志位和夫の発言 (本会議)

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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。(拍手)
 まず、新型コロナのオミクロン株への対応について聞きます。
 医療崩壊をもたらしたデルタ株への対応の失敗を厳しく反省し、最悪の事態を想定して、水際対策の強化、検査、医療体制の強化など、あらゆる手だてを取ることが必要です。
 二点に絞って質問します。
 第一は、医療機関に病床確保を求めながら病床削減を推進するという矛盾した政策を直ちに改めることです。
 総理は、所信表明で、公立・公的病院に法律に基づく要請を行い、新型コロナの専用病床化を進めると述べました。そう言いながら、なぜ、地域医療構想の名で四百三十もの公立・公的病院をリストアップして統廃合計画を進め、消費税を財源にして二十万床もの急性期病床の削減を進めるのか。説明がつかないではありませんか。
 病床削減計画を中止し、病床の抜本的拡充にかじを切るべきではありませんか。答弁を求めます。
 第二は、ワクチン接種の問題です。
 総理は、所信表明で、三回目のワクチン接種をできる限り前倒しすると表明しました。我が党は、政府が、安全性と供給への責任を果たしながら、思い切った前倒しを決断、実施することを強く求めます。
 同時に、富裕国と貧困国とのワクチン格差の解消に真剣に取り組む必要があります。誰もが安全にならない限り、誰も安全ではない。これはデルタ株の痛切な教訓であり、オミクロン株の出現でもその重要性が示されました。
 総理、途上国での十分なワクチン供給のために、ワクチンに関する知的財産権の保護義務を一時免除するという、世界百か国以上が求めている提案を日本政府としても強力に支持することを始め、ワクチン格差解消へのイニシアチブを発揮すべきではありませんか。答弁を求めます。
 岸田政権が提出した補正予算案について、二つの角度から聞きます。
 第一は、コロナで疲弊した暮らしと営業の苦境を救うものとはほど遠いという問題です。
 個人向けの現金給付案の最大の問題点は、コロナで困窮している人への支援が住民税非課税世帯に限定され、困っている人に届かないことにあります。東京二十三区に暮らす単身世帯の場合、年収百万円以下にならないと住民税非課税になりません。政府案では、年収百万円から二百万円で働かされているワーキングプアと言われる方々さえ、現金給付の対象外になってしまいます。
 総理は、十月の所信表明で、コロナでお困りの方々を守るための給付金を公約しましたが、コロナで困窮に陥っている非正規労働者を生活に困っていない状態とみなしているのでしょうか。給付金は、生活に困っている方々、コロナで収入が減った方々を広く対象にして支給すべきではありませんか。答弁を求めます。
 事業者向けの給付金について、総理は、持続化給付金、家賃支援給付金の再給付を約束してきました。補正予算案では事業復活支援金が計上されていますが、その予算規模は二・八兆円。持続化給付金の実績五・五兆円の半分にすぎません。しかも、今年一月から十月の時期の売上げ減少は対象とされていません。しかし、一月から十月といえば、そのほとんどの期間で緊急事態宣言が出され、多くの事業者が深刻な打撃を被った時期です。この時期を対象にしないのは余りに不合理ではありませんか。
 コロナ関連の経営破綻は三か月連続で過去最悪を更新しています。過剰な債務を抱える事業者も増えており、融資だけで支えるのはもはや限界です。
 総理、事業復活支援金を少なくとも二倍にし、家賃支援給付金を再支給し、国民への公約を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。
 総理は、看護師、介護士、保育士などの賃上げを公約してきました。しかし、補正予算案で具体化されたものは余りに不十分な内容です。
 看護師の賃上げは月四千円。しかも、コロナ医療などに従事している人に限られ、全体の半分程度しか対象になりません。総理、月四千円で看護師が集まると思っているのかという現場の怒りの声にどう応えますか。賃上げ額を大幅に引き上げ、対象を医療従事者全体に広げるべきではありませんか。賃上げを言いながら診療報酬の引下げを行うなど言語道断であり、引上げこそ必要ではありませんか。
 介護士、保育士などの賃上げは月九千円。総理、一桁足らないという現場の批判の声にどう応えますか。全産業平均との格差、月七万円から八万円を埋める引上げを行うことを目標に据えるべきではありませんか。答弁を求めます。
 第二は、大企業と軍事費に異常な大盤振る舞いの予算案となっているという問題です。
 補正予算案には、経済安全保障の名で、半導体製造で世界最大手の台湾企業に四千億円もの補助金をつぎ込む前代未聞のばらまきが計上されています。
 しかし、本来、半導体の安定確保は、電機や自動車などのユーザー企業の自己責任で行うべきものです。コロナの下でも電機、自動車大企業の内部留保は五十四兆円にも膨れ上がっています。そのごく一部を半導体確保のための投資に充てれば済む話ではありませんか。国民の税金で支援するなどということは到底国民の理解を得られるものではないと考えますが、いかがですか。
 補正予算案には、過去最大の軍事費七千七百三十八億円が計上されています。当初予算と合わせますと、軍事費は初めて六兆円を超えることになります。しかも、今回は新規に導入する多額の正面装備費が含まれています。
 しかし、そもそも、補正予算案は、財政法で規定しているように、大規模災害への対応など、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要になった経費の支出について作成するものです。今回のような軍事費の計上は緊急を要するものではなく、財政法と財政民主主義に反するものであることは明らかではありませんか。答弁を求めます。
 大企業と軍事費への異常な大盤振る舞いをやめ、コロナで苦しむ国民の暮らしに充てるべきです。消費の喚起というなら、コロナの下でも大もうけをしている富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を五%に減税するべきです。答弁を求めます。
 英国で開催された国連気候変動枠組み条約第二十六回締約国会議は、グラスゴー気候合意で、気温上昇を一・五度に制限するための決意を参加国の総意として確認しました。
 そこで、総理に聞きます。
 日本政府として、一・五度以下達成に責任があるという認識ですか。そういう認識だとしたら、なぜ首相のスピーチで石炭火力の撤廃について一言も触れなかったのですか。二〇三〇年度も電源の一九%を石炭火力に頼り、九つもの石炭火力の新増設を進めることは、一・五度以下と根本的に矛盾すると考えませんか。明確な答弁を求めます。
 総選挙での党首討論で選択的夫婦別姓に反対したのは、総理ただ一人でした。総理は、半年前には自民党の夫婦別姓推進議連の呼びかけ人だったのに、総理になると反対に回る。それは、自民党内の一部の強い抵抗に総理が屈したということでしょうか。
 しかし、自民党内でも強い抵抗はもはや少数派です。自民党の衆議院議員のうち、候補者アンケートで選択的夫婦別姓に反対と回答したのは、二百六十一人中七十三人、二八%にすぎません。自民党内のたった二八%のために、選択的夫婦別姓がいつまでも先送りされていいでしょうか。
 総理、自民党総裁としてのイニシアチブを発揮し、いいかげんに推進の方針を決めるべきではありませんか。それができないというのであれば、党議拘束を外して、直ちに民法改正案を採択しようではありませんか。いかがでしょうか。
 沖縄県の玉城デニー知事は、政府が申請していた辺野古新基地建設の設計変更を不承認とする決定を行いました。日本共産党は、知事の決定を断固支持するものであります。
 知事が不承認の決定を行った理由の一つは、軟弱地盤対策で必要な調査すら行われていないということでした。
 軟弱地盤はB27と呼ばれる地点で、最深部が海面下九十メートルに達します。設計変更で、この場所は海面下七十メートルまで地盤改良するとされ、残りの二十メートルは地盤改良がされません。防衛省は、七十七メートル以下の地盤は固いと主張していますが、B27地点では地盤の強度を測る調査は行われていません。その地盤のデータは、百五十メートルから七百五十メートルも離れた三つの地点のデータを使った推定値でしかありません。
 そこで、総理に伺います。
 なぜ軟弱地盤の最深部での調査を拒むのですか。調査をすれば新基地は造れなくなるからとしか説明がつかないではありませんか。
 沖縄県民の総意を受け止め、破綻した新基地建設は中止し、世界一危険な普天間基地の無条件撤去を求めて米国と交渉すべきです。明確な答弁を求めます。
 この間、ドイツで新政権を担う三党が発表した連立政権合意で、ドイツが核兵器禁止条約の第一回締約国会議にオブザーバー参加することが決められました。NATO加盟国からのオブザーバー参加表明は、ノルウェーに続いてドイツが二か国目になります。
 そこで、総理に伺います。
 同じ米国の核の傘の下にありながら、ドイツやノルウェーが参加できて、日本が参加できない理由を説明してください。
 我が党は核兵器禁止条約への参加を強く求めますが、唯一の戦争被爆国の政府として、まずは、締約国会議にオブザーバーで参加し、核兵器廃絶を実現するための話合いの輪に加わるべきではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、総理が所信表明で敵基地攻撃能力の検討を進めると表明したことは、極めて重大です。
 総理に端的に伺います。
 平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない、すなわち敵基地攻撃能力の保有は憲法違反、これが歴代政権の憲法解釈であります。この憲法解釈を変更することを検討の対象にするおつもりですか。しかとお答えいただきたい。
 海外で戦争する国づくりへの暴走を決して許してはなりません。安保法制に続く立憲主義の破壊、九条改憲を始めとする自民党改憲四項目に断固として反対を貫くことを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 120705254X00320211209_013

発言者: 志位和夫

speaker_id: 1300

日付: 2021-12-09

院: 衆議院

会議名: 本会議