玉木雄一郎の発言 (本会議)
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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
私たちは、さきの総選挙で国民の皆さんの信託を受け、より多くの議席をお預かりすることができました。これからも、改革中道政党として、国民のためになる政策を提案し、対決より解決を実践してまいります。
さて、岸田総理の所信表明演説は片仮名だらけでした。デジタル田園都市スーパーハイウェー、スタートアップエコシステムなど抽象的な言葉がたくさん出てくる一方で、なじみのある片仮名が出てきませんでした。それは、ガソリンです。まだ高止まりが続いています。
私が、ガソリン価格の高騰対策として、いわゆるトリガー条項の凍結解除を提案したのは、二か月前の十月十二日の代表質問でした。総理、覚えていらっしゃいますか。そのときも、そして昨日も、総理は、買い控えが起こるからできないと答弁をされました。
しかし、総理、今、レギュラー満タン入れてくれとか言えなくて、二千円分だけ入れてほしい、中には、千円分だけ入れてほしい、こういうお客さんが増えているのを御存じでしょうか。買いたくても、高くて十分買えないのが現実です。
私たち国民民主党は、この国会の初日に、日本維新の会の皆さんとともに、ガソリン値下げ法案を提出しました。やはり、トリガー条項の凍結解除が必要だと考えます。霞が関の論理の代弁ではなく、総理の政治家としての見解を伺います。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、そしてカナダが北京オリンピックの外交的ボイコットを表明しました。中国の人権問題を黙認する誤ったメッセージを国際社会に発しないためにも、日本も北京オリンピックの外交的ボイコットを検討すべきではないですか。総理の明確な答弁を求めます。
また、重大な人権侵害に対して出入国制限や資産凍結などの制裁措置を可能とする人権侵害制裁法、いわゆるマグニツキー法を持っていないのは、G7の中で日本だけです。この人権侵害制裁法を制定するのかしないのか、岸田内閣の方針を伺います。
加えて、企業が人権侵害に加担していないことを担保する人権デューデリジェンス法についても、制定するのかしないのか、併せて伺います。
国民民主党は、公約として人権外交の推進を掲げて選挙を戦い、日本版マグニツキー法案と人権デューデリジェンス法案を既に準備しています。政府が動かないのであれば国会に提出しますので、どうぞ、議場の同志の皆さん、賛同よろしくお願いいたします。
外国人労働者の拡大について伺います。
政府は、在留期間に上限がなく、家族の帯同も可能な外国人在留資格、特定技能二号について、現在の建設、造船の二分野から、宿泊、農業などの全十四分野に拡大を検討しているとのことですが、これは事実ですか。また、この分野拡大は、閣議決定だけで可能で、法改正が不要とのことですが、これも事実ですか。
事実上の移民解禁とも言える重大な決定を国会での十分な議論なく進めることには反対です。特定技能二号の拡大は、法改正時の附帯決議にもあるように、厳格な運用が必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
新型コロナの変異種であるオミクロン株の対策にこそ、デジタル化を最大限活用すべきです。
総理に三つ提案します。
一つ目は、医療機関の持つ情報と行政の持つ情報の連携です。
医療情報と行政情報を連携させれば、例えば、コロナワクチンの三回目接種について、基礎疾患のある方に優先して先行して接種券を送付することが可能となります。これは、すぐやるべきです。総理の見解を伺います。
二つ目は、デジタル健康証明書です。
国民民主党は、ワクチン接種だけでなく検査での陰性の両方をQRコードで証明する、デジタル健康証明書を昨年四月から提案してきました。しかし、政府が十一月に発表したワクチン・検査パッケージでは、デジタル化されるのはワクチン接種証明だけ。検査の陰性証明はデジタル化の予定すらありません。
ワクチン接種しても感染する、いわゆるブレークスルー感染もある中で、感染拡大防止には定期的な検査がむしろ重要です。検査の陰性証明も速やかにデジタル化すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
三つ目は、抗原検査キットのネット販売です。
その場で速やかに検査結果が出る抗原検査キットは、私が昨年十一月の予算委員会で提案してから約一年近くたった今年の九月末、ようやく一般販売が解禁されました。
総理、国が承認した抗原検査キットについては、現在認められている薬局販売だけでなく、ネットでの販売も全面解禁すべきです。これぐらいやりませんか。総理の見解を伺います。
総選挙の前の代表質問で、所得倍増が岸田総理の所信表明演説から消えたことを私は指摘しましたが、今回の所信にも所得倍増は入っていません。残念です。
国民民主党は、給料が上がる経済を公約に掲げ、物価上昇率が二%なら名目賃金上昇率が四%になるまで、金融緩和と積極財政を継続するとの政策目標を掲げて選挙を戦いました。毎年四%賃金が上がれば、十八年で賃金は倍になります。三%なら二十三年です。
岸田内閣は所得倍増を諦めたんでしょうか。いつまでに所得や賃金を倍増させるのか、政策目標を明確に定めるべきです。総理の見解を伺います。
生産性を上げ、賃金を上げるためには、成長分野への円滑な労働移動が鍵です。労働市場の柔軟性を実現しつつ、手厚い保障によって労働者の暮らしを守る、フレキシビリティーとセキュリティーを組み合わせたフレキシキュリティーの概念が重要です。
国民民主党は、総選挙の公約として、職業訓練や学び直しとその間の生活保障給付を組み合わせた求職者ベーシックインカム制度を提案しましたが、このフレキシキュリティーの必要性についての総理の見解を伺います。
十八歳以下への十万円給付について伺います。
十万円分を全額現金で給付すれば、九百六十七億円の事務経費を節約できます。そして、九百六十七億円あれば、困窮する大学生に十万円を給付する学生支援緊急給付金の予算六百七十五億円を倍にして、支援できる大学生の数を倍にできます。
総理、十万円を全額現金で給付して、より多くの人を助けようではありませんか。総理の決断を求めます。
なお、既に全額現金で給付することを表明した自治体の長も出てきていますが、自治体の判断で全額現金で給付する際に、何らかの条件やペナルティーがあるのかを併せて確認します。近くにクーポンが利用できる商業施設がない、こういった条件をつけるとの報道がありますが、そもそも商業施設がないような場所には子供はいないのではないですか。
総理、やはり十万円は全額現金で給付すべきです。なぜなら、一番使い勝手のいいクーポン券は日本銀行券、現金だからです。
次に、低所得者向けの現金給付について伺います。
住民税非課税世帯のうち、六十代以上の高齢世帯は何割になりますか。厚生労働省の国民生活基礎調査を基に、全世帯から住民税課税世帯を差し引いた非課税と思われる世帯数は、六十代以上が約八割を占めています。
政府の低所得者向け現金給付では、コロナ禍で歯を食いしばって頑張っている多くの現役世代を救えません。総理の見解を伺います。
国民民主党は、十万円の現金給付は全国民に一律で行った上で、高所得者には後に課税、すなわち逆還付を求める所得連動型課税条件付一律給付を提案しています。複雑怪奇な政府案より迅速に給付できます。そもそも、岸田内閣の給付事業では、年収二百万円程度の独身のワーキングプア層を救うことができません。
総理、今からでも遅くありません。私たち国民民主党は、この所得連動型課税条件付一律給付を盛り込んだ補正予算の組替え動議を提出しますので、是非賛成してください。
国民民主党は、マイナンバーを全ての銀行口座にひもづけ、イギリスのように少なくとも月単位で所得と資産を把握できるようにし、生活に困った人が申請不要で迅速に振り込まれるプッシュ型支援を提案しています。コロナ禍で露呈した政策インフラの不備を一年以上放置してきたことは問題です。給付方法をめぐる今のような不毛な論争に終止符を打つためにも、マイナンバーを全ての銀行口座にひもづけるべきだと思いますが、総理の見解を伺います。
国が税金を集めて必要な人に配るのがこれほど非効率で遅いのなら、そもそも税金を取るのをやめたらどうですか。今こそ、コロナ禍からの経済回復までは消費税率を五%に引き下げるべきです。私たち国民民主党は、賛同いただける他党とも協力して消費税減税法案を国会に提出するので、どうか賛成してください。
国民民主党は、選挙公約で、人づくりこそ国づくりを訴えました。総理も、所信で、人への分配が未来への投資と述べられました。もし本当に投資と考えておられるなら、教育や科学技術の予算を公債発行対象経費として、国債を発行して、人への投資予算を倍増させるべきです。
国民民主党は、使途を人づくりに絞った教育国債の発行によって、今後十年間、教育、科学技術予算を年間五兆円規模から約十兆円規模に倍増させることを公約に掲げています。教育国債を発行可能とする財政法の改正を検討すべきと考えますが、総理の見解を求めます。
総理は、半導体国内立地推進のための法案をこの国会に提出すると表明しましたが、この工場の新設支援は何件ぐらい、そして稼働はいつ頃を想定していますか。報道によれば、最初の支援先とされる台湾のTSMCが熊本に新工場を操業するのは三年後です。総理、それでは当面の半導体不足の解消には間に合わないのではないですか。
国民民主党は、企業、特に中小企業におけるデジタル、環境分野への投資を加速するため、投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制を公約に掲げました。デジタル化が遅れている政府が民間のデジタル化を主導するのは無理筋です。あくまで民間主導でデジタル化を一気に進めるため、ハイパー償却税制を導入すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
農業分野は後継者の育成が急務です。
しかし、岸田内閣は、全額国庫負担だった青年就農給付金、現在の農業次世代人材投資資金について、地方自治体に半額負担を求める制度に変えようとしています。これでは、財政力の乏しい地方では後継者育成が困難になります。自治体の負担割合を引き下げるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
最後に、皇位の安定継承について伺います。
先日、皇位継承に関する有識者会議は、旧皇族の男系男子を養子として皇族にすることも提案しました。政府として、今、二十代、三十代の旧皇族の男系男子が何名いらっしゃるのか、把握していますか。また、皇族となる意思を確認しているのか、答弁を求めます。
日本の最大の課題は、四半世紀にわたって賃金が上がらないことです。頑張って就職して一生懸命働けば給料が上がる、そんな希望があれば、学生さんたちも奨学金を借りることが不安ではなくなるでしょう。若い人が結婚もできるし、望めば子供を持つこともできます。老後の年金の不安だって和らぐでしょう。つまり、日本の問題の多くは、給料、賃金が上がらなくなったことに起因しています。
しかし、この間、日本人が怠けたから賃金が上がらなくなったわけではありません。みんな、自分のため、何より家族や子供のために懸命に働いてきたはずです。それでもなお賃金が上がらないのは、やはり政策が間違っているからです。だからこそ、今、経済政策の転換が必要です。
国民民主党は、経済政策を規律ある積極財政に転換し、特に人への投資を倍増させることで、給料が上がる経済の実現に全力で取り組みたいと思います。国民民主党に任せていただければ、岸田内閣が諦めた所得の倍増を実現させたいと思います。この決意を国民の皆さんにお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕