玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)
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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
まず、先週の定例日、特に開催しない理由がないのに憲法審査会が開催されなかったことは遺憾であります。せっかく定例日開催が定着してきたのに、極めて残念であります。定例日の開催を原則とすることを改めて求めたいと思います。
憲法五十六条の「出席」の解釈について、当憲法審査会で議論して結論を得ることができたことは画期的だと思います。しかし、その後の動きが悪いと思います。せっかく森会長から衆議院議長、議運委員長に報告をし、オンライン審議を可能とする規則改正や本会議決議につなげることを提起をされましたけれども、まだ具体的な動きがございません。これは、各党に改めて具体的な規則改正等を推進していただくことをお願いしたいと思います。
また、地方議会の本会議でもオンライン審議を可能とする地方自治法の解釈を明らかにする通達を総務省から出していただきたいと思います。
こうしたことも含め、引き続き、当憲法審査会としてフォローアップをしていくことを会長にも求めたいし、我々としてもしっかりやっていきたいと思います。
なお、ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン国会演説についても、当初、前例がないことを理由に難色が示されたようでありますけれども、私たち国民民主党から衆議院の議院運営委員会で提起をさせていただいたこともあり、ようやく実現のめどが立ってきたと思います。前例踏襲ということは国会において重要な一つのやり方ではありますけれども、ただ、世の中も大きく変わっています。そろそろ、常時オンライン演説等ができるように国会改革を進めていくことも必要だということを付言しておきたいと思います。
今後もこの憲法審査会において、せっかくこうして多くの議員が集まって議論を積み重ねているわけでありますから、具体的な成果を出せる運営を求めていきたいと思います。
今回、問われたのは、いかなる事態の下においても国権の最高機関である国会の機能を止めてはならず、そのための方策を緊急事態の発生前に事前に講じておくべきことが重要だということであります。
今回は解釈でオンライン出席が認められましたけれども、解釈でもなお認められない限界も明らかになりました。つまり、憲法改正が必要な外縁も明らかになったわけでありますから、必要な改正の議論も併せて進めていくことが必要だと思います。
昨夜も大きな地震がありました。想定外のことが多発する時代になっています。前例踏襲ではなく、想定外に備えて準備する姿勢が必要であり、憲法審査会でも、あらゆることを想定した議論を積極的に進めていくべきだと考えます。
その意味で、次に議論が急がれるのは、緊急事態条項についての議論だと思います。
まず、国民民主党の考える緊急事態条項についての基本的な考え方を述べたいと思います。
それは、一言で言うと、緊急事態条項が危ないのではなく、まともな緊急事態条項がない中で、恣意的に権力が行使される余地が残されていることが危険だと考えます。緊急事態条項は危険との印象、またイメージもありますが、それは、憲法の規律性が乏しいことから生じる問題だと考えます。
確かに、一般的な緊急事態条項のイメージは、行政府の簡易迅速な権限行使を可能とする、権限行使容易化条項としての緊急事態条項であります。しかし、私たち国民民主党の考える緊急事態条項は、緊急事態においては、平時よりも強い措置が必要とされる場合もあることも認めつつも、むしろ、公共の福祉など漠たる規定を根拠として、行政府である内閣による権力の濫用や人権侵害の危険性が高まってしまうこと、また、国全体が正気を失いがちになるという歴史の教訓に鑑み、これに対する、立法府である国会や司法府である裁判所による統制を明示する権限統制条項としての緊急事態条項が必要だと考えます。
この権限統制としての、大きく二つのカテゴリーの統制が必要だと考えます。まず一つは、原則、国会の事前承認を求めるなどの手続的統制。二つ目に、絶対に制限してはならない人権制限の限界を明示するなどの内容的規制。この二つのカテゴリーであります。
こうした考え方を前提に、特に急ぐべき論点を二つ申し上げたいと思います。
一つは、そもそも緊急事態とは何か、その定義についての議論を深め、共通の認識を持つことが必要だと思います。
先ほど新藤幹事からもありましたけれども、国民民主党としては、権力の濫用を防止する観点から、ある程度、緊急事態を限定列挙すべきだと考えます。具体的には、まず外国からの武力攻撃、二番目に内乱・テロ、三番目に大規模自然災害、そして四番目に感染症の大規模蔓延であります。それ以外の例外規定を法律で定める必要があるという意見もありますけれども、権力の濫用を抑える観点から、できるだけ限定的に考えるべきだというのが我が党の考え方です。
いずれにしても、何を緊急事態とするのか、ここをしっかりと定めない限り、同床異夢で議論しても仕方がないと思いますので、こうした、まず、緊急事態とは何か、この議論を早急に深めるべきだと考えます。
二つ目は、前回も提案をいたしました、議員任期の特例延長についての議論は特に急ぐべきだと考えます。
任期満了時に正常な選挙ができないような事態に陥った場合に、任期の特例延長の規定を創設しなければなりません。これは、憲法改正でしか任期の延長は認められないからです。この点については、夏に参議院選挙を控えており、早急に議論して結論を得るべき論点だと考えます。
この点に関して、憲法五十四条二項の参議院の緊急集会ということを提案される人もいらっしゃいますが、これは解散時だけでなく任期満了時にも内閣は開催を求めることができるのかどうか、これについては議論が分かれています。まず、この解釈について、本審査会で明らかにしてはいかがでしょうか。
私どもは、文言上、憲法五十四条の二項は、任期満了時には開催を求めることはできず、やはり解散時に限定されると考えるのが当然だと考えます。その意味では、憲法改正が必要との立場に立ちます。この五十四条二項の解釈を確定するための集中審議を求めたい、そのように思います。
これ以外にも、先ほど申し上げた人権制限の限界をどうするのか、人権の本質的内容の絶対的制限禁止など様々な論点がありますので、事の緊要性に鑑み、緊急事態条項に絞った集中的な審議を求めたいと思います。そして、言いっ放しではなく、具体的な結論を得られる審査会の運営を改めてお願いしたいと思います。
前回も最後に申し上げましたが、憲法は飾っておくものではなく、魂を入れて生かすことが必要です。その息吹を吹き込む役割を当憲法審査会が果たすべきであることを改めて申し上げて、私の発言を終わります。