北神圭朗の発言 (憲法審査会)
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○北神委員 有志の会の北神圭朗です。
本日は、議員の任期延長について、前回の自分の問題提起に対して自分の答えを出していきたいと、自問自答をしてまいりたいというふうに思っています。
繰り返しになりますけれども、議員任期の延長は、あくまで例外的な措置として捉えるべきです。緊急事態発生後、繰延べ投票や緊急集会で対応できない場合に限って、国会の立法並びに行政監視機能を維持するための制度となります。したがって、具体的に何をもって緊急事態とするのか、緊急事態宣言の要件並びに手続は厳格なものにする必要があると思います。
まず、要件、これは緊急事態の範囲というふうにも言われますが、これについては、前回既に御提案申し上げました。ほかの会派の皆さんの御意見を拝聴していますと、一部を除き、おおむね一致を見ているというふうに思われます。四つの項目ですね。大規模災害、全国的感染症、テロ・内乱、そして戦争。
つけ加えるとするならば、この緊急事態の範囲、要件は、議員の任期延長だけでなく、ほかに結論を得なければいけない論点、例えば、内閣への権限集中とか人権制限などにも包括的に係っていくべきものだというふうに考えます。
憲法か法律かと新藤委員さんからも話がありましたが、法律で規定する場合は柔軟に、今回想定できないような、際限なく想定しては駄目だと思いますけれども、合理的な範囲内で想定できるようなものが新たにできた場合には柔軟に規定することができますが、先ほど申し上げたように、厳格な規定にするのであれば、憲法に規定をして、四つの項目、それに相当する事態みたいな感じで書けばいいのではないかというふうに思います。
他方、手続の面では、緊急事態の発生が任期満了の場合、それから解散後の場合、任期満了後の場合と、三通りに分けて論じる必要があると思います。解散前という場合も想定できますが、よもや、甚大な緊急事態のときに総理大臣が解散するというようなことは多分ないだろうというふうに思いますので、割愛したいと思います。
まず、任期満了前に発生した場合は、国会議員の三分の二の多数決を提案します。
これに対して、内閣が決めるべきだという考え方もあり得るというふうに思います。確かに、憲法第五十四条二項において、「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」と規定されています。現行憲法が唯一用意している緊急事態発動の主体が明確に内閣になっているわけでありますが、我々としては、三権分立の中で内閣と国会との均衡を重視する観点から、また、国会の行政監視機能等を維持するという任期延長の趣旨からして、可能な限り国会で決めるのが望ましいというふうに考えます。
新藤委員から、内閣の方が機動的に動けるというお話がありましたが、我が国は議院内閣制を採用していますので、総理大臣は内閣のトップであると同時に国会の方の最大会派のトップでもありますし、情報も常に行き交いしていますので、その点、国会で、少なくとも緊急事態宣言を決めること自体については、そんなに対応が遅くなるというふうに思いませんので、そのように考えております。
次に、解散後に緊急事態が発生した場合、緊急集会を開くことが可能ですので、その緊急集会における三分の二の多数決により任期延長を決めることを提案します。
任期満了後の場合については、参議院の三分の二の多数決により決めることを提案します。
これらの事例においては、任期が切れている議員が対象になりますので、次の選挙により議員が選ばれるまでの間は、職務執行を継続する形を取るということが適当だというふうに思います。
これは、議員の任期延長の目的をあらゆる場合において整合的に確保するためにはやむを得ないというふうに考えます。例えば、任期が切れる前に緊急事態が発生した場合は任期延長で対応するけれども、任期満了後の場合は緊急集会で十分だという、ややいびつな結論になってしまいます。
また、前回指摘したように、第五十四条の規定では、緊急集会は、衆議院の解散中の時点から始まり、新たな国会開会後十日以内の間に効力を失うことを前提としています。長期にわたる緊急事態には対応できません。
さらに、議員の任期延長は、例えば一年以内、あるいは緊急事態宣言が終了したと認められる期間と、期限を切るべきだというふうに考えます。というのも、この間は、やむを得ないといえども、主権者たる国民が自分たちの代表を選べないという異例な状態が続きますので、明文をもってこれに一定の制約を課すべきだというふうに思います。
以上、あくまで我々有志の会の素案をお示ししましたが、今後については、本日の議論の行く末などを見極めながら、これまで表明された意見を選択肢として盛り込んだたたき台を事務局に作成していただき、これに基づいて審議した方が有益じゃないかと会長に御提案申し上げます。
緊急条項の基本的な考え方は、危機管理の対応を円滑ならしめることだけでなく、この対応がぎりぎり立憲主義並びに民主的な統制にのっとってなされる義務を内閣に課すことです。議員の任期延長は、どのような事態になっても、できるだけ主権者である国民を代表する国会の立法並びに行政監視機能を維持するための制度として捉えるべきだと思います。
ということは、オンライン審議の解釈拡大が認められ、この制度が創設されることになれば、国難といえども、内閣が超法規的な行為に及ぶ可能性をかなり低くすることにつながります。その意味で、思想的にかなり左の方に位置づけられる私や野党の一部などは、権力側にある与党以上にこれを強く求めるのが自然だと愚考しますので、必ずや結論を得られると確信いたします。
以上です。