馬場伸幸の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○馬場(伸)委員 日本維新の会の馬場伸幸です。
 私たちは今、世界は戦時下にあると考えています。二年以上続くコロナ禍を何とか乗り越えようと力を合わせ、国民の皆様にも大きな御負担を強いてきた、そのさなかにウクライナ危機が勃発し、原油や小麦といった輸入物価が高騰しています。国連安保理の常任理事国でもある核兵器国ロシアによる侵略は、欧州のみならず、東アジアの秩序、安全保障環境にも大きな影響を与えていくものと考えられます。
 こうした感染症そして戦争から国民の命と健康、生命と財産を守るためには、あらゆる有事イコール緊急事態を想定した憲法規定が不可欠であるにもかかわらず、日本維新の会以外の野党は長年、憲法審査会の開催自体に反対し、与党もそうした万年野党のわがままにおつき合いをしてきたというのが、これまでの憲法審査会の実態でした。
 昨年の総選挙を経て、そうした怠慢は恥ずかしいことなんだという真っ当な認識が広がり、国会の雰囲気も刷新され、この通常国会では、二月十日を皮切りに、四週連続で定例日に憲法審査会を開催することができました。普通なら、ここで関係者の努力に敬意を表すると発言すべきところかもしれませんが、私は定例日開催など当たり前だと思うのです。
 先週の定例日は、オンライン審議に関する成果が出て油断をしてしまったのか、よく分かりませんが、お休みとなってしまいました。国民の皆様に御苦労をおかけしている最中に私たち国会議員がお休みを取るなど、言語道断です。今後は、定例日をスキップすることなく、国民の負託に応えていくために、精力的に審議を重ね、時代に合った憲法を国民の皆様とともに作ってまいりたいと存じます。
 さて、本日は、緊急事態条項の創設について、我が党の意見を申し述べます。
 前回の憲法審査会において、次なる課題は緊急事態時の議員の任期延長について議論すべきだという話がありました。もちろん大切なテーマですが、緊急時に必要なことはそれだけではありません。真っ先に取り組むべきは、コロナ禍で浮き彫りになった、緊急事態における私権の制限と公共の福祉、自粛要請した際の補償問題を明確に憲法で整理することだと考えます。国民の皆さんの暮らしに直結するからです。
 このコロナ禍で繰り返し緊急事態宣言が発出されてきましたが、行政権力による営業等の自粛要請は、半ば強制力を持ちながら、損失の補償に関する議論はなおざりにされてきました。政府見解は、消極目的の規制、警察的な最小限の規制であるから補償は不要というものですが、食中毒を出していない店に、食中毒を出すかもしれないからと営業停止を命じるようなものです。
 憲法二十九条の財産権について、第三項では補償について規定されていますが、現在の解釈の下では、その射程は非常に狭いものとなっています。緊急事態時に公共の福祉の目的のために特別の義務が課される場合は、つまり、国や地方自治体の命令や要請に特別な業種の方のみ従う場合は、単なる協力金にとどまらず、これに対して特別な補償をすべき義務を課することを検討すべきではないでしょうか。
 人流を抑制した場合は基本的人権が最大限考慮されることと並び、財産権の二十九条三項を根拠として特定の業種のみに特別の損失があると認める場合には、単なる協力金ではなく、補償の義務を課することを明記することは、国民のための政治としてあるべき姿であると考えます。
 コロナ禍において、政府は、緊急事態条項を定めず、人流の抑制や特別の業種の休業や時間短縮などを要請と命令という形で行っていました。緊急事態条項の中に国民のために必要なことを書き込み、国民の基本的人権を最大限守ること、補償において国の責務を果たすことは、必要不可欠なことです。緊急事態であるからこそ、様々な制約や国の義務をその中に織り込み、国民と国家を守る憲法であるべきです。
 どのような事態に陥った場合、緊急事態が宣言されるのか、また、宣言の主体は内閣総理大臣なのか内閣なのか、また、国会議員の任期の延長や選挙期日の特例、七条解散の禁止、衆議院解散後に宣言があった場合の議員の地位の一時回復、さらには、宣言が発せられているときには憲法改正をすることができないよう定めるべきではないかなどなど、議論し、定めておかなければならないことは多々あります。
 ウクライナの危機は対岸の火事ではありません。憲法審査会が日々歩みを止めることなく議論を続けていくことが、必ず国を守り、国民に利益をもたらすことを確信しまして、私からの意見表明といたします。

発言情報

speech_id: 120804183X00520220317_006

発言者: 馬場伸幸

speaker_id: 30654

日付: 2022-03-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会