岩渕友の発言 (本会議)

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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、二〇一九年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、内閣に対する警告決議、国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成の立場から討論を行います。
 討論に入る前に、オリンピック問題について申し上げます。
 東京五輪の開催について、中止、延期を求める国民世論が高まり、政府分科会の尾身会長が、今の状況でやるというのは普通はないと国会で答弁するなど、専門家からも感染拡大や医療体制の逼迫の危険が指摘されています。菅総理は、おとといの決算委員会で、オリンピックは国民の命と健康を守れなければやらないと答弁しましたが、国民が納得する基準を示すことができませんでした。それにもかかわらず、我が党の小池晃議員が政府分科会に諮問するべきと何度求めても応じませんでした。科学的根拠も示さず、都合の悪い意見には耳を塞いでオリンピックを強行するなど、断じて許されません。オリンピックの開催は、感染爆発を招くリスクと医療に更なる負担を掛けるものであり、直ちに中止するべきです。
 以下、主に二〇一九年度決算に反対の理由を述べます。
 反対する第一の理由は、消費税一〇%の増税によって、国民に五・七兆円もの負担増を押し付けるとともに、社会保障の切捨てを行ったものだからです。
 増税は、コロナ禍の下、国民の命と暮らしを脅かし、営業への深刻な打撃となっています。世界では五十八もの国・地域が消費税、付加価値税の減税に踏み出す一方、菅政権は一貫して消費税の減税を拒否してきました。日本共産党は消費税五%への減税を提案していますが、消費税率の引下げを決断することが、冷え込んだ家計を温め、苦境に立たされている中小企業・小規模事業者の営業を守ることになります。
 消費税が導入されてから二一年度予算額までの累計で、国民は四百四十七兆円もの消費税を納める一方、同時期の法人税三税は三百二十六兆円減、所得税、住民税も二百八十七兆円の減収となりました。消費税は、大企業と富裕層への減税を含む税収減の穴埋めに使われ、社会保障の充実にも財政再建にも役立ちませんでした。しかも、コロナ禍で医療の逼迫が広がる中、消費税を財源とした補助金で病床削減を支援する法案が強行されました。社会保障に使うどころか、社会保障削減のために消費税が使われるのです。
 バイデン米大統領がトランプ前政権が引き下げた法人税率の引上げを提案し、イギリスが約五十年ぶりに法人税の引上げを決めるなど、大企業や富裕層に能力に応じた負担を求める動きが世界の流れになっています。日本も応分の負担へと転換し、国民の暮らしを守るために使うべきです。
 中小企業対策費は過去最低を更新し、コロナ禍で、農林水産関連費とともに、雇用と地域経済を支える中小企業・小規模事業者への直接支援は極めて不十分です。野党は衆議院で持続化給付金再支給法案を提出しましたが、中小企業・小規模事業者や農林水産業者の営業、営農を支える対策が必要です。
 文教費も、長時間労働の是正が急務である公立小中学校教員の抜本的な増員に背を向けるものとなっています。保護者や教職員の長年の運動によって、小学校全体での三十五人学級が実現しました。早急な実施と中学校での具体化など、更なる拡充が必要です。そのためにも、非正規教員を正規化するなど、教員の抜本的な増員を強く求めます。
 反対の第二の理由は、安倍前政権の下、新防衛計画大綱と中期防衛力整備計画を策定して、戦争する国づくりを進めてきたからです。
 一九年度の軍事費は五兆六千億円となり、五年連続で過去最高を更新しました。安倍前政権は、トランプ前米大統領の求めに応じて米国の有償軍事援助、FMSによりF35戦闘機などの高額な米国製武器の爆買いを進めてきましたが、予算に計上されていたイージス・アショアが断念に追い込まれたことは、その矛盾と危険をあらわにしました。
 補正予算でF35A戦闘機や巡航ミサイルといった兵器等を前倒しで取得するための歳出化経費を常態化させ、一九年度補正後の後年度負担額は五兆六千億円を超えました。将来の財政を圧迫し、国民に必要な施策の実施が困難になる危険性が増大しており、反対です。
 民意に背き、莫大なコストと期間が掛かる辺野古新基地建設も直ちに中止するべきです。しかも、沖縄戦の激戦地で今も戦没者の遺骨が多数収集されている沖縄本島南部の土砂を埋立てに使うなど、到底許されません。
 反対の第三の理由は、コロナ対策に財政を集中すべきときに、三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾、技術面、安全面、環境面で問題が指摘されている東京外郭環状道路やリニア中央新幹線の建設など、新規大型開発を進めているからです。
 安倍前政権は、補正予算で特例公債、建設国債を発行し、高速道路のネットワーク化や世界レベルのホテル建設を含む民間都市開発、日本の大企業によるMアンドAやインフラ整備などの新規大型開発を進めるなど、大盤振る舞いを行っています。加えて、一兆四千億円を超える財政投融資計画も新たに追加しました。超低金利を利用した新規事業の予算化は、財政負担を増やし、財政、金融を更に困難へと追い込むことになり、容認できません。
 原発再稼働や破綻した核燃サイクルを推進するものとなっていることも大問題です。
 東京電力福島第一原発事故から十年たっても非常事態宣言は発令されたまま、ふるさとに戻ることができない方々は数万人に上ります。
 菅首相は二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言していますが、脱炭素を口実に原発を強力に進め、高効率を理由として石炭火力にしがみつくことは、世界の脱炭素を主導するどころか、温室効果ガスの一・五度抑制の達成に努力する世界の足を引っ張るものです。原発ゼロを決断し、省エネ、再エネ中心のエネルギー政策へ転換するべきです。
 二〇一九年度決算は、総理大臣が主催する政府の公的行事として、桜を見る会に予算の三倍もの税金が投入されたものです。安倍前総理も菅総理も、国民へのまともな説明も行わず、疑惑の解明に背を向け続け、安倍前総理は少なくとも百十八回も虚偽答弁を行うなど、国会審議を妨げてきました。この点からも決算を断じて容認することはできません。
 桜を見る会や森友、加計問題で浮き彫りになった政治の私物化とモラルの崩壊は、河井克行元法相と河井案里元参議院議員の大規模買収事件、吉川貴盛元農林水産相による鶏卵汚職事件、菅原一秀前経済産業相の公選法違反事件など、安倍・菅政権の下で相次ぐ政治と金の問題、東北新社やNTTによる総務省への接待で行政がゆがめられた問題などの大本に関わる重大な問題です。疑惑の真相解明を徹底的に行うことを求めます。
 とりわけ、河井事件は二〇一九年の参院選を舞台にした事件です。原資となった疑いのある自民党本部からの一億五千万の交付は、政党助成金という税金が絡んでいます。誰の責任で支出され、どのように使われたのかを明らかにすることは、決算重視の参議院としてゆるがせにできないことを強調し、討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 岩渕友

speaker_id: 7023

日付: 2021-06-09

院: 参議院

会議名: 本会議