石井苗子の発言 (本会議)
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○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
会派を代表して、令和三年度一般会計補正予算(第1号)の外一案について、反対の立場から討論いたします。
討論に入る前に、政府に一言申し上げたいことがあります。
新型コロナウイルスの闘いは三年目に入ろうとしています。ワクチン接種等の対策が奏効し、コロナ対策と社会経済活動の両立が新たな局面に入ろうとしたやさきに、オミクロン株が日本にも上陸しました。感染第六波が到来するという懸念は拭えません。ワクチンの三回目接種を円滑に進めること、水際対策の徹底、医療提供体制の強化を、早急に万全の体制を整え、抜かりなく取り組んでいただくよう、ここで改めて政府に強く求めておきます。
それでは、本補正予算に反対する理由を述べさせていただきます。
まず、追加歳出額が約三十六兆円という本補正予算案は、過去最大という規模ばかりが先行され、肝腎の中身の質が置き去りにされているように感じております。本来、補正予算は、財政法で、当初予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費に限って認められるものです。しかし、近年では、査定が甘くなりがちな補正を抜け穴として、予算を膨らませることが当たり前のようになっています。こうしたあしき前例主義は打破するべきではないでしょうか。
本補正予算案も例外ではありません。コロナ対策や経済対策の名の下で、効果が不透明な施策や緊急に手当てする必要が乏しい事業などが、まるで火事場泥棒的に盛り込まれています。しかも、相変わらずその財源として二十二兆円もの巨額な借金を国民の皆様に背負わせることで、大風呂敷を広げていると感じております。このような予算案の編成が本当に国民のためになるとは到底思えません。
内容の質が悪かった最たる例が、現金とクーポンをめぐって迷走した十八歳以下への十万円相当の給付です。今、本当に支援すべきはコロナ禍で経済的に困窮している方々です。今回の給付は、その政策の目的がはっきりしていません。マクロ経済対策なのか、困窮世帯への支援なのか、子育て支援なのか、今もって判然としていません。
今回の給付は、親の収入に九百六十万円という所得制限を設けていながら、全体の約九割の世帯が給付対象となっている。これは単なるばらまき政策のほかならないのではないでしょうか。
さらに悪いことには、当初の計画は十万円を現金とクーポンに半分ずつ分けたために、政府の事務コストが約九百七十億円掛かる上に、ワクチン接種等で忙殺されている地方の自治体に複雑な事務を背負わせ、大混乱を招くことになりました。最終的には自治体の声が尊重され、全額現金という給付が容認されるなど、政府の二転三転する対応に自治体の混乱はいまだに尾を引いております。
政策目的を脇に置いたまま度々変更を行う、言わば朝令暮改を繰り返す政策のどこに妥当性があるのかと考えるわけでございます。二兆円の巨額を投じる施策としては、制度設計が甘過ぎたと言わざるを得ません。政府・与党がさきの衆議院選挙の公約の実現を急ぐ余り、拙速に陥ったと言わざるを得ません。
そもそも、政府がコロナ禍で本当に困窮している人を把握していないことが問題です。把握するシステムも構築してこなかったことも問題だと考えます。
日本維新の会は、国民の所得と資産を把握する上で、取るべきところから取り、手を差し伸べるべき方々にしっかり手を差し伸べることができる、公正な給付と負担を確保するべきだと訴えてまいりました。改めて、マイナンバーと全預貯金口座のひも付けを義務付ける法整備を急ぐよう、政府に強く要請したいと思います。
今実施すべきことは十万円の給付ではなく、消費税減税です。日本維新の会は、今月の十日に、消費税率を二年目安で時限的に五%引き下げる消費税減税法案を衆議院に提出しました。これこそ本補正予算案に対する私たちの対案です。
消費税減税は、消費を喚起するとともに、国民の皆様にあまねく公平かつストレートに恩恵が行き渡ると我々は確信しております。岸田総理はかたくなに消費税減税はしないと表明されていますが、国民の皆様にとって何が一番利益になるのかということをもう一度再考していただくことを私たちは切に求めております。
次に挙げる反対理由ですが、補正予算案に含まれるガソリンの元売業者への補助金です。これは、自由経済の基本である価格の資源配分機能を阻害する要因となり得るんです。原油価格の上昇は石油の希少性が高まっているというシグナルであり、それに従って石油関連製品の消費が抑制することができるのが本来のメカニズムになっています。そこを補助金によって切断されると、効率的な資源配分に支障を来してしまいます。
補助金の対案として、我が党は、今国会に、揮発油税などの税率を一定の上限で時限的に引き下げる、いわゆるトリガー条項の凍結解除法案を国民民主党と共同で提出いたしました。ガソリンや軽油の価格高騰がコロナで冷え込む家計に追い打ちを掛ける中、国民の皆様の暮らしや、飲食そして観光といった産業を支えるために、ガソリンや軽油価格の直接下げるトリガー条項の適用は不可欠であると政府に改めて強く訴えたいと思います。
次に、岸田総理の新しい資本主義について申し上げます。
本補正予算案にある新しい資本主義を起動させるための成長戦略と分配政策の多くは、安倍、菅両政権でも掲げられていた長期的な課題の焼き増しにすぎないのではないでしょうか。成長戦略と位置付けられております施策の規模ですが、八兆円です。財政支出の僅か二割程度です。欧米では、成長戦略の道筋を描くために、環境対策など集中的に資金を投じています。日本は財政支出の規模も小さく、選択と集中のめり張りに欠け、戦略的にも乏しく、我が党としてはとても賛成できる内容ではないと申し上げておきます。
日本維新の会は、人への投資や規制改革を通じ産業の新陳代謝を起こし、労働者の移動を促す施策に重点を置くことで技術開発や生産性の向上につなげていかない限り、日本経済の地盤沈下は食い止めることができないと主張しております。今の政府の成長戦略にはその重要な視点がないことが残念でたまりません。
例えばですが、今回の賃金の値上げ政策にしても、成長を後回しにして分配に走るような政策であり、順序が逆で、本末転倒ではないかと思っております。痛みを伴う構造改革や資源分配の見直しを徹底して行い、経済成長に本腰を入れて取り組まなければ、コロナ後を見据えた成長戦争に入っている世界で日本は取り残されていくばかりにはならないでしょうか。
分配の原資は、成長と改革で生み出すしかありません。政府・与党の皆さんには、この点について肝に銘じてお考え直すように、ここで強く申し上げておきます。
最後になりますが、文書通信交通滞在費、いわゆる文通費の問題に触れさせてください。
この国会ですべきであった文通費の改革が、自民党と一部野党の談合によりもみ消されようとしております。国民の皆さんにはコロナ禍においてさんざん我慢と痛みを強いながら、自分たちの身を正すことには頬かぶりをする、このように見られてしまっては、国民の皆さんを愚弄していると批判されても仕方ありません。