田村智子の発言 (本会議)

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○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました内閣委員長森屋宏君解任決議案に賛成の討論を行います。
 今国会の内閣委員会は、法案に対する評価や賛否が対決しても、またデジタル改革法案など審議を尽くしたとは言えないにしても、与野党の協議を踏まえた委員会運営が行われてきました。森屋委員長も、与野党合意を尊重し、質疑者に対しても、例えば、申合せの質疑時間が来たからといって、発言を強制的に止めるような運営は一度もありませんでした。
 象徴的だったのは、障害者差別解消法改正法案の審議です。障害者施策の基本は、私たちのことを私たち抜きで決めないでということ、衆議院で参考人質疑がなかったとしても、当事者からの意見聴取が必要だという理事会での私の提案を委員長も与党も受け入れて、対政府質疑の中ではありましたが、参考人として障害当事者を呼ぶことが認められたのです。これは画期的な委員会だったと、私は内閣委員会の一員として誇りに思っています。
 この日の委員会終了後、森屋委員長は、わざわざ私に声を掛けられました。視覚障害者の方が日々の生活の困難をリアルに話されたのはとてもよかった、何よりも大臣や政府参考人が同じテーブルで意見を直接聞いたのだから、今後の政策に反映されるだろうなど、感想を述べられたのです。
 会期末まで僅かな日程の下で参議院に送付された土地利用規制法案の審議も、衆議院では行われなかった外交防衛委員会との連合審査及び参考人質疑が与野党協議によって実現しました。法案の影響を最も受ける沖縄県選出の議員が内閣委員会にはいない。連合審査によって、沖縄の風の伊波議員が沖縄の歴史と米軍基地の実態を示して質問されたことは、参議院の法案審議にとって大変重要なものだったと思います。
 参議院が熟議、再考の府であるとはどういうことなのか、こうした委員会運営を通じて森屋委員長御自身も実感されてきたのではありませんか。
 ところが、昨日夕刻になって、森屋委員長の態度は急変しました。
 事前の理事会で確認していた、土地利用規制法案の参考人質疑、宇宙資源法案の質疑、討論、採決が終了したにもかかわらず、内閣委員会を散会とせずに、突然休憩を宣言したのです。休憩とすることは、直前の理事会で一切提案がなく、委員会中の場内協議さえありませんでした。
 なぜ休憩にしたのかという私の問いに、国会情勢から私が判断したと森屋委員長は答えましたが、その判断は何によってなされたのでしょうか。このような委員長独断の委員会運営が許されてしまえば、理事会での日程協議は何のために行われるのでしょうか。
 不可解な委員会休憩の後、十七時四十分過ぎに再開された理事会では、突如として自民党から、十九時に委員会を再開し、希望する会派のみ質疑を引き続き行い、質疑終局、採決をという提案がありました。そもそも、十四日は参考人質疑しか確認していません。突然、続けての法案質疑を政府に対して行えというのは、余りにも乱暴、理不尽な提案です。
 昨日の参考人質疑自体も、十日木曜日に議決したもので、参考人の方々は急遽予定を変更して準備をされたことでしょう。これまでの委員会速記録にも目を通して委員会に臨んだということを知る場面もありました。
 しかも、その質疑では、与党推薦の参考人からも、条文を読んだだけではどのようにでも解釈が可能になってしまうということはあってはならない、プライバシー権や個人情報保護の観点から新たな懸念材料というものが生まれては決していけない、そこを払拭するための歯止め機能、どういう条文が入れば少しでも担保できるのか、是非実現していかなきゃいけないと指摘されました。三人の参考人全員が、立法府に条文で歯止めを加えてほしいと求めたのです。
 これらの意見を法案審議に生かすことが内閣委員会に求められる役割であることは明白ではありませんか。参考人質疑直後の採決提案は、私たちが招いた参考人の方々に対して余りにも非礼、無礼、傲岸不遜だと言わなければなりません。この提案を了承した公明党、維新の会にも猛省を促したい。そして、立憲民主、国民民主、私からの猛烈な反対と抗議がありながら、森屋委員長、自民党提案をそのまま委員長職権で決するなど、断じて許されることではありません。
 不可解な委員会の休憩、夕刻の理事会での突然の採決提案、どちらも内閣委員会理事会の現場では直前までその兆候さえありませんでした。野党はこれまで、法案の審議拒否はもちろん、日程協議に応じないという対応も一切していません。会期末ぎりぎりとはいえ、まだ委員会定例日も残されており、昨日は委員会終了後に十五日以降の法案審議について協議するのだと、与野党共に構えていたはずです。
 次回の委員会では、法案第六条の土地利用状況調査について政府答弁の整理が必要であるという私の要求についても、次の委員会の持ち方の中で協議することを確認していました。連合審査会での小西議員の資料要求も、理事会での具体の協議はこれからです。
 これら当然の委員会運営の流れがなぜ打ち切られたのか、なぜ森屋委員長が態度を一変させて職権で質疑終局、採決まで行おうというのか、内閣委員会の外からの圧力によるものだと指摘せざるを得ません。
 森屋委員長、あなたがなすべきは、委員会運営への乱暴な介入を毅然として排することです。それが公正な議会運営を担う委員長の責務、職権、矜持ではありませんか。
 土地利用規制法案は、審議をするほどに矛盾、問題点がぼろぼろと露呈し、およそ法律として体を成していないことが明らかになっています。それが質疑打切りの動機ではないのか。
 自民党の議員等の質問を聞いていると、中国、韓国という特定の外国資本による自衛隊基地の周辺土地や森林などの買収が安全保障上のリスクだと主張していることが分かります。しかし、この法案は特定の外国資本による土地買収を規制するものではなく、それを準備するための法案でもありません。そもそも、中国を含め外国からの投資を止めるつもりも政府にはありません。
 水源地や森林を守る必要があるということも、法案推進の立場で質問が相次いでいますが、これらは本法案の範疇にも入りません。この法案の必要性を説く皆さんの問題意識にさえ本当は何も応えていないことが審議をするほどに明らかになっています。
 一方で、国境離島の住民、自衛隊や米軍基地あるいは原発周辺の住民は、注視区域の指定によって登記簿、住民票、戸籍簿などの個人情報を強制的に調査され、内閣府によって一元管理されるのです。
 それが安全保障上なぜ必要なのか、何ら合理的で納得のいく説明はありません。重要施設や国境離島にとって安全保障上何がリスクなのかも不明、何が機能阻害行為なのかも不明、どこを注視区域、特別注視区域に指定するかさえも不明、その区域内で誰を対象に誰がどのような調査を行うのかも不明。不明点は全て政令、内閣府令、そして内閣総理大臣に委ねてしまい、一たび法案が成立すれば、五年後の見直しまで国会は関与することさえできません。
 国民主権への規制、懲役刑まで科そうという行為について、その指定も具体の執行も全て政府に委ねる法案の採決などあり得ません。それは立法府の役割を放棄するものであることを厳しく指摘し、討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 120415254X03120210615_010

発言者: 田村智子

speaker_id: 6902

日付: 2021-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議