岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 青木愛議員の御質問にお答えいたします。
私の理念やビジョンについて、まずお尋ねがありました。
新型コロナを乗り越えた先に、新自由主義的な考えによって生まれた弊害を是正しながら、更に力強く成長するため、成長も分配も実現し、幅広く国民の所得を引き上げ、国民が豊かさを実感できる新しい資本主義を実現していく、この私の思いや目指すべき経済社会像の姿、これは何ら変わりはないと思っております。
その上で、賃上げ税制や金融所得課税などの分配政策を進めていくためには、順番がまず大事であると考えています。政策の優先順位、これを付けながら、しっかりと具体化していくことで、コロナ後の新たな時代を私自身が先頭に立って切り開いていきたいと考えています。
なお、森友学園を始めとする問題につきましては、今後も政治の立場から、必要に応じてしっかり説明をしていきたいと考えます。
そして、子育て世帯への給付についてお尋ねがありました。
子育て世帯への給付は、新型コロナが長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から、ゼロ歳から高校三年生までの子供たちに一人当たり十万円相当の給付を行うものとしたものであります。
所得制限を設けた場合でも、給付を行う必要性の高い子育て世帯に対して幅広く支援を行うことができると考えております。
こうした取組を通じて子ども・子育て支援を推進し、少子化の克服と子供を産み育てやすい社会の実現、しっかり目指してまいりたいと考えます。
また、これまでの新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
この新型コロナウイルスにつきましては、当初、十分実態が明らかでなかった中で、危機に対し、国民の命と暮らしを守り抜くために、このことを最優先にできる限りの手を講じてきた、こうした取組が続いてきました。
御指摘の検査についても、その後、必要とする方が確実に検査を受けられるよう、検査機関への支援等により充実が図られたところであります。そして、次の感染拡大に備え、強化された検査体制を活用し、無料検査を拡充してまいりたいと思います。
足下では、これまでの対策や国民の皆さんの協力の結果、G7諸国で最高のワクチン接種率を実現したほか、倒産件数や失業率も低水準で維持されています。
また、新型コロナワクチンの接種に対しては政府一体として取り組んでいるところであり、三回目の接種の前倒しについては、感染防止に万全を期す観点から、できるだけ早期に既存のワクチンのオミクロン株への効果等を見極めた上で、ワクチンの供給状況も考慮しながら、優先度に応じ、前倒しの範囲や方法をお示ししたいと考えております。
また、公立・公的医療機関の再編、そして統合等についてお尋ねがありました。
公立・公的病院の在り方については、病床の削減あるいは統廃合ありきではなく、地域の事情を十分に踏まえつつ、地方自治体等と連携して検討を進めてまいります。
また、保健所については、住民に身近な保健サービスの市町村への移譲や保健所の機能強化を図るため、施設設備の拡充を図りつつ集約化が進んだものと認識をしております。
その上で、今般の新型コロナの危機において、最悪の事態を想定して、必要な医療提供体制を確保するとともに、感染症対応業務に従事する保健師の増員などを図っているところであります。
そして、災害時における船舶の活用についてお尋ねがありました。
災害時において、支援物資や災害派遣隊の人員、車両などの輸送、被災者の入浴、休憩等に船舶を活用してきております。
このため、地方自治体による船舶活用マニュアルの策定や、地方自治体と海運業界団体との輸送支援協定の締結を促すなど、災害時の円滑な船舶の活用に向けた取組を進めているところです。
また、災害時等に船舶を活用した医療の提供が可能になるよう、災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備推進に関する法律の施行に向け、政府一体となって準備に取り組んでいるところ、取り組んでまいります。
そして、COP26での合意への我が国の対応についてお尋ねがありました。
我が国として、こうした石炭火力等の課題について我が国の取組を進めているところであります。石炭火力については、非効率的石炭火力のフェードアウト、これをまず着実に進め、また、輸出支援については、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電に対して、政府による新規の国際的な直接支援を年内に終了いたします。
そして、自動車については、二〇三五年までに乗用車の新車販売で電動車一〇〇%を実現いたします。
このように、我が国としても、グローバルに見ても高い目標をコミットしているところであります。
二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、更に化石燃料への依存を減らし、水素、アンモニア、CCUSや原子力などの技術を活用して脱炭素化を進めてまいります。自動車についても、電力や脱炭素化や合成燃料の活用、こうしたものを進めてまいりたいと思います。
また、気候変動に関する若い方々の声についてお尋ねがありました。
御指摘の日本の若い方々からの手紙については、後日、私自身手紙を受け取りまして、そして私自身、読ませていただきました。手紙については、気候変動問題についての若い世代の方々の、自分、それぞれの立場において強い危機感を感じておられる、そうした切実な内容であったと受け止めております。
私自身、世界共通の課題である気候変動問題への対処に当たっては、若い世代を含めた幅広い関係者の参画が重要であるということは強く認識をしております。引き続き、様々な声に耳を傾けつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
そして、住宅の省エネ性能向上などに関する目標引上げや支援についてお尋ねがありました。
第六次エネルギー基本計画では、二〇三〇年度以降に新築される住宅について、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとして規定される水準の省エネ性能確保や、戸建て住宅の六割に太陽光発電設備を設置する目標を掲げており、その推進に努めてまいります。
また、建材の省エネ性能の向上を促す建材トップランナー基準の見直しや、中小工務店や住宅購買者への支援などにより、省エネ性能に優れた建材、そして工法の開発、普及に取り組んでまいります。
そして、非正規雇用の現状についてお尋ねがありました。
非正規雇用労働者の待遇改善については、同一労働同一賃金の導入など、必要な制度整備を行ってきたところであり、労働局による助言、指導等により、法の履行確保、これをしっかり図ってまいりたいと思います。
加えて、今回の経済対策において、人への投資を積極化させるため、三年間で四千億円規模の施策パッケージを創設をいたしました。
分配戦略を強化し、様々な政策を通じて、非正規雇用労働者の待遇改善と正社員化を推進し、男女とも希望どおり働ける社会、これをつくり上げていきたいと思います。
そして、非正規雇用労働者の生活安定と経済の好循環についてお尋ねがありました。
今回の経済対策には、新しい資本主義を起動させるための成長戦略と分配戦略を盛り込みました。
起動した好循環の流れを更に大きく加速していくための鍵は、日本の未来を担う若者世代、子育て家庭であると考えています。ここにターゲットを置いて、同一労働同一賃金の徹底、学び直しや職業訓練、仕事と子育ての両立支援等の取組を強化し、非正規雇用の方を含め、男女とも希望どおり働ける社会づくりを推進していくことで、その所得を大幅に引き上げ、成長と分配の好循環を実現していくことを目指してまいります。
エッセンシャルワーカーの待遇改善や人員確保についてお尋ねがありました。
エッセンシャルワーカーの方々の処遇改善と人員確保、人材確保は重要な課題であると認識をしております。
このため、今般、新しい資本主義を起動するための分配戦略の柱の一つとして、まずは、国が率先して、介護、保育、幼児教育の現場で働く方や地域で新型コロナ医療対応などを行う医療機関で勤務する看護職の方々の給与引上げを行ってまいります。
その後の更なる引上げについては、安定財源の確保と併せた道筋を含めて、公的価格評価検討委員会において議論をしてまいります。
このほか、公共交通、物流については、デジタルトランスフォーメーションの推進、長時間労働の是正、トラックの標準的な運賃の周知、浸透を進め、公共交通、物流の従事者の労働単価、そして労働条件の改善を図ってまいります。
そして、ダマリー国内避難民特別報告者の訪日受入れについてお尋ねがありました。
同特別報告者の訪日受入れについては、新型コロナウイルス感染症の流行状況も見つつ、関係府省庁において検討を行っているところであると報告を受けております。
東日本大震災の避難民の数は十年前より大きく減少はしておりますが、現在もなお避難されている方々は避難生活の長期化により状況が多様化しており、それぞれの状況に応じた丁寧な支援を行っていかなければならないと考えております。
また、大学ファンドについてお尋ねがありました。
米国や中国が国策として科学技術関係予算を増やす中、相対的に我が国の研究力のプレゼンスは低下してきております。大学ファンドは、実質三%程度の運用を行い、その果実により若手研究者の育成や世界と伍する研究大学の支援を行ってまいります。
本目標は、金融、経済等の専門家による議論を経て決定したものであり、長期、国際分散投資を通じ国内外の成長を取り込むことにより、長期的には達成可能であると考えております。
また、大学ファンドによる支援については、世界と伍する研究大学の持続的成長の実現を目指しており、長期的な視野で基礎研究にも支援が十分行き届くよう努めていきたいと考えております。
また、バイオミメティクスについてお尋ねがありました。
科学技術立国の実現は岸田政権の成長戦略の重要な柱であり、政府として、分野ごとの戦略を策定し、産官学を挙げた取組を推進しています。バイオミメティクスに関しても同様に重点領域の一つと位置付けており、引き続き、しっかりと研究開発などに取り組んでまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕