岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員にお答えいたします。
 オミクロン株対策と病床等の確保についてお尋ねがありました。
 オミクロン株への対応に当たっては、未知のリスクには慎重の上にも慎重に対応すべきと考え、水際対策において外国人の入国について全世界を対象に中止するなど、緊急避難的・予防的措置を講じているところです。
 また、国内感染対策として、全ての国内新規感染者についてオミクロン株の検査を行うことで早期探知に全力を尽くしており、引き続き強い危機感を持って必要な対応を行ってまいります。
 病床の確保については、先般取りまとめた全体像に基づき、今後、感染力が二倍となった場合にも必要な方が確実に入院できる体制整備を進めてきており、既にこの夏に比べて三割、一万人増の約三万七千人が入院できる体制を確保しました。
 医療人材についても、都道府県において、病床確保と併せて応援派遣を調整し、結果、全国で約二千の医療機関から医師約三千人、看護師約三千人の派遣に協力いただけることとなっております。
 最悪の事態も想定しながら、次なる感染拡大への備えを固めていくことで、国民の命と健康を守り抜いてまいります。
 無料検査と重症化抑制の強化についてお尋ねがありました。
 感染拡大の傾向が見られる場合の無料検査については、各都道府県における感染状況について、新規陽性者数の増加傾向が見られ、一般医療及び新型コロナへの医療の負荷が生じ始めているなど、警戒を強化すべきレベル以上であると知事が判断した場合に実施することを想定しております。感染拡大の傾向が見られる場合に、ワクチン接種者を含め、無症状でも無料で検査を受けられるようにいたします。
 本年七月以降に特例承認した中和抗体薬については、重症化等の防止に効果があり、全世界向けの総供給量が限られている中で、来年初頭までに約五十万回分を確保しております。
 また、今後の切り札となる飲める治療薬は年内の薬事承認を目指します。既に百六十万回分を確保いたしました。薬事承認が行われ次第、速やかに医療現場にお届けいたします。
 ワクチンの三回目の接種の円滑な実施を含め、これらの取組によって、予防、発見、そして早期治療までの流れを強化することで早期対応を可能とし、重症化リスクを減らしてまいります。
 生活にお困りの方への支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、様々な困難に直面した方々が速やかに生活、暮らしの支援を受けられることが重要であり、緊急小口資金等の特例貸付けや生活困窮者自立支援金等の申請受付期間の延長などを行うこととしております。
 さらに、生活にお困りの方や非正規雇用の方への支援として、住民税非課税世帯等に対する給付金のほか、生活困窮者自立支援金の再支給による最大六十万円の給付、再就職や正社員化に向けた学び直しや職業訓練の支援など、様々な施策を講ずることとしております。
 加えて、生活困窮者自立支援法に基づく自立支援の機能強化を図るとともに、無料の職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度といった雇用施策とも連携しつつ、生活にお困りの方の生活をきめ細かに支援してまいります。
 中小企業の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
 中小企業が賃上げの原資をしっかり確保できるようにするため、大企業と中小企業の共存共栄を促すパートナーシップ構築宣言をこれまで以上に推進するとともに、下請Gメンを倍増し、下請取引の監督体制の強化に取り組んでまいります。
 また、赤字でも賃上げする中小企業については、今般の補正予算において、ものづくり補助金や持続化補助金の補助率を引き上げる特別枠を設けて支援してまいります。
 これらの支援策を丁寧に周知しつつ、中小企業の経営状況に応じたきめ細かい相談体制を推進することで、中小企業の賃上げの促進に一層力を入れてまいります。
 デジタル社会の実現についてお尋ねがありました。
 デジタル社会の実現のために、我が国としては、まず、時代を先取りして光ファイバーや5Gなどのインフラを全国に整備し、デジタル技術を活用した自動配送、遠隔医療、オンライン教育の実施などのサービスを実装していきます。
 また、デジタル社会の鍵はマイナンバーカードの普及です。同カードを健康保険証、運転免許証と一体化させるとともに、本人確認機能をスマートフォンに搭載することで利便性を向上させます。
 さらに、キャッシュレス決済はデジタル社会の決済手段として欠かせません。その普及に向け、手数料の可視化により、事業者間の競争を促し、キャッシュレス決済の更なる普及を進めてまいります。
 GoToトラベルの今後の再開についてお尋ねがありました。
 GoToトラベルは、新型コロナウイルス感染症の影響により大きな影響を受けている観光地や地域経済の維持、復興を図る観点から重要な施策です。
 今後の実施に当たっては、ワクチンや検査も活用し、より安心、安全な仕組みを整えるとともに、週末の混雑回避や中小企業への配慮などを踏まえ、新たな制度へと見直します。
 具体的な開始時期については、専門家の意見を踏まえつつ、年末年始の感染状況等をしっかりと見極めた上で検討してまいります。
 子育て世帯に対する新たな家事・育児支援についてお尋ねがありました。
 子供が家庭において心身共に健やかに養育されるためには、子供自身への支援だけではなく、家事、育児等に対して不安、負担を抱える保護者を支援することも重要です。
 このため、個々の家庭の状況に応じ、市区町村が家事、育児等の支援を実施することによって家庭や養育環境を整える、子育て世帯への訪問等の事業を本年度の補正予算に計上いたしました。
 御提言も踏まえ、これらの子育て世帯への支援を迅速に進めるとともに、相談機関の充実や子育て世帯への訪問事業の制度化などの内容を含む児童福祉法等の改正を検討しております。
 保育士、幼稚園教諭、介護・障害福祉職員の賃上げに向けた取組についてお尋ねがありました。
 今般、新しい資本主義を起動するための分配戦略の柱の一つとして、保育士、幼稚園教諭、介護・障害福祉の現場で働く方々の給与について、来年二月から三%、年間十一万円程度引き上げます。その際、今回の措置が現場の方々に確実に行き渡るよう、補助額を全額給与引上げに充てたことを自治体において確認する仕組みとしております。
 その後の更なる引上げの在り方については、安定財源の確保と合わせた道筋を含めて公的価格評価検討委員会において議論をいただいております。年末までに取りまとめをいただく中間整理を踏まえて取組を進めてまいります。
 求職者支援制度の周知広報の強化についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響が長期化する中、非正規雇用の方への学び直しや職業訓練などの施策を強化するため、無料の職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度について、収入要件や出席要件を更に緩和する特例措置を実施いたします。
 求職者支援制度の利用促進に向けては、御提言も踏まえ、インターネットのバナー広告、メルマガなどのSNSを活用したプッシュ型の周知、そして、社会福祉協議会等の生活困窮者の支援機関と連携したアウトリーチ型の情報提供、こうしたことを実施してまいります。
 若手研究者への支援強化についてお尋ねがありました。
 科学技術立国を目指す政府として、若手研究者等がじっくり腰を据えて研究に打ち込める環境をつくることが何よりも重要であると考えております。そのため、優秀な博士課程の学生に対する経済的支援の大幅な拡充を図ったところです。
 さらに、大学改革を強力に進め、研究と経営を分離することによって若手研究者等が研究に専念できる環境をつくるとともに、そうした研究者に対し、十兆円規模の大学ファンドにより支援を重点化いたします。
 COP26の成果と脱炭素社会実現への具体的取組についてお尋ねがありました。
 気候変動問題は人類共通の課題です。先月開催されたCOP26に私も参加し、二〇三〇年までの期間を勝負の十年と位置付け、全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけました。
 交渉においても、我が国として積極的に貢献し、懸案となっていた市場メカニズムを始めとするパリ協定の重要な議題で合意に至ることができました。今回の成果を踏まえ、二国間クレジット制度を含む市場メカニズムの拡大等を通じ、途上国はもとより、世界の脱炭素化に向け国際社会を主導してまいります。
 地域の脱炭素化については、デジタル田園都市国家構想の議論や地方活性化、防災・減災の観点も踏まえ、再エネ促進に取り組む自治体や事業者等に対する複数年度にわたる財政支援の検討にもしっかりと取り組んでまいります。
 ライフスタイルの転換については、企業、地域による環境配慮ポイント発行を支援するため、食とくらしのグリーンライフポイント推進事業を補正予算に盛り込んだところであり、早期の実施に向け準備を進めてまいります。
 引き続き、自公連立政権合意に基づき、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の確実な達成等に向けた取組を加速し、持続可能で強靱な脱炭素社会を構築してまいります。
 NPT運用検討会議と核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。
 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 NPTは国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であり、来年一月のNPT運用検討会議では、御指摘のとおり、核兵器のない世界に向け、実質的な前進となる合意文書が採択されることが重要であり、全力で取り組んでまいります。
 このため、私自身、昨日も政府、有識者の会合に出席したところであり、今後も、寺田核軍縮・不拡散問題担当補佐官とともに世界各国へ働きかけを続けてまいります。
 核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加をしておりません。
 よって、この御指摘のような対応よりも、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければなりません。そのためにも、まずは核兵器のない世界の実現に向けて、唯一の同盟国である米国との信頼関係を構築することに努めていきたいと考えております。
 国際保健分野での日本の貢献についてお尋ねがありました。
 まず、世界全体での新型コロナの収束に向け、我が国は国際連携を積極的に推し進めてまいりました。
 ワクチンへの公平なアクセスの確保については、COVAXファシリティーへの合計十億ドルの貢献を表明するとともに、合計六千万回をめどに約三千万回分のワクチンを各国・地域に供与してきております。また、東京栄養サミットにおいて、私は、アフリカ諸国に対し、国際機関などと調整の上、今後一千万回分をめどとして供与を行うことを表明いたしました。
 また、サミットでは、我が国は三千億円以上の資金貢献を率先して表明し、深刻さを増す世界の栄養状況改善に向け、主導的な役割を果たしてまいります。
 こうした取組を通じて、我が国は、人間の安全保障の理念に基づき、SDGs、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指し、新型コロナ対策も含めた保健分野の国際的な取組を牽引してまいります。
 大規模地震に対する防災・減災対策や災害対応力の強化についてお尋ねがありました。
 南海トラフ地震や首都直下地震を始めとした大規模地震への備えについては、地方自治体等と連携し、建築物の耐震化や津波避難施設の整備、帰宅困難者対策などの予防的対応策を講じており、地震が発生した場合には迅速に災害応急対策を取ることとしております。
 また、日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震への備えについては、中央防災会議の下に設置したワーキンググループにおいて積雪寒冷地特有の課題を踏まえた被害想定や防災対策について検討しており、今後速やかに必要な措置が講じられるよう取り組んでまいります。
 政府においては、引き続き、防災・減災対策の不断の見直しを行うとともに、災害対応力を高め、国民の生命、財産を守るための対策に万全を期してまいります。
 軽石の回収や漁業、観光業等に対する支援についてお尋ねがありました。
 海底火山福徳岡ノ場の噴火に伴う軽石については、南西諸島に続き伊豆諸島を中心とした関東周辺においても漂流、漂着が確認されています。
 漁業、漁港、港湾等に漂着した軽石の回収、処理については、リエゾンの派遣など回収に係る技術的な支援に加え、災害復旧事業等による財政的な支援を行うこととしております。
 また、軽石の影響による操業自粛や漁船の故障などの被害に対しては、漁業共済等により減収補填や漁船の修繕費用への支援を行います。
 観光への影響については、きめ細かな状況把握に努めるとともに、関係する地方自治体と連携した風評対策など、観光業への支援に取り組んでまいります。
 また、今後、軽石が更に広い範囲に漂着するおそれがあることも踏まえつつ、関係する地方自治体と連携しながら、必要な予算を補正予算に計上し、政府として万全の対応を取ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120715254X00320211210_003

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2021-12-10

院: 参議院

会議名: 本会議