馬場伸幸の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。
私は、我が党を代表して質問いたします。(拍手)
新型コロナウイルス感染の状況は落ち着きを見せていますが、依然、出口は見えず、日本国内の空気も国民の気持ちもすっきりと晴れません。
こうした中、アメリカ・メジャーリーグで、今季、投げて打っての八面六臂の活躍をしたエンジェルスの大谷翔平選手が、メジャー最高の栄誉、MVPに輝き、日本国民に大きな感動や希望、勇気を与えてくれました。大谷選手に心から祝福と感謝を申し上げるとともに、来季以降の更なる飛躍を祈念いたします。
大谷選手が、プロ入り後、日本資本主義の父と称される渋沢栄一の著書「論語と算盤」を座右の書とし、渋沢の思いを胸に抱いてメジャー行きの目標をかなえたという逸話を、渋沢家五代目の子孫、渋沢健さんが披露されています。
「論語と算盤」の中で渋沢栄一はこう説いています。正しい道理の富でなければ、その富を完全に永続することはできない、論語とそろばんを合致することが大切だと。つまり、論語とそろばんが未来に向かって前進する車の両輪という考え方です。
この本をプロ入り二年目の大谷選手に薦めたのが、当時、日本ハム球団の監督だった栗山英樹さんです。栗山さんは、「論語と算盤」から、見えない未来を信じる力を学んだそうです。
日本の高度成長期を生んだ昭和の時代と、平成の三十年が過ぎ去り、超少子高齢化が進む令和の時代を迎えましたが、まだ未来の明かりはおぼろげです。だからこそ見えない未来を信じる力が大事であることを渋沢栄一と大谷選手が教えてくれていると渋沢健さんはおっしゃっています。
総理に伺います。
総理は、新しい資本主義を唱えておられます。私たちは、そうした言葉だけではなく、未来を信じる力を実際に国民に届けることこそが肝要と考えますが、日本の最高指導者としての御所見を御披露ください。
世界で感染が広がる新型コロナウイルスのオミクロン株が日本国内でも見つかり、第六波到来の懸念が強まっています。
オミクロン株の感染力など正体は明らかになっていませんが、水際対策の徹底によって感染拡大を少しでも遅らせ、その間に、検査や治療、入院患者の受入れ体制などの備えに万全を期すことが不可欠です。感染が広がれば、経済や社会活動を再び制限する事態になりかねません。
先般の迅速な水際規制の展開については評価をしておりますが、問題はその中身です。
外国人の入国禁止措置に係る例外の、特段の事情について、政府は、真に必要があると認められるものに限るなど、厳格に運用していくと説明していますが、真に必要とはどのような場合なのか、国民にも説明するべきです。
総理に伺います。
外国人の入国禁止の例外、真に必要がある場合とは、どのようなケースを想定しているのですか。具体的かつ網羅的に御紹介ください。
そもそも、感染拡大の防止を目的とする外国人の入国規制については、昨年二月三日に我々日本維新の会が緊急提言で公表し、入管法の整備を強く求めてきました。
総理に質問します。
現行の入管法第五条一項十四号を援用するのではなく、正面から必要な規定を新設すべきと考えますが、いかがですか。私たちの提言から既に二年が経過しようとしています。検討が進まない理由を含めて、御説明ください。
日本人についても、帰国後の宿泊施設での待機がしっかり遵守されているかどうかチェックする体制を強化するとともに、施設内の感染対策も徹底する必要があります。
そもそも、日本人帰国者に宿泊施設での待機を求める、いわゆる厳格な隔離の対象は、限定された国、地域からの帰国者にとどまり、その他からの帰国者は自宅待機が原則となっています。
総理に伺います。
日本人帰国者の厳格な隔離措置の対象について、全世界を対象に拡大する必要はありませんか。新型コロナ流行の初期に中国や欧州からの水際対策が不徹底であったため、ウイルスの流入を許し、感染を拡大させた教訓を踏まえつつ、お答えください。
政府は、二回目接種から原則八か月経過後としていたワクチンの三回目接種を前倒しすることを決めましたが、判断が遅く、現場は大混乱です。
総理に質問します。
ワクチンの追加接種期間の前倒しについては、可能な限り多くの層の国民を対象にすべきであり、まずは高齢者施設や介護療養型医療施設等の入所者を対象にすべきと考えますが、見解を求めます。
政府は、クラスターが出た医療機関等を対象にワクチンの三回目接種を前倒しするとしていますが、クラスターが発生してからでは意味がありません。
クラスター発生の場合に必要なのは、迅速な治療です。現在、病院等での活用が進められている中和抗体薬の、発症抑制のための投与です。
高齢者施設や介護療養型医療施設等でのクラスター発生時において、重症化リスクを持つワクチン未接種者の濃厚接触者に早期に中和抗体薬を投与できるよう、対象を拡大すべきと考えますが、いかがですか。総理の見解を伺います。
第五波では、都市部を中心に、入院先が見つからないなどの理由で自宅療養を余儀なくされ、容体悪化で亡くなる方が相次ぎました。
医療崩壊の危機に直面しても医療提供体制が強化できなかった最大の要因は、新型インフルエンザ等特別措置法や感染症法などの制約があったからだと考えます。
総理に伺います。
政府は、今年夏のピーク時より三割増の約三万七千人が入院できる病床の確保を予定していますが、対応し得る医療従事者をどのように確保する方針ですか。
より実効性を持たせるために、十分な補償を前提として、新型インフル等特措法三十一条に医療機関に対する命令規定を新設し、医療機関、従事者の確保に努めるべきだと考えますが、見解を求めます。
国内で感染が広がれば、感染経路の調査や患者の健康観察を行う保健所の負担が増えます。保健所の業務が逼迫する事態を回避するためにも、感染症対策の中心を保健所からかかりつけ医に大転換するなど、感染拡大の新しい局面に対応した法整備が必要と考えます。認識をお示しください。
政府が決定した経済対策は、財政支出が五十五・七兆円と最大規模となり、令和三年度補正予算案の一般会計の追加歳出も過去最大の三十六兆円が計上されました。
規模が先行し、質が置き去りにされていると断じざるを得ません。徹するべき賢い支出から乖離した施策のオンパレードです。風呂敷ばかり広げて中身はさんざん、政策効果を吟味せずに積み上げたとしか思えません。
これが、総理が唱える成長と分配の好循環につながるのでしょうか。目立つのは、家計や企業への給付ばかり。経済成長を呼び込むための適切な支出とは言えません。
最たる愚策は、十八歳以下に対する十万円相当の給付です。支援すべきは、経済的に厳しい状況に置かれている方々です。所得制限が中途半端で、政策目的もはっきりしません。挙げ句に、十万円を現金とクーポンに分けたことで、約九百七十億円の事務経費が上乗せされる始末です。
総理に伺います。
一括して現金で給付すれば、九百七十億円は不要です。これだけの税金を納めるのに国民の皆さんはどれだけ苦労されているのか、認識されていますか。
九百七十億円を投じてまでクーポンでの支給に固執される理由が理解できません。この経費を本当に困っている人への支援に役立てるべきではないですか。説明を求めます。
内閣府によると、そもそも、自治体が補正予算成立後に現金で一括給付したくてもできないということです。理由を聞けば、現金給付はコロナ対策関連の予備費から、クーポンは補正予算からと別々に手当てするからだというではありませんか。
このままでは、現金五万円の支給、ワクチンの三回目接種、五歳から十一歳対象のワクチン接種、そして五万円のクーポン支給の四連発で、自治体の事務がパンクしかねません。クーポンが届くのは春どころか夏になってしまうと現場から悲鳴が上がっています。
総理に伺います。
役所側の事情で国民を振り回すなどということはあってはなりません。今からでもクーポン給付を取りやめ、全額現金に切り替える考えはありませんか。
政府は、地方自治体の実情に応じて現金給付も可能とするとしていますが、自治体の実情が分かるのは自治体だけです。自治体の判断で全額現金給付を選択した場合、補助対象としないなどのペナルティーが科されますか。自治体の皆様、国民の皆さんに御理解いただけるよう、はっきりお答えください。
今実施すべきは消費税減税です。複雑な十万円給付など、政策目的も不明で、無駄な事務コストもかかる政策にかまけているときではありません。日本維新の会は、消費税率を二年目安で時限的に五%に引き下げる消費税減税法案を週内に提出する方針です。
総理にお尋ねします。
消費税減税は、消費を喚起するとともに、国民の皆さんにあまねく公平かつストレートに恩恵が行き渡ると確信していますが、見解をお示しください。
政府の経済政策には、失われた三十年の反省が見られません。五十五・七兆円もの巨額資金を投じるのに、成長戦略と位置づける施策は財政支出の二割程度です。
総理肝煎りの新しい資本主義実現本部は、科学技術立国の推進、スタートアップの支援、デジタル田園都市国家構想といった成長戦略を掲げています。理想的なフレーズが並びますが、中身は、実質、従来型の施策の上書きです。
人への投資や規制改革を通じ、産業の新陳代謝や労働者の移動を促す施策を深掘りし、技術革新や生産性の向上につなげない限り、日本経済の地盤沈下は食い止められません。
政府が進める場当たり的な賃上げ政策にしてもしかりです。成長を後回しにして分配に走るのは本末転倒です。分配の原資たるパイを決するGDPが伸びない限り、分配は増えません。痛みを伴う構造改革や資源分配の見直しを断行し、経済成長に本気で力を傾けるべきです。成長なくして分配なし、改革なくして分配なしです。これに反論できますか。総理の見解を求めます。
振り返れば、自民党政権において改革が浮上しながら日の目を見ていない施策は枚挙にいとまがありません。
昨年五月に当時の高市早苗総務大臣がマイナンバーと全ての預貯金口座とのひもつけ義務化への意欲を表明したものの、進まず。安倍内閣が着手した解雇紛争の金銭解決ルールの創設は、野党のレッテル貼りに腰砕けになり、頓挫しました。企業による農地所有の特例措置は、兵庫県養父市の国家戦略特区で実験的に導入され成功しましたが、自民党農林族議員の反発で、全国展開は見送られました。電波オークションに至っては、一九九〇年代以降、検討中のままです。
総理に伺います。
腰を据えて経済成長に取り組むというなら、岩盤と言われる規制の改革を完遂すべきではないですか。私が例に挙げた四点について、ここで、やると約束してください。
ハイスピードで進む人口減少と少子高齢化により、社会保障費は増える一方、支える側の労働力は減少し続けています。旧態依然とした規制にがんじがらめの日本経済は、成長を阻まれ、主要先進国から取り残されています。
ところが、政府・与党は、国民に痛みを強いながら、行財政改革なぞ、どこ吹く風です。かさむ税と社会保障費の重圧で、平均的な世帯の可処分所得は低下の一途をたどり、今の日本は、どれだけ働いても豊かになれない、固定化された格差社会の様相を呈しています。
高度成長を支えた昭和モデルの経済社会システムはとうに賞味期限切れなのに、自民党政権は新たなモデルをつくろうとしません。
格差社会を打破し、成長経済を取り戻さなければ、日本の未来はありません。そこで日本維新の会が掲げたのが、税制、社会保障制度、労働市場を三位一体で改革する日本大改革プランです。
大改革プランの肝は、セーフティーネットをチャレンジのための公平な制度と位置づけ、ベーシックインカムあるいは給付つき税額控除の最低所得保障制度の導入と、学び直しを支える教育の無償化を実現させることです。
最低所得保障制度によって、一人一人が離職で収入が途絶える不安から解放され、社会人が大学や専門学校などで能力を高めながら人生設計に合わせて転職や挑戦を繰り返すことができます。
総理に質問します。
政府・与党のプランAと、私たちのプランBとをテーブルにのせ、四つに組んで日本の未来をかけて競い合いませんか。来週の予算委員会で、私たちは、日本大改革プランを掲げて、正面から政府・与党にチャレンジします。自公チームの総大将として、正々堂々論戦を受けると宣言してください。
原油価格の異常な高騰を踏まえ、我が党は、六日、揮発油税などの税率を一定の上限で時限的に引き下げるトリガー条項の凍結解除法案を国民民主党と共同提出しました。
政府は、価格抑制策として、石油元売業者への補助金を打ち出していますが、効果は全く不透明です。この手法は、実効性と公平性を度外視しているだけでなく、市場の機能をゆがめる価格統制だと言わざるを得ません。
ガソリンや軽油の値上がりは、コロナ禍で冷え込む家計に追い打ちをかけ、とりわけ日常生活に自動車が欠かせない地方で負担が重くのしかかっています。
総理に質問します。
私たちの政策理念は、国民や国家にとって何が利益になるのかに尽きます。国民の皆さんの暮らしや飲食、観光といった産業を下支えするために、今こそ、ガソリンや軽油の価格を直接下げるトリガー条項の適用は不可欠だと考えますが、答弁を求めます。
政府は、子供関連政策の司令塔となる子ども庁を令和五年度に設置する方針とされます。
当初、縦割り行政の弊害を打破するために関係省庁をまたいで組織を一本化する構想でしたが、結局、組織の一本化は見送られるそうです。
省益と子供のどちらが大事なのか、理解できません。骨抜き組織なら、無駄な役所が一つ増えるだけです。
我が党は、組織ありきの議論にはくみせず、子供のために使われる大規模な財源を確保することを目指しています。まず、OECD加盟国で最下位となっている教育予算の対GDP比を引き上げ、教育への公的支出を他の先進国レベルに向上させるべきです。
総理に質問します。
問われるのは、子ども庁が真に子供のためになる組織なのかです。屋上屋を架すものであってはなりません。子ども庁の創設によって、既存省庁と重なる業務に係る人員、予算は当然削減され、必要な箇所に振り向けられるべきですが、いかに対処する考えでしょうか。
日本維新の会は、結党以来、身を切る改革を実践してきました。
その立場から、看過できないのは、国会議員に一人月額百万円が支給される文書通信交通滞在費の改革が、自民党と一部野党の談合によって、なし崩し的に葬られようとしていることです。
文通費の最大の問題は、領収書の公開義務がなく、私的に流用されても放置されていることです。
我が党は、過去に、日割り支給と領収書公開の義務づけをセットとした歳費法改正案を提出してきましたが、当然のように無視され、自主的に領収書を公開してきました。
日割り支給にするだけで片づく問題ではありません。使途の公開と未使用分の国への返還を義務づけることが絶対条件です。
ところが、議員の身分に関わることは全会派の合意が原則なる永田町のへ理屈で、改革が先送りされようとしています。この改革に臆面もなく背を向ける会派は、国民の皆さんが汗水流して納めた税金に群がるシロアリ集団と言わざるを得ません。
我が党は、去る六日、文通費の領収書を添付して精算し、余れば国に返金する歳費法改正案を国民民主党と提出するとともに、翌日に同趣旨の議員立法を提出された立憲民主党にも一本化するよう申入れを行いました。
古き永田町の体質を変えていく第一歩が文通費改革だと確信しています。国のルールメーカーである国会議員がぬるま湯につかっていては、生産的な国づくりなど望めません。
総理に伺います。
文通費の抜本的な改革から逃げを打つ立法府、特に自民党の姿勢をどう受け止めますか。このような状況で国会改革や行財政改革が推し進められると考えておられますか。
私たちの文通費の改革法案に賛同していただけますか。できないなら、理由を御説明ください。
総理御自身が率先して自主的に領収書を公開されるお考えはないでしょうか。
我が党は、来年の通常国会に国会議員の定数と歳費をそれぞれ三割削減する法案を提出しますが、そろそろ自民党もこうした身を切る改革に真剣に取り組んでいく覚悟はないでしょうか。
以上、国会でお決めになることなどというお決まりの逃げ口上ではなく、自民党総裁として、一国会議員としての答弁を求めます。
覇権主義国家と化した中国が、台湾統一への野心をむき出しにしています。もはや、台湾有事は、あるのか否かではなく、いつあるのかという次元に移っているという観測が強まっています。
台湾有事は日本有事です。インド太平洋において台湾が持つ戦略的重要性は比類なく高く、アメリカ政府は、台湾周辺の平和と安定を維持する上で同盟国との協力は不可欠としています。当然、日本の軍事的役割が大きくなります。
政府に求められるのは、我が国と台湾を守るという覚悟と万全の備えです。それは、中国を思いとどまらせる抑止力にもなります。
台湾有事が勃発すれば、台湾に在留する日本国民約二万五千人、並びに、中国が攻撃の標的にする可能性が高い沖縄本島や宮古、石垣など先島諸島の数十万人規模の住民をいち早く退避させて保護しなければなりません。
総理にお尋ねします。
台湾海峡の緊張を受け、総理は、テレビ番組で、どんな事態にも対応できる体制、法整備をしっかりしておかなければならないと述べられましたが、法整備とは何を想定されているのですか。
台湾有事に備えた政府、自衛隊のシミュレーションは戦闘シナリオに力点が置かれていると聞きますが、台湾の在留邦人や沖縄本島、先島諸島などの住民の退避や訓練、インフラ整備などの計画の策定に具体的に着手されているのですか。
有事の際、中国が狙う第一列島線の支配を阻止するためにも、沖縄本島、先島諸島に手厚く自衛隊を配備し、在日米軍とのタッグで防衛施設、機能を早急に充実させていくことが不可欠だと考えますが、見解を求めます。
沖縄県の尖閣諸島防衛の要諦は、尖閣は日本が守るという国家的な意思表示であり、領海警備体制の強化は待ったなしです。日本維新の会は、今年六月、自衛隊法と海上保安庁法の改正案を国民民主党と共同提出いたしましたが、今国会に改めて共同提出する方針です。
趣旨は、防衛庁設置法の規定による調査研究という曖昧な形で自衛隊が行っている情報収集と警戒監視活動を本来任務に位置づけ、合理的と判断される限度で活動に当たる自衛官に武器使用を認めること、さらに、海保法に明文化されていない領海の警備を海保の任務に据えるものであります。
これにより、尖閣周辺で、事実上の軍である中国海警船と第一線で対峙する海保と、後方で控える自衛隊が、シームレスかつ機動的に対処できる体制が整います。
総理に質問します。
私たちの法案は、中国を牽制する日本の強いメッセージとなり、抑止力にもなると考えますが、御認識をお示しください。この法案に賛同いただけますか。できないというなら、具体的にどのように対処されるのですか。尖閣防衛は現行法の運用で事足りるとお考えですか。見解を伺います。
政府は、今年四月、中学の社会科や高校の地理歴史、公民科の教科書にある従軍慰安婦という表現について、不適切であり、単に慰安婦という用語を使うのが適切だとする答弁書を閣議決定しました。
これを受けて多くの教科書が修正しましたが、政府見解を併記して、従軍の二文字を残したまま文部科学省の検定をパスしたケースもありました。外務省の資料など記述のある文献を注釈つきで引用すれば、検定基準を満たすからです。
いつまで史実をゆがめる言葉を教育現場でばっこさせるのですか。これこそ、平成五年の河野洋平官房長官談話がもたらした弊害です。
河野談話が、慰安婦の強制性等を裏づける証拠がないまま韓国側に配慮した、虚構まみれの作文だったことは明らかになっています。誤っていたと判断すれば修正してしかるべきだと考えますが、歴代政権は頑として継承し続けています。このダブルスタンダードは理解できません。このままでは、中国や韓国が外交的優位に立つべくしかけてくる歴史戦で、ノーガードのまま負けるだけです。
総理に伺います。
政府が公式に不適切だとした従軍慰安婦や強制連行という用語がなおも一部の教科書に残り続けている現実をどう受け止めますか。
日本の未来を担う子供たちに、このような不適切な用語が残る教科書で学ばせることをよしとするのでしょうか。
この際、河野談話の撤回ないし修正を政治決断するお考えはありませんか。ないというなら、理由を御説明ください。
今国会は、憲法改正に向けた議論が軌道に乗るか否かの重大な試金石になると考えています。
衆参両院の憲法審査会を毎週定例日に開き、憲法の中身の議論を滞りなく進めていくことが不可欠です。国民が判断材料を持ち得ないという状況を早急に打破しなければなりません。
憲法論議が停滞してきた要因は、オールド野党の執拗な妨害と、やるやると言いながら本気度が疑わしい自民党の優柔不断さに尽きます。
最終的に憲法改正を決めるのは、主権者たる国民です。オールド野党が改憲反対の立場を取られるのは自由ですが、論議の封じ込めは断じて許されません。
総理に伺います。
所信表明で、国民理解の更なる深化が大事だ、与野党の枠を超え、国会で積極的な議論が行われることを心から期待するなどと述べられましたが、まだ熱意は伝わってきません。自民党総裁として、憲法論議を主導するという強い決意を示していただけませんか。
総裁任期中に憲法改正を実現するという思いは揺るぎませんか。
国会において、あらかじめ国民投票の日程など改憲スケジュールを定め、逆算して議論の集約を進めていくことが必要だと考えますが、自民党総裁としての見解を求めます。
日本の繁栄に暗雲が垂れ込める中、日本維新の会は、国政政党としての重責を果たしていく決意です。必ずや日本大改革への流れをつくり、この国を再生させるために全身全霊を傾けていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕