岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員にお答えいたします。
新型コロナの医療提供体制についてお尋ねがありました。
今夏においては、感染が急拡大する中で、一般病床と比べ更なる感染対策や医療従事者の増員を要するコロナ病床の確保が追い付かず、確保していた病床が十分に機能しないといった事態が生じました。
こうした経験を教訓に、先般取りまとめた全体像に基づき、感染力が今夏の二倍となる状況を想定し、公的病院の専用病床化を始め新たな病床の徹底的な確保と個々の病院の病床利用の見える化を図り、確保した病床をしっかり稼働させていきたいと考えています。
オミクロン株への対応についてのお尋ねがありました。
オミクロン株への対応に当たっては、未知のリスクには慎重には慎重に対応すべきと考え、水際対策において、オミクロン株についての情報がある程度明らかになるまでの間、緊急避難的・予防的措置を講じているところです。
オミクロン株については、疫学的な評価を行うに十分な情報がまだ得られておりません。また、年代別の感染症への影響、重篤度、ワクチンや治療薬の効果、既存株に感染した者が再感染するリスクなど未知なことが多く、注視が必要とされています。
国内感染対策においては、新規感染者数が落ち着いている現状において、全ての国内新規感染者についてオミクロン株の検査を行うことで、早期探知に全力を尽くしてまいります。
引き続き、官房長官の下に置いたタスクフォースを中心に、強い危機感を持って、オミクロン株についての情報を集め、状況の把握に努めるとともに、世界の感染状況等を踏まえ、機動的に、かつスピード感を持って必要な対応を行ってまいります。
濃厚接触者への法的な対応についてお尋ねがありました。
濃厚接触者に対して宿泊施設での待機を法律で義務付けることは、個人の行動を直接に制限するものであり、私権の制約の程度が強いことから、憲法上保障されている人権の観点も含め、慎重に検討する必要があるものと考えています。
ワクチン三回目接種及びワクチン接種記録システムについてお尋ねがありました。
新型コロナワクチンの三回目の接種については、本年二月、失礼、本年十二月一日から始めたところであり、完了時期を申し上げる状況にはありませんが、自治体と緊密に連携し、着実な実施に万全を期してまいります。
その際、感染防止に万全を期す観点から、できるだけ早期に既存のワクチンのオミクロン株への効果等を見極めた上で、優先度に応じ、三回目接種の前倒し範囲や方法をお示ししたいと考えています。
さらに、円滑に接種が進むよう、自治体においては大規模接種会場も含め、地域の実情に応じた接種体制を構築していただくとともに、自治体の体制整備を支援してまいりたいと存じます。
また、ワクチン接種記録システムでは、入力された個人の接種記録を市区町村が管理し、国は個人の接種記録を確認することはできない仕組みとなっております。
追加接種の実施に当たっては、引っ越しに伴う接種記録の照会を可能とする、また、接種券の二次元コードを読み取っていただく仕組みにするなど、これまでの課題を踏まえた改善を行っております。
子育て世帯への給付についてお尋ねがありました。
子育て世帯への給付は市町村の自治事務であり、地方自治法に基づく技術的な助言等、一定の国の関与は認められます。
クーポンによる給付は、より直接的、効果的に子供たちを支援することが可能であり、民間事業者の振興や新たな子育てサービスの創出、消費の下支え等につながることも期待されます。
地方自治体の皆様にはこうした政策的意義について御理解をいただく中で、まずはクーポン給付を原則としながらも、地方自治体の実情に応じて現金での対応をも可能とする運用とさせていただきます。
そして、制度設計については、地方自治体の御意見を伺いながら柔軟に対応していきたいと考えます。
そして、補正予算の在り方についてお尋ねがありました。
補正予算は、予算編成後に生じた事由に基づき緊要となった経費の支出や義務に属する経費の不足を補うために編成するものです。
今回の補正予算も、御指摘のあった国土強靱化対策、大学ファンドを含め、先般閣議決定した経済対策に盛り込んだ緊要性の高い政策に対応するために編成したものであります。
長期金利の見通しについてお尋ねがありました。
国債の長期金利は、経済、財政の状況や海外の市場の動向等を背景に市場において決まるものであり、将来の金利動向を見通すことは困難ではありますが、日本銀行による長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で長期金利は低位に安定していると承知をしております。
政府としては、財政の持続可能性への信認が失われないよう経済財政運営を進めてまいります。
なお、現在日銀が行っている国債買入れは、金融政策の目的を達成するため日銀自らの判断で行っているものであり、財政ファイナンスではないと考えております。
特定技能二号の対象分野の追加についてお尋ねがありました。
特定技能二号の対象分野の追加については、法務省が関係省庁とともに慎重に検討を行っているものと承知をしております。
特定技能制度は、制度上、労働力の需給バランスを大きく崩すようなものではなく、特定技能制度が民間企業の賃上げ支援と相矛盾するとは言えないと考えております。
いずれにせよ、我が国の産業、雇用及び国民生活に与える影響に十分に配慮することを求めた改正入管法の附帯決議も踏まえ、特定技能二号の厳格な運用に努めてまいります。
赤字でも賃上げに取り組む企業への支援策の目的についてお尋ねがありました。
赤字でも賃上げを行う中小企業に対して、ものづくり補助金など、補助率を引き上げる特別枠を設けるのは、単なる赤字企業の救済策ではありません。厳しい、失礼、業況が厳しい中にあっても新たな投資を行い、生産性の向上による黒字化と賃上げの両立を目指そうとする中小企業を支援すること、これを目的とするものであります。
規制改革についてお尋ねがありました。
旅客自動車運送分野におけるサービスについては、配送アプリ等を通じて旅客同士をマッチングし、タクシーに相乗りさせて運送するサービスを認める新たな制度を導入いたしました。安全、安心の確保を最重要の課題としつつ、利便性向上に取り組んでまいります。
通信インフラについては、海底ケーブルで日本を周回するデジタル田園都市スーパーハイウエーなど、デジタル基盤を整備してまいります。
未利用となっているVHF帯域については、現在、通信用途を含めて有効に利用できる方策を検討しており、来年夏をめどに方向性の取りまとめを行ってまいります。
電波オークションについては、諸外国の周波数割当て方式について調査を進め、新たな携帯電話用周波数の割当ての在り方を検討しており、来年夏をめどに取りまとめを行ってまいります。
容量市場と脱炭素社会の実現に向けた取組についてお尋ねがありました。
容量市場は、自由化された電力市場において、安定供給に必要な電源を維持する費用を小売電気事業者が公平に負担する仕組みです。
容量市場を適切に運用することにより、電力自由化を進めつつ電力の安定供給を確保してまいります。
また、再生可能エネルギーの最大限導入に向けて、太陽光や洋上風力の導入拡大、系統運用ルールの見直し、送電設備の整備に取り組むなどの施策を動員してまいります。
また、原子力については、将来の選択肢の一つとして、小型モジュール炉を始め更なる安全性の向上につながる技術の開発など、今後を見据えた取組を着実に進めてまいります。
企業の農地所有や米の先物取引の本上場不認可処分についてお尋ねがありました。
企業の農地所有については、農業関係者による決定権を確保し、農業からの撤退や不適正利用などの農業現場の不安を払拭した上で可能としているほか、企業がリース方式で農業に参入することは自由化されています。
デジタル技術の実装を通じた農業のスマート化の推進に当たっても、農地バンクを活用し、リース方式による農地の集積、集約を進めてまいります。
また、お尋ねの米の先物取引に関する不認可処分は、農林水産省が商品先物取引法に定める認可基準に照らして判断したものと承知をしています。今後とも、農林水産大臣が商品先物取引法に基づいて適切に対応するものであると考えております。
自律型致死兵器システム、LAWSについてお尋ねがありました。
自律型致死兵器システム、LAWSをめぐっては、各国の立場に引き続き隔たりがあるため、主要国が参加する形で粘り強く議論を継続することが重要です。
我が国としては、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論が行われるように、引き続き国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加してまいります。
そして、私の所信表明演説における外交・安全保障部分の表現の趣旨についてお尋ねがありました。
私の所信表明演説における御指摘の部分は、我が国を取り巻く環境が急速に厳しさを増す中で、未来を開く、未来を切り開く新しい資本主義を実現していくためには、国民の安全と安心、我が国の国益を守り抜く外交・安全保障政策、これをしっかりと進めていかなければならない、こういった趣旨を述べたものであります。
日本の人権外交や訪米の時期についてお尋ねがありました。
昨日私が出席した米国主催の民主主義のためのサミットにおいては、バイデン大統領から御指摘のような発言はありませんでした。
私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しております。我が国としては、こうした普遍的価値が中国においても保障されることが重要であると考えており、私自身も習主席と十月に首脳電話会談を行いましたが、その際に、香港、新疆ウイグルについて直接提起をさせていただきました。
深刻な人権侵害について、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携してしっかりと声を上げてまいります。
北京冬季大会への日本政府の対応については、適切な時期に、オリンピック・パラリンピックの趣旨、精神や外交上の観点等、諸般の事情を総合的に勘案し、そして、何よりも我が国の国益に照らして自ら判断をしてまいりたいと思います。
そして、バイデン大統領とはできるだけ早期に訪米して会談を行いたいと考え、現在調整を行っています。インド太平洋地域、国際社会の平和と繁栄の基盤である日米同盟の抑止力、対処力、一層強化してまいります。
中国及び台湾によるTPPへの加入申請についてお尋ねがありました。
中国については、貿易慣行に関して様々な意見があり、TPP11の高いレベルを完全に満たす用意ができているのか、まずはこれをしっかりと見極める必要があると考えます。
台湾についても、同様にしっかりと見極める必要がありますが、我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナーである台湾は、加入申請に向けて様々な取組を公にしてきており、我が国としても台湾による申請を歓迎しております。
我が国としては、戦略的な観点や国民の理解も踏まえてTPPの議論を主導し、自由で公正な経済秩序づくりに積極的な役割を果たしてまいります。
そして、ODAのこの量の確保と、そして知的、失礼、知日派人材獲得についてお尋ねがありました。
まず、我が国のこの厳しい財政状況の中でGNI比〇・七%をすぐに達成する見通しを示すことは困難ですが、政府全体のODA予算は六年連続で増額となっています。
ODAは我が国外交にとって重要な政策ツールであり、引き続き、ODAの戦略的活用を通じた国際貢献を行ってまいりたいと思います。
知日派人材獲得については、日本で活躍してもらうための環境づくりとして重要であると考えます。
政府としても、ODAによる人づくり支援や日本語教育を通じた親日派、知日派の育成に取り組んでまいります。
アフガニスタンからの出国支援についてお尋ねがありました。
アフガニスタンの情勢悪化後、政府として様々な外交努力を継続してきており、現在までに我が国の支援を受けて四百三十一名の日本関係のアフガニスタン人が本邦に到着をしています。
政府としては、現地職員等をできる限り支援することは当然です。引き続き、緊密に連携しながら、タリバーンとの交渉を含む外交努力等を通じ、アフガニスタンに滞在する邦人及び現地職員等の安全確保や必要な出国支援に取り組んでまいります。
また、現地職員等以外のアフガニスタン人についても、個別の事情を踏まえ、必要に応じて支援を行ってきており、今後もきめ細やかに対応してまいります。
以上です。(拍手)
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