岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井啓一議員にお答えいたします。
 今後の政権運営と経済対策の狙いについてお尋ねがありました。
 新型コロナを克服し、新しい時代を切り開くという極めて難しい課題に、国民の皆さんとともに挑んでまいります。その大きな一歩を踏み出すため、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策、これを取りまとめました。
 総額五十五・七兆円の大規模な対策によって、新型コロナの次なる感染拡大への備えを固め、コロナ禍で厳しい影響を受けた方々に万全の支援を行うとともに、新しい資本主義を起動し、成長と分配の好循環を生み出していくことで、日本経済を一日も早く回復軌道に戻し、コロナ後の新しい社会を切り開いてまいります。
 その上で、重要なことは、スピード感を持って執行し、国民の皆様にお届けしていくことです。現場の声や地方自治体の意見を直接聞き、課題やニーズをきめ細かく把握することで、執行の改善に反映し、盛り込まれた施策が最大限の効果を上げるよう、政府一体となって万全の対応を行ってまいりたいと考えます。
 さらに、十六か月予算の考え方の下、この補正予算と一体として令和四年度予算を編成するとともに、来年度税制改正においても、賃上げ税制の抜本強化など、経済対策に盛り込まれた政策を実現してまいります。
 新たな変異株への対応についてお尋ねがありました。
 オミクロン株への対応に当たっては、未知のリスクには慎重の上にも慎重に対応すべきと考え、水際対策において、緊急避難的、予防的措置を講じているところです。
 具体的には、外国人の入国について、全世界を対象に停止するとともに、帰国者には、専門家の意見を踏まえつつ、滞在国、地域のリスクに応じて指定施設停留措置を講じつつ、十四日間の待機と健康フォローアップを求めています。また、オミクロン株の陽性が確認された場合には、同乗者全員を濃厚接触者として取り扱い、保健所と連携して定期的な検査や施設待機等の措置を講じています。
 さらに、国内感染対策として、新規感染者数が落ち着いている現状において、全ての国内新規感染者について変異株PCR検査やゲノム解析の実施によりオミクロン株の検査を行うことで、早期探知に全力を尽くしております。
 引き続き、官房長官の下に設置したタスクフォースを中心に、強い危機感を持って状況の把握に努めるとともに、各国、地域の感染状況を踏まえ、機動的に、かつスピード感を持って必要な対応を行ってまいります。
 三回目のワクチン接種と経口薬についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンの三回目の接種については、本年十二月一日から始めました。自治体と緊密に連携するとともに、ワクチンの有効性や安全性について国民に丁寧に説明しながら、着実な実施に万全を期してまいります。
 また、接種間隔については、二回目の接種から八か月以降を原則としておりましたが、感染防止に万全を期す観点から、既存のワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認される見込みのモデルナ社のワクチンを活用して、八か月を待たずに、できる限り前倒しをいたします。
 今後の切り札となる経口薬については、年内の実用化を目指すとともに、薬事承認が行われれば、まず年内に約二十万回分、年度内に更に四十万回分を医療現場にお届けいたします。さらに、この冬を始め、中期的な感染拡大にも対応できるよう、追加で約百万回分、合計でこれまでに約百六十万回分を確保しております。
 引き続き、経口薬を必要とする方々が適切に使用できるよう、経口薬の開発、確保と投与体制の整備を進めてまいります。
 保健所と医療機関等との連携についてお尋ねがありました。
 この夏の感染拡大の場面においては、保健所の業務が逼迫し、自宅、宿泊療養者への健康観察や診療が十分に行えなくなる事態が発生をいたしました。
 このため、今後もこうした感染拡大が中長期的に繰り返される可能性があることも想定し、全国で延べ約三万四千の医療機関と連携をし、オンライン診療、往診、訪問看護等を実施する体制を構築したところです。
 これらの取組により、全ての自宅、宿泊療養者について、陽性判明当日ないし翌日に連絡を取り、健康観察や診療を実施することができる体制を構築しております。
 困窮学生や家計急変世帯に対する給付金支援についてお尋ねがありました。
 今般実施する、学生等の学びを支援するための十万円の緊急給付金については、学生の経済状況を最も身近な場で把握している大学等が支給の可否を総合的に判断することとしております。
 その際、例えば自宅生であったり家庭から一定の仕送りがある場合でも、大学等が修学の継続が困難になっていると判断した場合には給付金を支給することとしており、大学等に周知をしてまいります。
 また、住民税非課税世帯に対する十万円の臨時特別給付金についても、新型コロナの影響を受けて家計が急変し、住民税非課税世帯と同様の事情にあると認められる場合には支給を行うこととしております。
 経済対策の執行に当たっては、新型コロナでお困りの方に寄り添いながら、適時適切にこうした支援が行き届くよう、しっかりと対応してまいります。
 事業復活支援金についてお尋ねがありました。
 事業復活支援金の申請手続については、これまでと同様に電子申請とした上で、過去の給付金の申請情報を活用することで簡易な申請を可能とするなど、できる限り申請手続を簡素化してまいります。
 また、持続化給付金などのこれまでの給付金制度の経験を踏まえて、多数の申請にも対応できるよう、審査人員やシステム処理能力を増強するなど十分な審査体制を構築することで、事業者の皆様に迅速に支援金をお届けすることができるよう、準備を進めてまいります。
 半導体や蓄電池の開発支援についてお尋ねがありました。
 半導体と蓄電池は、デジタル化や脱炭素化、経済安全保障の確保を支えるキーテクノロジーであり、これらに係る技術的優位性の確保と安定供給体制の構築は、我が国にとって喫緊の課題です。
 このため、半導体と蓄電池の製造拠点整備や次世代技術開発を支援し、官民合わせて一兆五千億円を超える大胆な投資を行うよう、今回の補正予算案で必要な予算額を計上させていただいております。
 新たなマイナポイントについてお尋ねがありました。
 御指摘の御懸念については、新たなマイナポイント制度は既に健康保険証利用登録済みの方も対象とするほか、公金受取口座を登録しても国に所得情報が把握されるということはありません。新制度が国民の皆様に正確に理解いただけるよう、丁寧な周知や広報に取り組んでまいります。
 また、マイナンバーカードを新規に取得した方等に対する最大五千円相当のマイナポイントの付与は来年一月一日から開始することとし、その方針を自治体に速やかにお伝えします。カードの健康保険証利用や公金受取口座の登録に伴う各七千五百円相当のポイント付与についても、システム改修等の調整を行い、できるだけ早期に開始をいたします。
 新たなマイナポイントをきっかけとして、国民の皆様にキャッシュレス決済の利便性やカードの健康保険証利用のメリットを実感していただくとともに、マイナンバーカードの利便性を更に向上させ、デジタル社会の実現に向けた取組を加速させていきたいと考えます。
 地方のデジタル化に対する財政支援についてお尋ねがありました。
 デジタル田園都市国家構想は、デジタル技術の活用によって、地域の個性を生かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現するものです。新型コロナを契機とした地方への関心の高まりやテレワークの拡大、デジタル化といった変化を後押しして、地方へ大きな人の流れを生み出し、活力ある地方づくりを進めてまいります。
 このため、海底ケーブルで日本を周回するデジタル田園都市スーパーハイウェーなど、時代を先取るデジタル基盤を公共インフラとして整備いたします。その上で、設備の整備だけでなく、今回の経済対策で新しく新設するデジタル田園都市国家構想推進交付金などにより、サテライトオフィスの運営や地方に進出する企業による地域活性化に向けた事業を支援することを通じ、地方におけるテレワークを更に推進し、転職なき移住の実現に向けた環境整備を進めてまいります。あわせて、地方公共団体に寄り添って、自治体情報システムの標準化、共通化、マイナンバーカードの普及、デジタル推進委員の全国展開を推進してまいります。
 こうしたデジタル化に向けた総合的な支援により、地域が抱える人口減少、高齢化、産業空洞化などの課題をデジタルの力を活用することによって解決し、地方から国全体へ、ボトムアップの成長を実現してまいります。
 赤潮や軽石等による水産被害への対応についてお尋ねがありました。
 北海道での赤潮発生によるサケ等への被害や、鹿児島県、沖縄県等への軽石の漂流、漂着による操業自粛、漁船の故障などの被害に対しては、漁業共済等により減収補填や漁船の修繕費用への支援を行います。
 漁業共済の対象外であるウニの赤潮被害についても、ウニ殻の除去等の漁場環境の回復の取組を支援し、経営継続を支援していくこととし、これに伴う地方自治体が負担する経費について特別交付税措置を講じてまいります。
 赤潮の発生原因の究明や、漁港等における軽石の回収、処理への支援を行いつつ、現場の状況を丁寧に把握し、被害への対応に全力で取り組んでまいります。
 子育て世帯への給付及び子育て、教育支援についてお尋ねがありました。
 子育て世帯への給付は、新型コロナが長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から、ゼロ歳から高校三年生までの子供たちに一人当たり十万円相当の給付を行うこととしたものです。
 これにより、迅速かつ効果的に子ども・子育て支援を推進し、少子化の克服と子供を産み育てやすい社会の実現を目指してまいります。
 また、子育て、教育支援については、これまでも、安定財源を確保しつつ、ライフステージに応じた様々な支援を充実させてきたところです。
 さらに、子供中心の行政を確立するための新しい行政組織を設置し、妊娠、出産、子育てしやすい環境整備や、子育て、教育に係る経済的負担の軽減など、子供をめぐる様々な問題に適切に対処するため、安定財源の確保を図りつつ、必要な子育てや教育の支援を促進してまいります。
 子供政策についてお尋ねがありました。
 子供をめぐる様々な課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政を進めていかなければなりません。
 子供政策の基本理念や目指すべき方向性を実現していくための新しい行政組織の設立に向け、年末までに基本方針を決定し、来年の通常国会に法案を提出する方向で検討を進めているところです。
 新しい行政組織の設立に当たっては、子供政策を強力に進めるために必要な安定財源の確保についても、国民各層の理解を得ながら、社会全体での負担の在り方を含め、幅広く検討を進めてまいります。
 また、定員については、新規の政策課題への対応、司令塔機能や政策立案機能の強化に必要な人員を配置するため、移管する定員を上回る体制を目指してまいります。
 孤独・孤立対策についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響により、孤独、孤立の問題がより一層深刻な社会問題になっています。孤独、孤立に悩む人を誰一人取り残さない社会を目指し、国全体で取り組んでいく必要があります。
 今回の補正予算において、孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援を更に充実いたしました。さらに、年内に重点計画を取りまとめ、これに沿って、単年度主義の弊害を排して、政府一体となって安定的、継続的に支援をしてまいります。
 防災・減災、国土強靱化の推進についてお尋ねがありました。
 災害から国民の生命、財産、暮らしを守ることは政府の大切な使命であり、強靱な国土づくりを進めるため、防災・減災、国土強靱化の取組を強化していくことが必要です。
 このため、十六か月予算の考え方に基づき、今回の補正予算案に計上した五か年加速化対策を速やかに実施するとともに、当初予算において必要十分な予算を継続的に確保してまいります。
 防災・減災、国土強靱化は、国家百年の大計として、中長期的かつ明確な見通しの下、計画的に進めることが必要であり、五か年加速化対策後も見据え、引き続き、取組を強化してまいります。
 個別避難計画作成時等におけるデジタル技術の活用推進とその効果についてお尋ねがありました。
 政府においては、災害時の被災者支援に必要な情報を一元的に統合しクラウド化した、被災者支援システムの開発を進めており、令和四年度から運用を開始する予定にしております。
 市町村においては、本年五月に改正された災害対策基本法に基づき、高齢者や障害者等の個別避難計画の作成を進めていただいているところ、こうしたシステムの活用により、計画作成の効率化や省力化を図ることが可能になると考えております。
 また、システム内の被災者台帳と連携することなどによって、被災者の被害状況、支援状況、配慮事項等の横断的な把握が容易となり、ニーズに沿った支援を行うことも容易になると考えております。
 今後の日米関係、さらに、日米首脳会談に向けた意気込み、また、中国との関係についてお尋ねがありました。
 バイデン大統領とは、十月に電話会談を行い、十一月のCOP26の際にも懇談を行いました。できるだけ早期に訪米して、バイデン大統領と会談し、これまでに培った信頼関係を基礎に、インド太平洋地域、国際社会の平和と繁栄の基盤である日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。
 中国との関係については、総理就任後、早速、習近平主席と電話会談を行いました。引き続き、中国には、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、共通の課題には協力し、建設的かつ安定的な関係の構築を目指してまいります。
 北朝鮮についてお尋ねがありました。
 北朝鮮による拉致問題、核・ミサイル開発は断じて容認はできません。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化の実現を目指してまいります。
 拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、米国バイデン政権を始めとした関係国と緊密に連携してきており、米韓とも、次官級あるいは局長級の協議を重ねております。私自身、金正恩委員長と直接向き合うべく、あらゆるチャンスを逃さず、全力で取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2021-12-09

院: 衆議院

会議名: 本会議