道下大樹の発言 (本会議)

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○道下大樹君 立憲民主党、道下大樹です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました令和三年度補正予算二案につきまして、反対の立場から討論いたします。(拍手)
 その前に、今朝の新聞報道で、国土交通省が、建設業の受注実態を表す国の基幹統計の調査において、建設業者から提出された受注実績データを八年前から無断で書き換えていたという事実が判明しました。言語道断であります。予算案などにも関連する重大な事案であり、令和四年度予算案の審議前に、この事案について集中審議することを強く求めます。
 さて、日本国内において新型コロナウイルス感染症が発生してから間もなく二年です。
 これまで新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。
 また、この間、医療関係の皆様を始めとした各分野において国民の生命と健康、生活を守るため奮闘してこられた全ての皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
 私たち立憲民主党は、これまで、新型コロナウイルス感染症への対策に万全を期すため、政府や与党に対して様々な提案を重ねてまいりました。本年六月の通常国会会期末においては、このまま国会を閉じてしまうと補正予算の編成ができなくなるとして、その時点で必要な新型コロナ対策を内容とする三十三兆円規模の補正予算案を作成して発表するとともに、通常国会を延長して、直ちに補正予算編成を行うべきであると声を上げました。
 しかしながら、自公連立政権は、私たちの意見に全く聞く耳を持たず、通常国会を閉じてしまい、その結果として生じたのが今夏のオリンピック期間前後における感染第五波であります。政府は、その後も、私たち野党の憲法五十三条に基づく臨時国会の召集要求を拒否し続けました。これは、明らかに憲法違反であります。
 政府は、私たちの提案から遅れること約半年、ようやく十二月になって補正予算案を国会に提出しましたが、これは余りにも遅過ぎる対応であったと言わざるを得ません。
 もちろん、これから新型コロナ第六波の感染拡大が心配される現段階において、しっかりとしたコロナ対策や経済対策を打ち立て、その裏づけとなる補正予算を編成することの重要性に異存はありません。しかしながら、今回の補正予算案を精査すると、いささか疑問な点が見受けられます。
 本補正予算案では、夫婦いずれかの年収が九百六十万円以上の世帯を除き、十八歳までの子供一人当たり十万円相当の給付がなされることになりました。
 この給付について、政府が五万円相当はクーポンで給付することをかたくなに原則としたことで、事務的経費は、現金で一括給付するのに比べて九百六十七億円も高い、約一千二百億円にも上ることが明らかになっております。到底容認できません。
 なぜ九百六十七億円もの高額な予算を投じてクーポン給付を行うのでしょうか。政府は、現金よりも、クーポンであれば貯蓄に回るのを回避し、子育て関連の支出に限定できるためとしていますが、一九九九年に実施された地域振興券について、当時の経済企画庁は、消費喚起効果は三〇%程度とする一方、交付金額の六〇%以上が結局貯蓄に回ったと指摘しています。
 政府は、我が党や国民、自治体の意見を受けて、一括現金給付も容認すると方針転換しました。このことは一定の評価はしますが、既に年内一括現金給付に間に合わない自治体もあり、なぜ自治体の意見を聞いてから制度設計しなかったのか。なぜ、自治体独自の所得制限の撤廃は容認するが、そのために必要な額の補助はしないのか。政府の対応遅れで、結局、振り回されるのは国民や自治体であります。
 また、今回の補正予算では、マイナンバーカードの普及促進を目的として、国民一人当たり最大二万円相当のマイナポイントを付与する事業に一・八兆円もの予算を計上しています。
 そもそも、政府はこれまで直近二年間でマイナポイント事業に約三千億円も計上してきていますが、マイナンバーカードの普及率はまだ四割にとどまっています。政府に対する国民の信頼が低いことや、個人情報の流出が相次ぐ昨今、マイナンバーカードに対する不安や不信があるからではないでしょうか。
 財務省の財政制度等審議会の分科会でも指摘されているように、マイナポイント事業は、効果には限界があると言わざるを得ません。そもそも、マイナンバーカードの普及にこれほどまでに躍起になる理由が明らかではありません。健康保険証としての利用登録を進めるといいますが、必要な設備を導入した医療機関はまだ全体の一割未満にすぎません。少なくとも、緊要性が求められる補正予算で措置することについて、国民の納得が得られるとは到底思えません。
 一・八兆円という巨額のマイナポイント事業費は削減し、その分、困窮する個人や事業者への支援に振り向けるべきではないでしょうか。
 私たち立憲民主党は、今年三月、申請が締め切られた持続化給付金について、要件緩和や事業規模の加算を講じて再支給すべきと提案し、法案も提出してきました。それから約九か月がたち、政府は、補正予算で、中小事業者向けに、地域や業種を問わない事業復活支援金の創設を行おうとしています。
 やっと腰を上げたことは前向きに捉えますが、規模が不十分で、いつと比べて五〇%なのかといった詳細な内容がまだはっきりしていません。また、スピーディーな申請、給付体制の構築も求めていますが、いつから給付が始まるのか見通せません。これでは、来年三月までの見通しを立てられるような、事業規模に応じた給付金といううたい文句に見合うのか、懸念が募ります。
 また、この補正予算案には、私たち国民の命を守る、必要不可欠な予算が幾つか欠落していると言わざるを得ません。
 例えば、収入の減った医療機関や介護施設に対する抜本的な経営支援策についてです。新型コロナ感染症発生により、全国の医療機関、介護施設では、診療収入の減少や医療・介護従事者の離職による人材不足など、様々な面でのしわ寄せが生じ、苦しい経営が続いています。私たちは、これら収入の減った医療機関や介護施設に対する抜本的な経営支援策が必要であると提言してきましたが、今回の補正予算案には含まれていません。
 観光関連産業も苦しい状況が続いています。国内における感染拡大は落ち着いたかのように見えるとはいえ、まだまだ人の流れは回復しておらず、想定される第六波のおそれなども考え合わせると、苦境はまだ続くと思われます。私たちは、観光関連産業への支援を充実させ、雇用と産業の継続を守る必要があることから、観光産業持続化給付金を創設すべきと提唱していますが、これも補正予算案には含まれていません。
 こうした不十分な政府提出の補正予算案ではコロナ禍から国民の命、暮らし、経済は守れないと考え、私たち立憲民主党は、予算委員会での審議において、新型コロナ対策として必要と考える経費を追加支出すべく、補正予算の編成替え動議を提出いたしました。
 その内容は、病床、療養施設の確保や医療機関等への経済的支援、検査の拡充など、命を守る予算として三兆円、生活困窮者や学生支援など、暮らしを守る予算として三・五兆円、持続化給付金や雇用調整助成金特例の拡充、交通機関や観光産業、文化芸術支援、政府備蓄米買入れ枠拡充など、事業を守る予算として六・八兆円、合わせて十三・三兆円の追加支出を予備費と併せて行う内容です。
 今、国民が求めているのは、現下の深刻な状況を克服するためのコロナ集中対策予算ではありませんか。私たちは、政府案において計上されている予算のうち、マイナポイント事業や辺野古基地建設費用などの不要な予算や、補正予算としてはなじまない項目を撤回し、これらの緊急対策経費の支出が可能になるよう、編成替え動議を提出したところではありますが、自民党など与党の無理解によって否決されてしまいました。極めて残念であります。
 以上、コロナ対策には全く不十分な、政府提出、令和三年度補正予算案二案について反対することを申し上げ、皆様の御賛同をお願いし、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 道下大樹

speaker_id: 32224

日付: 2021-12-15

院: 衆議院

会議名: 本会議