枝野幸男の発言 (本会議)
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○枝野幸男君 立憲民主党代表の枝野幸男です。
岸田総理に就任のお祝いを申し上げるとともに、会派を代表して、私の所信の一端を申し述べながら、質問いたします。(拍手)
冒頭、感染症で亡くなられた皆さん、御家族の皆さんにお悔やみを、闘病されている皆さんにお見舞いを申し上げます。
医療や介護の現場を始め、厳しい状況の中、御協力、御尽力いただいている全ての皆さんに御礼を申し上げます。
政治の最優先課題はコロナ対策です。これ以上、リバウンドを許してはなりません。
私たちは、当初から、第一に、水際対策の徹底、第二に、PCR検査の抜本的な拡充、第三に、補償はセットということを繰り返し提案してきました。自民党政権は、この二年近く、これを無視し、感染拡大が繰り返されました。
これまでの新型コロナウイルス感染症対策について、うまくいったとの認識ですか。どこに反省すべき点があると考えますか。具体的にお答えください。
多くの皆さんに無理をお願いして感染者数を減らしても、海外からより強力な変異株が入ってくれば、元のもくあみです。
政府は、九月に、最長十日間だった宿泊施設での待機期間を三日間又は六日間となるよう、対象国の指定を見直しました。そもそもが、宿泊施設での待機を求められるのは特定の感染拡大地域からの入国者に限られており、これでは、また新たな変異株の流入を許しかねません。
私たちの政権では、宿泊や食事などの費用を国が負担して、全ての入国者を宿泊施設で十日間隔離します。その間に三回のPCR検査を実施し、水際対策を徹底します。
昨年の初め、春節で多くの観光客が来日することに期待したのか、中国全土からの入国拒否に踏み切ったのは三月五日。米国などが入国拒否を決めたのは二月上旬ですから、約一か月の遅れ。完全に初動の失敗です。
このとき、総理は自民党の政策責任者でしたが、今、この判断をどう反省しているのか、お尋ねいたします。
コロナの感染は自覚症状のない方からも広がることがあるため、無症状に見える感染者の早期発見による隔離が不可欠です。
昨年三月に検査拡大のための法案を提出するなど、私たちは、PCR検査体制の抜本的な拡充と全ゲノム解析の推進を提案し続けてきました。しかし、感染者が増えると濃厚接触者でさえ検査できないなど、検査体制はいまだ不十分です。
私たちは、新規感染者の周囲に幅広くかつ速やかに公費でPCR検査できる体制を整え、また、希望する人が短時間で安く検査を受けられる仕組みをつくります。
PCR検査の拡充について指示したことは、遅きに失したとはいえ歓迎しますが、所信も含め、具体策の言及はありません。
姿勢を変えた理由と、実施時期を含めた具体策の中身を御説明ください。
私たちの政権では、個人事業主やフリーランスなどを含む、収入が減って困っている事業者に、地域や業種を問うことなく、持続化給付金と家賃支援給付金を直ちに再給付します。一度受給した事業者などへの再支給を含め、給付要件を緩和し、対象を拡大して、事業規模に応じた加算措置も行います。
住民税非課税の方や新型コロナの影響で収入が大幅に減収した方に、直ちに一人十万円を給付します。
加えて、低所得の子育て世帯に児童一人当たり五万円の給付金を再支給します。
総理が私たちの提案に近いことを言い出されたのは歓迎しますが、具体的な中身や実施時期は何も示されていません。
私たちが三月には法案まで提出して具体的に提案してきているのに、これを審議拒否してきたのは自由民主党です。八月上旬には、予備費でいいから、総選挙前に補正予算を成立させ、支援を急ぐよう提起したのに、これにも応じませんでした。
選挙日程を考えると、今からでは補正予算の成立は早くても二か月近く先になり、間に合わない人たちが多々出てしまいます。
選挙後の補正予算を待つことなく、まずは残り二兆五千億程度の予備費について、急ぎこれを事業者、生活困窮者支援に充て、できるところからでも直ちに執行すべきですが、いかがでしょうか。
九月上旬には、自宅療養者が全国で十万人を超える状況となり、中等症でも入院できない方が多く出ました。十分な治療を受けられないまま自宅などで亡くなる方まで出たことは、自民党政権の失敗と言わざるを得ません。
反省の思いはないのか、お尋ねいたします。
ワクチンは、七月以降、需要に供給量が追いつかなくなり、集団接種の中断や予約受付停止が相次いで、政府の想定の甘さと説明不足が大きな混乱をもたらしました。
このプロセスを、河野前担当大臣のように、百二十点だったと自画自賛されるのか、お答えください。
この間の対応は、根拠なき楽観論に立ち、司令塔不在で混乱しました。
私は、自らが官房長官として直面した東日本大震災と原発事故の経験と教訓から、危機管理においては、最悪の事態を想定すること、そして、情報を集約して整理し総合調整する司令塔機能が重要であることを繰り返し指摘してまいりました。
私は、総理直轄で、官房長官を実質的なトップとする強力な司令塔を、初閣議で直ちに設置いたします。その下で、省庁を横断した事務レベルの連絡調整会議などを設け、迅速で一体的な危機管理体制を確立します。
所信で、最悪の事態を想定すると言い出しましたが、これまでの根拠なき楽観論を反省しているということでよいのですね。司令塔機能強化についての言及もありましたが、具体策は示されていません。これまでのどこに反省点があり、いつまでに何をどう改めようとしているのか、具体的に御説明ください。
特に違和感を覚えてきたのは、専門家による分科会が開かれる前に、政府としての方針が伝えられてきたことであります。政治判断ありきで、専門家に忖度を強いることになりかねない手順は、科学性や客観性を軽視するものです。
私は、専門家による科学的な見解を踏まえて政治が最終判断を下すという本来の姿を取り戻し、科学的、客観的なコロナ対策を進めてまいります。
長引くコロナ禍は、日本の経済に様々なひずみをもたらしています。外需を中心に好調な業種がある一方で、人の移動や対面サービスなど内需関連の多くの分野では苦しい状況が続き、極端な二極化が進んでいます。
国内消費を回復させるため、既に述べた緊急支援に加えて、住民税非課税世帯を始めとする低所得者の皆さんに年額十二万円の現金給付を行います。個人の年収一千万円程度まで実質免除となる、一年間の時限的所得税減税を行います。税引き後所得に逆転現象が生じることがないよう、免除額に傾斜をつけます。
外食や観光、文化、イベントなど、特に売上げが大幅に減った分野で、当たり前の日常に近い消費行動が可能になる時点を見据え、税率五%への時限的な消費税減税を目指します。
約九年近く続いた安倍、菅政権の経済政策、いわゆるアベノミクスは、株価こそ上げましたが、経済全体の半分以上を占める個人消費は冷え込んだまま。潜在成長率も低下し、期待された効果は生じていません。総理の言う新しい資本主義も、アベノミクスとどう違うのか、抽象的で具体性に乏しいことを残念に思います。
総理は、アベノミクスをどう評価していますか。アベノミクスの何を引き継ぎ、何を修正するのですか。端的にお答えください。
バブル崩壊から三十年近く。経済成長を妨げてきた主な要因は、国内消費の低迷です。将来不安が大きいために、財布のひもが固く締められていること、そして、格差と貧困の拡大、固定化で、お金がなくて消費できない人を増やしてしまったことが原因です。
総理の言う成長と分配の好循環というのは、たしか安倍総理のときもおっしゃっておりましたし、そもそも一般論にすぎず、今の日本には当てはまりません。適正な分配が機能せず、将来不安が広がっていることと相まって成長を阻害していることが最大の問題なのに、成長の果実を分配するのでは、いつになっても好循環は進みません。
好循環の出発点は適正な分配にあると考えますが、いかがでしょうか。
私たちの政権では、分配なくして成長なし。公的な支え合いの強化によって将来の不安を小さくし、格差を縮小して貧困を減らすことで、消費の拡大による経済成長を実現して、一億総中流社会を復活させます。
私たちは、最大の経済対策として、命と暮らしを守る上で欠かせない基礎的なサービス、いわゆるベーシックサービスを、全ての皆さんに保障できるよう充実させます。
良質なサービスを十分に提供するため、介護職員や保育士、看護師を始め、コロナ禍で不足が明らかになった保健所や、長く人手不足が指摘されてきた児童相談所や労働基準監督署など、大胆に増員増強します。
予算を重点配分して、原則として正規雇用とし、例えば保育士については当面月額五万円の増額を目指すなど、賃金を引き上げます。
必要なときに必要なサービスを誰もがためらうことなく受けられるよう、窓口負担を適正化します。
雇用の安定と賃金の底上げを、全ての働く皆さんへと広げていきます。
中小・小規模事業者を中心に公的助成をしながら、時給千五百円を目標に、最低賃金を段階的に引き上げます。
派遣法などを見直して、希望すれば正規雇用で働ける社会を取り戻します。
雇用類似の形態で働く皆さんの命と健康を守るため、必要な労働関係法などを適用できるようにいたします。
環境・エネルギー分野や、医療・介護分野、農業・観光分野などで、地産地消を進め、地域のニーズに応じた新たな地場産業をつくり出します。地方国公立大学の機能を強化します。
基礎研究を重視し、ポスドクや大学院生の処遇改善、女性研究者比率の引上げなどに配慮しながら、公的助成を拡充し、中長期的な視点に立った研究開発力を強化いたします。国立大学への運営費交付金を増額し、大学財政を健全化します。
所得税の超過累進税率は、上限が四五%で頭打ち。実際の税負担率を見ると、所得が一億円を超えると、高所得者ほど負担率が低くなっています。これは、株式譲渡所得を始めとする金融所得が原則二〇%の定率分離課税となっているためです。
私たちは、勤労意欲の減退や人材の海外流出などの懸念にも十分配慮しながら、段階的に所得税の累進性を強化します。まずは、最高税率を五〇%に引き上げます。
金融所得についても、国際標準である三〇%を視野に、まずは遅くとも令和五年度までに原則二五%まで引き上げ、将来的には総合課税化します。
金融所得課税の強化について、総裁選挙では一億円の壁を打破するために見直しが必要であると言っておられましたが、所信での言及がなく、テレビでは事実上否定してしまいました。見直しの必要だけなら、これまでの自民党政権でも六年前から言ってきていることです。いつまでにどうするのか、総理としての方針を具体的にお答えください。
企業の利益を増やして賃金を上昇させようと、法人税の実効税率が約五%引き下げられ、租税特別措置が大幅に拡充されてきました。しかし、実質賃金は下落傾向にあり、失敗は明らかです。
資金が少ない中小・小規模企業にとって恩恵の少ない措置がほとんどで、法人税の負担率を資本金階級別に見ると、資本金百億円を超える巨大企業や連結法人ほど実際の負担率が低くなってしまっています。
安倍、菅政権下での法人税改革は、減税によって大企業の利益と内部留保を増やした一方で、中小企業や働く人々にとっては恩恵のない、公平性を欠くものであったと言わざるを得ませんが、どう認識しておられますか。
私たちは、必要な政策減税は残した上で、法人税に累進税率を導入します。
総理も必要性を認めておられる適正な分配のためには、超大企業に応分の負担を求めていくことが不可欠です。その意思があるのかどうか、お答えください。
震災から十年半が経過しましたが、ソフト面を含む真の復興はこれからです。原子力災害の被災地域では、帰還困難区域全域の避難指示解除や廃炉にはまだまだ長い年月を要します。
私たちは、なりわいとコミュニティーの再生を重視し、被災者と被災地に寄り添いながら、東日本大震災と原発事故からの復興を加速いたします。
私は、官房長官として原発事故対応の先頭に立った者の責任として、福島の皆さんが味わった御苦労と悲しみを二度と繰り返してはならないと固く決意をいたしております。あわせて、深刻化する気候危機に歯止めをかけ、限りある地球を次世代に引き継いでいくことは、全ての大人の責任です。
原子力発電のない社会と、原子力エネルギーに依存しないカーボンニュートラルを速やかに実現します。二〇三〇年までに、温室効果ガスの排出を二〇一三年比で五五%以上削減します。原子力発電所の新増設は認めず、原子力発電所のない社会に向けて、具体的で不可逆的な方針を速やかに確立し、国の監督と責任の下で廃炉を着実に進めてまいります。
総理は、これからも原子力発電を続けるのですか。原子力発電所の新増設を認めるのですか。明確にお答えください。
自然エネルギーの多くは地域にこそ大きな潜在力があり、その活用は地域の活性化にもつながります。
私たちの政権では、自然エネルギー立国の実現に向けて、自治体や地域の事業者を支援し、二〇三〇年に自然エネルギー発電五〇%、二〇五〇年までに一〇〇%を目指します。自然エネルギーによる電力を最大限活用できるよう、送電網の整備を国の直接かつ独自の事業として推進いたします。
脱炭素社会に向けて、省エネ機器の普及や熱の有効利用など、エネルギー活用効率の最大化を進めます。特に、新築住宅の断熱化を義務づけ、既存建築物を断熱化するための大胆な補助制度を創設するとともに、公営住宅の早急かつ計画的な断熱化を実現します。
農林水産業と農山漁村は、生活に不可欠な食料や木材などを安定的に供給しているのに加えて、洪水や土砂崩れを防ぎ、水質を浄化し、多様な生物を育み、美しい風景を形作り、伝統文化を維持し、気候変動に歯止めをかけ、地球環境を守っています。
安倍、菅政権では、競争力強化に偏重し、産業政策を過度に重視して、地域政策を軽視してきたため、こうした多面的機能への視点を欠き、農山漁村の維持が危うくなっています。このような農林漁業政策をこれからも続けるのかどうか、お答えください。
私たちは、これまでの政策から転換し、多種多様な従事者が共生する多様な農林水産業を支援して、持続可能な豊かな農林漁村社会をつくってまいります。
多面的機能の十分な発揮のため、直接支払制度を強化することを基本として、農業者戸別所得制度を復活させ、米の生産調整を政府主導に戻します。作業路網の整備などにより、森林環境の保護と林業振興とを一体的に推進し、木材の安定供給と国産材の利活用促進を図ります。漁業収入安定策を充実強化し、現場の漁業者の声を反映させて、資源管理の実効性を高めます。
令和三年産米について、生産者概算金の目安額が大幅に下落し、生産現場に動揺が広がっています。
私たちは、緊急かつ限定的な対応として、民間に保管されている令和二年産米の過剰在庫について、政府備蓄米の枠を拡充して受け入れ、市場から隔離いたします。
総裁選挙では似たようなことをおっしゃっていましたが、所信での言及はありませんでした。最近の米価をめぐる状況をどう認識し、どう対処しようとしているのか、具体的にお答えください。
我が国の家族関係政府支出は、先進国の中でも最低水準であり、欧州諸国に比べると半分程度です。
私たちの政権では、子ども・子育て予算を倍増します。出産育児一時金を引き上げ、出産に関する費用を無償化します。児童手当の所得制限を撤廃し、対象を高校卒業年次にまで拡大します。義務教育の学校給食を無償化します。高校授業料無償化の所得制限を撤廃します。中学校の三十五人以下学級を実現し、将来的には、小学校から高校まで、三十人以下学級を目指します。
行政の在り方を検討することよりも前に、まずは大幅な予算拡充を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
私たちは、意欲ある若者が学ぶ機会を確保することができるよう、国公立大学の授業料を半額にまで引き下げます。私立大学生や専門学校生に対する給付型奨学金を大幅に拡大します。独り暮らし学生への家賃補助制度を創設します。ヤングケアラーを早期に発見し支援するための体制を構築します。
格差、貧困の広がりにコロナ禍が追い打ちをかけ、住むところを確保できない方が少なくありません。
持家偏重の住宅政策を改め、借りて住むというライフスタイルも同様に重視し、低所得世帯を対象に家賃を補助する、公的な住宅手当を創設します。空き家を国の支援の下で自治体などが借り上げる、みなし公営住宅を整備します。
持家政策に偏重してきた住宅政策を転換するおつもりはないか、総理にお尋ねをいたします。
危機管理において司令塔機能が重要なのは、コロナ対策にとどまりません。
感染状況が落ち着いた段階で、コロナ対策の司令塔体制を、内閣府の防災部局などとともに、総理直轄で官房長官を実質的なトップとする危機管理・防災局へと発展させます。首都直下型地震なども視野に入れ、全省庁を横断して、減災、防災から緊急対応、そして復興まで、一貫した対応を進める司令塔とします。パンデミックや自然災害に加えて、大規模テロやブラックアウトなど、あらゆる危機に対応する組織とし、備えを強化いたします。
中国公船による尖閣諸島周辺への領海侵入が相次ぎ、接続水域においては、ほぼ常態的に航行しています。このような、一方的な主張に基づく違法な活動は、断じて容認できません。
私たちの政権では、領域警備と海上保安庁体制を強化する法整備を進めます。海上保安庁の体制強化に向けて、長期的な視野で財源配分していく計画を策定し、海上保安庁と自衛隊が、適切な役割分担の下で連携協力を強化して、グレーゾーンにおいて適切な対応を行えるよう基本方針を定めます。
私は、二〇一五年のいわゆる安保法制が議論されたときから、こうした法整備の必要性を指摘し、法案も国会提出しました。
政府においてもようやくその必要性を認識し始めたと伝えられていますが、具体策の言及がないことを残念に思います。
こうした法整備の遅れと具体策について見解を伺います。
私たちの政権は、健全な日米同盟を外交・安全保障政策の基軸といたします。
現状の日米地位協定を見る限り、対等で健全であるとは言い難い状態です。ドイツやイタリアと米国との間の同種の協定は交渉の上改定されてきているのに、日本だけが、一度も改定されず今日に至っています。
米軍基地内であっても、安全基準や環境基準など日本の国内法が原則遵守され、事故や事件、環境汚染などが発生した場合に日本の当局の立入りを原則許可することや、訓練に関する事前通報を徹底することなど、地位協定の改定を米国側に粘り強く提起してまいります。
日米地位協定改定の必要性について見解を伺います。
私も、自由で開かれたインド太平洋地域の平和と繁栄が日本の国益のためにも重要だと考えます。
中でも台湾は、地理的に近接しているだけでなく、経済的な結びつきも強い上に、シーレーンの確保という意味でも戦略的に重要です。何よりも、自由と民主主義、法の支配など、基本的価値観を共有する重要なパートナーです。
私は、台湾海峡の平和と安定を重視し、力による現状変更を認めることなく、両岸問題の平和的解決に向けて更に努力いたします。
台湾と両岸関係に関する認識をお尋ねします。
辺野古の移設工事は、沖縄の民意に反するだけでなく、軟弱地盤が見つかり、工事費が膨張して、政府の試算でも九千三百億円。前例のない工事は、最短でも十二年かかるとされています。
本当に使用に耐え得る工事が完成するのか、それはいつになるのか、幾らの費用がかかるのか、明確な答弁を求めます。
辺野古への移設が合意されたのは二十年以上も前です。アジアの安全保障環境も激変し、米国も世界の軍事体制を見直している最中です。
私たちの政権では、新基地建設を一旦中止した上で、米国に対し、沖縄における基地の在り方を見直すための交渉を呼びかけ、粘り強く取り組んでまいります。
今年、核兵器禁止条約が発効し、間もなく第一回締結国会合が開かれます。
私たちは、まずは締結国会合へのオブザーバー参加を目指します。
総理は、被爆地を含む広島一区の選出です。広島、長崎の皆さん、特に被爆者の皆さんは、核廃絶に向けた総理のリーダーシップに期待されています。
少なくとも締結国会合へのオブザーバー参加を決断すべきですが、いかがでしょうか。
選択的夫婦別姓制度の導入を法制審議会が初めて答申したのは一九九六年。私は、初当選以来二十八年間もその実現を訴え、何度も議員立法を提案してきました。もはや議論は十分です。決断と実行のときであります。
私たちは、選択的夫婦別姓制度を早期に実現します。
大部分が女性である婚姻の一方当事者に改姓を強いるという差別的な制度を、急いで改める必要を感じませんか。明確にお答えください。
性的指向や性自認を理由とした差別を禁止するLGBT平等法の制定と、同性カップルによる婚姻を可能にする法制度の実現を目指します。担当の大臣も設けます。
これらについての総理の見解をお聞きいたします。
私たちの政権では、初閣議において、日本学術会議人事で任命拒否された六名を任命いたします。
いわゆる赤木ファイルと関連文書を開示いたします。
森友、加計、桜を見る会問題の真相解明チームを設置いたします。
内閣人事局による幹部職員人事制度を見直し、官邸による強過ぎる人事介入を抜本的に改めます。
隠蔽、改ざんを根絶するため、公文書管理制度と情報公開制度を抜本的に強化し、公文書記録管理院の設置を目指します。
生まれ変わった自民党とおっしゃるなら、これらに取り組むべきではありませんか。どの提案に同意し、どの提案に同意しないのか。特に、森友問題に関する公文書の改ざんについて再調査を行うのか否か。その理由を含めて、明確に御答弁ください。
コロナ禍で、私たちの日常生活が一変して、間もなく二年。
競争ばかりをあおり、自己責任を強調し過ぎたこれまでの政治。
その結果、適切な治療を受けられないまま命を失った皆さん、十分な補償がなく廃業に追い込まれた事業者の皆さん、住むところにも明日の食べ物にも困り果てた皆さん、今も多くの皆さんから当たり前の日常を奪い続けています。
今こそ、当たり前の日常を取り戻す。誰も取り残さない社会をつくる。
そのためには、今だけ、金だけ、自分だけ、改ざん、隠蔽、説明しないという、時代遅れになった政治を変えなければなりません。
これまでの政治を否定することなく、その反省もなく、表紙を替えただけでは何も変わりません。
うそとごまかしのない、真っ当な政治へ。命と暮らしを最優先する政治へ。いざというときに頼りになる政治へ。そして、支え合い、分かち合う社会へ。
当たり前を当たり前に。
国民の皆さん、共に変えよう、変えようではありませんか。
真っ当な政治を取り戻すべく、立憲民主党が先頭に立ちます。
そして、変えるためには、あなたの力が必要です。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕