谷田川元の発言 (憲法審査会)

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○谷田川委員 立憲民主党の谷田川元です。どうぞよろしくお願いいたします。
 国会機能を維持するという観点から、オンライン国会の議論が進んだことはよかったと思います。しかし、一方で、時の内閣による恣意的判断で衆議院が解散され、国会機能が停止されてきたという事実には向き合わなくてはなりません。
 憲法の前文に、日本国民は正当に選挙された国会における代表を通じて行動しとありますが、過去三回の衆議院選挙は、正当に選挙されたとは必ずしも言えないのではないかと私は思っております。
 二〇一四年、二〇一七年の安倍総理による解散は、それぞれ、アベノミクス解散、危機突破解散と安倍総理自身が名づけましたが、どう見ても、野党の準備が整わないうちに選挙をしかけようとの下心があったと思われます。まさに、安倍総理による二回の解散は、今やれば勝てる解散であったと断じざるを得ません。
 二〇一四年の解散の際に、安倍総理は、消費税率引上げを一年半延ばすから国民に信を問うと述べましたが、民主党政権下、社会保障と税の一体改革がなされました。民主、自民、公明の三党合意で法案が成立しましたが、あのときの精神は、消費税の引上げは政争の具にしないということでした。少なくとも、衆議院の解散を決断する前に、当時の民主党の海江田代表あるいは野田前総理に、消費税引上げ延期について事前に相談するのが筋です。しかし、残念ながらそれはなかった。そのことを野田氏が四年ほど前の財務金融委員会で安倍総理に追及すると、選挙の争点にはしたが政争の具にはしていないと、支離滅裂な答弁をされました。
 また、二〇一七年九月の解散も、野党が憲法五十三条の規定に基づいて臨時国会を開催要求しても、三か月余り国会を召集せず、九月二十八日に召集したと思ったら、何ら審議することなくその日に解散。やっていることがむちゃくちゃです。この解散については、与党議員からも批判の声が上がっております。公明党の桝屋敬悟衆議院議員は、厚労委員会で、今度総理に会ったらもうこんな選挙はやめてと言おうと思う、党の姿勢や訴えを議論し、理解してもらう時間はなかった、選挙戦に向け一月、二月議論していくことは民主主義にとって大事だ、こう非常に真っ当な意見をおっしゃっておられます。
 さらに、昨年の衆議院選挙も、岸田総理に苦言を呈さざるを得ません。衆議院議員の任期満了日は十月二十一日でしたから、公職選挙法の規定に基づき、任期満了日までに選挙を行うべきでした。しかし、菅総理が総裁選不出馬を表明したにもかかわらず、総裁選日程は、九月十七日告示、九月二十九日投票日のまま実施されました。首班指名や組閣に時間を要するため、この時点で任期満了日までの衆議院選は困難となりました。そして、十月十四日に解散、十月三十一日投票日という日程が岸田総理の首班指名前に報道されました。当初、マスコミは、与党国対幹部の話として投票日は十一月七日若しくは十一月十四日となっていたので、日程の前倒しに大きな混乱がもたらされました。特に、地方選挙管理委員会は準備万端とは言えない状況で、投票入場券が告示日までに届かなかったり在外投票が間に合わなかったりと、多くの問題を残しました。これも、少しでも早い方が与党に有利に働くとの判断があったと言わざるを得ません。
 そこで、まず、恣意的な選挙を行うことを地方自治体においては既に制限していることを指摘したいと思います。
 昭和二十六年四月の第二回統一地方選挙から昭和三十年四月の第三回統一地方選挙までの間、実に十七人の知事が途中辞職し、その後の選挙に立候補しています。そのほとんどが、前倒しで選挙をやれば自分に有利との判断で辞職しています。
 これについて、現在の総務省の前身である自治庁が次のように述べています。知事という有利な立場を更に有利にするため、抜き打ち的な選挙を行えば、それは選挙の公正を害することとなり、ひいては住民の真の意思が選挙の結果に表れてこない、このように痛烈に批判しているんです。
 こうした状況を受けて、昭和三十一年の法改正で、途中辞職後の選挙の立候補は禁止となりました。これでは厳し過ぎるとの意見があり、昭和三十七年の法改正で、首長が自らの都合で辞職し、その出直し選挙に出た場合、当選しても当初の残りの任期しかできないという規定になりました。
 二〇〇〇年に地方分権一括法が施行され、それまでは国と地方の上下関係が存在しましたが、今や国と地方は対等なはずです。知事や市町村長に恣意的な選挙日程を設定させないようにしている一方で、そのお手本となるべき総理大臣が何らおとがめなしというのは、不公平と言わざるを得ません。
 英国のような任期固定法を制定するか、それが憲法上問題があるというなら、衆議院の解散を制限する憲法改正を優先的に行うべきと考えます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 谷田川元

speaker_id: 21282

日付: 2022-03-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会