奥野総一郎の発言 (憲法審査会)

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○奥野(総)委員 立憲民主党、奥野総一郎でございます。
 我が国のIT化の遅れが言われています。行政のIT化を促進すべき国会が、実は一番遅れているのではないでしょうか。まず国会が範を示すべきであり、速やかにオンライン審議を導入すべきです。本日、いわゆるオンライン審議について集中討議が行われることを歓迎しますし、このオンライン審議に限って意見を集約するということは歓迎であります。
 オンライン審議は、諸外国で既に実施されています。イギリスやカナダでは、新型コロナ対策として本会議での遠隔審議、投票を可能としました。スペインでは、遠隔投票が妊娠、出産、育児又は重病の場合に以前から認められており、新型コロナ対策が追加されています。本会議でのオンライン審議の有無の確認はできていませんが、ドイツは遠隔審議、投票、フランスは、遠隔審議のみを新型コロナ対策として今回委員会で可能としているようであります。
 我が国では、実現するためにはクリアしなければならない、先ほど御説明いただいたような憲法上の論点があります。憲法改正を行わなくともオンライン審議は可能だとする説が近年では有力であります。第六波はピークを迎えたとの説明がありますけれども、いつ第七波が襲ってくるかもしれません。憲法問題ですから丁寧に、しかし迅速に結論を出す、解釈でオンライン審議を可能とする結論を出す必要があると考えています。
 先ほど御説明があったとおり、主に二つの論点があると思いますが、憲法五十七条の定める会議の公開、これは、例えば本会議場に大型のスクリーンを入れてオンライン出席の議員を映すなど、方法論です、それほどハードルは高いとは思えません。
 そして、もう一点が出席の意義ですが、どのような要件が満たされれば憲法が求める出席と言えるかということですが、有力説を唱えておられる東京大学の宍戸先生や京都大学の大石先生、教授によれば、出席の趣旨は、議員自らが議論をして、その過程を通じて議案に対する賛否の意思を形成し、最終的に自らが表決に参加することであると理解しています。出席の要件として、すなわちオンラインでの表決、そして一定の発言を認めることが必要ではないでしょうか。
 また、憲法五十一条の免責特権もオンライン出席について効果を及ぼす必要があると思います。
 昨年、私は、予算委員会の理事として、コロナ禍で出張ができないので、予算の地方公聴会をオンラインでやってはどうかと提案しましたが、認められませんでした。こうした場合、部外の参考人など、先ほど出頭という言葉もありましたけれども、積極的にオンライン参加をしていただけるようにすべきです。海外からも参加できるようにすべきだと思います。
 一方で、議員の出席については、あくまで、私も原則は物理的出席が望ましいと考えています。どのような場合にオンライン出席を認めていくべきかということですが、全体的な事情、感染症の全国的流行、今回のような場合でありますとか、大災害による交通遮断などは認めるべきではないでしょうか。
 また、それをどこまで広げるかということは、これは有識者の意見を聞く必要があると思います。個別の事情、妊娠、出産、疾病、障害など、こういった場合も認めるべきだとは思いますが、どこまで個別の事情を考慮するかということは検討が必要だと思います。
 以上、憲法上の論点については、オンライン審議について、専門家からの御意見を伺って丁寧に検討を行った上、早急に結論を出す必要があると考えています。
 憲法五十八条二項は、各議院における組織運営など、自主性を確保するための議院自律権を定めています。出席、公開など、憲法上のルールについて、これらのルールについて、議院自律権に基づいて国会が憲法解釈権を持っていると考えられます。
 以前、小泉進次郎議員が産前産後の女性議員の表決確保のため遠隔投票を導入しようとし、検討された際の衆議院規則改正のイメージがあります。
 先ほど紹介があった衆議院規則ですが、表決の際現在しない委員は、表決に加わることができない、ただし、出産のため議場にいることができない議員であって、あらかじめ議院又は議長の許可を得た者は、議長の定めるところにより表決に加わることができるというものです。
 このように、議院自律権に基づき衆議院規則を変えれば、すぐにもオンライン審議が実現できます。
 まず、早急にこの憲法審査会でオンライン審議の憲法上の論点について結論を出して、国会全体として具体的な衆議院規則等の改正作業に移るべきだと考えています。
 最後に、緊急事態について一言触れておきたいと思います。
 岸田総理は、予算委員会で私に、自民党の四項目のたたき台素案、これに基づいて憲法を改正していくべきだと考えると答弁されました。その四項目の一つ、自民党憲法改正草案の緊急事態条項。政府が自ら緊急事態を認定すれば、法律によらず、政令、緊急政令で国民の権利を制限して義務を課すことができる。また、国会の議決なく予算が使えるようになると規定されています。緊急事態の範囲も、武力攻撃、地震、その他法律で定めるとあって、非常に、いかようにでも広げられる、広い範囲であります。
 ドイツのワイマール共和国時代に、緊急事態に財政難などあらゆることを含ませて緊急事態を乱発した結果、ナチスの台頭を招いたというふうに言われていることからも、こうした独裁的な権限を政府に付与すべきではありません。強権的な緊急事態条項、反対であります。
 緊急事態条項で政府に権限を集約するのではなく、例えば事前の立法、例としては災害対策基本法百九条で災害緊急事態の措置がありますが、事前の立法で措置をする。あるいは、緊急時に国会が機能するように一定の措置を担保しておく。これがまさにオンライン審議だと思いますが、原則は、予算にしても立法措置にしても、国会をワークさせることだと思います。オンライン審議は、こうした非常時の国会審議を担保するためにも、是非とも導入しておくべきだと考えます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 奥野総一郎

speaker_id: 32692

日付: 2022-02-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会