下村博文の発言 (憲法審査会)

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○下村委員 発言の機会、感謝いたします。
 比較憲法学者の西修先生の調査によれば、一九九〇年以降、百四か国で新たに憲法が制定されましたが、百四か国全ての国で何らかの緊急事態条項が規定されているということが明らかになっています。
 しかし、日本の場合は、憲法に規定される緊急対応は参議院の緊急集会のみでありまして、大災害や感染症に対する観点ということから不十分であります。
 一般的に緊急事態条項には、戦争、内乱・テロ、大災害が想定されております。自民党がまとめたイメージ案では大災害に限定をしておりましたが、何人かの方々が御発言を既にされているように、ウクライナ問題等を考えると、外国からの武力攻撃を受けた場合の緊急対応や、あるいは、新型コロナウイルス感染症が蔓延した中で、このような感染症対策に対してどうするかということをしっかりと議論をしていかなければならないのではないかと思います。
 先ほど柴山議員も言及されましたが、一部反対意見として、ナチス・ドイツの全権委任法とよく混合、意図的に混合されているのかもしれませんが、意見がありますが、緊急時において、国会が機能していないときに、あらかじめ定めた法律に基づき一時的に政府に立法権の一部を委ねるというものであり、一般的に立法権を政府に与えるというような全権委任法とは全く違うわけでございます。
 さらに、このようなことを検討するに当たっては、今後、日本を取り巻く環境が更に厳しくなるかもしれないという状況があるからであります。今後三十年以内で、南海トラフ地震、首都直下型地震、あるいは千島海溝、日本海溝地震等、それぞれ発生確率が七〇%から八〇%と予想されており、東日本大震災以上の大きな地震、津波災害が起きる可能性があると専門家が発言をしております。
 東日本の例によっても、この大震災以降、国会では関連法が七十一件、政令は百五十九件成立をしております。このようなことを考えると、首都圏を震源とした大規模地震が発生することを仮定した議論をしていくことは当然必要なことであるというふうに思います。
 特に、今回、この憲法審において緊急時におけるオンライン審議が提案された、憲法五十六条の解釈において適切な判断であったというふうに思います。
 憲法に緊急事態条項がない、これを放置するということは、私は、政治の不作為ということになるのではないかと思います。緊急事態条項は、緊急時においても立憲主義を貫いていこうとするものであり、法の支配を緊急時にも機能させようとするものであります。憲法に緊急時を想定した規定を設けることで、想定外の範囲を可能な限り少なくすることができる。超法規的措置による緊急事態対応が、もしできていなければ行われてしまうということになったとしたら、法治国家としての立憲主義の原則が崩壊してしまうことになってしまいます。
 先ほど、新藤幹事から、今後の憲法審について、進め方についての提案がありました。また、ほかの委員からもありました。
 この週一回の平場の議論だけでは、それぞれいろいろな立場の人がおられるでしょうけれども、しかし、深掘り議論はやはりできない、いつまでも繰り返しの議論、意見表明だけで終わってしまうのではないかということを私自身も危惧をしております。
 この平場だけでなく、例えばテーマ別に行う、国民投票法等も含めてテーマ別に行う、あるいは幹事懇等を活用するという多様な形の中で、是非、今国会において深掘りな議論をしながら、そして、オンライン審議の提案とともに、憲法審としても、議論だけでなく具体的なそれぞれの提案ができるような今後の憲法審の在り方について、幹事会で議論をして、進めていただきたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 下村博文

speaker_id: 34381

日付: 2022-03-24

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会