白眞勲の発言 (本会議)
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○白眞勲君 立憲民主・社民の白眞勲でございます。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました議院運営委員長水落敏栄君解任決議案に賛成する立場から討論をいたします。
今、与党議員からこの決議案に対して、誠に不可解だとのことでしたが、今日はこれから私がゆっくりと説明いたしますので、しっかりと聞いていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
私は、参議院議員として長年にわたって本院に貢献してこられた水落敏栄議院運営委員長に対する解任決議案に賛成することは、同じ参議院に身を置く者として誠に残念でなりません。議員会館のエレベーターでお会いする水落委員長は、いつも円満で本当にすばらしい方だと尊敬をしておりました。更に言わせていただければ、私が取り組んでおります戦没者の遺骨のDNA鑑定についても、陰になりひなたになり応援をしてくださった恩人でもあります。ですから、この悲しいお役をしなければならない私も本当にかわいそうです。
水落委員長は、かつて議院運営委員会で自民党の筆頭理事を務められました。それまで、ややもすれば対決モードで険悪となっていた議院運営委員会理事会において、当時の水落筆頭理事は、お互いに妥協できる点がないか、一致点を真摯に探り合う姿勢が際立っていたと聞いております。そのような政治姿勢をお持ちで、信頼を集めていた水落委員長は、調整過程、話合いのプロセスを何よりも大事にされていたはずなのですが、なぜ今回このような事態を招くことになったのか私には不思議で、なお信じられない思いであります。
今、国会の議院運営委員会においても、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案、いわゆる土地利用規制法案が参議院に付託されるまでは、ふだんどおり円満な議事運営であったと聞いております。ところが、この法案を与党の求めに応じて粛々と議院運営委員会で本会議趣旨説明を採決し、その後の混乱を引き起こす原因をつくり出し、菅総理のG7から帰国した途端、更に豹変し、委員長職権の極めて不適切な濫用をし始めました。
一昨日の議院運営委員会理事会開会について、両筆頭の合意が出ていないにもかかわらず、理事会開催を委員長判断で決定した点は、断じて許せるものではありません。委員長は就任時に、誠心誠意務めさせていただくと挨拶されました。これが委員長の誠意なのでしょうか。一体何があったんでしょうか。
水落委員長の解任決議が出される発端となったいわゆる土地利用規制法案は、当初から多くの問題点が指摘され、衆議院内閣委員会で不正常な状態で議決され、荷崩れ状態で送られ、参議院が要求する十分な審議日数を確保できないことが明らかな状態でありました。
この法案については、我が国の安全保障等に寄与するという目的には共感できるものの、その目的を達成する手段の実効性に疑問があること、指定対象となり得る施設等の範囲が曖昧であることなどなど、言い出したら枚挙にいとまがないわけで、特に、国会を唯一の立法機関と規定する憲法の趣旨に反する、先ほど吉川議員も言った典型的な包括委任規定が含まれている点も看過できません。
参考人質疑においては、与党側が推薦した政府の有識者会議の委員も務めた参考人でさえも、条文案を読むだけでは様々な臆測が広がるおそれがあることを痛感した、しっかりと議論していかなければ国民の様々な解釈を呼んでしまうと懸念を指摘しております。また、別の参考人も、戦前、明治三十二年成立の要塞地帯法でさえ、測量や撮影など違法行為が法律に具体的に明記されていた点を指摘しつつ、戦前でも明確に書いてある、全てを閣議決定や政令なら国会は要らないとまで言い切っています。
さらに、本法案は、与党内でも協議が難航したために閣議付議期限に間に合わず、提出遅延となったといういわく付きの法案です。それを二週間足らずでどのように審議しろというんでしょうか。二院制の意義を没却するものであり、参議院軽視も甚だしく、怒りを覚えるものであります。このような状況は、議院運営委員長の立場であった水落委員長であれば十分に御承知だったはずです。
そして、重ねて私がここで指摘したいのは、水落委員長が先代の内閣委員長であったという厳然たる事実であります。参議院の内閣委員会が常時ほかの委員会の数倍もの法案を抱え、審議日程が厳しい中で綱渡りの運営を強いられている、問題点の多い対決型の法案も多く扱っている、そのことをリアルな実体験として御存じの方であります。
残り会期が二週間余りという状況で、当初の法案提出予定から大幅に遅延した上、衆議院で更なる質疑を求める声が上がる中、異常な形で採決されたような法案を委ねればどうなるのか、十分想像できる方であります。それを、型どおりに多数をもって本会議の趣旨説明聴取の決定を許し、委員会に送ってしまう、その判断、不作為の責任は極めて重いと断じざるを得ないのであります。
それでも、本会議趣旨説明質疑でなされた十分な質疑を求める声を受け、内閣委員会では、衆議院ではなかった連合審査、参考人質疑が行われるなど、厳しい状況の中、知恵を絞り合い、少なくとも一昨日、状況が一変するまでは良識の府参議院にふさわしい審査が重ねられてきており、この点には参議院は頑張ったと胸を張っていいんじゃないでしょうか。
今までるる申し上げたことは、水落委員長の本来のお気持ちではないですよね。きっと誰かの指示でこのような強引な運営を強いられたんだと、やむを得ずやられたものだと、深い同情を禁じ得ません。水落委員長、一体、誰の指示でやらされたんですか。おっしゃってください。そうでなくても、菅内閣の下で人知れず相当な御苦労をされていたものだと拝察いたします。
そもそも、今の内閣においては、聞いたことにまともに答えない大臣、例えば、朝御飯は食べたかと聞かれ、パンを食べたことを隠して御飯は食べていないとわざと論点をずらし答弁する、いわゆる御飯論法を駆使する大臣や官僚、さらに、何を聞かれても国民の命と健康を守っていく一辺倒で、国民の命を危険にさらしてでも五輪を開く理由はと我が党の枝野代表が核心に迫る質問にも、限られた時間の中で、当時、私は高校生でしたから始まる、六四年オリンピックのノスタルジーに浸って、バレーボール、東洋の魔女やマラソンのアベベの活躍を持ち出して、いまだに記憶は鮮明です。
まだまだありますよ、大臣におなりになる前に、委員会質疑の最中にタブレット端末で巨大なワニが歩いたり大蛇にかみつかれたりする動画を約五分間見続けた方がこの度大臣になって、今度は、請負先の企業について、一発、遠藤のおっちゃん辺りを脅しておいた方がいいよ、ちなみに遠藤という方は請負先企業の社長のことらしいですが、そうした発言した大臣がいたり、審議に立て続けに二人の副大臣が遅れるという前代未聞の恥を知らない出来事が起きたり、もっと続けさせてください、東北新社の外資規制違反をめぐる質疑で、答弁席に向かう総務省幹部に、武田総務大臣の前を通ったときに、武田大臣が記憶がないと話し、総務省幹部も答弁で記憶はございません。このようなとんでもない内閣に付き合う水落委員長を始めとする参議院与党幹部の皆さんに対してもお気の毒に感じております。
ただ、そうはいっても、与党の皆さん、このような強引な国会運営で一体いいんでしょうか。官邸からお願いされ、衆議院から送付されてきたものをそのまま右から左へ流す、しかも、それは国民の不安が大変強いもので内容も不十分、与党推薦の参考人でさえ本法案の懸念を表明している。このようなことをしていれば、参議院の存在意義が否定されてしまいます。あなた方がしていることは、自己を否定し、参議院は必要ありません、官邸や衆議院の追認機関ですと言っているようなものじゃありませんか。そんなはずないですよね。
参議院は熟議の府、良識の府であります。にもかかわらず、このようなことを続けていれば、自分の首を絞めることにはなりませんか。与党の先生方、御自身の胸に手を当てて、なぜあえて厳しい選挙を戦い政治家になったのか、初心に返るべきだと思います。
最後に、このような水落委員長の職権を悪用し横暴かつ民主主義のルールを無視した国会運営に強く抗議し、猛省を強く促し、議院運営委員長水落敏栄君解任決議案の賛成討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)