新垣邦男の発言 (憲法審査会)

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○新垣委員 御指名ありがとうございます。立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。
 混迷を極めるウクライナ情勢の一刻も早い停戦合意と平和的な解決を望み、意見を申し上げます。
 国連によると、ロシア軍侵攻で、ウクライナ国外へ避難民が三百万人を超えました。ウクライナでは、今この瞬間も、多くの子供や女性、市民が犠牲になっています。
 国連憲章第二条第三項では、国際紛争を平和的手段によって解決することが求められ、同二条四項では、武力不行使の原則が定められています。ロシア軍の侵攻は、第二次世界大戦後の安全保障の根幹である国連憲章の否定にほかならず、いかなる理由を並べようとも、侵略戦争は許されるものではありません。武力不行使の原則は、国際法の重要な原則です。ロシアに国際法の遵守を要求していくことは、国会に集う全ての政党会派が賛同できるものと認識をしております。
 ところが、今国会では、ロシア軍のウクライナ侵攻に便乗した核共有や敵基地攻撃能力の保有という議論がにわかに盛り上がっております。日本として、ロシアに国際法を守れと主張していくのであれば、国会や憲法審査会は、九条改正の議論ではなく、憲法の理念である武力の行使をやめるよう粘り強く求めていくことに力点を置くべきではないでしょうか。
 昨日、衆議院の憲法審査会の運営等について、憲法学者八十二名による声明が出されました。御承知の方も多いと思います。この声明では、憲法改正の議論をしないことが主権者国民の権利を侵害するとか、憲法制定権力の侵害に当たるといった主張が国会でなされているが、主権者である国民の多くが憲法改正を求めているわけではなく、法を改正しなければ権利、自由が保障されない状況が発生しているわけでもないので、憲法制定権力の侵害等の主張には全く根拠がないと指摘をしております。
 その上で、今の日本で求められているのは、コロナ禍での市民の生存権、憲法二十五条、個人の尊厳、幸福追求権、憲法十三条、教育を受ける権利、憲法二十六条、営業の自由、憲法二十二条、二十九条等の権利、自由の実現を可能にする政治である、政治家たちが全力を尽くすべきはそうしたコロナ対策であると述べられております。
 憲法審査会を開催しないと、あたかも国会や国会議員が仕事をしていないかのような発言がなされていますが、そうではないと思います。今、私たち政治家に求められているのは、憲法改正の議論ではなく、まさに市民の命と暮らしを守るための政治を行うことではないでしょうか。憲法改正の議論を積み上げ、実績づくりを急いでいるような気がしてなりません。
 今国会の憲法審査会では、緊急事態条項との関連で、国会議員の任期延長を主張する政党会派もございます。この問題については、兵庫県弁護士会の会長声明が二〇一八年九月二十八日に出されております。
 その声明には、参議院の通常選挙の実施が困難な場合は、非改選議員が在任しており、参議院の審議、議決に何ら影響を生じないこと、衆議院の解散後の総選挙が困難な場合や、衆議院の解散後の総選挙や参議院の通常選挙日程が重なった場合も、参議院の緊急集会制度、憲法五十四条二項ただし書により国会は対応できること、衆議院の任期満了による総選挙が実施困難となった場合でも、公職選挙法五十七条による繰延べ投票制度を利用すれば議員の選出は可能であるとあります。その上で、任期満了による総選挙の実施困難な事態を回避するのであれば、現在より早期に総選挙を実施することを可能とするために、憲法改正よりも公職選挙法三十一条の改正を検討すべきであると論じられております。
 したがって、大規模な災害があった場合も、現在の憲法や法律の下で十分に対応可能であり、国会議員の任期を特例によって延長する立法事実はないと考えます。
 社民党は、国会議員の任期の問題を考えるのであれば、憲法改正による任期延長ではなく、公職選挙法第三十一条に規定する衆議院任期満了における総選挙の持ち方についての議論を、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会において先決させるべきとの立場であります。そうした検討もなしにいきなり改憲論議に踏み込むことは、明確に反対をしたいと思います。
 緊急事態条項と絡めた国会議員の任期延長についても、憲法審査会での議論は不要不急だと強く申し上げ、意見発表を終わります。

発言情報

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発言者: 新垣邦男

speaker_id: 12021

日付: 2022-03-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会