新垣邦男の発言 (憲法審査会)

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○新垣委員 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。
 冒頭、本日の審査会開催について一言申し上げたいと思います。
 現在、本院予算委員会で新年度予算案を審議中であります。社民党は、予算委員会審議中の憲法審査会開催という実績づくりと既成事実化には明確に反対をいたします。
 予算委員会では、オミクロン株感染拡大による新型コロナ第六波への対応、コロナ禍で傷んだ日本経済、国民生活をどう立て直すかなど、喫緊の課題が様々な角度から論じられております。これら予算委員会での多岐にわたる議論は、いずれも憲法が保障している国民の権利実現と直結をいたします。国民の関心が目先の暮らし向きや景気の動向にある中、改憲論議に伴う論点整理や手続論は不要不急です。少なくとも新年度予算が成立するまでは、憲法審査会よりも予算案や関連法案の審議を優先すべきだと思います。
 なお、本日の中心テーマとなっている憲法第五十六条第一項の「出席」に関する議題設定は、本審査会の毎週開催の実績づくりを目的とした後づけ的な意味合いが強く、コロナ禍に乗じた改憲論議の促進と軌を一にするものであると指摘せざるを得ません。
 社民党は、国会におけるオンライン審議導入の検討それ自体、否定をしておりません。議会の機能の維持と一層の保障という観点を大事にする立場にあるからこそ、本審査会で結論ありきの解釈確定を急ぐことなく、諸外国の事例も取り上げながら、研究を重ね、先ほど法制局長から説明があったように、衆参両院の議院運営委員会等で議論を尽くすべきだと考えます。
 さて、岸田総理は、去る二月二日の衆議院予算委員会で、自民党改憲四項目は国民にとって極めて現代的な課題だとして、この四項目に基づき憲法を改正していくべきとの考えを示しました。
 しかしながら、自民党改憲四項目は、いずれも改憲せずとも対応可能だと考えます。
 例えば、自然災害や感染症などの非常事態は、東日本大震災や現下の新型コロナ禍への対応で明らかなように、現行憲法下での法整備によって対処できており、緊急事態条項の創設は不要だと思います。
 教育無償化の充実も、授業料の減免や奨学金制度を充実し、憲法第二十六条に定める教育を受ける権利を充実させていく手だてを講じていくことで解決をできます。
 参議院の合区解消も、技術的な問題にすぎず、比例代表制やブロックの区割りなど、制度見直しによって対応可能です。
 結局、政府の本音は、憲法九条への自衛隊明記、すなわち九条改憲にあるとしか思えません。
 私は、戦後七十七年間にわたって、日本が戦争せず、また戦争に巻き込まれることなく今日まで来られたのは、平和憲法の存在が国際社会の信頼を獲得してきたからこそだと強く信じております。同時に、この場に日本国憲法の平和主義を否定する政党会派、国会議員の先生方はお一人としていないとも信じております。それは国民の総意であり、本審査会における総意であると確信をしております。この点について異論があれば、本審査会において大いに議論をし、国民に説明すべきだと思います。
 今から五十年前、私たち沖縄県民は、アメリカの直接軍事支配下からの脱却と日本国憲法の適用を求めて、本土復帰を果たしました。しかし同時に、日米安保条約や日米地位協定も適用され、憲法法体系よりも安保法体系が優先し、憲法に守られているとの実感が得られない日常を今日まで強いられております。
 沖縄県民は、日本国憲法の三原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が保障され、憲法の理念が息づく生活を強く望んでおります。平和のうちに生存したいと心の底から願っております。県民が求めているのは、憲法を書き換えるお試し改憲の実現ではなく、今手にしている平和憲法の理念実現であります。
 私は、安全保障環境の変化や、自然災害や感染症等の非常事態を口実に、政権与党が国民の不安をあおり、国政の場で改憲論議を重ねていくこと、また、憲法九十九条の憲法尊重擁護義務に反する形で、岸田総理が自らの任期中に改憲実現を目指すといった言動を繰り返すことが、戦争放棄をうたった九条改憲を国際社会に想起させ、近隣諸国の不信感を増幅させることにつながるのではないかと大変危惧をしております。
 最後に、国境離島を抱える沖縄で暮らす生活実態に基づく意見として申し上げ、発言を終わります。

発言情報

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発言者: 新垣邦男

speaker_id: 12021

日付: 2022-02-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会