芳賀道也の発言 (本会議)
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○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
私は、会派を代表し、令和元年度決算案外二案に反対、警告決議案に賛成の討論を行います。
決算案に反対する理由は数多くありますが、そのうち五つを指摘させていただきます。
この令和元年度、夏の参議院選挙で、私も含めて四十人の新人議員が誕生しました。この四十人の中には、広島県選挙区で当選し、後に公職選挙法違反で有罪、当選無効となった河井案里候補も含まれます。
参議院選挙に先立つ四月十三日には、安倍前総理主催の桜を見る会が開催。史上最多の一万八千人が出席しました。桜を見る会は、安倍事務所が地元有権者を八百人も招待するなど税金の私物化の場となり、また、反社会勢力と思われる方が出席し、マルチ商法の疑いで逮捕された方にも安倍前総理から招待状が届くなど、多くの問題がありました。全容解明が必要です。
令和元年度決算案に反対する理由の第一は、税金の私物化の場となった桜を見る会に予算の三倍の五千五百十八万円も支出され、そして、参加者名簿が廃棄されたとして非公開であることです。昨年の決算委員会でも、桜を見る会の不適切な運営について、内閣に対する措置要求決議がされました。
また、与党の問題ではありますが、この年に自民党から河井案里陣営に支出された一億五千万円の使途がいまだに公開されていません。桜を見る会前夜祭でのホテルの明細書や出席者名簿も含め、安倍前総理や二階幹事長の説明責任が果たされていないことも問題です。
お金をばらまいて票を得るという腐敗した選挙、そして、権力者とその周囲がコネを使って利益を貪るという政治を終わらせるためには、徹底した全容解明と原因究明、そして再発防止が必要です。
この決算案に反対する第二の理由は、効果のない消費税率引上げ対策です。
政府は、消費税率引上げに伴う対応として、軽減税率やプレミアム付き商品券、キャッシュレス決済に対するポイント還元制度、マイナンバーカードを活用した消費活性化策、住宅購入支援として住宅ローン減税の拡大や次世代住宅ポイント制度など、はたまた商店街活性化策や国土強靱化など、合計二兆二百八十億円を当初予算に計上しました。
しかし、消費税の差引き歳入額を見ると、前年度の十七兆六千八百八億円から令和元年度に十八兆三千五百二十六億円へと六千七百十八億円しか増えていません。二兆円も対策費を計上したのに税収が六千七百億円しか増えていないとは、一体何のための消費税率引上げ対策だったのでしょうか。この年の十月に消費税率が八%から一〇%になり、新型コロナの感染拡大以前に、十月から大きな景気後退の引き金を引いたことは、その後のコロナ禍と相まって、経済の混乱を招いた明らかな失策でした。
また、消費税は所得の低い人ほど負担が大きい、逆進性の高い税金です。野党は、この逆進性の対策として給付付き税額控除の導入を提案しており、専門家もその必要性を指摘しています。しかし、政府が導入した消費税率引上げ対策は富裕層に有利なもの、消費税引上げ対策から遠いものばかりです。このような予算の使い方には反対です。
決算案に反対する第三の理由は、イージス・アショアなどアメリカの有償軍事援助、FMSが防衛関係費の際限のない拡大につながることです。
イージス・アショアはこの年度に契約され、その年の債務負担額が千七百三十一億円、イージス・アショアの秋田県の配備計画は余りにもずさんで、多くの批判を受けました。河野防衛大臣が配備中止を決定。昨年の決算委員会では、イージス・アショアについて防衛省経理に関する決議がありました。
また、この年度にF35A戦闘機六機の新規契約がなされ、債務負担額七百四十四億円など、FMSが前年から七〇%以上増えて七千十七億円に膨張。昨年の決算委員会で、アメリカの有償軍事援助の問題について警告決議がありました。
決算案に反対する第四の理由は、当初予算が経済成長について非常に楽観的過ぎるシナリオと問題のある統計データに基づいて組まれていたことです。
同じ会派の大塚耕平議員が当時の予算審議の中で指摘していたことですが、この年の当初予算案の前提は、GDPが名目でプラス二・四%、実質でプラス一・三%成長するという余りにも楽観的な経済認識でした。実際には、内閣府の今年五月十八日発表のデータによると、令和元年度の成長率は名目でプラス〇・三%、実質でマイナス〇・五%なのです。
さらに、この前提となっている各種の経済データに統計不正の疑いがあります。立憲民主党の小川淳也衆議院議員の指摘によれば、第二次安倍政権以降、五十三件の統計手法が見直され、そのうち三十八件はGDP、国内総生産に影響する統計です。政府がその検証データも公開しないまま、与党は予算案を通過させました。その年の決算委員会では、厚生労働省の毎月勤労統計調査について警告決議がありました。そして、公的統計の整備に関する業務の実施状況等について会計検査院の検査要請が決議されています。
決算案に反対する第五の理由は、私たちの会派、国民民主党の伊藤孝恵議員などが要請した会計検査院の検査要請項目四項目が自民党の反対で削除されたことです。
例えば、国民民主党の伊藤孝恵議員は四月十九日の決算委員会にて、内閣府IT本部が政府の全省庁の情報システムを発注前から一元的に管理すると昨年竹本大臣が答弁したにもかかわらず、今の内閣IT本部が伊藤議員が指摘するまで経済産業省の新システムTeCOTを把握していなかった問題を指摘。また、五輪用入国者健康管理アプリ、オリパラアプリを十二月二十八日という仕事納めの日に政府が発注し、一月八日締切りという極めて異例の短期間で競争入札した問題を指摘。事前説明会が開かれなかった上、五社のコンソーシアムが落札するという異常さでした。さらに、ワクチン接種管理システムを受注したITベンチャーに過去の実績が少なく、公共事業の受注が三百万円以上千五百万円以下の契約が可能なレベルでしかないのに、随意契約で三億八千万円も受注したこと。
このような異常な経緯について会計検査院に検査を要請すべきだという伊藤議員の指摘は、まさに的を射ています。それぞれ担当の大臣も否定していません。伊藤議員は、新型コロナ対策の各種給付金の事務費が不透明な問題も指摘。しかし、自民党の強い反対で、いずれも会計検査院への検査要請項目から外されました。大変残念です。会計検査院に調べられると困ることでもあるのでしょうか。自民党が要請項目を五項目からたった一項目へと大きく減らしたことで、参議院の存在意義でもある決算重視の方針がないがしろにされてしまいました。
以上のように、第一に、税金の私物化の場となった桜を見る会に予算の三倍にも上る五千五百十八万円も支出され、参加者名簿が廃棄されたとして非公開であること、第二に、効果のない消費税率引上げ対策、第三に、イージス・アショアなどアメリカの有償軍事援助、FMSの問題、第四に、非常に楽観的過ぎる経済成長シナリオと問題のある統計データに基づいて組まれた予算であること、そして第五に、国民民主党の伊藤孝恵議員などから提案があった的確な会計検査院の検査要請項目が自民党の拒否により除外されたことなど、多くの理由で令和元年度決算案に反対いたします。
良識の府である参議院の皆様に、この決算案に反対をいただくようお願い申し上げて、私、国民民主党・新緑風会、芳賀道也の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)