柴田巧の発言 (本会議)

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○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和元年度決算の是認に反対、令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、そして、内閣に対する警告決議案には賛成の立場で討論をいたします。
 行政の無駄や不正が後を絶ちません。会計検査院の検査報告では、件数二百四十八件、金額にして二百九十七億円の国費の無駄遣いが指摘されました。前年度の三百三十五件、一千二億円に比べると大幅に減っており、過去十年でも最少でありますが、これは、新型コロナウイルス感染症拡大によって会計検査院が各地に出向く実地検査を抑制したからにほかなりません。
 しかし、そのような中でも、過去何度も同じ指摘を受けながら、国費の不適切な支出が繰り返されている状況は改まっていません。消費税率を引き上げ、負担増を求めておきながら、行政の無駄や不正が後を絶たないのでは、国民の理解を得ることは不可能であります。
 まずこのことを申し上げ、以下、具体的な問題点を指摘しながら、反対理由を述べます。
 まず第一は、独立行政法人の多額の繰越欠損金が回収不能のおそれがあることです。
 独法三十法人四十三勘定の平成二十三年事業年度末から令和元年事業年度末までの繰越欠損金の状況を会計検査院が検査したところ、このうち十一法人で赤字に当たる繰越欠損金が計六千二百九十九億円に上ることが明らかになりました。十一法人のうち四法人では、既に新規事業の実施を取りやめたり、一部事業の廃止が見込まれたりしており、今後、国が出資した計千七百五十五億円の大半が欠損金の清算に充てられ、回収不能となるおそれがあります。
 独法の大半は国から出資を受け、公的事業を実施をしています。しかし、ずさんな運営が行われ、赤字が出たらそのツケを安易に国民負担に求めることはあってはなりません。
 繰越欠損金を抱える独法及び所管する各省は、今回の会計検査院の検査結果を重く受け止め、徹底的な検証を行うとともに、効率的な業務運営に真剣に努めるべきです。また、この際、独法全体にわたるガバナンス等の問題がないか総点検すべきだと強く申し上げておきます。
 第二の問題点は、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の不適切な実施です。
 資源エネルギー庁は、エネルギー使用合理化に取り組む民間事業者等に対し、その経費の一部を補助する事業を実施をしていますが、補助する事業者を選定し補助金を交付する事務は、一般社団法人環境共創イニシアチブに委託をしています。
 会計検査院が検査したところ、事業により達成された省エネルギー量の実績を正しく計算すると、交付申請した際の計画量を達成していない事態や、エネルギー管理支援サービス契約を締結してより効果的な省エネルギーの実現を目指すことを申請をしながら、これによる運用改善が全く行われていなかった事態などが明らかとなりました。
 政府においては、各交付先において計画していた省エネルギー量の達成状況を改めて確認し、達成できていない場合には補助金返還を求めるとともに、エネルギー管理支援サービス契約に係る運用改善が確実に行われるよう、補助事業者に厳しく指導監督すべきです。
 第三の問題は、官民ファンドの投資実績が低調で、大きな累積損失が生じていることです。
 民間が担い難いリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とする官民ファンドは、令和元年度末時点で十三あり、政府からの出資額だけでも一兆円を超えています。しかし、投資実績が低調で、幾つものファンドで多額の累積損失が出ています。
 このうち、農林水産省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEは、赤字が続き、廃止が決まりました。A―FIVEによれば、廃止の時期は令和七年度末で、累積損失が百二十億円になる見通しとのこと。
 官民ファンドへの主な資金源は財務省所管の産業投資資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に、年一千億円から四千億円を産業投資に注いできました。このように官民ファンドの原資は国民の公的財産であり、多額の損失が発生し、廃止が決まったことは極めて遺憾です。このA―FIVEを含め、令和元年度末で官民ファンド全体の累積損失額は四百九十六億円に膨れ上がっています。
 官民ファンドは、民間資金は集まりにくいが政府が進めたい産業分野のベンチャー投資とされていますが、成長可能性のある産業なら民間ファンドから資金が集まるので、官民ファンドに持ち込まれるのは、どうしても成長性、収益性の見通しが持てない案件が多くなるのが実情です。しかも、官民の寄り合い世帯は生き馬の目を抜く投資の世界には不向きで、官の判断の遅さが致命傷になりかねません。
 官民ファンドの経営状況を一層厳しく監視するとともに、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を開始するなど、明確な出口戦略を早急に示すべきであります。
 第四は、ODA事業において、その効果を十分発現していない事態が続いていることです。
 外務省及び国際協力機構、JICAが実施するODAについて会計検査院が検査したところ、対パプアニューギニア無償資金協力で、学習環境改善等を目的とした校舎の建設に当たり、現地の大使館が工事への進捗状況を十分に確認しておらず、安全性等の問題で現地当局から建築停止命令等を受け、完成間近であった校舎が学校の敷地所有者に取り壊されていた事態が明らかになりました。
 また、対ソロモン諸島無償資金協力においては、整備した防災連絡システム機材が取り外されたままとなっていたり、一部が所在不明となっていたりして、住民への緊急の災害関連情報の提供に支障が生じるおそれがある状況となっていた事態が判明をしました。
 このように、ODAが効果を十分発現しない事態は実は今回が初めてではなく、ここ数年同じような指摘を会計検査院から受けています。外務省とJICAにおいては、これまで発生した事態の原因を検証し、これ以上同種のことを繰り返さないために、ODA事業に係る体制の強化や現地の大使館員等に対する研修を行うなど、ODA事業が効果を十分発現して相手国の発展、振興に真に資するよう、真剣に取り組むべきであります。
 最後に申し上げます。税金の無駄遣いをやめ、真に必要な予算を確保するには、まず議員自らがその身を切る覚悟を示し、実践をすることです。
 我が党が大阪で与党となった平成二十三年に、大阪府議会で議員定数を百九から八十八に削減をする条例改正案を可決し、その本気度が理解されて以降、大阪府・市で抜本的かつ実のある行財政改革が断行されてきました。大阪市の借入れは八年間で約一兆六千億円以上が削減をされ、同時に教育の無償化などが実現をしました。
 翻って、国では税金の無駄遣いに歯止めが掛からず、一昨年には参議院で議員定数が六も増えました。反面、国民には消費増税で更なる痛みを強いていることは全く理にかないません。
 隗より始めよです。日本維新の会は、今国会に歳費及び期末手当二割削減など、身を切る改革関連十三法案を提出をしています。なお、期末手当については、国会で検討の土壌にのっていないことから、自主的に三割を党に寄附した上で、党より災害地やコロナ関連などへの寄附に充てています。さらに、文書通信交通滞在費の使途を公開するとともに、企業・団体献金は一円も受け取りません。このように徹底した身を切る改革を実践しているのは日本維新の会だけであります。
 コロナ禍でやむを得ないとはいえ、国の財政事情は一層悪化をしています。日本の未来に投資するために、税金の無駄遣いの是正始め行財政改革を足踏みすることなく進めていかなければなりません。そのスタートは議員自らの身を切る改革だと確信をしています。
 我が党は、これからも率先してこれに果敢に取り組んでいくことをお誓いをして、私の討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 120415254X02920210609_006

発言者: 柴田巧

speaker_id: 1171

日付: 2021-06-09

院: 参議院

会議名: 本会議