありません。例えば、留学を希望する学生の多くが、去年、突然その機会を奪われたばかりか、先進国とは呼べないほどのワクチン接種状況により、今年も渡航できそうにない状況です。政府の怠慢で学生の学びの場と希望が失われることに、私は強い憤りを感じております。
もっとも、それも当然です。この間の政府は、全ての道はオリンピックに通ずであるかのように、国民の命や暮らしよりもオリンピックを重視した政策を取ってきたからです。無論、政府の中には、この状況でオリンピック開催の準備を進めるのはいかがなものかという意見を持っている人も多いかと思います。しかし、これまで人事権を振りかざしてきた菅総理に諫言できるわけもありません。
今の官邸は、言わば、牟田口中将の必勝の信念に対し、補佐すべき幕僚はもはや何を言っても無理だというムードに包まれてしまったという、あのインパール作戦の状況とうり二つという声もあります。
事実、おとといの決算委員会で、水岡会長がオリンピックを中止する選択肢はあるかと再三再四質問したにもかかわらず、総理は訳の分からない主張を繰り返すばかりでした。牟田口は作戦の成功を楽観視していたのであり、彼にとってコンティンジェンシープランを検討する必要性はほとんど認められなかったという「失敗の本質」の記述がそっくりそのまま当てはまるのではないかという声すらあります。
入院先が見付からずに自宅のベッドで一人苦しんでいる人、突然のリストラで不安に押し潰されそうになっている人、おいしい酒とさかなを出すことにプライドを懸けているのに営業を再開できず悩んでいる人、こうした国民を置き去りにして国会を閉じ、ひたすらオリンピックへと邁進する姿、この現在の政府の姿には、もう一つの案、コンティンジェンシープランを持たない深刻な状況にあると申し上げ、いま一度、この国会を閉じずに、与野党を超えた国民のための審議を求めて、私の討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)