岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 枝野幸男議員の御質問にお答えいたします。
まず、これまでの新型コロナ対策の認識についてお尋ねがありました。
菅前総理の大号令の下、他国に類を見ない速度でワクチン接種が進み、国民の皆様の感染対策への御協力により、足下では、感染者数は落ち着きを見せ、緊急事態宣言は全面的に解除されました。
しかし、危機管理の要諦は常に最悪の事態を想定することであり、感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組んでまいります。
病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策、ワクチン接種など、様々な事態を想定した対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示を出したところです。コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中に全体像の骨格を指示いたします。
水際対策及びPCR検査の拡充についてお尋ねがありました。
水際対策については、これまでも、国内外の感染状況を見極めつつ、政府は、その時点での判断で必要な措置を講じてきましたが、結果的には、改善すべき点があったと考えます。
実際、感染は落ち着いていますが、危機管理の要諦は最悪の事態を想定することだと考えており、引き続き、国民の皆様の安心確保に徹底的に取り組みつつ、必要な水際対策を講じてまいります。
また、検査の拡充も重要な課題です。冬に向け、再度の感染拡大に備えて、インフルエンザ流行に伴う需要も勘案しつつ、予約不要の無料検査の拡大など、PCR検査を含めた検査体制を更に強化してまいります。
事業者、生活困窮者支援についてお尋ねがありました。
先日の閣議において新たな経済対策の策定を指示したところであり、総選挙後速やかに決定できるよう、政府としてしっかりと検討を進めてまいります。
また、補正予算成立までの間も、新型コロナの感染状況や、企業や暮らしに与える影響には十分目配りを行い、必要な対策を行うために新型コロナ予備費などを柔軟に活用してまいります。
健康危機管理の司令塔強化等についてお尋ねがありました。
喫緊かつ最優先の課題である新型コロナ対応について、国民に納得感を持ってもらえる丁寧な説明を行うこと、常に最悪の事態を想定して対応することを基本とし、万全を期してまいります。
感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。
病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策、ワクチン接種といった取組の強化について、対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示をしたところです。
ワクチン接種は世界に類を見ないスピードで進みましたが、コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中に全体像の骨格を指示いたします。
同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何がボトルネックだったのかを検証します。そして、司令塔機能の強化や人流抑制、医療資源確保のための法改正、国産ワクチンや治療薬の開発など、危機管理を抜本的に強化してまいります。
アベノミクスの評価と岸田政権の経済政策についてお尋ねがありました。
成長よりも分配を出発点にすべきとの御指摘ですが、岸田政権は、成長か分配かではなく、成長も分配もが基本スタンスです。
アベノミクスは、六重苦と言われた旧民主党政権の経済苦境から脱し、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大いたしました。我が国の経済の成長、体質強化に大きな役割を果たしました。
成長なくして分配なし。成長なくして分配できるとは思えません。まず成長を目指すことが極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。それが、民主党政権の失敗から学んだことであります。
今後とも、最大の目標であるデフレからの脱却に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めてまいります。
その上で、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指します。
同時に、分配なくして次の成長なしです。働く人への分配機能の強化等を通じ、成長の果実をしっかりと分配することで、初めて次の成長が実現いたします。
成長と分配の好循環を実現し、国民が豊かに生活できる経済をつくり上げてまいります。
税制の見直しについてお尋ねがありました。
金融所得課税の見直しについては、成長と分配の好循環を実現するための様々な分配政策の選択肢の一つとして挙げてまいりました。分配政策としては、賃上げに向けた税制の強化、あるいは下請対策の強化など、まずやるべきことがたくさんあると考えています。分配政策の優先順位、これが重要です。
まず、法人税について、労働分配率の向上に向けて、現在、一千億円規模の、賃上げに積極的な企業への支援、これを抜本的に強化を検討していく、ここから始めていきたいと思っています。
いずれにせよ、今後の税制の在り方については、国民の様々な御意見を踏まえ、政府や与党の税制調査会等の場で御議論いただきたいと考えています。
原子力政策についてお尋ねがありました。
今後、デジタル化によって電力需要の増加が見込まれる中、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、温暖化対策の観点のみならず、価格、安定供給、こうした観点も踏まえ、原子力を含め、あらゆる選択肢を活用していくことが必要だと考えます。
こうした中で、まずは、国民の信頼回復に努め、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原子力発電所については、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら、再稼働を進めていくことが重要であると考えております。
農林水産政策の基本姿勢についてお尋ねがありました。
農林水産業や農山漁村は、食料や木材を安定供給するとともに、国土の保全や景観の維持等の多面的機能を有しており、日本型直接支払制度による地域の共同活動の促進や間伐等の森林整備などにより、こうした多面的機能を維持してまいります。
また、農林水産業が多面的機能を持続的に発揮するためには、国際競争力や、災害にも負けない強い農業、農村を構築することが必要です。輸出力強化、デジタル技術の活用、地域ブランドの確立による高付加価値化など、農林水産業の成長産業化も進めてまいります。
このように、農業の成長産業化を推進するとともに、家族農業や中山間地域農業を含め、農業、農村の持つ多面的な機能を維持し、多様で豊かな農林水産業を構築してまいります。
米価についてお尋ねがございました。
米については、新型コロナの影響による外食需要の減少などにより過剰な在庫が生じていることから、米価の下落が懸念されています。
新型コロナによる米価の下落は深刻な課題であると認識しており、当面の需給の安定に向けて、産地、生産者の保管、あるいは長期計画的な販売、こうした取組を支援するなど、対策を十分に進めていきたいと考えております。
子供政策についてお尋ねがありました。
子供政策については、これまでも、安定財源を確保しつつ、保育の受皿整備、幼児教育、保育の無償化などを実施し、子育て世帯全体の支援を充実させてきたところです。
また、不妊治療への助成を含む妊娠、出産への支援、待機児童の解消のための新子育て安心プランの実施など、ライフステージに応じた支援策もしっかりと進めています。
さらに、保育の受皿整備を進めるとともに、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充や利用環境の整備など、子育て支援を促進いたします。
また、子供をめぐる様々な課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政の在り方、これをしっかり検討し、実現してまいります。
住宅政策についてお尋ねがありました。
住まいは生活の基盤であり、持家のみならず賃貸住宅も対象に、様々なニーズに応じた住まいの確保を支援しているところです。
具体的には、これまでも、低所得者の家賃負担の軽減策、高齢者向けのサービスつき住宅の供給などを行っています。
さらに、今後、子育て世帯の住居費への支援を強化することを含め、支援の充実に取り組んでまいります。
いわゆるグレーゾーン事態における適切な対処の在り方についてお尋ねがありました。
武力攻撃に至らない侵害に適切に対応するためには警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であり、現行の法制の下、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図ったほか、海上保安庁等関係機関の対応能力の向上、情報共有・連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を推進しています。
また、今後の取組については法整備が必要という声もあります。その中で、各機関の連携を充実させ、円滑にさせるために必要なものがないか、訓練等を通じて、なお一層検討を進めてまいります。
政府としては、今後とも、あらゆる事態を想定し、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命と財産を断固として守り抜くという強い覚悟を持って、冷静かつ毅然と対応してまいります。
日米地位協定についてお尋ねがありました。
日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府としては、事案に応じて、最も迅速かつ適切に対応するために、具体的な問題への対応を行ってきております。
例えば、私自身、外務大臣として、日米地位協定に環境補足協定及び軍属補足協定を策定する、こうした取組を主導し、迅速な対応を可能としてまいりました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものでありました。
日米地位協定については、御指摘の提案も含めて様々な意見があることは承知しておりますが、政府としては、今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。
台湾と両岸関係についてお尋ねがありました。
台湾は、我が国にとって、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人です。政府としては、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくとの立場を踏まえ、日台間の協力と交流の更なる深化を図っていく考えです。
また、両岸関係については、我が国として、台湾海峡の平和と安定が重要であると考えており、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来から一貫した立場です。そのような立場から、台湾をめぐる情勢について、引き続き、関心を持って注視してまいります。
普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
御指摘の地盤改良工事については、沖縄防衛局において、有識者の助言を得つつ検討を行った結果、十分に安定した護岸等の施工が可能であるということが確認されていると承知をしています。
また、令和元年十二月、沖縄防衛局から、変更後の計画に基づく工事に着手してから工事完了までに九年三か月、提供手続の完了まで十二年、経費は約九千三百億円との見積りをお示ししております。
日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策です。
この方針に基づき着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。
核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。
我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加をしておりません。
御指摘のような対応よりも、むしろ、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければなりません。唯一の同盟国である米国の信頼を得た上で、核兵器のない世界の実現に向けて、共に前進をしていきたいと考えております。
選択的夫婦別氏制度、同性婚や、性的指向や性自認を理由とした差別についてお尋ねがありました。
選択的夫婦別氏制度の導入については、国民の間に様々な意見があるところであり、引き続きしっかりと議論すべき問題であると思っております。
同性婚制度の導入については、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要するものであると考えます。
また、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えます。
多様性が尊重され、全ての人々が互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向け、関係大臣が連携して、しっかりと取り組んでまいります。
そして、日本学術会議人事等についてお尋ねがありました。
昨年十月の日本学術会議の会員任命については、任命権者である当時の内閣総理大臣が最終判断したものであることから、一連の手続は終了したものと承知をしております。
いわゆる赤木ファイルについては、原本をそのままコピーした上で、個人のプライバシーなどに限定してマスキングし、全て提出したと承知をしております。
森友学園問題については、財務省においては、捜査当局の協力も得て、事実を徹底的に調査し、自らの非もしっかり認めた調査報告を取りまとめています。また、会計検査院も、二度にわたる検査報告を国会に提出しています。さらに、第三者である検察の捜査も行われ、結論が出ているものと承知をしています。
加計学園については、国家戦略特区は、法令にのっとり、オープンなプロセスで検討が進められたと承知をしています。
桜を見る会については、必要な調査が行われ、国会の場などでも繰り返し説明がなされてきたものと承知をしています。
内閣人事局の下での幹部人事の一元管理制度は、能力・実績主義に基づく公正中立な人事配置を行う仕組みになっております。各府省の幹部人事は、この制度の下、今後とも適材適所で行ってまいります。
公文書管理と情報公開は、国民の行政に対する信頼の根幹です。政府においては、公文書管理の適正化に向け、ルールの明確化やチェック体制の整備などの取組を着実に実施してきたところであり、引き続き、公文書の適正な管理を徹底していくとともに、これらの取組を通じて、情報公開の一層の充実を図り、行政の説明責任を適切に果たしてまいります。(拍手)
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