青柳仁士の発言 (経済産業委員会)
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○青柳(仁)委員 ダイナミックマテリアリティーの方を、シングルマテリアリティーではなくて、採用すべきという提言をするのは非常にいいことだと思っております。
ただ、一方で、前回、EUのタクソノミーの議論の中で、最終的に日本のハイブリッド車がグリーンではなくブラウンと分類されたのを見ても分かるとおり、最終的な本当に細かい戦術のところで非常に重要なことが決まるというのがこういった議論の、常にそういう状況だと思いますので、今回も、今の点を申し上げると、公開草案、私も拝見しましたけれども、今、確かにダイナミックマテリアリティーという議論が五つの団体から提言されていて、IFRS財団もそれを受け入れる方向で話をしているというのは聞いています。
ただ、IFRS財団が公開した資料を見れば、彼らは、あくまでシングルマテリアリティーのところまでをISSBと書いてあって、そして、その外のものに関してはビルディングブロックの三段目というような位置づけにしていますから、今のあの段階で、あのIFRS財団の言い方ではどっちにも読めるんです。ダイナミックマテリアリティーを採用するとまではあの言い方では読めないですね。最終的にシングルマテリアリティーになる可能性も極めて高いと私は思っておりますので、そういったところをしっかりと申入れをしていっていただきたいなと思っております。
ちょっとこの点については、また引き続き、大臣の御意見等も別の機会にお伺いしたいと思っておりますが、今日はもう一点ありまして、こうした動きが日本の中小企業に与える影響ということを非常に注視しております。
これらの基準というのは、当然のことながら、大企業が対象になってまいりますが、そしてまた、これが中小企業に適用されることは、ここ何十年かはないだろうというふうに思いますが、一方で、大企業は、サプライチェーンあるいはバリューチェーンでもって社会価値を測られるということが、ほとんど、今、世界のスタンダードになりつつある。これをスタンダードにしているのは、気候変動の中でのTCFDがそういったルールを採用したからだというふうに私は認識しておりますが、そういった中で、これは極めて中小企業にとってはビジネスチャンスでもあり、またリスクでもある。
つまり、大企業はこれから、自らのこういったESG投資資金を呼び込むため、あるいは様々なステークホルダーからの評価を高めるために、気候変動対策を始めとした様々な社会価値に対する取組、それに、社会価値を生み出すような製品、サービスを生み出していくということに注力していくはずです、間違いなく。ですから、その際に、どういった取引先と取引することによってそれが達成されるのかというのは、彼らにとっての、大企業にとっての極めて大きな関心事になりますし、現在もなっておりますけれども、更にその方向性が強まっていくと思います。
ということを逆のサイドから考えると、中小企業にとっては、そうした社会価値を生み出すような、あるいはこういったIFRS財団で議論されているような、サプライチェーンの中で評価されるような取組というものにたけた中小企業は、大企業と取引がしやすくなるということなんです。ですから、たくさんの発注が舞い込む。
これは単に日本国内だけの話ではなくて、これは世界全体でやっている話ですから、日本の中小企業に世界のお金を呼び込む、世界からお客さんを呼び込むためにも、先ほども申し上げましたが、これは四千兆円とかという話ですからね。ですから、非常に大きなお金を呼び込むということにおいては、本当に日本の経済成長の戦略の中核的な要素でもありますし、また、地方創生といったことを考えた場合にも、地場企業を含む中小企業にとっては非常に大きなチャンスになっていく。
このルールができ上がるのは今年内ということですから、ですから来年には本格的に動き出すわけですが、こういった中において、どういったルールが成立されるかということについて非常に重要だと思っています。
そういった認識に基づいて、バリューチェーン、サプライチェーンの評価に関する中小企業に対する経済産業省のこれまでの対応、それから現状認識、問題認識、今後に関する計画、対応方針について教えていただければと思います。