小林鷹之の発言 (本会議)
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○国務大臣(小林鷹之君) 我が国で国産ワクチンの開発が遅れた原因、ワクチンの国産化を目指す理由、ワクチン開発等に関する補正予算の効果についてのお尋ねがありました。
まず、産学官が力を結集しワクチン開発で先行した米国などとの違いは、パンデミック等の危機に対して平時から十分に備えていたか否かだと考えます。
我が国では、近年の公衆衛生の向上に伴う感染症研究の相対的重要性の低下や、企業にとっての事業化予測の難しさなどから、産学が自らワクチン研究開発に取り組むインセンティブに乏しい状況にありました。また、政府も、ワクチンのような一見すると経済合理性の乏しい分野への投資や政策立案が不十分でした。こうしたことが国産ワクチン開発の遅れにつながったと認識しています。
パンデミック発生時には、各国が自国民へのワクチン確保を図る中で、国民の生命を守るために必要な量を確保するという医療上の必要性に鑑みれば、国産ワクチンの実現は経済安全保障上重要な位置付けを持つものと考えています。
このため、今回の補正予算案において五千億円規模の予算を計上し、今後の感染症危機に備えるための国産ワクチンの開発や製造を大きく前進させます。
具体的には、新たな創薬手法による産学官の実用化研究の集中的な支援、世界トップレベルの研究開発拠点の形成、ベンチャー企業や生産設備の支援等により、産学官の総力を挙げて国産ワクチンの迅速な開発を目指します。
平時から有事に備えた継続的な取組を進めることは、パンデミックの際に、でき得る限り我が国自身の意思と能力により国民の命を守るという観点から必要です。その上で、我が国のワクチンなどを海外に提供することができれば国際的な貢献となり、我が国の更なる国益にもつながります。こうした姿こそが我が国の経済安全保障が目指すべきところと考えており、しっかりと取り組んでまいります。
博士号取得者の減少についてのお尋ねがありました。
我が国で博士号取得者が減少し続けている要因としては、博士課程在学中の生活の経済的見通しが十分でないこと、アカデミアにおける任期なしの安定して研究できる若手のポストが減少していること、博士号取得者の企業や官庁等におけるキャリアパスが限られていることなどが、そうした指摘があると認識しております。
しかしながら、本来、博士号とは、欧米ではドクター・オブ・フィロソフィーと言われるように、様々な科学的手法を用いて仮説と検証を繰り返しつつ、科学的、科学的手法を、科学的結論や発見を見出し、構想力ある考え方を示すことができるという専門性を示す資格です。
大学におきましては、優秀で志ある若者を鍛え、このような専門性に裏付けられる能力を育むことが求められています。
また、社会や産業構造が目まぐるしく激変する現在、博士号取得者がアカデミアのみならず、企業等で十分にその力を発揮することがこれまでになく強く必要とされています。
政府としては、このような社会の構造的変化の中で、博士号取得者が社会のあらゆる分野で存分にその力を発揮することが何よりも重要であるとの明確な政策的方向性を持ち、博士後期課程学生への経済的支援の充実を図るとともに、社会の多様なニーズに応える大学院教育の構築や企業との連携による長期有給インターンシップの推進などの具体的な施策を、関係省と協力しつつ、確実に実行していくことが必要だと考えています。
博士号に対する国家ビジョンについてのお尋ねがありました。
ただいま申し上げたとおり、予測不可能な時代に、我が国において博士号取得者が、アカデミアだけでなく産業界を含めて社会全体で活躍することは、我が国の未来を切り開く上で極めて重要です。
そのため、政府としては、この度の前例にない十兆円規模の大学ファンド等を通じまして、若手を中心とする研究者がじっくり腰を据えて研究に打ち込める環境をつくり、挑戦的な研究に打ち込めるよう、博士学生や若手研究者に対する支援の抜本的な強化を図るとともに、企業との連携による長期のジョブ型インターンシップなどの取組を進め、さらには知的好奇心を引き出し、探求的な学びを重視する初等中等教育の実現などの施策を講ずることとしております。
今後も、有村議員の御指摘のとおり、第六期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえ、大学が優秀で志ある博士号取得者を育成し、その力を各界において存分に発揮してもらうためのビジョンを明確にする必要があると考えておりまして、関係府省と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕