倉林明子の発言 (本会議)

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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 会派を代表し、議運委員長水落敏栄君解任決議案に対する賛成討論を行います。
 賛成する理由は、参議院の審議を通じ、重大な問題点を持つことがいよいよ明白になった土地利用規制法案であるにもかかわらず、強引に成立させたい政府・与党に加担しているからにほかなりません。その象徴が、議運理事会派の強い反対を押し切って、合理的理由もなく緊急上程までして強硬に法案採決を急いでいることです。
 そもそも、この法案は、参議院で審議に入るべきではありませんでした。私は、去る六月三日の議運委員会において、翌日から本会議で審議入りしようとすることに反対の意見表明を行いました。
 一つは、同法案の持つ問題点が余りにも大きいことです。立法事実は存在しないこと、法案の核心部分がことごとく政府に白紙委任されていること、これでは、国民のプライバシー権、市民活動の自由が侵害されるおそれが大きく、刑罰まで科す立法においてあり得ないと、指摘です。
 もう一つは、憲法と国民の権利に関わる重大な法案であるにもかかわらず、会期残り僅かな短期間で審議し成立を図ろうとするなど絶対に認めることはできないということでした。
 参議院は、重要議案の参議院における審議期間は原則として最低二十日間を確保すると、二十日間ルールを掲げていることも指摘しました。改革協の答申に盛り込まれた与野党合意の原則です。にもかかわらず、衆議院では、僅か十二時間の審議で、参考人質疑も連合審査も行われず、会期が残り二週間程度しかない時点で参議院に送られてきたのです。
 本来、二十日間ルールに照らせば、参議院では審議に入れないというべきでした。ところが、水落委員長は、与党の言うがままに審議入りを進めました。水落委員長は、この与野党一致の原則に立ったイニシアチブを発揮することなく、与党にくみし、与党の数の多数による判断に委ねたのです。水落委員長は、土地利用規制法案の扱いの最初で、参議院として取るべき道を踏み外したと言わなければなりません。
 今、振り返ってみて、私の指摘は的外れではなかったと、その後の参議院における審議を見て痛感しております。法案の持つ重大な問題、矛盾が深刻な形で浮き彫りになっているからです。
 法案の核心部分をことごとく政府に白紙委任する大問題は一層リアルに露呈しました。一例を挙げれば、機能阻害行為とは何かという肝腎なことが法律に規定されていない問題です。刑罰の対象となる行為であるにもかかわらずです。政府は、閣議決定で例示すると言いますが、それは政府の判断次第ということです。しかも、例示した以外は対象にならないのかとの問いには、必ずしも断言できないという答弁です。驚きです。
 罪となるべき行為は法律に明示しなければならないのではないですか。刑罰法定主義、この原則さえ踏み外している法案であることなど、様々な問題点が一層明らかになりました。
 衆議院で行われなかった参考人質疑が参議院では行われ、参考人の意見は、参議院としてこの法案をどう扱うべきかを考える上で非常に重要なものとなりました。象徴的だったのは、与党推薦の参考人からさえ条文の見直しを含めた意見が出されたことです。プライバシー権や個人情報の保護の観点から、新たな懸念材料というものが生まれては決していけない、そこを払拭するための歯止め機能、どういう条文が入れば少しでも担保できるのか、是非実現していかなきゃいけないと。もちろん野党推薦の参考人からは、法案の重大な問題、欠陥が指摘されました。三名の参考人全員が立法化に対する懸念、注文を示したのです。この参考人の貴重な意見を無視するなどあってはなりません。
 参議院の果たすべき役割は、衆議院の極めて不十分な質疑時間にとらわれることなく、こうした参考人の指摘を受けて、徹底した審議を尽くすべきでした。それもしないままに採決された法案を、理事会派の反対を押し切って与党の言うがままに緊急上程で本会議採決を職権で強行するなど到底認められません。
 決議案の理由にあるように、緊急上程は、予算案や年度末の日切れ議案など例外的に認められるものであり、原則は次の本会議の議事日程にすべきものであります。
 こうした原則を踏み外し、強引な運営を進める水落委員長は、再考の府である参議院の議会運営の要としての職責を果たしておらず、円満かつ公正中立な議会運営に当たるべき議運委員長の職にふさわしくない、このことを指摘し、討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 120415254X03220210616_008

発言者: 倉林明子

speaker_id: 13807

日付: 2021-06-16

院: 参議院

会議名: 本会議