玉木雄一郎の発言 (本会議)

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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
 岸田総理、御就任おめでとうございます。聞かれたことにきちんと答える総理大臣であることを望みたいと思います。
 その上で、まず、令和版所得倍増計画について伺います。
 岸田総理は自民党総裁選挙で令和版所得倍増を看板政策として掲げましたが、先週の所信表明演説からは所得倍増が消えていました。なぜ消えたんですか。午前中の参議院本会議では、所得を全体として引き上げるという基本的な方向性を申し上げたと答弁されましたが、基本的方向性であればなおのこと、所信として表明すべきではありませんか。誰かが反対したから消えたんでしょうか。
 そもそも、総裁選で主張されていた令和版所得倍増とは、幾らの所得を、いつまでに、どのくらい増加させるつもりなんでしょうか。その具体的な方策も含めてお聞かせください。所得倍増と大々的に打ち出しておきながら、実は倍増ではございませんというのであれば、信頼と共感の政治など実現できるわけはありません。
 岸田総理は、成長と分配の好循環を目玉政策に掲げました。ただ、これは二〇一六年一月の施政方針演説で安倍総理が述べたキャッチフレーズです。同じく、公明党も、二〇一六年の参議院選挙の公約で成長と分配の好循環を掲げました。
 あれから五年たちました。果たして、成長と分配の好循環は達成できていますか。新三本の矢の政策目標であった六百兆円のGDP、希望出生率一・八、介護離職ゼロ、皆さん覚えていらっしゃいますか。これは達成できたんでしょうか。達成できていないとしたら、その原因も併せてお答えください。
 そもそも、岸田内閣の唱える成長と分配の好循環と、安倍内閣の唱えていた成長と分配の好循環は、どこが違って、どこが同じなんでしょうか。安倍内閣でできなかったことが、岸田内閣でできるんでしょうか。明確にお答えください。
 岸田内閣の具体的な成長戦略が見えません。
 分配戦略の三つ目、看護、介護、保育の現場で働いている方々の給料を上げることは私たちも大賛成ですが、これらの分野で働く人は全就労者の約五%で、マクロ経済へのインパクトは小さいと言わざるを得ません。どのように国民全体の所得を上げようとしているのか、また、約二十五年間下落傾向が続いている実質賃金をどのように引き上げるのか、その具体的な戦略をお示しください。
 分配戦略の一つ目、労働分配率向上に向けて、賃上げを行う企業への税制支援を抜本強化するとのことでしたが、給料を上げたら減税する仕組みは既にあります。しかし、民間シンクタンクの分析によれば、日本経済全体としての賃上げ効果は限定的だったと評価されています。政府として、これまでの所得拡大促進税制などの効果をどのように評価し、具体的にどのような抜本強化策を講じるのか、それによりどの程度賃金が上がるのか、明確な答弁を求めます。
 生産性の高い、すなわち賃金の高い産業をつくり、そうした分野への人材の円滑な移動を促すことが、給料が上がる経済の実現には不可欠です。国民民主党は、職業訓練や学び直しの機会を無償で提供し、同時に、その間の基礎的な所得、ベーシックインカムを保障する求職者ベーシックインカム制度を提唱しています。岸田内閣は労働市場の流動化をどのように進める方針か、伺います。
 消費税について伺います。
 国民民主党は、コロナの影響に対する経済対策として、昨年から一貫して消費税の五%への引下げを主張しています。総理は、先週、経済対策の策定を指示したそうですが、消費税についての言及がありません。岸田総理、コロナの影響から経済が回復するまで、消費税を減税すべきではないでしょうか。
 財務省は、二〇〇二年に、日本国債の格付を引き下げた外国格付会社に向けて、日本やアメリカなど先進国の自国通貨建て国債のデフォルト、債務不履行は考えられないと述べています。岸田内閣においてもこの考えは変わっていないのか、もし国債の債務不履行があるとすればいかなる事態を想定しているのか、答弁を求めます。
 国民民主党は、財政政策を積極財政に転換し、今後十年間で約百五十兆円を国の未来のために投資することを提案しています。アメリカのように、需要が供給を上回る状態をつくり出し、投資や消費を活発化させる高圧経済政策を取り入れ、積極財政でまず経済回復を確実なものにすべきではありませんか。短期的な財政規律にこだわっていたのでは、いつまでたっても賃金デフレを脱却することはできません。
 岸田総理は、非正規、子育て世帯などに限定した給付金を表明されましたが、特定の対象者に絞れば絞るほど給付が遅くなることは、これまでの給付金の例を見ても明らかです。岸田内閣の現金給付はどのような対象者にいつまでに届けるのか、明確にお答えください。
 国民民主党は、給付を必要な人に迅速に届けるため、一旦全ての国民に一律十万円を給付し、高所得者には後で課税時に逆還付を求めることを提案しています。昨年の一律十万円給付をどこよりも早く昨年の三月九日に提案したのは国民民主党です。二回目の現金給付のやり方も、是非私たち国民民主党の提案を採用してください。
 また、岸田総理がテレビ番組でおっしゃったプッシュ型支援は、いつ頃、誰に対して行われる予定か、お答えください。
 生活再建までの生活費を月二十万円まで貸し付ける総合支援資金は、生活が困窮する人々の最後のよりどころとなっています。
 国民民主党は、最大六か月となっていた貸付期間の延長を、今年の通常国会の冒頭、私から菅総理に提案し、三か月間の追加貸付けが認められました。
 岸田総理、岸田ノートに書いていないかもしれませんけれども、実は多くの延長要望があります。総合支援資金の貸付期間、再度延長しようではありませんか。答弁を求めます。
 岸田総理が総裁選で訴え、所信でも言及された、地域や業種を限定しない形の事業規模に応じた給付金は、国民民主党が今年の四月二日に提出している法案と同じです。
 飲食店だけでなく、クリーニング屋さん、酒屋さん、タクシー業界、そしてエンタメ業界などからも厳しい声が届いています。せっかく法案があるので、必要な補正予算とともにこの臨時国会で成立させて、コロナで困っている事業者の皆さんを救済してから選挙を行ってはどうでしょうか。総裁選で訴えた、先手先手で徹底したコロナ対策を実行するが言葉だけではないことを行動で示してください。
 ガソリン価格が上昇しています。三年ぶりに百六十円台となり、コロナで冷え込んだ家計に打撃を与えています。ガソリン高騰の影響は、移動を車に頼らざるを得ない地方ほど厳しいのです。そんな声は岸田ノートに書かれていますか。
 総理、今こそトリガー条項を発動すべきときです。トリガー条項とは、ガソリン価格がリッター百六十円を超えた際に、価格に上乗せされている特例税率を停止する措置で、東日本大震災の復興財源に充てるため、現在は凍結されています。このトリガー条項を復活させ、上乗せされている税金分、リッター二十五円を値下げして、生活を下支えすべきではありませんか。答弁を求めます。
 岸田総理が科学技術立国の実現を掲げたことは歓迎します。
 所信では、先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行うとのことでしたが、今後二十五年間、高齢者人口が増え続けますから、高齢化に伴う社会保障関係費の増加が見込まれる中で、総理は科学技術の研究開発投資の財源を一体どこからどのように調達するんでしょうか。
 私たち国民民主党は、教育国債を新たに発行し、これまで年間五兆円で横ばいだった教育、科学技術予算を年間十兆円規模に倍増させることを提案しています。
 二〇五〇年カーボンニュートラル目標は進めるべきですが、自動車産業には甚大な影響を及ぼします。
 アメリカでは、電気自動車購入時に、労働組合を持つ拠点で組み立てられた車両に追加の税額控除を認める法案が今議論されていますが、これは、事実上、ビッグスリーの支援策です。自国の産業や国民生活を守るため、脱炭素化の推進に当たっては、欧米と同規模の産業支援策を我が国も講じるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 私たち国民民主党は、投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制を導入し、デジタル化や環境などの分野への民間主導の投資を大胆に支援していきたいと思います。
 FRB議長が十一月にもテーパリング開始の可能性に言及して、円安が進んでいます。輸入原材料費の高騰は、中小企業の経営に大きな影響を与えます。急激な円安を迎えた場合の対策についてどのように考えているのか、総理の見解を伺います。
 岸田総理が総裁選で掲げた子ども庁についても所信から消えていました。なぜ消えたんでしょうか。来年の通常国会に関連法案を提出する予定はありますか。答弁を求めます。
 国民民主党は、アメリカの疾病対策予防センターをモデルとした日本版CDCの創設を提案しています。岸田内閣は健康危機管理庁を創設するということですが、これは政府としても創設する方針なんでしょうか。また、司令塔機能を強化するなら、今複数いるコロナ関係大臣は厚生労働大臣にまとめるべきではないでしょうか。総理の見解を求めます。
 農業について伺います。
 この出来秋、米価が大幅に下落しています。私の地元の香川県でも、概算金の払いは二、三割落ちています。もうこれ以上農業を続けられない、そんな声をこの議場の皆さんも聞いていると思います。総裁選で岸田総理は市場隔離を含めた十分な支援を訴えておられましたが、所信表明では市場隔離が消えてしまいました。
 総理、米価下落対策として政府備蓄米の緊急買上げはするのかしないのか、明確にお答えください。十五万トンの特別枠は中途半端で、これでは米価の下落は止まらないでしょう。
 また、新自由主義からの脱却を目指すなら、農政こそ、その見直しの試金石になると思いますが、例えば、米の生産調整に国が関与しない方針は継続するんでしょうか。併せて伺います。
 国民民主党は、国際的な人権侵害に対する制裁措置を定めた日本版マグニツキー法案を昨年の十一月に取りまとめました。加えて、企業の人権取組状況の公表を求め、優良企業を政府調達で優遇する人権デューデリジェンス法案の骨子案もまとめました。
 人権外交を日本がリードする観点から、岸田内閣として、人権侵害に対処する法案や人権デューデリジェンス法案を提出する用意はありますか。答弁を求めます。
 この三十年間、日本の実質賃金は下がり続けています。このうち二十七年間、政権と政策を担っていたのは紛れもなく自民党です。
 岸田総理、私が総理に期待したいのは、安倍総理のように十年も前の民主党政権の悪口をいまだに言うことではなくて、安倍政権や菅政権でも達成できなかった実質賃金のアップを一体どのように成し遂げていくのか、事実に謙虚に向き合い、国民の給料や所得を上げる新しい答えを出してくれることなんです。岸田総理が自民党を変えてくれると期待しています。しかし、今の時点で、もう気の毒なぐらいいろいろな人の意見を聞き過ぎて、もう既に看板政策も目玉政策もなくなってしまっているのではないですか。
 岸田総理、まず、経済政策をめり張りの利いた積極財政に転換してください。そして、給料が上がる経済を実現していこうではありませんか。
 私たち国民民主党は、今の日本にとって、やはり、人づくりこそ国づくり、これが大事で、だからこそ、教育、科学技術など未来への投資を拡大して、動かなくなってしまったお金や人を動かしていきたいと思います。岸田総理も同じ気持ちだと思います。しかし、遠慮と配慮ばかりでは改革はできません。多くの国民の心を動かすこともできないと思います。
 岸田総理、変わってください。
 私たち国民民主党は、これからも日本を立て直す政策をどんどん出していきます。困難な中で懸命に生きている人たちの生活を守るためにも、日本を動かしていきましょう。
 動け、日本。
 私たち国民民主党は、日本を動かしていきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 120505254X00420211012_013

発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2021-10-12

院: 衆議院

会議名: 本会議