岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井啓一議員の御質問にお答えいたします。
第六波に備えた医療提供体制の再構築等についてお尋ねがありました。
新型コロナの感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。
医療提供体制については、病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策など、対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示したところです。コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中にその骨格を指示いたします。
その中で、議員から提案のあった、保健所と地域の医療機関の連携、オンライン診療の活用等による自宅療養者の健康管理の強化、現行法の下での国の権限のフル活用による病床と医療人材の確保についても取り組んでまいります。
同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機管理のボトルネックだったのかを検証します。そして、司令塔機能の強化や人流抑制、医療資源確保のための法改正など、危機管理を抜本的に強化いたします。
新型コロナワクチンと国産経口薬についてお尋ねがありました。
新型コロナワクチンについては、希望する全ての方への二回のワクチン接種を着実に進め、さらに、三回目のワクチン接種も全額公費負担で行うこととし、円滑な実施に万全を期してまいります。
また、自宅で使える飲み薬はコロナ対策の大きな決め手です。国産の経口治療薬の研究開発などを積極的に支援するとともに、国民の安全、安心を確保できるよう、経口薬の確保に最大限取り組んでまいります。
今後の雇用、生活支援策についてお尋ねがありました。
新型コロナから国民の暮らしを守り抜く、このことを最優先に、雇用調整助成金の特例措置による雇用維持の支援、緊急小口資金等の特例貸付けや住居確保給付金の支給などによる生活支援などの内容を盛り込んだ、三次にわたる補正予算を編成し、かつてない事業規模、総額二百九十三兆円の経済対策を政府・与党が一丸となって行ってまいりました。
今後も、新型コロナ対応は喫緊かつ最優先の課題であり、雇用調整助成金を始め雇用保険のセーフティーネットの機能が十分発揮できるよう、財政運営について適切に対応するとともに、生活支援についても、引き続き、先の見通しが立つように、しっかりと取り組んでいく必要があります。
これらの点を含め、国民の切実な声を踏まえ、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、速やかに総合的かつ大胆な経済対策を策定いたします。
飲食業や観光業等への支援及び段階的な行動規制緩和に向けた取組についてお尋ねがありました。
飲食業や観光業を含む新型コロナの大きな影響を受けた事業者に対して、協力金の支給や資金繰りの支援、雇用調整助成金による人件費の支援を実施しております。さらに、地域、業種を限定しない形で、事業規模に応じた給付金を支給するなど、必要な支援を行ってまいります。
ワクチン・検査パッケージの技術実証や御指摘の第三者認証の運用の検討等に当たっては、都道府県の皆様の御意見を伺いつつ、連携して取り組んでまいります。
GoToキャンペーンについては、こうした取組を組み合わせながら、安心な形での実施を検討していきます。
段階的な行動規制の緩和に向け、検査の拡充も重要な課題であり、再度の感染拡大に備えて、インフルエンザ流行に伴う需要も勘案しつつ、予約不要の無料検査の拡大など、PCR検査を含めた検査体制を更に強化してまいります。
デジタル化進展に向けた取組についてお尋ねがありました。
女性や障害者の方がデジタル技術を使いこなし、新たな仕事ができるように、リカレント教育や様々な情報に容易にアクセスできる環境を実現いたします。
また、高齢者などデジタル技術に不慣れな方に対して、デジタル推進委員を配置し、身近な場所でデジタル機器の使用方法を学べるようにするなど、全ての人々がデジタル化のメリットを享受でき、誰一人取り残さないデジタル化の実現を目指します。
政府においても、デジタル人材の採用を進めるほか、経済界や教育機関等と協力して、地方におけるデジタル人材の育成の取組と連携してまいります。
御提案を含め、マイナポイント事業については、今後、与党の議論も踏まえながら、政府内においても検討を進めてまいります。
グリーン化に向けた技術革新と投資促進策についてお尋ねがありました。
二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、技術革新による産業、エネルギー構造の転換が必要です。
このため、政府としては、グリーンイノベーション基金等により、カーボンニュートラルの実現に資する革新的技術について、研究開発から社会実装までを継続して支援してまいります。
例えば、水素分野においては、この基金を活用して、大規模水素サプライチェーンの構築に向けた技術の研究開発と社会実装を進めるほか、水素ステーションなど関連インフラの整備にも取り組んでまいります。
あわせて、蓄電池の大規模製造拠点の国内立地や電動車の部品の製造に新たに挑戦する中小企業に対する支援に加えて、石炭火力の自家発電設備をガス転換する支援も進めてまいります。
食料安全保障と米の需給安定対策についてお尋ねがありました。
食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国家の国民に対する最も基本的な責務の一つです。この責務を果たしていくためには、国際競争や災害にも負けない、足腰の強い農林水産業を構築していく必要があります。
岸田内閣においては、輸出力強化、デジタル技術の活用、地域ブランドの確立による高付加価値化など、農林水産業の成長産業化を進めるとともに、日本型直接支払制度の着実な実施などにより、多面的機能を維持してまいります。
米については、需要に応じた生産、販売を推進し、野菜などの需要のある作物への転換に取り組む産地を支援することを基本に、当面の需給の安定に向け、新型コロナによる需要減に対応する十五万トンの特別枠を新たに設け、飲食店、子供食堂等への米の販売、提供を支援いたします。
こうした施策を着実に進めていくことで、食料安全保障の確立を図ってまいります。
脱炭素社会実現へ向けた取組とCOP26への決意についてお尋ねがありました。
脱炭素社会については、自公連立政権合意に基づき、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の確実な達成と、国民生活と産業の基盤であるエネルギーの安定、低コストでの確保に向けた取組を加速いたします。あらゆる施策を総動員し、持続可能で強靱な脱炭素社会を構築します。
とりわけ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげるクリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします。
そして、再エネ促進に取り組む自治体や事業者等に対する複数年度にわたる財政支援、ライフスタイルの転換に向けた消費者の環境配慮行動へのポイント発行の検討にもしっかり取り組んでまいります。
COP26は、世界にとって重要な課題である気候変動問題について、各国の連携を通じて前進を図る上で極めて重要な機会です。
我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を強力に推進し、パリ協定の目標である脱炭素社会の実現に向けて、国際社会を主導する覚悟です。
再生可能エネルギーの比率向上への取組についてお尋ねがありました。
二〇五〇年カーボンニュートラル、そして二〇三〇年の温室効果ガス四六%の削減目標の実現に向けて、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組んでまいります。
具体的には、系統運用ルールの見直しや送電設備の整備のほか、更なる太陽光発電の導入拡大に取り組むなど、二〇三〇年の電源構成で三六%から三八%という野心的な目標の達成に向けて、あらゆる施策を総動員してまいります。
さらに、二〇五〇年カーボンニュートラルも見据えて、更なる高みを目指すべく、洋上風力など次世代技術の研究開発を大胆に進めてまいります。
子育て、教育支援についてお尋ねがありました。
新型コロナの影響により苦しんでおられる子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援を実行いたします。具体的な対応策は、経済対策の検討を進める中で、与党における協議も踏まえながらまとめてまいります。
子育て、教育支援については、これまでも、安定財源を確保しつつ支援を充実させてきたところであり、今後も、保育の受皿整備、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充や利用環境の整備など、子育てや教育の支援を促進いたします。その際、御指摘いただいた様々な施策についても検討してまいります。
子供政策についてお尋ねがありました。
新たな子供政策の在り方について、その基本理念や目指すべき方向性を、現在、有識者会議において御議論いただいているところです。
また、子供をめぐる様々な課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政の在り方を検討いたします。
これらについて、年末までに基本方針を決定し、可能であれば来年の通常国会に法案を提出するというスケジュールを念頭に、検討を進めてまいります。
防災・減災対策についてお尋ねがありました。
近年、災害が激甚化、頻発化する中、本年も、七月以降、長雨が続き、静岡県熱海市の土石流災害を始め、甚大な被害が各地で発生しています。
さらに、先週七日の千葉県北西部を震源とする地震では、負傷者が出たほか、鉄道の脱線や水道管の破損による漏水の発生などの被害が生じています。
こうした災害から国民の命と暮らしを守るため、防災・減災、国土強靱化の取組を強化していくことが不可欠です。
このため、これまでの対策の効果の周知などを通じて国民の防災意識の向上を図るとともに、昨年決定した五か年加速化対策を含めた防災・減災、国土強靱化をこれまで以上に効果的かつ強力に推進してまいります。
先週八日に指示した新たな経済対策においても、国民の安全、安心の確保を柱として掲げており、その一環として、防災・減災、国土強靱化についてもしっかりと盛り込んでまいります。
孤独・孤立対策等についてお尋ねがありました。
単身世帯の増加や地域のつながりの希薄化、さらに今般の新型コロナの影響により、孤独、孤立等の問題が一層顕在化してきていると認識をしております。
このため、政府としても、孤独・孤立対策担当大臣の下で、関係省庁が連携して孤独・孤立対策を推進するとともに、女性の健康支援についての情報提供や生理休暇制度等の周知なども含めた、女性の体の悩みを相談できる環境整備やフェムテックを推進し、孤独・孤立対策等に取り組む居住支援法人への支援の充実を始め、空き家等を活用した住宅支援強化等を含む、住まいのセーフティーネットの在り方の検討を進めてまいります。
今後とも、孤独、孤立等で不安を抱える方々へ必要な支援を届けられるよう、孤独、孤立等の問題に政府一丸としてしっかりと取り組んでまいります。
地方創生についてお尋ねがありました。
地方は、高齢化や過疎化などの課題に直面しており、その解決のためには、デジタル技術の活用や、地方への人の流れを生み出していく必要があります。
このため、地方からデジタルの実装を進め、地方におけるサテライトオフィスの整備やテレワークを活用した移住を支援することで、転職なき移住を実現していきます。また、地方企業に就職する若者や移住者を対象とした奨学金の返還支援を促進してまいります。
こうした取組を含め、政府一丸となって地方創生を進めていきます。
米国、中国、北朝鮮との外交戦略についてお尋ねがありました。
我が国の外交・安全保障政策の基軸は日米同盟です。先般のバイデン大統領との電話会談では、対面での会談を早期に実現することも確認いたしました。大統領と信頼関係を築き、私が先頭に立って、インド太平洋地域、そして世界の平和と繁栄の礎である日米同盟を更なる高みへ引き上げていきます。
中国とは建設的かつ安定的な関係を築いていくことが、両国、そして地域及び国際社会のために重要です。普遍的価値を共有する国々とも連携しながら、中国に対して、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していきます。
北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。
拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組みます。私自身、条件をつけず、金正恩委員長と直接向き合う決意です。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕