岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小西洋之議員の御質問にお答えいたします。
 ワクチン対策についてまずお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンについては、研究開発や生産体制の整備への補助のほか、治験手続の効率化など、早期開発、実用化を目指し、国として必要な支援を行ってきました。
 特に、治験においては、海外臨床試験と並行して国内でも臨床試験を実施し、海外データと合わせて評価するとともに、承認審査を他に優先して迅速に行ったところであります。この国内治験については、国会の附帯決議において、政府に対して求められていたものと承知をしています。
 これまでの経験を踏まえ、現在、ワクチンや治療薬について、緊急事態に特別に使用を認めるための制度の在り方の検討を進めているところです。この結果も踏まえ、緊急時に、安全性の確認を前提としつつ迅速な薬事承認ができるよう法整備を行います。
 なお、新型コロナの感染状況については、ワクチンの接種状況のほか、感染防止対策や変異株の感染症等の、感染性等の様々な要素に影響されるものと承知をしています。
 ワクチンの三回目の接種についてお尋ねがありました。
 来年分のファイザーのワクチンの供給契約については、本年八月二十日の段階で、一億二千万回分の供給を受けることを前提に協議を進めている旨を公表し、その後、交渉を重ねた結果、十月七日に契約締結に至ったものです。この時点では、二回目の接種から八か月以降の方々に三回目の接種を行うという方針は決まっておらず、あらゆる可能性を考慮して、必要なワクチンを確実に確保する観点から交渉が行われていたと承知をしています。その後、足下では供給スケジュールの前倒し等について交渉を進めているという次第であります。
 三回目の接種に関しては、感染防止に万全を期す観点から、既存のワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認をされる見込みのモデルナ社のワクチンを活用して、八か月を待たずにできる限り前倒しすることとしております。
 水際対策についてお尋ねがありました。
 オミクロン株への対応については、未知の状況を踏まえ、水際対策において、専門家の意見も踏まえつつ、オミクロン株対応に限られた医療資源を集中して緊急避難的・予防的措置を講じているところです。
 その際、待機施設の確保については最大限努力をしており、本日時点で、先週土曜日から二千二百六十室を追加的に確保し、九千六百十室を運用しているところです。
 引き続き、待機者の増加に備え、地方自治体とも連携して、必要な待機施設の確保に取り組んでまいります。
 また、空港検疫でのPCR検査の実施については、大量の検査結果の判明までの待機時間を短くする必要があることから、迅速に結果が判明しPCR検査と一致率が高い抗原定量検査が現時点では最も適していると考えています。抗原定量検査では判定が難しい場合には追加的にPCR検査を行うなど、適切に対応しているところです。
 引き続き、強い危機感を持って状況の把握に努めるとともに、各国・地域の感染状況を踏まえ、機動的かつスピード感を持って必要な対応を行ってまいります。
 新型コロナに対応した医療提供体制についてお尋ねがありました。
 先般まとめた全体像に基づき、今後、感染力が二倍になった場合にも対応できる医療提供体制整備を進めてきました。
 具体的には、既にこの夏に比べて三割、一万人増の約三万七千人が入院できる体制を確保し、病床の確保と併せ、医療人材については、全国で約二千の医療機関から医師約三千人、看護師約三千人の派遣に協力いただけることとなっており、軽症者向けの宿泊療養施設も、今年の夏と比べて約四割増、一万九千室増え、約六万六千室となっているほか、自宅で療養する方が必要な診療を受けられるよう、全国で延べ約三万四千の医療機関と連携し、オンライン診療、往診、訪問看護等を実施する体制をつくりました。
 また、これまでのコロナ対応、新型コロナ対応を徹底的に検証し、司令塔機能の強化や医療資源確保など、危機管理を抜本的に強化することとし、来年六月までに、感染症危機などの健康危機に迅速、的確に対応するため、抜本的体制強化を取りまとめ、必要な法改正を行ってまいります。
 特措法第三十一条についてお尋ねがありました。
 御指摘の特措法第三十一条に基づく医療関係者に対する要請は、新型インフルエンザ等対策ガイドラインにおいて、病原性が非常に高い場合など、極めて緊急性の高い状況において行うことが想定されています。
 こうした特措法第三十一条の考え方については、令和三年一月に照会のあった大阪府にその旨文書回答を行っておりますが、他の都道府県に同様の文書回答を行っている事実は確認できていないと承知をしています。
 分配政策についてお尋ねがありました。
 今般の経済対策においては、新しい資本主義の起動に向け、成長戦略と分配戦略を車の両輪と位置付けて実行していくこととしており、そのうち分配戦略として、官が主導する形で人への投資を抜本的に強化する三年間で四千億円の施策パッケージの創設や、民間部門における賃上げ議論に先んじて、看護、介護、保育、幼稚園などの現場で働く方々の収入の継続的な引上げを盛り込みました。
 さらに、民間における賃上げを強力に支援するため、今般の税制改正において、賃上げ税制を抜本的に強化し、安倍政権時を上回る税額控除率、これを実現いたします。
 今後の税制の在り方については、経済社会構造の変化も踏まえながら、引き続き総合的に検討してまいります。
 内閣府防災の体制、自治部局の官僚の被災自治体への派遣等についてお尋ねがありました。
 近年の大規模災害時の政府の対応については、総理大臣の指揮の下、内閣府防災を始めとする関係省庁が、適切な役割分担の下で一体となって迅速な復旧と早期の復興に取り組んでおります。
 内閣府の防災担当には総理府、あっ、総務省の自治部局経験者を含む各省庁の職員が出向しており、その専門性や経験を生かして精力的に業務に当たっております。発災時には、内閣府防災担当のほか、関係省庁からも職員が被災地に派遣され、被災自治体と連携して災害対応を行っております。
 また、防災担当の政務三役については、適材適所で任命をしているところです。
 防衛省・自衛隊は、平素の訓練を通じて得られた成果を生かしつつ、効率的、効果的に災害派遣を実施しているところ、御指摘の点について現時点で特別な訓練が必要であるとは考えてはおりませんが、ブルーシートの展張を含め、過去の活動で得られた教訓、これは部隊間で共有してきていると承知をしております。
 引き続き、政府として、国民の生命、財産、暮らしを守るべく災害対応に取り組んでまいります。
 海上保安体制の強化計画を定める必要性についてお尋ねがありました。
 海上保安庁の体制強化については、平成二十八年に、厳しさを増す我が国周辺海域の情勢を踏まえ、関係閣僚会議において中長期的な方針が決定されています。
 その上で、この方針を踏まえつつ、刻々と変化する情勢に機動的に対応するため、毎年年末に関係閣僚会議を開催し、整備内容や優先順位を精査した上で、具体的な取組内容を決定しているところです。
 また、本年四月、自民党政務調査会からの緊急提言を受け、政府として、海上保安庁、自衛隊等関係機関の連携強化、海上保安庁の装備、人員の強化などの取組を推進しているところです。
 今後とも、海上保安体制の強化を段階的かつ着実に推し進め、我が国の領土、領海を断固として守り抜くとの決意の下、我が国周辺海域の領海警備、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。
 敵基地攻撃能力についてお尋ねがありました。
 昭和三十一年の政府答弁において示したように、政府としては、例えば誘導弾などによる攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくことは法理的に自衛の範囲に含まれ、可能であるとしてきております。
 何よりも大事なことは、国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、こうした現実的な議論をしっかりと突き進めていくことです。
 ミサイル防衛についても、最近では極超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化、進化しています。
 国民の命や暮らしを守るために何が求められているのか、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討してまいります。
 なお、個別の事態における我が国の対応については、憲法及び平和安全法制を含む関連法令に従って判断してまいります。
 文書通信交通滞在費についてお尋ねがありました。
 国会議員の文書通信交通滞在費の問題は、議員の政治活動の在り方と密接に関連する重要な課題であると認識をしています。このため、各党各会派がそれぞれのお考えを持ち寄ってしっかりと御議論いただき、合意を得る努力を重ねていただく必要があると思っております。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 憲法改正について、与野党の枠を超え、積極的な議論が行われることを心から期待いたしますが、憲法改正についての議論の具体的な内容については国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは控えたいと存じます。
 我々国会議員は、大きく時代が変化する中にあって、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、その在り方に真剣に向き合っていく責務があります。そして、国会での議論と国民の理解、これは車の両輪であり、広く国会の議論、広く国民の議論を喚起し、理解を深めていくことが重要であると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120715254X00220211209_003

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2021-12-09

院: 参議院

会議名: 本会議