浅田均の発言 (本会議)

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○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 日本維新の会を立ち上げて約十年になります。設立の目的は、大阪都構想の実現を起爆剤として地方分権を進め、我が国の統治の仕組みをつくり直すことでした。残念ながら起爆剤は二回不発に終わりましたが、少子化、高齢化、さらには人口減少が進むこの国を持続可能で成長できる国にするには、地方分権を進めることにより、この国の形を変えることが必要であるという思いに変わりはありません。
 コロナ対応に追われ、ワクチン接種であれ、病床確保であれ、休業協力金であれ、住民から責任を問われるのは現場を持つ知事や市区町村長です。しかし、知事や市区町村長には権限といった権限は持たされておらず、地方行政の自由度はほとんどないのが実情です。後で質問しますが、十八歳以下への十万円給付問題はその最たるものです。何をするにも、まず中央省庁にお伺いを立てる必要があります。
 今回のコロナ禍はいまだに出口が見えないという状況ですが、今述べたこと以外にも、この危機から学ぶべきことはたくさんあります。例えば、DX、デジタルトランスフォーメーションの必要性、保健所設置市を核とする町づくりの合理性、新しい国の形とその基本法である憲法の必然性等です。
 これらの思いを持ちながら、私は、我が会派を代表して、岸田総理に質問いたします。
 これまで政府は、ウイズコロナ時代には新型コロナ対策と社会経済活動の両立を図るという方針でした。その経済活動を再開しようとしたやさきに起きたのが、オミクロン株という変異株の出現です。
 そこで、総理にお伺いします。
 新型コロナウイルスが日本に上陸してから間もなく二年がたちます。感染拡大のたびに医療体制の逼迫が叫ばれました。我が国の医療提供体制は諸外国に比べ非常に充実していると言われています。実際、我が国の人口一千人当たりの病床数は十二・八で、OECD加盟国平均の四・四を大幅に上回っています。その病床大国でなぜ医療崩壊と言われる状況が起きるのか、総理の基本的認識をお尋ねいたします。
 オミクロン株の四例目が報道されました。今回も、リスクマネジメントの基本はいかに水際で阻止するかということですが、オミクロン株に対する水際対策の基本的な考え方をお聞かせください。
 再び波が起きると、社会経済活動だけでなく、国自体が萎縮してしまうので、できるだけ早くオミクロン株の性質を知る必要があります。感染力の強さ、重症化する割合、これまでに接種したワクチンの有効性、ワクチンの有効期間、治療薬、治療法の有効性等に関する知見をお知らせください。
 また、いつかは市中に入ってくるにせよ、感染拡大までの時間を稼ぐ必要があります。どのような手だてを考えておられるのか、総理の見解をお尋ねいたします。
 外国人の入国を全面的に停止しました。今回の外国人の新規入国停止を解除する条件は何でしょうか、総理に伺います。
 濃厚接触者に十四日間自宅待機してもらうよりは、看護師さんのいる濃厚接触者専用のホテル等に入ってもらう方が安心できると思いますが、強制できません。
 総理に伺います。強制的にホテルに入ってもらえるよう法律を改正するつもりはありませんか。
 医療従事者から三回目の接種を始めていますが、三回目の接種、ワクチン接種の完了予定時期、接種の優先順位、大規模接種会場等について、現時点で総理のお考えをお聞かせください。
 また、前二回の接種時に混乱の一因となった接種記録システム、VRSは今回も使用する予定ですか。使用するなら、今回は前回のように市区町村に迷惑を掛けることはありませんか。また、この個人データを保管しているのは国ですか、市区町村ですか、あるいは両方ですか、併せてお答えください。
 新型コロナウイルスの経済対策として実施する十八歳以下の子供への十万円相当の給付に関し、以下三点について明確にお答えいただきたいと思います。
 一点目、これは市区町村の自治事務ですか。
 二点目、自治事務だとすれば、国が関与できるのはどこまででしょうか。助言、勧告、資料提出の要求、協議、是正の要求のいずれでしょうか。
 三点目、市区町村長が十万円を一括で先行して給付した場合、あるいは五万円を二回に分けて給付した場合、何らかのペナルティーが科されるのでしょうか、総理にお尋ねいたします。
 毎回指摘していますが、近年は補正予算が常態化し、当初予算に計上すべきものやシーリングを逃れたいものが補正予算に組み込まれ、各省庁もそれを織り込み済みにして毎年予算編成がなされています。あしき前例主義を打破するお考えはありませんか。今回の補正でも、防災・減災、国土強靱化のために一・八五兆円、大学ファンド六千百十一億円等々は当初予算に計上すべきものではありませんか。総理、いかがですか。
 日銀の国債買入れは、事実上の財政ファイナンスです。今のところ国債消化への不安は生じていないと聞いていますが、財政の持続可能性が心配されています。
 特に、円安が進んでいることには注意が必要です。円安の直接的な理由はドル買いです。その主因は米金利の上昇だと考えられます。九月下旬以降、米長期金利が上昇し、足下のエネルギー資源の高騰などによるインフレ懸念が追い打ちを掛けました。インフレが行き過ぎないよう、米当局は政策金利の引上げを一段と迫られるとの思惑が出ていると報じられています。
 我が国の長期金利の動向について総理はどのような見通しをお持ちですか、お答えください。
 岸田総理は、新しい資本主義の実現を目指すと主張されています。あわせて、欧米も新たな資本主義モデルを提案していると主張されていますが、この主張は正しくないと考えます。
 なぜなら、欧米は、民営化、規制緩和、地方分権を中心とする市場重視モデルを経た後に新たな資本主義モデルを構築しているのに対し、我が国は、市場重視モデルが未完のまま、一九四〇年代から半世紀ほど続いた官僚主導で民間をコントロールする官僚社会主義へ先祖返りしようとしているからです。民間企業の賃上げ支援はその最たるものです。
 政府の本来の役割は、企業がもうかるような仕組みをつくることです。企業がもうかれば、おのずと給料は上がります。
 政府は、十八日、人手不足が深刻化する十四業種で定める外国人労働者の在留資格、特定技能のうち、熟練者について、事実上在留期限を撤廃する方針を固めました。農業、製造業、サービスなど幅広い分野で永住権を取得できる外国人労働者の範囲が拡大される。政府は来年度中にも制度見直しの閣議決定を行う方向で調整すると報道されましたが、事実ですか。総理にお尋ねいたします。
 賃金も、労働市場の供給と需要の関係で決まります。外国人労働者を受け入れることにより、農業や漁業、外食業、宿泊業等の十三業種については給料が上がらないことになります。この在留規制の緩和と民間企業の賃上げ支援とは全く相入れない矛盾する政策です。総理はどのように説明されますか。
 また、賃金を上げると企業は海外進出を加速させるので、日本人の仕事は少なくなり、賃金は下がります。グローバル化が進んだ今や、賃金は労働者と経営者の利益の分配ではなく、日本人労働者と外国人労働者の利益の分配だと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 赤字でも賃上げすればものづくり補助金や持続化補助金の補助率を引き上げる特別枠を設けるとのことですが、遠きに行くには、必ず邇きよりす、とおっしゃるなら、まず赤字の解消が先ではないですか。資本主義社会では背任的な行為を助長しかねない政策の目的は何でしょうか。総理の見解を求めます。
 私たちは、我が国の分配政策は機能してきたと考えています。事実、再分配後のジニ係数は一九九〇年頃からおおむね変わっていません。厚労省の所得再分配調査によりますと、約〇・三七です。もちろん、世代間不公正という解決すべき問題はあります。
 しかし、日本は、分配が不十分だったのではなく、過去三十年、成長で後れを取ったのです。しかも、社会保障による再分配効果が大きい。つまり、納税し、かつ社会保険料を負担している現役世代の中間層が犠牲者になることにより、格差を拡大したものと考えられます。だから、私たちは現役世代の中間層を増やすために税と社会保障と働き方改革の一体改革を提案しているのです。
 成長戦略について、総理に何点か質問いたします。
 日本の出遅れの多くが規制改革の遅れによるものです。ライドシェアは一定の前進があったものの、アメリカのリフトやウーバーのようなTNCサービスを解禁しないのはなぜですか。
 デジタルトランスフォーメーション、DXを進めるならばDXに対応できるような通信インフラの整備が不可欠です。
 地デジへの移行により、未利用になっているVHFテレビ帯域を通信インフラに再編することが必要です。また、それに先立って電波オークションを導入すべきだと考えますが、いかがですか。
 電力の自由化が遅れています。容量市場はその遅れを更に加速させます。容量市場に関する総理の見解をお聞かせください。
 電化社会、脱炭素社会に向け、再生可能エネルギーを拡大させることや地産地消規模の小型原発の開発が必要と考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 企業の農地所有禁止は、農業の生産性を高める妨げになるだけでなく、スマート農業への変革をも阻むものと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、米の消費量が昨年より大幅に減少しました。民間在庫量が過剰となり、令和三年産米の価格が下落しています。米価が下落したことによって、生産者は農業経営に大きな影響を受けています。こういうときのリスクヘッジのためにこそ先物市場が必要なのです。
 ところが、農水省は、大阪の堂島取引所の米先物取引市場を常設化する本上場を不認可にしました。米先物取引が我が国から消滅しました。先物という金融商品が現物市場価格の決定メカニズムに関わることや、豊作、不作のリスクヘッジ機能を持つことは、米生産農家のために必要であるという思いから本上場を願っていた者にとっては残念でなりません。なぜ本上場を認めなかったのか、これからの方針変更はあり得るのか、総理大臣の丁寧な説明を求めます。
 敵基地攻撃能力が議論の俎上に上げられようとしています。必要な議論だと思いますが、これから私が述べるLAWS、自律型致死兵器システムの世界から考えると、いまだにこんな昭和な議論をしているのということになります。
 皆さんがネットで買物や検索をされるときにアクセスするのがウエブの世界です。この裏側にあるのがダークウエブと言われる普通では見えない世界です。皆様もアクセスしようと思えばできます。そこでは、偽造パスポート、偽札、ドラッグ、兵器等の取引等、普通のウエブの世界では決して見ることのできない世界が存在するのです。
 このダークウエブの中に軍事基地に該当するサイトを建設しようと思えば容易に建設できます。その基地内に、例えば、我が国にある米軍基地、霞が関あるいは原子力発電所等の重要インフラをターゲットとする核弾頭搭載ミサイルの発射プログラムを発見した場合、これを無力化することは敵基地攻撃に該当するのか、サイバー防衛というのならここまで考えておく必要があると思います。
 もう少し身近なところで岸田総理に質問します。
 北アフリカのリビアの内戦で、軍用の無人小型機、ドローンが人間の制御を離れて標的を攻撃した可能性があると報道されています。戦争の様相を一変させるものとして、火薬、核兵器に続く第三の軍事革命と呼ばれ、米国、中国、ロシアなどが開発中とされています。LAWSについて、技術的には既に可能な段階とも言われますが、実戦で使われたとしたら世界初の報告例です。
 自律型致死兵器システム、LAWSの国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加していくことが必要と考えますが、総理の御認識をお聞かせください。
 新しい資本主義の前提は、国民の安全、安心、我が国の国益を守る外交・安全保障ですと、所信で総理は発言されました。しかし、私にはこの御発言の意味が全く分かりません。総理の簡潔な御説明をお願いいたします。
 昨夜、民主主義サミットがオンラインで開催され、総理も出席されたと聞いています。当然、中国の人権問題、五輪の外交的ボイコットに関しても同調圧力が掛かった可能性があります。総理はバイデン大統領にどう答えましたか。仮に、バイデン大統領から同調圧力が掛からなかった場合は、国民の皆様に対して御返答をお願い申し上げます。
 オンラインサミットで会談されたとはいえ、できるだけ早期に訪米して、バイデン大統領と日米関係の強化のためにやはりテータテートで会談することが必要だと思いますが、果たしていつ訪米される予定なのか、準備はできているのか、総理にお尋ねいたします。
 本年九月十六日に中国が、九月二十二日に台湾が相次いでTPP加入申請を行いました。台湾の法制度はTPP協定に整合的であることに加え、TPP加盟国と共通の価値観を有しています。TPP参加には加盟国の了承が必要であり、我が国も重要な役割を持ちます。
 自由主義経済圏を拡大させ、岸田政権肝煎りの経済安全保障の強化を実質化するためにも、中国の参加については慎重に対応すべきである一方、価値観を同じくする台湾の参加は積極的に後押しするべきであると考えますが、総理の見解を伺います。
 日本維新の会は、防衛費のGDP一%枠を撤廃することと同様、ODA予算の拡大が積極的平和外交のために必要であると主張しています。OECDの開発援助委員会、DACでは、加盟二十九か国に国民総所得、GNI比で〇・七%のODA量を確保することを求めていますが、我が国の二〇二〇年度の実績は〇・三一%で、加盟二十九か国中十二位です。国際社会で名誉ある地位を占めたいと思うならばODAをせめてイギリス並みに増やすべきと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 私の経験から、欧米のODAは上から目線のチャリティーという感覚ですが、特にアフリカの方々から感じるのは日本に対する尊敬の念です。対等の立場で接しているという肌感覚を持っているのだと思いますが、これこそが積極的平和外交に必要なインフラだと思います。彼らが知りたいのは、非西洋でありながら日本はいかにして先進国になったかということです。こういう知日派の人を増やすことが、アメリカ、アジア、あっ、アフリカ、アジアにおける将来の人材獲得競争においても有利に働くと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 知日派といえば、タリバン政権になり、いまだ日本政府に救いの手を求めている在アフガン大使館やJICAの現職スタッフがいます。日本政府が国外退避の対象としたのは在アフガン大使館やJICAの現職スタッフとその家族計約五百人と言われていますが、それ以外にもJICAの元スタッフとその家族三百五十人ほどが日本に救出を求めていると言われています。どう対応するのか総理にお尋ねいたしまして、私からの代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 浅田均

speaker_id: 29554

日付: 2021-12-10

院: 参議院

会議名: 本会議