志位和夫の発言 (本会議)

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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。(拍手)
 総理は、所信表明で、国民の声を真摯に受け止め、丁寧な対話をしていくと述べました。
 そこで、伺います。
 森友疑惑で公文書改ざんを苦に自ら命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんは、十月七日、総理に手紙を送り、正しいことが正しいと言えない社会はおかしいと訴え、第三者による再調査で真相を明らかにしてくださいと求めています。総理は、この声をどう受け止めますか。再調査をかたくなに拒否している理由は何ですか。
 日本学術会議の梶田隆章会長は、九月三十日、談話を発表し、六名の任命が拒否され、理由さえ説明されない状態が長期化していることは、科学と政治との信頼醸成と対話を困難にすると訴えています。総理は、この声をどう受け止めますか。違憲、違法の任命拒否を続ける理由を説明していただきたい。
 自分にとって都合の悪い声を無視する態度では、信頼と共感の政治をつくることは決してできません。答弁を求めます。
 この間、新型コロナの感染爆発、医療崩壊が起こり、多くの人々の命が失われました。総理は、これまでの対応を徹底的に検証しますと述べましたが、私は、次の三つの点で、従来の対応の厳しい反省と切替えが必要だと考えます。
 第一は、科学を無視した対応を根本から改めることです。
 厚生労働省は、昨年五月、PCR検査を広げると医療崩壊が起こるという内部文書をばらまいて、検査を抑制してきました。しかし、検査を怠り、特に無症状の感染者に対する検査戦略を持たなかったことが医療崩壊につながったことは明らかではありませんか。
 オリンピック・パラリンピックの開催強行は、科学を無視した政治の最たるものです。一方で人類最大のお祭りをやりながら、他方で国民に自粛を求めても説得力はありません。五輪開催を強行したことが感染爆発の一因となり、多くの犠牲者を出したことへの痛切な反省が必要ではないでしょうか。
 新規感染者が減少している今こそ、ワクチン接種と一体に、大規模検査によって感染の火種を消していく、科学の基本に立った取組が必要です。誰でも、何度でも、無料でPCR検査が受けられる体制をつくることこそ、コロナから命を守りながら、経済社会活動を再開する最大の鍵だと考えますが、いかがですか。
 第二は、四十年来の医療と公衆衛生を切り捨ててきた政治を根本から切り替えることであります。
 日本共産党は、医療崩壊を二度と繰り返さないために、次の、医療・公衆衛生再生プログラムを提案しています。
 この間、感染症の入院ベッドも保健所も半分に減らされてしまったことが医療崩壊につながりました。国の予算をそれぞれ二倍にして、抜本的拡充に切り替えるべきではありませんか。
 医師数の抑制を続けた結果、日本の医師数は先進国の平均に比べて十四万人も足りません。医師削減計画を中止し、増員に切り替えるべきではありませんか。
 政府は、全国四百の公立・公的病院をリストアップして統廃合を進め、消費税増税分を財源にして、二十万人分の入院ベッドを削る、とんでもない計画を進めています。きっぱり中止し、拡充に切り替えるべきではありませんか。
 第三は、コロナで傷ついた事業と暮らしを支援することです。
 まともな補償が行われなかったために、コロナによる倒産と廃業が急増し、飲食業、宿泊業の三割以上が廃業を検討しているという深刻な実態が明らかになっています。政府の責任は極めて重いと考えますが、総理にはその自覚はありますか。
 持続化給付金、家賃支援給付金の第二弾を支給し、コロナ収束まで継続的に支給することを強く求めます。
 コロナで収入が減った方々を中間層も含めて広く対象にして、一人十万円を基本に、暮らし応援給付金を五兆円から六兆円の規模で支給することを提案します。総理の答弁を求めます。
 総選挙で、日本共産党は、自公政治は終わりにして、国民みんなが安心して希望を持って暮らせる新しい日本をつくるため、四つのチェンジを訴えて戦います。
 第一は、弱肉強食の新自由主義をやめ、国民の命と暮らしを何よりも大切にする政治へのチェンジです。
 総理は、新しい資本主義、成長と分配の好循環を唱えていますが、そもそも、成長と分配の好循環というスローガンは、安倍首相が幾度となくこの場で繰り返してきたスローガンであり、アベノミクスの三番煎じのスローガンではありませんか。
 アベノミクスがもたらしたものは何だったか。貧富の格差の劇的な拡大でした。この九年間で、日本の大富豪の資産は、六兆円から二十四兆円に、四倍に膨れ上がりました。一方、働く人の実質賃金は、二十二万円も減りました。大金持ちがもうかれば庶民に回ってくるというトリクルダウンは起こらなかったんです。総理はこの事実をお認めになりますか。
 ボトムアップ、庶民の暮らしの底上げで経済をよくしていく道への根本的な切替えが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 中小企業への十分な支援とセットで、最低賃金を時給千五百円に引き上げ、全国一律最賃制を確立するべきではないでしょうか。
 派遣、パート、アルバイトで働く人がコロナで切り捨てられ、特に女性と若者がひどい犠牲を強いられています。一九九〇年代以来の労働法制の規制緩和を根本的に改め、人間らしく働けるルールを作るべきではありませんか。
 多くの学生が、食事にも事欠くような困窮に陥っています。高過ぎる学費を半分にし、返済不要の奨学金を抜本的に拡充し、入学金制度は廃止すべきではありませんか。
 富裕層と大企業に対する優遇税制を廃止し、法人税率を中小企業を除いて安倍政権以前の二八%に戻し、所得税、住民税の最高税率を六五%に引き上げるべきです。そして、消費税は五%に減税することを強く求めます。
 新自由主義からの転換という総理の言葉が本物ならば、どれもこれも当たり前のことばかりではありませんか。答弁を求めます。
 第二は、気候危機を打開し、地球を守る政治へのチェンジです。
 世界でも日本でも、気候危機は待ったなしの大問題です。危機感をみんなで共有して緊急に行動しなければ、地球の未来はありません。総理にその認識はありますか。
 政府は二〇五〇年カーボンゼロを掲げていますが、肝腎の二〇三〇年度までの二酸化炭素の削減目標は一〇年度比で四二%。世界の先進国の五〇%から六〇%削減という目標に比べて余りに低過ぎると思いませんか。
 この期に及んで九つの大規模石炭火力発電所の新増設を進めているのはどういうわけか。三〇年までに石炭火力はゼロにするべきではありませんか。
 原発頼みを続けていることも重大です。一たび大事故を起こせば最悪の環境破壊を引き起こす原発を、環境を口実に続けるほど愚かな政治はありません。原発を直ちにゼロにする政治決断が必要ではありませんか。
 日本共産党は、気候危機を打開する二〇三〇戦略を発表し、省エネルギーと再生可能エネルギーの普及で二〇三〇年までに二酸化炭素を最大六〇%削減する大改革を提案しております。この道を進めば、新たな雇用を増やし、日本経済を持続的に発展させることもできます。我が党の二〇三〇戦略に対する総理の見解を求めます。
 第三は、ジェンダー平等の日本へのチェンジです。
 コロナ危機は、ジェンダー不平等日本の矛盾を浮き彫りにしました。非正規で働く多くの女性が仕事を失い、ステイホームが強いられる下で、DV被害が急増しました。ところが、総理の所信表明には、驚くことに、この大問題への言及が一言もありませんでした。これは一体どういうわけか。
 日本の男女賃金格差は世界でも異常です。政府統計を基に試算をすると、生涯賃金で一億円近い格差があります。企業に男女別平均賃金の公表と格差是正計画の策定、公表を義務づけ、政治の責任で格差を解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 日本は、世界でただ一つ、法律で夫婦同姓を強制している国です。選択的夫婦別姓は急務です。総理は、引き続き議論すると言いますが、選択的夫婦別姓反対の急先鋒に立つ人物を党の政調会長に就けました。選択的夫婦別姓を実現する意思があるのかないのか、はっきり答弁をしていただきたい。
 第四は、憲法九条を生かした平和外交へのチェンジです。
 総理は、核兵器のない世界を目指すといいながら、核兵器禁止条約を拒否する態度を取っています。政府は、核抑止の信頼性を損なうことを拒否の理由にしていますが、核抑止とは何か。それは、いざというときには核兵器を使用することを前提にした議論です。いざというときには広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こすこともためらわないという議論なのです。唯一の戦争被爆国の政府がこんな議論にしがみついているのは、余りにも恥ずべきことだと考えませんか。
 日本共産党は、核抑止という虚構から抜け出し、核兵器禁止条約に署名、批准することを強く求めるものであります。
 総理は、沖縄・辺野古への米軍新基地建設を推進すると述べました。
 しかし、軟弱地盤の存在により、政府の試算によっても工期は更に十二年。実際にはどれだけかかるか、誰にも分かりません。政府は、昨年四月、沖縄県に設計変更を申請しましたが、更なる環境破壊をもたらす設計変更が承認されるはずもありません。普天間基地の早期返還のためという政府の言い分は、完全に崩壊しているのであります。総理、この現実を直視するべきではありませんか。
 沖縄県民は、この四半世紀、一貫して新基地建設に反対の意思を示し続けてきました。国民の声を真摯に受け止めるというのならば、辺野古新基地建設は中止し、普天間基地の無条件撤去に取り組むべきではありませんか。
 四つのチェンジを実行するためには、政権交代が必要です。日本共産党は、多くの国民の皆さん、他の野党の皆さんと力を合わせて、総選挙で必ずや政権交代を実現し、新しい政権をつくるために全力を挙げる決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 120505254X00420211012_007

発言者: 志位和夫

speaker_id: 1300

日付: 2021-10-12

院: 衆議院

会議名: 本会議