岸田文雄の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 玉木雄一郎議員にお答えいたします。
トリガー条項の凍結解除についてお尋ねがありました。
現在凍結中のトリガー条項については、発動された場合に、ガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱、また国、地方の財政への多大な影響、こうした問題があることから、凍結解除は適当ではないと申し上げております。
政府としては、国民の皆さんが年末から春先までを見通せるように、農業や漁業等に対する業種別の対策を強化しています。加えて、ガソリン、灯油の急激な値上がりに対する備えとして、年内から執行可能な激変緩和措置も講じています。これによって、私は、国民の皆さんに、スピーディーに、かつ混乱なく効果を行き渡らせることができると考えている次第であります。
日本の人権外交についてお尋ねがありました。
私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しています。我が国としては、こうした普遍的価値が中国においても保障されることが重要であると考えており、様々なレベルで中国側に直接働きかけをしております。私自身も、習主席との十月の首脳電話会談で、香港、新疆ウイグルの人権状況について直接提起をいたしました。
深刻な人権侵害については、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携して、しっかり声を上げてまいります。
北京冬季大会への日本政府の対応については、適切な時期に、オリンピック、パラリンピックの趣旨、精神や外交上の観点等、諸般の事情を総合的に勘案し、我が国の国益に照らして、自ら判断したいと考えます。
御指摘の二つの法整備についてですが、幅広い理解が重要との観点から、超党派での議論が進んでいると承知をしております。その議論をよく見守るとともに、これまでの日本の人権外交や企業を取り巻く状況等を踏まえ、引き続き検討していきます。
特定技能二号の対象分野の追加についてお尋ねがありました。
特定技能制度は、生産性向上や人材確保の取組を行った上で、なお人材確保が困難な状況にある十四の特定産業分野について、一定の技能を有する外国人材を受け入れるものであり、平成三十年の入管法改正により創設されたところです。
特定技能二号は、熟練した技能を要する業務に従事する外国人を受け入れる在留資格であり、既存の就労資格と同様、受入れ企業との雇用契約を前提に、一定の期間ごとに更新を認めるものです。
政府は、改正入管法に基づいて、平成三十年十二月に特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針を定めており、同方針においては、特定技能二号の対象分野の追加等について、閣議に諮ることとしております。
現在、特定技能二号は、十四の分野のうち、建設及び造船・舶用工業の二分野での受入れが可能となっており、その他の分野については、法務省が関係省庁とともに基本方針等に基づいて慎重に検討を行っているものであると承知をしています。
政府においては、改正入管法の附帯決議も踏まえ、特定技能二号の厳格な運用に努めてまいります。
オミクロン株対策でのデジタル技術の活用についてお尋ねがありました。
三つお尋ねがあったと思いますが、まず一つ目の、医療情報と行政情報の連携についてですが、これについては、個人情報保護等の観点から課題があり、新型コロナワクチンの一、二回目接種においても、本人が基礎疾患を有する者であると申告した場合に優先接種の対象とした次第です。その上で、デジタルを活用したワクチン接種証明について、十二月二十日から、マイナンバーカードを使い、スマートフォンによって国内外で利用できるワクチン接種証明を入手できるようにいたします。
二つ目の、検査結果についてですが、検査結果については、国において電子化に関する制限は設けておらず、既に民間検査機関では独自にアプリやメールを活用した結果通知が行われるなど、民間においてデジタル化の取組が進められていると認識をしております。
また、三点目の、抗原検査キットについては、本年九月末に薬局における販売を可能といたしました。今後、一定の要件を満たした飲食店やイベント業者等の事業者が医薬品卸事業者からインターネット等により入手できることを明確化し、周知していくことを予定しております。今後、販売状況の把握も進めつつ、その結果も踏まえ、円滑に利用できる環境の整備を引き続き検討してまいります。
令和版所得倍増についてお尋ねがありました。
総裁選挙で掲げた令和版所得倍増は、官と民がそれぞれの役割分担をしつつ、成長と分配の好循環をつくっていくという、私の経済政策の基本的な方向性として申し上げたものです。今回の経済対策では、成長と分配の好循環による新しい資本主義を起動させるための成長戦略と分配戦略を盛り込みました。
起動した好循環の流れを更に大きく、加速していくための鍵は、日本の未来を担う若者世代、子育て家庭であると考えます。そこで、今後、特にここにターゲットを置き、賃上げも含めた大きな意味での人への投資を集中させ、その所得を大幅に引き上げることを目指してまいります。
来春に新しい資本主義会議の場で全体のグランドデザインとその実行計画を取りまとめることとしており、その中で政策目標についても検討してまいります。
フレキシキュリティーの必要性についてお尋ねがありました。
雇用情勢の変化や産業構造の変化を踏まえた労働移動が円滑に行われるためには、就職支援や能力開発支援、雇用のセーフティーネットの確保などに総合的に取り組んでいくことが重要であると考えています。
こうした観点から、ハローワークにおける丁寧な就職支援を行うとともに、技術革新と産業界のニーズに合ったスキルを身につけるため、リカレント教育などの学び直しや教育訓練を推進するほか、収入が一定額以下の方を対象に職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度を実施しております。
今般の経済対策においても、人への投資を積極化させるため、三年間で四千億円規模の施策パッケージを新たに創設すること等により、成長分野における雇用の確保をしっかり図ってまいりたいと考えています。
子育て世帯への給付についてお尋ねがありました。
できるだけ早期にプッシュ型で支援をお届けする観点から、コロナ予備費の使用により五万円の現金給付を措置するとともに、来年春の卒業、入学、新学期に向けて、現金よりも子育て目的への支出が促進される五万円相当のクーポンによる給付を本補正予算で措置することで、迅速性と政策効果の双方に目配りした仕組みとしたところです。
クーポンによる給付は、子育てに係る商品やサービスを直接お届けできるという意味で、より直接的、効果的に子供たちを支援することが可能であり、これに加えて、地域の創意工夫を促し、民間事業者の振興や新たな子育てサービスの創出、消費の下支え等につながることを期待されています。
地方自治体の皆様には、こうした政策的意義について理解いただく中で、まずは、クーポン給付を原則としながらも、地方自治体の実情に応じて、現金での対応も可能とする運用といたします。この一連の執行過程において、地方自治体の意見を伺いながら、柔軟な制度設計を進めてまいりたいと考えます。
また、今般実施する、学生等の学びを支援するための十万円の緊急給付金では、昨年よりも多くの学生を支援できるよう十分な予算を計上し、給付型奨学金の受給者については、本人からの申請によることなく全員を支給対象とし、それ以外の学生についても、昨年実績と同人数の支給を行ってまいります。
低所得者向けの現金給付についてお尋ねがありました。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、全世帯から住民税課税世帯を差し引いた世帯のうち、世帯主が六十代以上の世帯数は、機械的に試算すると、約七八%となっています。
御指摘の給付金については、新型コロナの影響を受けて家計が急変し、住民税非課税世帯と同様の事情にあると認められる世帯についても、今回、給付の対象としております。
加えて、今回の経済対策においては、生活にお困りの方や非正規雇用の方への支援として、厳しい状況にある学生等の学びの継続をするための十万円の緊急給付金の給付、生活困窮者自立支援金の再支給による最大六十万円の給付、また、再就職や正社員化に向けた学び直しや職業訓練の支援など、様々な施策を講じることとしております。
これらの施策を重層的に進めていく、こうしたことによって、現役世代を含む、新型コロナでお困りの方を全体としてしっかり支えていきたいと考えております。
課税条件付の一律給付についてお尋ねがありました。
御提案の所得連動型課税条件付一律給付について、その詳細について承知しているわけではありませんが、一般論として、中小企業、個人事業主などの源泉徴収義務者や、通常、確定申告をする必要がない多くの給与所得者、年金受給者に対して多大な事務負担がかかるといった問題点があるとは考えております。
政府としては、今回の経済対策に盛り込んだ、新型コロナの影響を受けた方々へのきめ細かい各種の支援をスピード感を持って国民に届けたいと考えております。
マイナンバーと全銀行口座のひもつけについてお尋ねがありました。
今年五月に成立した預貯金口座個人番号利用申出法では、新規口座開設時に金融機関がマイナンバーの告知を求めることを義務づけるとともに、本人の同意を前提に、一度に複数の金融機関の預貯金口座への付番が行える仕組み等を設けることとしております。
引き続き、マイナンバー制度を基盤として、デジタル社会の実現に向けて取り組んでまいります。
消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源として位置づけられており、当面、従来から申し上げておるように、消費税について触ることは考えておりません。
教育、科学技術予算についてお尋ねがありました。
新しい資本主義を起動し、成長と分配の好循環の流れを加速していくため、日本の未来を担う子供、若者への教育、イノベーションをもたらす科学技術の振興は極めて重要です。
このため、政府としては、GIGAスクール構想、幼児教育、保育の無償化や高等教育の無償化、十兆円の大学ファンドの年度内実現などの政策を着実に推進しており、今後とも、必要な教育、科学技術予算をしっかりと確保してまいります。
一方で、教育国債との御指摘については、安定財源の確保あるいは財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
半導体の安定供給やハイパー償却税制についてお尋ねがありました。
半導体製造拠点の整備については、今回の補正予算において、複数箇所の支援が可能な予算額を計上しており、半導体製造拠点の稼働には三年程度を要することが一般的であると認識しております。
このため、こうした取組と併せて、足下の半導体不足に対しては、大手半導体メーカーへの増産要請や東南アジアの半導体工場の稼働率向上に向けた働きかけ等に取り組んでおり、引き続き、安定供給確保に努めてまいりたいと考えております。
政府としては、デジタル、環境分野における民間企業の投資を促進するため、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制あるいはカーボンニュートラル投資促進税制など、必要な税制措置を講じております。ハイパー償却税制の御提案をいただきましたが、政府としましては、こうした税制の取組によって、今後も民間による取組をしっかりと支援し、民間の投資を促していきたいと考えております。
そして、農業次世代人材投資事業についてお尋ねがありました。
これまで、新規就農対策として、就農準備研修や就農後の早期の経営確立への支援をしてまいりましたが、今後一層の人口減少が進む中において新規就農者を確保していくため、経営発展のための初期投資への支援、また就農後の技術サポートを含む総合的な支援を行ってまいりたいと思います。
国と地方が連携して新規就農と定着促進に取り組めるよう、年末に向け、地方の意見も踏まえて具体的な内容を検討し、新たに農業に挑戦する若者をしっかり支援してまいりたいと考えます。
安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。
政府としては、昭和二十二年に皇族の身分を離れた方々の御子孫の現状については承知はしておりません。
御指摘の有識者会議においては引き続き議論が続けられており、今後とも、その議論を見守ってまいります。
以上です。(拍手)
―――――――――――――